室内でメダカを飼いたいけれど、水槽もフィルターも照明も種類がありすぎて、どれを選べばいいのか分からない。売り場に立つと余計に迷います。
売り場でそろえるのは水槽・ろ過フィルター・照明の3つです。そして選ぶ基準もはっきりしています。水槽は匹数から逆算し、ろ過は水流の弱さで選び、照明は水草を入れるかどうかで決める。これだけです。
ちなみに底砂は必須ではありません。むしろ最初は何も敷かないほうが、フンや食べ残しが見えるぶん管理はラクになります。買う物を減らせるうえに掃除も簡単、という選択肢があることは先にお伝えしておきます。

- 売り場でそろえるのは水槽・ろ過フィルター・照明の3つだけです。
- 選ぶ基準は、水槽は匹数から逆算(水2リットルに1匹)、ろ過は水流の弱さ、照明は水草を入れるかどうか。
- 底砂は無くても飼えます。最初は敷かないほうが、汚れが見えて管理が楽です。水草は浮かせておくだけでいい。
- 水を張ったその日にメダカを入れるのは、よくある失敗です。
メダカの室内水槽のかたち

個別の説明に入る前に、完成形を見ておきましょう。何がどこに入るのかが分かると、それぞれの道具が何のためにあるのかも一緒に理解できます。

屋外の容器と決定的に違うのは、日光が届かないことです。室内で道具が増えるのは、屋外なら太陽がやってくれていた仕事を機械で肩代わりするからだと考えてください。

そのかわり、室内には室内の利点があります。水温が一日を通して安定し、天候にも左右されません。冬もヒーターで加温すれば、繁殖を止めずに続けられます。屋内と屋外のどちらにするか迷っている段階なら、メダカ飼育の始め方で先に判断してください。冬に産ませるときの容器の大きさと水温の決め方は、メダカを冬に産卵させるに書きました。
水槽サイズは匹数から逆算する
いちばん最初に決めるのが水槽です。ここを小さく買ってしまうと、増やしたくなったときに買い直しになります。先に飼いたい匹数を決めて、そこから逆算するのが確実です。
30cm・45cm・60cmの水槽ごとの匹数と、ろ過の種類でどこまで増やせるかは、メダカは60cm水槽に何匹に表でまとめました。底床や流木で水が減るぶんの数え方も書いています。
目安は水量2リットルにつき1匹。「1リットルに1匹」という数字もよく見かけますが、あれは上限に近い詰め方なので、余裕を持たせたほうが水質は安定します。
| 水槽サイズ | 実際の水量 | 目安の匹数 |
|---|---|---|
| 30cm規格 | 約13L | 6匹前後 |
| 30cmキューブ | 約24L | 12匹前後 |
| 45cmスリム | 約17L | 8匹前後 |
| 45cm規格 | 約35L | 17匹前後 |
| 60cm規格 | 約57L | 28匹前後 |
置き場所と相談にはなりますが、迷ったら大きいほうを選んでください。水量が多いほど水質は安定し、水換えの頻度そのものも下がります。結果的に手間が減ります。

30cm|まず1つ置いてみたい人に
机の上や棚にも置けるサイズです。30cm規格(約13L)なら6匹前後、下で紹介している30cmキューブ(約24L)なら12匹前後が目安です。ただし水量が少ないぶん水質の変化も早いので、こまめに様子を見られる方向けだと考えてください。増やしたくなったときは追加購入になります。
45cmスリム|奥行きを取りたくない人に
横幅は45センチありますが奥行きが20センチ程度なので、テレビ台やカウンターなど奥行きの取れない場所にも収まります。水量は17リットルほどで、8匹前後が目安になります。
60cm|数を増やしたい・繁殖もしたい人に
いちばん失敗しにくいサイズです。水量が57リットルほどあるため水質が安定しやすく、28匹前後まで飼えます。品種を増やしたい方や、繁殖まで考えている方はここから始めると買い直しになりません。
ろ過は「水流の弱さ」で選ぶ

