朝、水温計が15℃を指していた。先週は20℃あったのに。メダカの冬支度は、そろそろなのか、もう遅いのか。何から手を付ければいいのか。
調べると「冬対策5選」「6選」と並びます。どれも間違ってはいない。ただ、いつから始めて、どの順でやって、何をやらなくていいのかが書いていない。全部やろうとして、11月に慌てる人が多い。
この記事は、順番で書きます。10月に5つを済ませれば、冬は何もしなくてよくなります。
- 始めるのは朝の水温が20℃を切ってから、15℃を割る前。関西の平地なら10月。
- やることは5つ、この順で。①稚魚を残すか決める ②水量を増やす ③日の当たる置き場所 ④餌を落とす ⑤最後の水換え。
- 一番効くのは水量。私の設備では、小さな睡蓮鉢だけが厚く凍った。
- 蓋はすだれを半分。全面は覆わない。水量が多ければ蓋なしでも薄氷で済む。
- 屋外のヒーター・冬前のリセット・毎日のぞくことは、やらなくていい。迷ったら、水量を増やす。
メダカの冬支度は、いつから|朝の水温が15℃を割る前に、10月のうちに
答えを先に書きます。始めるのは、朝の水温が15℃を割りはじめる前。関西の平地なら10月のうちです。11月に入ってからでは、メダカの側の準備が間に合いません。
理由は、メダカが冬に備えて体に蓄えを作るのが、水温が15℃前後を保っている秋のあいだだからです。15℃前後で餌は1日1回、10℃を割ると食べなくなります。食べなくなってから冬支度をしても、体は作れない。冬越しの勝負は秋に終わっている、とはそういう意味です。
だから冬支度は、寒くなってからやる作業ではなく、まだ食べているうちにやる作業です。9月の終わりに朝の水温を一度測って、20℃を切っていたら、始めます。
ただし、早すぎる冬支度も向きません。9月に水を減らしたり蓋をしたりすると、まだ暑い日に水温が上がりすぎます。私の設備でも、9月に30℃を超えた年がありました。始めるのは、朝の水温が20℃を切ってから。

冬支度でやることは5つ|順番がある
やることは5つです。順番どおりにやると、後戻りがありません。
①数と大きさを決める。今年生まれた稚魚がいるなら、1.5cmに届くかどうかで、屋外に残すか室内に入れるかを決めます。親と合流させるか、分けたままにするかも、ここで決める。冬に入ってから動かすのが一番危ない。
②水量を増やす。小さな容器に入っているメダカを、大きな容器に移す。または水位を上げる。冬支度で一番効くのがこれです。理由は次の章で。
③置き場所を決める。冬は日が当たる場所がいい。夏と逆です。北風が直接当たる場所は避ける。壁際や、日中に日が当たる南側へ。
④餌を落としていく。15℃前後で1日1回、10℃を割ったらやめる。急にやめるのではなく、水温に合わせて減らす。やめる線は冬越しの記事に書きました。
⑤最後の水換えをする。10月の終わりに、3分の1。これが冬前の最後です。冬に入ったら、原則として水は換えません。
この5つを、10月のうちに。それで冬支度は終わりです。

容器は替えるか、そのままか|小さい睡蓮鉢は厚く凍る
5つの中で一番効くのが、②の水量です。ここは私の設備で実際に起きたことで書きます。
同じ冬に、同じ場所で、大きな容器は薄氷で済み、小さな睡蓮鉢は厚く凍りました。置き場所も、入れているメダカも同じ。違うのは水の量だけです。水が多いほど冷めにくく、氷が張っても表面だけで止まります。小さな容器は、水ごと冷えきって、底近くまで凍りかけます。
だから、小さな睡蓮鉢やバケツで飼っているメダカは、冬の前に大きな容器へ移します。NVボックスなら#22のほう。私の設備では#13も#22も使っていますが、冬に安心なのは水量の多いほうです。発泡スチロールは断熱が効くので、小さくても持ちやすい。私は底砂なしで使っています。
移せないなら、水位を上げる。ふちの近くまで足し水をして、水深を稼ぐ。それだけでも、凍り方は変わります。
容器の水量は、湯たんぽと同じで、大きいほど朝まで温かい。小さい湯たんぽは、夜中に冷めます。

蓋をするか、しないか|すだれを半分
「蓋は必要ですか」は、答えが割れる質問です。ラップを張る人、すだれの人、何もしない人。私の設備の答えは、すだれを半分です。
すだれをかけた側の容器は、氷が張りにくかった。同じ冬、同じ場所で、かけていない容器より明らかに違いました。放射冷却で水面から熱が逃げるのを、すだれが少し止めるのだと思います。
ただし、全部は覆わない。半分だけ。理由は2つで、日中の光を入れたいことと、氷が張ったときに空気の通り道を残したいこと。全面をぴったり覆うと、暖かい日に中がむれて、水温が上がりすぎます。
