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アクアポニックスのルッコラと春菊|涼しくなってから播く。直播きは間引き、色が薄ければ間引き→鉄の2段

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白い栽培パネルに小さな苗が並んでいる アクアポニックス

朝が涼しくなった。夏に空芯菜を穫っていたアクアポニックスの栽培槽が、そろそろ空く。次に何を播くか、袋を前にして決めかねている。

「育てやすい野菜◯選」にはルッコラも春菊も載っています。ただ、いつ播くのか、直播きしていいのか、色が薄くなったら何を見るのかは、一覧には書いていない。

私の設備で秋に播いているのは、ルッコラと春菊です。この記事は、その2つを播いてから穫るまでに、私が見たことを順番に書きます。

この記事の結論(要点)
  • 播くのは、朝が涼しくなってから。寒くなる前。日付でなく気温で。
  • 直播きなら、間引きが前提。私の設備でも直播きした分は間引いた。抜かずに切る。
  • 色が薄いならまず間引き、戻らなければ鉄。私の設備でも鉄などの栄養不足が出た。
  • 穫るのは外葉から。花芽は摘む。
  • 夏に播く・実ものと同じ槽・魚が少ないのに多く播く、は向かない。迷ったら、播く量を半分に。
白い栽培パネルに小さな苗が並んでいる
播くのは、朝が涼しくなってから。日付ではなく気温で。

アクアポニックスのルッコラと春菊は、涼しくなってから播く

答えを先に書きます。播くのは、朝が涼しくなってから。私の設備でも、涼しくなってから種を播いています。

理由は、どちらも涼しい季節の葉物だからです。夏の水温は22℃で線を引きますが、暑いうちに播くと、発芽しても徒長するか、とう立ちして葉が硬くなります。春菊はとくに、暑いと苦みが強く出る。

逆に、冬に入ってからでは遅い。秋から始める記事に書いたとおり、播く締切は冬です。寒くなるほど発芽も成長も遅くなるので、穫る前に止まります。

だから、播き時は「涼しくなってから、寒くなる前」。関西の平地なら9月の終わりから10月。朝の気温で決めて、日付では決めない。

ルッコラと春菊、それぞれの癖|同じ秋の葉物でも、違うところ

2つを同じ槽に播くことが多いので、違いだけ押さえておきます。

ルッコラ。発芽が早く、播いてから穫れるまでが短い。葉に辛みがあり、大きくなるほど、そして花が近づくほど辛くなる。小さいうちから穫りはじめて、大きくしすぎない。サラダで生のまま食べる葉なので、穫る前の数日は水の汚れに気をつける。

春菊。ルッコラより発芽が少し遅く、伸びるのもゆっくり。茎の先を摘むと、脇から枝が出て、株が横に広がります。摘まずに伸ばすと1本で上に行って、穫れる葉が少ない。鍋の季節に合わせるなら、秋のうちに1回摘んでおく。

どちらも、暑さに弱く、涼しさに強い。夏に空芯菜を穫っていた槽を、秋にこの2つに切り替えるのは、季節と野菜の癖が合っているからです。

播く量は、ルッコラのほうが少なくていい。発芽率が高く、株がすぐ大きくなるので、春菊と同じ感覚で播くと、ルッコラだけ込み合います。

アクアポニックスのルッコラと春菊を播いてから穫るまでの手順の図。涼しくなってから播く、直播きなら葉が触れ合う前に間引く、色が薄いならまず間引きで戻らなければ鉄、外葉から穫って花芽は摘む
私の設備で覚えているのは、涼しくなってから・間引いた・鉄が足りなかった、の3つ。

直播きか、スポンジか|直播きなら、間引きが前提

種の播き方は2つあります。スポンジに播いて苗にしてから植えるか、栽培槽に直接播くか。

私の設備では、メディアベッドに直播きしました。ハイドロボールの上に種を落とすだけなので、手間は一番少ない。ただし、そのあとに間引きが要ります。

直播きの問題は、株が多くなりすぎることです。芽が出そろった時点では小さいので、込み合って見えない。気づくのは葉が触れ合うころで、そのときには全部の株が薄くなっています。私の設備では、直播きした分は間引きました。間引かなければ、全部が小さいまま終わっていたと思います。