フィルター選びでいちばん大事なのは、ろ過能力の高さではありません。メダカは強い水流が苦手だという点です。
メダカには流れに逆らって泳ぐ習性があるため、強い水流のなかでは泳ぎ続けることになり、体力を使います。この仕組みはエアレーションの記事で詳しく解説しています。
45センチ以下ならスポンジフィルターか外掛けフィルターが向いています。外掛けを使うなら、排水口に水を当てる板を付けたり、水面近くに向けたりして流れを散らしてください。水草を浮かべておくのも効果があります。
スポンジフィルターなら水流がやわらかく、稚魚も吸い込みません。
もうひとつ、室内ならではの基準が動作音です。リビングや寝室に置くなら、静かさは毎日効いてきます。店頭で確認できないぶん、静音をうたっている機種を選んでおくと後悔しにくくなります。
3つめは掃除しやすいことです。スポンジやろ材を取り出しやすい形なら、汚れを溜めこまずに済みます。
→ 無料でメダカ台帳をひらいてみる
台帳でできることを、もう少し詳しく
照明は「水草を入れるか」で決まる

照明は、まず水草を育てるために必要です。水草を入れないなら、日中の光が入る明るい部屋で照明が無くても飼えます。ただし産卵させたい、針子を育てたいなら、明るい時間を1日13時間ほど取れるよう照明を足します。
水草を入れるなら話は別で、光が届かなければ枯れてしまいます。水草のためなら1日8〜12時間ほどが私の目安です。産卵も狙うなら13時間ほどにします。タイマーに任せておくと消し忘れがなく、メダカの生活リズムも一定に保てます。
ここで気をつけたいのが、点けっぱなしにするとコケが増えることです。ガラス面が緑色になってきたら、点灯時間を短くするサインだと考えてください。明るさを調節できるタイプなら、コケの出方を見ながら加減できます。
底砂は、無くても飼える

ここが意外と知られていないところです。底砂は必須ではありません。何も敷かないベアタンクのほうが、フンや食べ残しが目で見えるぶん掃除がしやすく、水質も管理しやすくなります。
底砂にはバクテリアの住処になるという利点もありますが、そのぶん奥に汚れが溜まっていきます。敷くなら底砂用のクリーナーを用意して、砂利の中の汚れだけを吸い出しながら水換えをしてください。
見た目を重視するなら敷いてよいものですが、「必ず必要なもの」として最初に買う必要はありません。慣れてきて、レイアウトを楽しみたくなってからで十分に間に合います。
水草は浮かせておけばいい
水草は隠れ家になり、産卵床にもなり、水中の老廃物も吸ってくれます。ただし底砂に植え込む必要はなく、アナカリスやマツモなら浮かせておくだけで育ちます。屋外の容器なら水草なしでもいい理由と、代わりに置くものは、メダカに水草はなしでも大丈夫へ。


底砂を敷かなくても水草を入れられるので、この組み合わせが室内ではいちばん扱いやすくなります。掃除のしやすさと隠れ家を両立できます。
窓際に置くか、置かないか|夏は水温、夜は酸素
室内の水槽は、置き場所で気をつけることが変わります。

窓際は、夏に水温が上がります。ガラス越しでも直射日光が当たると、小さな水槽の水は昼のうちに温まり、夕方まで下がりません。夏の窓際は、日が直接当たらない位置まで水槽を下げるか、レースのカーテン越しにします。冬は逆に、窓際は夜に冷えます。私は窓際の60cm水槽で、ヒーターなしで冬を越させましたが、冬の窓際で気をつけるのは、昼と夜の揺れが大きくなりすぎることです。
もう1つは夜の酸素です。室内の水槽は風が当たらず、水面がほとんど動きません。水面が静かだと、空気から水に溶ける酸素が少なくなります。夜は水草も酸素を使う側に回るので、明け方がいちばん少なくなります。エアレーションが要るかは、水温・匹数・水面の動きの3つで決まります。ろ過の水が水面を軽く揺らしていれば、それだけで酸素は入ります。
朝、メダカが水面で口をぱくぱくさせていたら、酸素が足りていないしるしです。道具が無くても、水面を動かせば酸素は入ります。
冬はヒーターが要るのか

