メダカの卵|透きとおれば育つ、白は抜く。25℃なら10日で孵る
めだか
2024.04.26
メダカの卵を見つけたら、まず親から離してください。メダカは自分が産んだ卵も食べます。産卵床ごと、別の浅い容器へ移すだけで十分です。
そのうえで見るのは、卵の色です。薄い飴色に透きとおっていれば育つ卵、白く濁っていれば育たない卵です。白いものを抜いておかないと、そこからカビが隣へ広がります。
孵るまでの日数は水温で決まります。25℃でおよそ10日、20℃でおよそ13日。
卵を見つけてから針子が泳ぎ出すまで。番号の順にやれば、それで足ります。
育つ卵と、育たない卵はどこで見分けるのか
育つ卵は透きとおって中が見え、数日で黒い目が2つ現れる。育たない卵は白く濁り、やがて水カビが付く。
見分けの決め手は、透けているかどうかです。育つ卵は薄い飴色で、明かりに透かすと中の様子が見えます。育たない卵は最初から、あるいは1日か2日で白く濁り、中がまったく見えなくなります。
受精から数日たつと、育つ卵には黒い点が2つ現れます。これが目です。ここまで来れば、まず間違いなく孵ります。虫めがねがあれば、心臓が動いているのも見えます。
迷ったときは、指で軽くつまんでみてください。育つ卵はしっかり硬く、少し力を入れても潰れません。育たない卵は簡単に潰れます。強くつまむ必要はなく、指の腹で転がすくらいで違いが分かります。
この硬さは、受精そのものが作っています。卵の膜は精子が入る前はもろく、入った瞬間から硬くなりはじめます。メダカで実際に押し潰して測った研究では、受精から2時間で90グラム、3時間で118グラムの力に耐えるようになっていました(メダカの受精における卵膜の硬化についての研究・2023年)。鶏の卵2個ぶんの重さを乗せて、ようやく潰れるくらいです。無精卵ではこの硬化そのものが起きないので、いつまでも柔らかいままです。指先が確かめているのは、卵の元気さではなく、受精のときの反応が起きたかどうかです。
付着糸の様子も手がかりになります。育つ卵は細い糸が絡み合って房になり、産卵床にしっかり付きます。母親のお腹に卵がぶら下がっているのを見たことがあるなら、それがこの糸です。詳しくはメダカのお腹が大きい・パンパンに書いています。
卵を見つけたら、まず何をするのか
この4つだけで、孵る数がはっきり変わる。
親から離すのが最初です。メダカに子を守る習性はなく、産んだそばから食べることもあります。同じ容器に置いたままでは、孵る前にほとんど無くなります。
移した先は、浅い容器で構いません。水深3cmから5cmくらい、日の当たる場所に置いてください。深い容器や日陰では水温が上がらず、孵るまでが長引きます。長引くほどカビに追いつかれます。
水は水道水のままでかまいません。これは意外に思われますが、卵はカルキに強く、むしろカルキが残っているほうがカビが付きにくくなります。孵化が近づいたら、汲み置きの水に切り替えてください。孵ったばかりの針子はカルキに弱いためです。
あとは毎日、水を半分ほど入れ替えながら、白くなった卵を見つけて抜いていきます。手間はこれだけです。毎日見ることが、そのまま孵る数につながります。
メダカは、いつ卵を産むのか
明け方から午前中です。夜が明けてしばらくのあいだに産卵と受精が行われ、メスはしばらく卵をお腹にぶら下げたまま泳ぎます。そのあと水草や産卵床にこすりつけて産み付けます。
明け方から午前中。昼前に引き上げれば前日ぶんがそろう。
だから産卵床を見るのは、昼前がいちばん効率がいいです。朝のうちに空の産卵床と入れ替えておき、翌日の昼前に引き上げる。これで前日ぶんがまとめて取れます。夕方に見ても、その日のぶんはすでに付いています。
季節でいうと、水温が18℃を超え、明るい時間が13時間ほど確保されるようになると産卵が始まります。関西の屋外なら、だいたい4月の半ばごろからです。秋になって日が短くなると、水温が保たれていても止まります。室内で照明を当てていれば、冬でも産みます。
1匹のメスが1日に産む卵は、条件が良ければ10個から30個ほどです。それが毎日続くので、数か月で数百個になります。
「増えすぎて困る」という話がよく出るのは、この数のためです。容器と餌が追いつかないと分かっている場合は、産卵床を減らして取る数そのものを抑えるのが現実的です。
卵は、どうやって取るのか
産卵床に付いた卵。飴色に透きとおったものが育つ卵。
産卵床ごと移すのが、いちばん簡単で確実です。卵に触らずに済むので傷める心配がありません。朝のうちに産卵床を引き上げて、空の産卵床と入れ替えておけば、それだけで毎日回せます。
左は産卵床ごと。右は指の腹で転がして外すところ。爪を立てると潰れる。