間引きは、抜かずに切る。抜くと隣の根を傷めます。残すのは背の低い株。高い株は徒長している側です。

スポンジに播いて苗にしてから植えれば、間引きは要りません。株の間隔を最初から決められる。手間は増えますが、あとで薄くなる心配が減ります。どちらを選ぶかは、播くときの手間と、あとの手間のどちらを取るかです。

種は埋めない|春菊は光が要る

直播きで、もうひとつ間違えやすいのが、種の深さです。

春菊の種は、光が当たらないと発芽しにくい種です。畑でも「土は薄く」と言われるのはそのためで、ハイドロボールの直播きなら、粒の上に落として、埋めない。粒のすき間に落ちて隠れる程度で足ります。深く押し込むと、発芽が揃わない。

ルッコラは春菊ほど光に厳しくありませんが、こちらも深くする理由がない。どちらも、表面に置いて、乾かさない。それだけです。

発芽が揃わないと、あとから出た芽が小さいまま残って、間引きのときにどれを残すか迷います。播くときに深さを揃えておけば、間引きは「背の低い株を残す」の一手で済む。播き方が、あとの手間を決めます。

播いてから芽が出るまで|見るのは水と、播いた場所の湿り

播いたあと、芽が出るまでの数日にやることは少ない。ただ、見る場所は決まっています。

スポンジに播いたなら、水位。水位はスポンジの半分。全部浸けると種が窒息し、乾くと発芽しない。

直播きなら、培地の表面の湿り。ハイドロボールの表面は乾きやすい。種が乾くと発芽が揃わず、あとから出た芽が小さいまま残って、間引きの判断がしにくくなる。芽が出るまでは、表面が乾いていたら霧吹きで湿らせる。

光。芽が出たら、すぐに光に当てる。暗いまま置くと徒長して、茎が細く長くなり、あとで倒れます。屋外なら問題ない。室内なら、播いた日から光の当たる場所へ。

芽が出そろったら、次は間引きです。ここまでが、播いてから1〜2週間の仕事です。

魚の数で、播く量が決まる|メダカの装置は少なく

播く量は、袋の裏ではなく、魚の数で決めます。ここがアクアポニックスと畑の違いです。

養分の出どころは魚の餌だけです。餌の量が決まれば、養える野菜の量も決まる。メダカ数匹の小さな装置なら、葉物は数株が限度。ルッコラの袋を一度に空けると、養分の取り分が足りなくて、全部が薄くなります。

私の設備のメダカの装置で葉が薄くなったのは、まさにこれでした。直播きで株が多すぎて、魚の数に対して野菜が多かった。答えは魚を増やすことではなく、株を減らすこと。メダカは入れられる数に先に上限が来ます。

大きな装置で魚が多いなら、播く量も増やせる。それでも、直播きの間引きは要ります。株が多すぎる失敗は、魚が多くても起きる。

目安は、袋に書いてある量の半分から。足りなければ、あとから播き足せる。多すぎたものは、間引くしかない。

ルッコラと春菊の葉の色が薄いときの見分けの図。株が多すぎるなら直播きで間引いておらず全体が薄く、間引けば戻る。鉄が足りないなら間引いても戻らず新しい葉から白っぽく黄色くなり、二価鉄かキレート鉄を足す
順番は、間引きが先、鉄があと。

色が薄いなら、株が多いか、鉄か

ルッコラも春菊も、うまくいかないときは葉の色に出ます。全体に薄い、黄色っぽい。原因は2つに分かれます。

株が多すぎる。直播きで間引いていないなら、まずこれです。養分の出どころは魚の餌だけで、株が多いほど1株あたりの取り分が減る。私の設備のメダカの装置で葉が薄くなったのも、この理由でした。間引けば戻ります。

鉄が足りない。間引いても色が戻らず、新しい葉から白っぽく黄色くなるなら、鉄です。私の設備でも、ルッコラと春菊で栄養不足が出ました。鉄などです。アクアポニックスでは鉄が切れやすく、魚の餌からはほとんど供給されません。二価鉄かキレート鉄を足す。