ラップや板で密閉する方法は、私は試していないので、効くとも効かないとも書けません。書けるのは、すだれ半分で氷が張りにくかった、それだけです。
蓋をしないという選び方も、水量が多ければ成り立ちます。大きな容器は薄氷で済んでいました。蓋は、水量の少ない容器を助ける手当てで、水量の代わりにはなりません。
室内に入れるか、屋外のままか|成魚は屋外、届かない稚魚だけ室内
冬支度の相談で多いのが「室内に入れたほうが安全では」です。答えは、成魚は屋外のまま、です。
理由は2つ。ひとつは、メダカはもともと日本の冬を屋外で越す魚で、水量と置き場所さえ整えば、氷の下で春を待てること。もうひとつは、室内に入れると水温が中途半端に高く、冬眠に入りきらず、餌をやるかやらないかで迷い続けることです。冬眠させないとどうなるかは、別の記事に書きました。
室内に入れるのは、届かない稚魚だけ。体に蓄えのない稚魚は、屋外で冬を越せる線に届いていません。成魚と稚魚で、答えが逆になります。
もし室内に入れるなら、暖房の効いた部屋は向きません。玄関や廊下のような、凍らないが暖まらない場所へ。日中だけ暖かい窓辺は、朝晩の差が大きくなるので避けます。
「心配だから室内へ」は、成魚には逆に働くことがある。冬支度は、メダカを守るためであって、飼い主の不安を減らすためではありません。
置き場所は、夏と逆|冬は日の当たる側へ
③の置き場所は、夏の感覚のままだと間違えます。夏は日を切る、冬は日を入れる。逆です。
冬の屋外で水温を支えるのは、日中の日差しだけです。朝に凍っても、昼に日が当たれば氷は溶けて、水温は少し戻る。日陰に置いたままだと、氷が溶けずに厚くなっていきます。だから、夏にすだれや日陰で守っていた容器は、10月に日の当たる側へ動かします。
もうひとつは風です。北風が直接当たる場所は、同じ気温でも水面から熱が逃げます。壁際や、建物の南側なら、風が切れて、日も当たる。動かせない容器なら、風の来る側に板を立てるだけでも違います。
置き場所を変える作業は、水を入れたままでは重い。だから②の水量を増やす前に、③の場所を決めておく。順番を入れ替えると、大きな容器を満水で運ぶことになります。
餌と水換えは、10月にやめる準備をする
④と⑤は、やめることの準備です。やめ方を間違えると、冬に水が傷みます。
餌は、水温に合わせて減らす。15℃前後なら1日1回、10℃を割ったら与えない。暖かい日に水面に上がってきても、10℃を切る日が続いていれば与えない。食べても消化できず、水を汚すだけです。
水換えは、10月の終わりに3分の1。これが最後。冬のあいだは原則しません。冬に手を出していいのは、氷がふさがったときと、死骸を取るときの2つだけ。
やめるのが不安なら、こう考えてください。冬のメダカは、底でじっとして、ほとんど食べず、ほとんど汚しません。汚さないなら、換える理由もない。手を出すほうが、水温を動かして落とします。
冬支度で、やらなくていいこと
「対策◯選」に並んでいても、やらなくていいものがあります。
屋外のヒーター。外気を暖めているのと同じで、効きません。冬眠させたくないなら室内へ。屋外で加温する選び方は向きません。
容器のリセット。冬前に水を全部換えて、底をきれいにする、という手順を見かけます。しないでください。水をきれいにしていた細菌ごと捨てることになります。冬前は3分の1で足ります。
水草を増やす。冬の水草は枯れて、底で腐ります。増やすなら秋の初めまで。10月に入ってから足すものではない。
毎日のぞく。見るのは週に1回、数と氷だけで足ります。のぞくたびに手を入れると、水温が動きます。
柿の葉やワラを入れる方法も見かけます。私は試していないので、効くとも効かないとも書きません。ここに書いたのは、私の設備で起きたことと、起きなかったことだけです。試していないものを「やらなくていい」とも言えないので、やるなら水量と置き場所を済ませたあとで。
稚魚がいる年は、冬支度が1つ増える
今年生まれた稚魚がいるなら、①で決めることが1つ増えます。
私の設備では、稚魚は食べられない大きさになるまで隔離しています。冬までに1.5cmに届く稚魚は、親と同じ冬支度で構いません。届かない稚魚は、室内に入れるか、屋外なら親のいない大きな容器へ。
稚魚の容器は小さくなりがちです。そこが冬に一番危ない。小さな容器で冬を迎える稚魚は、大きな容器の成魚より先に落ちます。稚魚こそ、水量を。

冬のあいだに見るのは、2つだけ