水草に産み付けられた卵を取るときは、指の腹で軽く転がすようにして外します。爪で引っかくと潰れます。硬いといっても100グラムほどで壊れる硬さなので、爪のように一点に力が集まる当て方には勝てません。指の腹なら、同じ力でも広い面に散ります。房になっているものは、そのまま外して構いません。移した先で指で軽くばらしておくと、中の卵にも水が回ります。
産卵床は、容器あたり2つか3つ置いておくと取りこぼしが減ります。産む場所が足りないと、メスが卵をぶら下げたまま泳ぎ続けることになります。毎日入れ替えるなら、予備を含めて多めにあったほうが楽です。
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自分で作ることもできます。毛糸やスポンジを束ねて浮きを付ければ産卵床になりますし、マツモのような水草をそのまま入れておくだけでも産み付けます。水草なら、卵ごと別の容器へ移せます。
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卵は何日で孵るのか
積算温度250℃を、その日の平均水温で割った目安。研究でも26℃で約10日。
水温で決まります。飼育者のあいだでは、その日の平均水温を毎日足していって、合計が250℃になるころ孵る、という数え方が使われます。25℃なら10日、20℃なら12日から13日という計算です。
この数え方は、研究で使われている条件とも重なります。岩松鷹司が2004年に発表した研究では、26℃前後で受精から孵化までを39の段階に分けています(岩松鷹司 2004年の論文)。26℃で10日なら260℃になり、経験則の250℃と近い数字です。
日にちを数えるより、水温を測るほうが確かです。朝と昼と晩で水温を測って平均を出し、毎日足していけば、あと何日かがだいたい分かります。屋外なら日によって10℃近く違うこともあるので、カレンダーで数えると必ずずれます。
卵にカビが生えるのは、なぜか
薬より先に、白い卵を抜くことと水換え。それで大半は止まる。
死んだ卵から始まります。白く濁った卵にまず水カビが付き、そこから接している卵へ広がっていきます。毎日抜いていれば、広がりようがありません。
水を換えていないことも大きな原因です。止まったままの水ではカビの菌が増えます。1日1回、半分ほど入れ替えるだけで違います。浅い容器にしておくのは、この入れ替えを楽にするためでもあります。
房のまま重なっている卵も危ないです。固まりの内側の卵には水が回らず、酸素が届きません。移したときに指で軽くばらしておいてください。ばらけないほど固いときは、無理に引きはがさず、水の中で少しずつほぐします。
それでもカビが止まらないときに、薬を使います。メチレンブルーを水が薄い青色になる程度に落とすと、カビの広がりが抑えられます。ただし順番としては最後です。白い卵を抜くことと水換えのほうが、はるかによく効きます。
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孵ったら、どうするのか
2日か3日は、餌をやらなくてかまいません。孵ったばかりの針子はお腹に栄養の袋を持っていて、そのあいだはそれで足ります。お腹のふくらみが消えたら、餌を始めてください。
上が孵化直後。お腹の袋が残っているあいだは餌が要らない。下は袋が消えて、餌を食べはじめる時期。
針子は口が小さく、成魚用の餌を食べられません。粉になった稚魚用の餌か、ゾウリムシのような生きた餌を与えます。ここで餌を切らすと、目に見えて数が減ります。育て方の全体はメダカの稚魚(針子)の育て方にまとめました。
親と一緒にするのは、体長が1.5cmを超えてからです。メダカの口はおよそ1cmで、それより小さいと食べられます。合流の目安はメダカの稚魚はいつまで別容器?、数が減っていくときはメダカの稚魚が「消える・溶ける」のは何故?原因と対策を見てください。
卵の数を増やすには、どうするのか
どれか1つでは動かない。4つ揃えて、はじめて数が変わる。
餌の量がいちばん効きます。メダカの産卵数は、食べた量にそのまま比例します。1日1回の給餌では、体を保つぶんで終わってしまい、卵に回す余裕が残りません。
食べきる量を1日3回から4回に分けて与えると、産卵数が上がります。一度に大量にやるのではありません。数分で食べきる量を、回数だけ増やします。残った餌は水を傷めるので、食べ残しが出たらその回は多すぎたということです。
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明るい時間も要ります。メダカは日の長さで季節を感じ取っていて、明るい時間が短いと産卵そのものを止めます。13時間ほど明るい状態を保つのが目安で、屋内なら照明で足してください。
水温は23℃から28℃です。18℃を下回ると産卵が目に見えて減り、30℃を超えると卵の質が落ちます。産卵床が足りないことも見落とされがちで、産む場所が無いとメスが卵を持ったままになります。