順番は、間引きが先、鉄があと。株を減らさずに鉄だけ足しても、取り分が足りないままです。

葉の色は、部屋の照明と同じで、電球(養分)が足りないのか、部屋(株)が多すぎて暗いのか、どちらかです。先に部屋を減らす。

間引いた葉は、捨てない|鉄を足す前に、pHを見る

間引きと鉄について、2つ足しておきます。

間引いた葉は食べる。ルッコラも春菊も、間引き菜がそのままベビーリーフです。小さいうちのルッコラは辛みが穏やかで、春菊は香りが軽い。間引きを「もったいない作業」と思うと手が止まるので、最初の収穫だと思って切る。

鉄を足す前に、pHを見る。鉄は水がアルカリに寄るほど、根が吸えなくなります。アクアポニックスの水は硝化で下がるのが正常ですが、カキ殻を入れすぎていたり、水道水の性質で高めに張り付いていたりすると、鉄が水にあっても葉に届かない。鉄を足しても戻らないときは、量ではなくpHの側です。

順番をまとめると、色が薄い → 間引く → 戻らなければpHを測る → 範囲内なら鉄を足す。3段で足ります。

栽培パネルを持ち上げて、下に垂れた白い根を見ているところ
根が白ければ問題なし。穫るのは外葉から。

穫り方|外葉から。ルッコラは花を咲かせない

穫るときは、株ごと抜かない。外葉から順に穫れば、1株から何度でも穫れます。

ルッコラは、花が咲くと葉が硬くなって辛みが強くなります。花芽が上がってきたら、摘む。春菊も同じで、とう立ちすると苦みが増す。どちらも、葉を穫り続けている間は花が来にくい。

冬に入ると成長が遅くなります。穫れる量は減りますが、株は残ります。冬に止まる理由は屋外と室内で違うので、ハウスか室内なら、少しずつ穫りながら春を待てます。

私の設備では、冬のDWCで穫れているのはリーフレタスとスイスチャードで、ルッコラと春菊はメディアベッドに直播きした分があります。ルッコラも春菊も根が細かいので、培地があるほうが安定しやすい。

向かない場合|夏に播く、実ものと同じ槽に入れる

ルッコラと春菊が向かない場面も書いておきます。

夏に播くのは向きません。暑いと徒長ととう立ちで、葉が穫れる期間が短い。夏は空芯菜のような暑さに強い葉物の側です。

実ものと同じ槽に入れるのも向きません。トマトやきゅうりのような実ものは養分を多く取るので、隣のルッコラの取り分が減る。葉物は葉物同士で。

魚が少ない装置で、直播きで多く播くのは向きません。養分の総量が足りないまま株だけ増えます。魚の数が少ないなら、株も少なく。

どこで見切るか|終わりの判断

線を決めておきます。

私の設備で覚えているのは、涼しくなってから播いたこと、直播きした分は間引いたこと、栄養不足(鉄など)が出たこと、この3つです。日数や収量は覚えていないので書きません。

播くのは、朝が涼しくなってから。寒くなる前に。日付ではなく気温で。

直播きしたら、葉が触れ合う前に間引く。抜かずに切る。残すのは背の低い株。

色が薄いなら、まず間引き。戻らなければ鉄。順番を逆にしない。

花芽が上がったら摘む。穫るのは外葉から。

迷ったら、播く量を半分に。直播きの失敗は、ほぼ全部「多すぎた」です。

最後にひとつ。ルッコラと春菊は、秋のアクアポニックスで一番手間が少ない組み合わせです。播いて、間引いて、外葉から穫る。それで冬まで持ちます。夏の空芯菜が終わった槽に、この2つを播いておく。秋の栽培槽を空けておくのが、一番もったいない。

