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メダカの針子の育て方|最初の2週間、餌を切らさないだけで残る数が変わる

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メダカの針子の育て方。最初の2週間で残る数が決まる めだか

メダカの針子を育てるうえで大事なのは、最初の2週間、餌を切らさないことです。ここでほとんどの数が決まります。

針子は体が小さく、蓄えをほとんど持っていません。成魚なら数日食べなくても平気ですが、針子は一日抜けるだけで目に見えて弱ります。数日で見えないほど小さくなって消えるので、「溶けるようにいなくなる」と言われます。

あとは、毎日水を半分だけ入れ替えること。この2つを守れば、同じ容器でも残る数がはっきり変わります。

この記事の結論(要点)
  • 決まるのは最初の2週間。ここで残る数のほとんどが決まります。
  • やることは2つだけ。餌を切らさないことと、毎日水を半分だけ入れ替えること。
  • 針子は蓄えを持ちません。一日抜けるだけで弱り、数日で見えなくなります。
  • 餌を始めるのは孵化から2〜3日後。お腹のふくらみが消えてからです。
  • 親と一緒にするのは体長1.5cmを超えてから。日数ではなく、定規で測って決めます。

メダカの針子とは何か|餌なしで何日もつか、いつまでが山場か

メダカの産卵床に付いた卵。孵化するとここから針子が育つ
産卵床に付いた卵。ここから10日ほどで孵る。
メダカの針子の育ち方。孵化直後4〜5mmから1か月で1.5cmまで
最初の2週間を越えれば、あとは急に楽になる。

針子とは、孵ったばかりのメダカのことです。体長は4mmから5mmほどで、針のように細いことからそう呼ばれます。横から見ると、黒い目と細い体しか見えません。

いちばん落ちやすいのは、孵化から3日目から1週間です。お腹の栄養の袋を使い切ったあと、自分で餌を食べられるようになるまでのあいだに、追いつけなかった個体が消えていきます。

2週間を越えると、急に楽になります。泳ぎが安定し、粉の餌を追えるようになり、少しくらい水が動いても平気になります。ここまで来れば、あとは容器を大きくしていくだけです。卵から孵るまでの扱いはメダカの卵|透きとおれば育つ、白は抜く。25℃なら10日で孵るにまとめました。

孵化したら、毎日どうするのか

メダカの針子の一日。最初の2週間の餌やりと水換えの流れ
朝に一回目の餌。昼は緑水のまま。夕方に食べ残しを吸い取る。夜は明かりを消す前に水温を見る。

朝は、起きたらすぐ餌をやってください。夜のあいだ何も食べていないので、ここでいちばん食べます。数分で食べきる量を、水面に散らすように落とします。

昼は、水が薄い緑色になっていれば何もしなくてかまいません。緑水は水そのものに餌が含まれた状態なので、針子はいつでも口にできます。透明な水で育てているなら、昼にもう一回やってください。

夕方は、食べ残しを吸い取ります。スポイトで水面と底の残りをすくうだけです。このとき水も一緒に減るので、同じ水温の水を足して戻します。全部を入れ替える必要はありません。

夜は、明かりを消す前に水温を見てください。朝との差が5℃を超えているなら、置き場所が合っていません。直射日光が当たる小さな容器で起きやすい失敗です。

針子が死ぬのは、なぜか

メダカの針子が死ぬ5つの原因。餌不足・水の汚れ・水温の急変・捕食・病気
上の2つで、落ちるうちのほとんどが説明できる。

いちばん多いのは餌不足です。与えているつもりでも、量が足りていないか、口に入らない大きさだったということがよくあります。針子の口はとても小さく、成魚用の餌はもちろん、稚魚用の餌でも粒が大きすぎることがあります。

次が水の汚れです。食べ残しが底にたまると、そこからアンモニアが出ます。針子を育てる容器は小さいので、成魚の水槽よりずっと早く効きます。餌を増やすほど水も汚れるので、この2つは同時に見てください。

水温の急な変化も落ちる原因になります。一日で5℃動くと、成魚なら耐える程度でも針子は崩れます。小さい容器を直射日光の下に置くと、朝と昼で10℃違うということが起こります。