卵をぶら下げたまま泳いでいるときはメダカのオスが死んでメスだけにも参考になります。
この4つは、どれか1つでは動きません。餌を増やしても暗ければ産みませんし、明るくても水温が低ければ止まります。4つ揃えて、はじめて数が変わります。餌そのものの選び方はメダカのエサ選び完全ガイドにまとめてあります。
卵が孵らないときは、何を疑うのか
まず水温です。18℃を下回っていると2週間以上かかります。孵らないのではなく、まだ途中だということが多いです。日の当たる場所へ移すだけで縮まります。
上から順に確かめる。多くは、まだ途中。
次に、そもそも受精しているかどうかです。オスがいない、あるいはオスが弱っていると、産まれても無精卵になります。無精卵は白く濁るのが普通ですが、まれに透明なまま形を保つこともあります。1か月たっても目が現れないなら、無精卵と考えてよいです。
途中で発生が止まることもあります。水温が急に動いた、水が汚れた、卵が乾いた。一度止まった卵は戻りません。白く濁ってきたら抜いてください。透明なまま止まっているものは、目が現れないまま日数だけが過ぎるので分かります。
卵の管理で、残る数が変わる。
よくある質問
メダカの卵は、何日で孵りますか。
水温25℃でおよそ10日、20℃でおよそ13日、28℃でおよそ9日です。飼育者のあいだでは、その日の平均水温を毎日足していって合計250℃になるころ、という数え方が使われます。研究のほうでも、26℃前後で受精から孵化までおよそ10日とされています。
育つ卵と、育たない卵はどう見分けますか。
色です。育つ卵は薄い飴色に透きとおっていて、中が見えます。育たない卵は白く濁って、中が見えません。受精から数日たつと、育つ卵には黒い目が2つ見えてきます。指で軽くつまんだとき、育つ卵はしっかり硬く、潰れません。受精した瞬間に卵の膜が硬くなるためで、無精卵はこの硬化が起きません。白く濁った卵は簡単に潰れます。
卵を見つけたら、まず何をすればいいですか。
親から離してください。メダカは自分が産んだ卵も食べます。産卵床ごと別の浅い容器へ移し、白く濁った卵を抜いて、1日1回、水を半分ほど入れ替えます。これだけで孵る数が変わります。
卵にカビが生えました。どうすればいいですか。
まず白く濁った卵を抜いてください。カビは死んだ卵から始まり、そこから隣の卵へ広がります。あわせて水を毎日半分入れ替え、固まっている卵は指で軽くばらします。これで止まらないときにメチレンブルーを使いますが、順番としては最後です。
卵の水は、水道水のままでいいですか。
かまいません。卵はカルキに強く、むしろカルキが残っている水のほうがカビが付きにくくなります。孵化が近づいたら、汲み置きの水に切り替えてください。孵ったばかりの針子はカルキに弱いためです。
卵が孵らないまま、日にちだけが過ぎます。
水温を測ってください。18℃を下回っていると2週間以上かかります。日の当たる場所へ移すだけで縮まります。白く濁っていないのに1か月たっても孵らない場合は、無精卵のまま形が保たれているか、途中で発生が止まっています。
卵の数を増やすには、どうすればいいですか。
餌の量がいちばん効きます。産卵は餌の量にそのまま比例するので、食べきる量を1日3〜4回に分けます。あわせて明るい時間を13時間ほど確保し、水温を23〜28℃に保ち、産卵床を容器あたり2〜3個置いてください。どれか1つでは動きません。
まとめ
卵を見つけたら、親から離す。白く濁った卵を抜く。浅い容器に水道水で、日の当たる場所へ。1日1回、水を半分入れ替える。この4つで、孵る数はほとんど決まります。
育つ卵は透きとおっていて、数日で黒い目が2つ現れます。孵るまでの日数は水温で決まり、25℃でおよそ10日、20℃でおよそ13日。カレンダーではなく水温を測ってください。
数を増やしたいなら、餌の回数・明るい時間・水温・産卵床の4つです。どれか1つでは動きません。孵ったあとは、体長1.5cmを超えるまで別の容器で育ててください。
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孵ったあとはメダカの稚魚(針子)の育て方、親に戻す時期は稚魚はいつまで別容器?、お腹の卵が気になるときはメダカのお腹が大きい・パンパンへ。
この記事を書いた人
鷲林寺アクアファーム(兵庫県西宮市)
植木屋として5年、アクアリウムは10年。2021年から、義理の祖母が守ってきた農地を休耕地にしないためにアクアポニックスを始め、一人で続けています。書いているのは、その農場で実際に起きたことと、確かめられた範囲のことだけです。
農場見学は全国から受け入れてきました(現在は休止中)。ラジオ関西「羽川英樹 ハッスル!」、雑誌「Mer」などの取材を受けています。