まとめ

アクアポニックスのルッコラと春菊は、朝が涼しくなってから、寒くなる前に播きます。私の設備でも秋に播いています。

直播きなら、葉が触れ合う前に間引く。抜かずに切って、背の低い株を残す。私の設備でも直播きした分は間引きました。

色が薄いなら、まず株を減らし、戻らなければ鉄。私の設備でも鉄などの栄養不足が出ました。順番を逆にしない。穫るのは外葉から、花芽は摘む。

迷ったら、播く量を半分に。直播きの失敗は、ほぼ全部「多すぎた」です。

最後にひとつ。ルッコラと春菊は、秋のアクアポニックスで一番手間が少ない組み合わせです。播いて、間引いて、外葉から穫る。それで冬まで持ちます。夏の空芯菜が終わった槽に、この2つを播いておく。秋の栽培槽を空けておくのが、一番もったいない。

よくある質問(FAQ)

Q. アクアポニックスでルッコラは育ちますか。

A. 育ちます。私の設備でも秋に播いています。涼しくなってから播き、直播きなら間引く。色が薄くなったら、まず株を減らし、戻らなければ鉄を見ます。

Q. いつ播けばいいですか。

A. 朝が涼しくなってから、寒くなる前。関西の平地なら9月の終わりから10月です。夏に播くと徒長ととう立ちで、冬に入ってからでは穫る前に止まります。

Q. 直播きしていいですか。

A. できます。私の設備でもメディアベッドに直播きしました。ただし株が多くなりすぎるので、葉が触れ合う前に間引きが要ります。抜かずに切って、背の低い株を残します。

Q. 葉の色が薄いのはなぜですか。

A. 株が多すぎるか、鉄が足りないかです。直播きで間引いていないなら前者。間引いても新しい葉から白っぽく黄色いなら鉄。私の設備でもルッコラと春菊で鉄などの栄養不足が出ました。順番は間引きが先。

Q. 春菊が苦いのはなぜですか。

A. 暑さと、とう立ちです。涼しい季節に播いて、花芽が上がったら摘む。葉を穫り続けている間は花が来にくくなります。

Q. どう穫ればいいですか。

A. 外葉から順に。株ごと抜かなければ、1株から何度でも穫れます。ルッコラは花が咲くと葉が硬くなるので、花芽は摘みます。

Q. 冬も穫れますか。

A. 成長は遅くなりますが、株は残ります。ハウスか室内なら少しずつ穫れます。私の設備の冬のDWCで穫れているのはリーフレタスとスイスチャードで、ルッコラと春菊はメディアベッドに直播きした分があります。

Q. ルッコラが辛すぎます。

A. 大きくしすぎか、花が近いかです。小さいうちから穫りはじめて、花芽は摘む。涼しい季節のほうが辛みは穏やかです。

Q. 春菊は摘心が要りますか。

A. 茎の先を1回摘むと脇から枝が出て、穫れる葉が増えます。摘まずに伸ばすと1本で上に行きます。秋のうちに1回摘んでおくと、冬に穫りやすい。

Q. 芽が出ません。

A. 種が深いか、乾いたか、暑いかです。春菊は光が要るので埋めない。表面が乾いていたら霧吹きで湿らせる。夏に播いたなら、涼しくなるのを待って播き直します。

Q. ルッコラと春菊を同じ槽に播いていいですか。

A. いいです。どちらも涼しい季節の葉物で、養分の取り方も近い。ただしルッコラのほうが発芽が早く大きくなるので、播く量はルッコラを少なめに。実ものとは同じ槽にしません。

Q. スポンジに播くのと直播き、どちらがいいですか。

A. 播くときの手間を減らすなら直播き、あとの間引きを減らすならスポンジ。迷ったら、直播きで播く量を半分にしてください。

設備にいくら掛かったのか、どこでつまずいて、どう直したのか。個人で始めたアクアポニックスの記録をnoteに書いています。
→ 費用と失敗の記録をnoteで読む

次に見るのは、ここ

秋に播く品目をまとめて見るならアクアポニックス・水耕栽培は秋からへ。間引きのやり方は間引き|抜かずに切るへ。間引いても色が戻らないなら葉が黄色い原因は鉄不足へ。苗にしてから植えるならスポンジで種まきへ。夏の葉物はアクアポニックスの空芯菜へ。