親メダカや外敵に食べられることもあります。親と同じ容器なら、まず食べられると思ってください。屋外ならヤゴも入ります。

死骸がまったく残らないのに数だけ減るときは、これを疑います(メダカのヤゴ・ボウフラ対策)。数が減っていくときの切り分けはメダカの稚魚が「消える・溶ける」のは何故?原因と対策にまとめました。

針子に与える餌は何を、いつ、どれだけか

メダカの針子の餌の切り替え。ゾウリムシ・緑水・稚魚用の粉・成魚用の粒
切り替えを急がない。食べられない餌は、入れても水を汚すだけ。

孵化から2日か3日は、何も要りません。お腹に栄養の袋があるからです。お腹のふくらみが消えて水面近くを泳ぎ回りはじめたら、そこから餌を始めてください。

最初の2週間は、生きた餌がいちばん効きます。ゾウリムシは大きさが針子の口に合い、水の中を漂っているので、追いかけなくても口に入ります。粉の餌は水面に浮いたまま沈み、底に落ちたぶんは食べられずに水を汚します。

針子が5mmを超えて泳ぎが強くなってきたら、ひとまわり大きいミジンコにつなぐと成長が乗ります。生きたミジンコは種を通販で買えて、青水(グリーンウォーター)で殖やして使い続けられます。


水を薄い緑色にしておく方法もあります。生クロレラを少し入れて緑水にすると、針子がいつでも口にできる餌が水に含まれた状態になります。餌やりを忘れた日の保険にもなるので、屋外で数を増やしたいときには相性が良い方法です。

1週間ほどで口が大きくなってきたら、稚魚用の粉の餌に切り替えます。指ですりつぶしてさらに細かくすると、より確実に食べます。1日3回から4回、数分で食べきる量を分けて与えてください。

1か月ごろになったら、成魚用の粒に慣らしはじめます。親と合流させるときに食べられないと、移した先で餓えることになるからです。

餌の使い分けはメダカのエサ選び完全ガイド、生きた餌をもう一段くわしく知りたいときはメダカにブラインシュリンプは必要?を見てください。

水はどう換えるのか

1日1回、半分だけです。全部を入れ替えると、水質が一度に変わって針子が崩れます。かといって換えないままだと、食べ残しから出るアンモニアがたまっていきます。半分ずつというのは、その両方を避けるための量です。

入れる水は、同じ水温にしてください。カルキは抜いておきます。卵のうちはカルキが残っているほうがカビに強いのですが、孵ったあとの針子はカルキに弱いので、逆になります。汲み置きしたものか、水質調整剤を使ってください。

注ぎ方も大事です。容器の縁に沿って、静かに落としてください。勢いよく入れると、その流れだけで針子が壁に押し付けられます。泳ぐ力が弱いので、成魚なら気にならない程度の流れでも堪えます。

底に沈んだ食べ残しは、スポイトで吸い取るのがいちばん確実です。網ですくうと針子まで一緒に取ってしまいます。吸い取ったぶんの水を足せば、それがそのまま水換えになります。

水温と光は、どう整えるのか

水温は24℃から28℃です。この帯なら、成長が早く、しかも体を壊しません。18℃を下回ると育ちが目に見えて遅くなり、30℃を超えると水が傷みやすくなります。

大事なのは温度そのものより、振れ幅です。一日で5℃以上動かさないでください。屋外の小さい容器は、日が当たるだけで一気に上がります。半分だけ日が当たる場所に置くか、簾で切ってください。

光は1日12時間から14時間です。メダカは光を浴びて体をつくるので、暗いままだと大きさが足りても弱い個体になります。屋内なら照明を当ててください。ただし夜はしっかり暗くします。24時間つけっぱなしにすると、休む時間が無くなります。

針子の最初の2週間は、餌を切らさなかったかどうかが全部です。「メダカ台帳」は無料ではじめられます。
→ 餌をやった日を、あとから数えられる
台帳でできることを、もう少し詳しく

緑水は、どう作ってどう使うのか

日の当たる場所に水を置いておけば、自然に緑になります。植物性のプランクトンが増えた状態で、これがそのまま針子の餌になります。屋外なら、何もしなくても数日から1週間でそうなります。

急ぎたいときは、生クロレラを少し入れます。ペットボトルに水と一緒に入れて日に当てておけば、2日か3日で使える濃さになります。容器の水を全部緑にするのではなく、毎日少しずつ足していくほうが失敗しません。