冬支度が済んだら、冬のあいだにやることはほとんど残っていません。
氷がふさがっていないか。張っていても割らない。ふさがっていたら、ぬるま湯で穴を開ける。
数が減っていないか。暖かい日の昼に、上から数える。底でじっとしているのは、冬眠です。横になっていたり白くなっていたりしなければ、生きています。
それ以外は、見なくていい。本当の山場は春先です。冬に落ちるメダカより、春の戻り寒波で落ちるメダカのほうが多い。冬支度で作った水量と置き場所が、そこでも効きます。
どこで見切るか|終わりの判断
線を決めておきます。
私の設備では、この5つを10月に済ませて、冬は氷と数を見るだけにしています。小さい睡蓮鉢だけが厚く凍った年から、水量を先にするようになりました。
朝の水温が20℃を切ったら、始める。15℃を割る前に、5つを終える。
小さな容器のメダカは、大きな容器へ。移せないなら水位を上げる。これが一番効く。
蓋は、すだれを半分。全面は覆わない。水量が多ければ、蓋なしでも持つ。
10月の終わりに最後の水換え。10℃を割ったら餌をやめる。そこから春まで、手を出さない。
迷ったら、水量を増やす。冬支度で迷うことのほとんどは、水が多ければ迷わなくて済むことです。
まとめ
メダカの冬支度は、朝の水温が20℃を切ってから始めて、15℃を割る前に終えます。関西の平地なら10月のうちです。
やることは5つ。稚魚を残すか決める、水量を増やす、日の当たる置き場所へ、餌を水温に合わせて落とす、10月の終わりに最後の水換え。この順で。
一番効くのは水量です。私の設備では、同じ冬に同じ場所で、小さな睡蓮鉢だけが厚く凍りました。蓋はすだれを半分。全面は覆いません。
屋外のヒーター、冬前のリセット、毎日のぞくことは、やらなくていい。冬支度が済んだら、冬は氷と数を見るだけです。
よくある質問(FAQ)
Q. メダカの冬支度はいつから始めますか。
A. 朝の水温が15℃を割りはじめる前、関西の平地なら10月のうちです。9月の終わりに朝の水温を測って、20℃を切っていたら始めます。11月からでは、メダカの側の準備が間に合いません。
Q. 冬支度で何をすればいいですか。
A. 5つです。①稚魚を残すか決める、②水量を増やす、③日の当たる置き場所へ、④餌を水温に合わせて減らす、⑤10月の終わりに最後の水換え。この順で10月に済ませます。
Q. メダカの冬越しに蓋は必要ですか。
A. 私の設備では、すだれを半分かけた容器は氷が張りにくかった。全面は覆いません。日中の光と、氷が張ったときの空気の通り道を残すためです。水量が多ければ、蓋なしでも薄氷で済みます。
Q. メダカが耐えられる最低温度は何度ですか。
A. 底まで凍らなければ、氷の下で越します。私の設備では大きな容器は薄氷で済み、小さな睡蓮鉢は厚く凍りました。温度より、水量で決まります。詳しくは冬越しの記事へ。
Q. 発泡スチロールの容器は要りますか。
A. 断熱が効くので、小さくても持ちやすい容器です。私は底砂なしで使っています。ただし大きな容器の水量には及びません。まず水量、次に発泡スチロールです。
Q. 冬の前に水を全部換えたほうがいいですか。
A. しないでください。水をきれいにしていた細菌ごと捨てることになります。10月の終わりに3分の1、それが冬前の最後です。
Q. 餌は何月までやりますか。
A. 月ではなく水温で決めます。15℃前後で1日1回、10℃を割ったらやめる。暖かい日に上がってきても、10℃を切る日が続いていれば与えません。
Q. メダカが底でじっとしていますが大丈夫ですか。
A. 冬眠です。横になっていたり白くなっていたりしなければ生きています。手を出さず、氷と数だけを見てください。
Q. 冬支度を11月にしてしまいました。遅いですか。
A. 遅いですが、やらないよりは残ります。水量を増やすことと置き場所だけは、11月でも効きます。餌は水温が10℃を割っていればもう与えません。来年は、朝の水温が20℃を切った日に始めてください。
Q. 屋外にヒーターを入れてもいいですか。
A. 効きません。外気を暖めているのと同じです。冬眠させたくないなら、室内に入れる側へ。
次に見るのは、ここ
冬支度が済んで、冬本番の見分けはメダカの冬越し|成否は秋で決まるへ。今年生まれた稚魚が小さいならメダカの稚魚の冬越し|1.5cmが線へ。冬に水を換えたくなったらメダカの冬の水換え|原則しないへ。氷が張ったらメダカの氷は割らないへ。容器を発泡スチロールに替えるなら発泡スチロールでメダカ飼育へ。