結論を言うと、必須ではありません。メダカはもともと日本の冬を越せる魚なので、室内であれば無加温でもそのまま越冬できます。ヒーターなしで室内の冬を越させるときの置き場所と水の量は、メダカを室内でヒーターなしで冬越しにまとめました。
ただし加温し、照明で明るい時間を13時間ほどにすれば、活動が止まらず冬でも繁殖を続けられます。産卵には水温18℃と、1日13時間ほどの明るさの両方が要るからです。品種を増やしたい方にとってはこれが大きな利点です。サイズごとの選び方はメダカ水槽のヒーターの選び方で解説しています。
室内飼育に必要なものをそろえたら、やること
道具が届いたら、すぐにメダカを入れたくなります。ですが水を張ったその日に入れるのは、よくある失敗です。
水質を支えるバクテリアが増えるまで時間がかかるので、迎える前に水を落ち着かせておきます。買ってきたメダカの移し方とあわせて、水合わせと立ち上げの手順を確認してから迎えてください。
まとめ:3つ選べば、あとは足していける
室内飼育で最初に決めるのは水槽・ろ過・照明の3つです。水槽は匹数から逆算し、ろ過は水流の弱さで選び、照明は水草を入れるかどうかで判断する。この3つを外さなければ、大きな失敗はしにくくなります。
底砂も水草もヒーターも、必要だと感じてから足せば十分です。買いそろえることより、水を落ち着かせてから迎えることのほうが、結果的にメダカを長生きさせます。
よくある質問(FAQ)
Q. メダカの室内飼育に最低限必要なものは何ですか?
A. 水槽・ろ過フィルター・照明の3つです。ただし照明は、水草を入れる場合と、産卵・針子の育成で明るい時間を1日13時間ほど取りたい場合に必要です。それ以外なら、日中の光が入る明るい部屋で足ります。底砂は必須ではありません。
Q. 水槽のサイズはどう選べばいいですか?
A. 水量2リットルにつき1匹を目安に、飼いたい匹数から逆算してください。30cm規格水槽で6匹前後(30cmキューブなら12匹前後)、45cmスリムで8匹前後、60cm規格で28匹前後が目安です。
Q. ろ過フィルターはどれを選べばいいですか?
A. 水流の弱いものを選んでください。メダカは強い流れが苦手で、流れに逆らって泳ぎ続けると体力を消耗します。45cm以下ならスポンジフィルターか外掛けフィルターが向いています。
Q. 照明は必ず必要ですか?
A. 水草を入れず、産卵もさせないなら必須ではありません。水草を育てる場合と、産卵させたい・針子を育てたい場合に必要になります。点灯は水草のためなら1日8〜12時間(産卵も狙うなら13時間ほど)が私の目安で、コケが増えてきたら時間を短くしてください。
Q. 底砂は敷いたほうがいいですか?
A. 必須ではありません。何も敷かないベアタンクのほうがフンや食べ残しが見えやすく、掃除も水質管理もしやすくなります。見た目を重視する場合に選べばよいものです。
Q. 冬にヒーターは必要ですか?
A. 必須ではありません。メダカは日本の冬を越せる魚なので、室内なら無加温でも越冬できます。ただし加温し、照明で明るい時間を13時間ほどにすれば、冬でも活動と繁殖を続けられます。
次に見るのは、ここ
これから飼い始めるなら飼育の始め方へ。
買ってきたメダカを入れるなら水合わせと立ち上げへ。
エアポンプを買うか迷っているならエアレーションは要るかへ。
水換えの回数を減らしたいなら水換えの頻度へ。