濃さの目安は、容器の底がうっすら見える程度です。底がまったく見えないほど濃くすると、夜のあいだにプランクトンが酸素を使い、朝に酸素が足りなくなります。針子が水面に集まっているときは、濃すぎです。

やめどきは、体長が1cmを超えたころです。そのころには粉の餌を追えるようになっているので、緑水である必要がなくなります。透明な水に切り替えると、数を数えられるようになり、弱っている個体にも気づけるようになります。

エアレーションや塩浴は、必要か

どちらも要りません。むしろ針子の時期には、しないほうが良いことのほうが多いです。

エアレーションを入れると水流が生まれます。成魚なら気にならない程度の流れでも、泳ぐ力の弱い針子は流され続け、体力を使い果たして落ちます。浅くて水面の広い容器なら、そこから酸素は十分に入ります。

どうしても入れたいときは、泡が数秒に1粒出る程度まで絞ってください。水面がわずかに揺れるくらいで十分です。容器の隅に置いて、流れの届かない場所を残しておくとなお良いです。

塩浴も針子にはすすめません。成魚の体調を戻す方法としては有効ですが、針子は体が小さいぶん濃度の影響を強く受けます。調子が悪いときは、塩より先に水を換えてください。針子の不調は、たいてい水の汚れか餌不足です。

季節によって、何が変わるのか

屋外で育てるなら、季節でやることが変わります。春と秋は水温がちょうどよく、いちばん育てやすい時期です。手がかかるのは夏と冬のほうです。

夏は水温が上がりすぎます。小さい容器は昼に35℃を超えることもあり、針子はそこまで耐えられません。半分だけ日が当たる場所へ移すか、簾を掛けてください。緑水が濃くなりすぎるのもこの時期です。

冬は逆に育ちません。水温が15℃を下回ると成長がほとんど止まり、10℃を下回れば餌も食べなくなります。秋に生まれた針子は、冬までに1.5cmへ届くかどうかで扱いが変わります。届きそうになければ、室内に取り込んで水温を保つほうが生き残ります。

屋内で加温しているなら、季節は関係ありません。冬でも同じように育ちます。ただし日が短くなるぶん、照明の時間は自分で確保してください。

容器は、何をどれくらいの大きさで選ぶのか

浅くて広いものを選んでください。針子は泳ぐ力が弱く、深いと餌にたどり着けません。水深5cmから10cmくらいで、水面が広いほうが向いています。水面が広ければ酸素も入りやすくなります。

数は水1リットルあたり10匹ほどが目安です。3リットルの容器なら30匹前後。ただしこれは針子のうちの話で、育つにつれて必要な水の量は増えていきます。窮屈になると成長が止まるので、大きくなったら分けるか、容器を大きくしてください。

発泡スチロールの箱は、針子の容器として都合の良い形をしています。浅くて広く、熱を通しにくいので水温が振れにくい。屋外に置くならとくに向いています。使い方は発泡スチロールで簡単メダカ飼育に書きました。

屋内と屋外で、育て方はどう違うのか

屋内は水温を保てるかわりに光が足りず、屋外は光が足りるかわりに水温が振れます。どちらが良いということはなく、足りないほうを補ってやれば同じように育ちます。

屋内なら、照明を1日12時間から14時間当ててください。水温は加温すれば保てるので、冬でも育てられるのが屋内の強みです。ただし緑水にはなりにくいので、餌は自分で用意することになります。

屋外は、日が当たるので自然に緑水になります。餌の心配が減るのは大きな利点です。かわりに水温が振れるので、容器を大きくして、日を半分切ってください。雨が入って水位が上がるのも針子には負担なので、梅雨の時期はふたを半分掛けておくと安心です。

針子を早く大きくするには

水温を高めに保ち、餌を増やし、容器を大きくする。この3つです。水温26℃から28℃で、1日4回から5回、食べきる量を与えれば、同じ日に孵った兄弟でも育ちがはっきり変わります。

容器の大きさは、思っている以上に効きます。針子は容器の広さに合わせて成長を止めるので、狭いまま餌だけ増やしても大きくなりません。数が増えてきたら、まず分ける。それがいちばん早い方法です。

ただし、急がせると寿命は縮みます。メダカの一生は高い水温で早く進み、低い水温でゆっくり進みます。品評会に出すのでなければ、無理をさせないほうが長く楽しめます。

大きさに差が開いてきたら、分けてください。同じ容器に大小が混ざっていると、大きいほうが餌を先に取り、差がさらに開きます。そのまま置くと共食いにつながります(メダカの稚魚が共食いする理由)。

元気がないときは、何を見るのか

底に沈んだまま動かない個体がいたら、まず水温を測ってください。低ければ動かないのが普通です。水温が十分にあるのに沈んだままなら、水が汚れているか、餌が足りていません。

水面に浮いたまま沈めない個体は、お腹に空気が入っているか、消化がうまくいっていません。餌を1回抜いて様子を見てください。数日で戻ることが多いです。

体に白い綿のようなものが付いている、体が充血している、ヒレを畳んだまま広げない。このどれかが出ていたら、その個体は別に移してください。針子の段階では薬が強すぎることが多いので、まず水を換えて様子を見るほうが確実です。

よくある質問

針子は、いつから餌を食べますか。

孵化から2日か3日たってからです。孵ったばかりの針子はお腹に栄養の袋を持っていて、そのあいだはそれで足ります。お腹のふくらみが消えて、水面近くを泳ぎ回るようになったら始めてください。

針子の生存率は、どのくらいですか。

育て方でまったく変わるので、ひとつの数字では言えません。ただ、落ちるうちのほとんどは餌不足と水の汚れです。餌を1日3〜4回切らさず、毎日水を半分だけ入れ替える。この2つを守れば、同じ容器でも残る数がはっきり変わります。

針子の水換えはしても大丈夫ですか。

大丈夫です。ただし一度に全部は換えないでください。1日1回、半分ほどを入れ替えます。新しい水は同じ水温にして、容器の縁から静かに注いでください。勢いよく入れると、それだけで針子が壁に押し付けられます。

いつ親と同じ容器に戻せますか。

体長が1.5cmを超えてからです。メダカの口はおよそ1cmで、そこを明らかに超えれば食べられません。水温が保たれていれば孵化から4〜6週間が目安ですが、日数ではなく定規で測って決めてください。

早く育てると、何かよくないことはありますか。

水温を上げて餌を増やせば早く育ちますが、寿命は縮みます。メダカの一生は、高い水温で早く進み、低い水温でゆっくり進みます。品評会に出すのでなければ、無理に急がせないほうが長く楽しめます。

針子は1つの容器で何匹まで育てられますか。

水1リットルあたり10匹ほどが目安です。3リットルの容器なら30匹前後。ただしこれは針子のうちの話で、育つにつれて必要な水の量は増えます。窮屈になると成長が止まるので、大きくなったら分けてください。

針子にエアレーションは必要ですか。

要りません。むしろ水流が生まれると、泳ぐ力の弱い針子が流されて体力を使い果たします。浅い容器で水面が広ければ、そこから酸素が溶け込みます。どうしても入れるなら、泡が数秒に1粒出る程度まで絞ってください。

まとめ

針子を育てるうえで効くのは、最初の2週間、餌を切らさないこと。それと、毎日水を半分だけ入れ替えること。この2つで、残る数のほとんどが決まります。

孵化から2日は餌が要りません。そのあと2週間は生きた餌か緑水、1週間ごろから稚魚用の粉、1か月ごろから成魚用の粒へ切り替えていきます。容器は浅くて広いものを、水1リットルあたり10匹まで。

水温は24〜28℃、光は1日12〜14時間。一日で5℃以上動かさない。体長が1.5cmを超えたら、親と合流させて構いません(メダカの稚魚はいつまで別容器?)。

育った分を人に渡すことになったら、送り方は別の話になります。メダカの発送方法に、卵と成魚それぞれの詰め方を書きました。

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この記事を書いた人
鷲林寺アクアファーム(兵庫県西宮市)

植木屋として5年、アクアリウムは10年。2021年から、義理の祖母が守ってきた農地を休耕地にしないためにアクアポニックスを始め、一人で続けています。書いているのは、その農場で実際に起きたことと、確かめられた範囲のことだけです。

農場見学は全国から受け入れてきました(現在は休止中)。ラジオ関西「羽川英樹 ハッスル!」、雑誌「Mer」などの取材を受けています。
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