ほかの人は毎日採れているのに、うちのは1個も産まない。何が足りないのか。
ただ、ここで原因を数え上げる前に、確かめておきたいことがあります。ほんとうに産んでいないのか、それとも見つけられていないのか。
この2つは、やることがまるで違います。順番を逆にすると、産んでいる容器の環境をいじることになります。
- 最初に分けるのは「産んでいない」のか「見つけられていない」のかです。
- 産卵床に付かず、水草や底に落ちていることがあります。朝のうちに食べられていることも。
- ほんとうに産んでいないなら、水温18℃と明るい時間13時間。この2つが揃った日から始まります。
- オスがいなくてもメスは産みます。オスが要るのは受精であって、産卵ではありません。
- 春先と秋に止まるのは正常です。日が短くなれば、水温が保たれていても止まります。

メダカが卵を産まないとき、まず分けること
採れていない、という状態には2通りあります。産んでいないのか、産んでいるのに手元に来ていないのか。
見分け方は簡単です。昼前に、産卵床ではなく容器の底と水草を見てください。
メダカが産卵するのは、夜が明けてからしばらくのあいだです。メスはしばらく卵を腹にぶら下げたまま泳ぎ、そのあと水草や産卵床にこすりつけて産み付けます。
つまり、産卵床にたどり着く前に落ちることがあるということです。底の隅、水草の根元、容器のふち。産卵床だけを見て「無い」と判断すると、そこを見落とします。
そして時間です。朝いちばんに見て何も無く、昼前にもう一度見たら付いている、ということが起こります。産卵そのものが朝だからです。
産んでいるのに見つからない|3つの行き先
産んだ卵がどこへ行くのか。行き先は3つです。
ひとつめは、産卵床に付かなかった卵。房のまま底に沈んでいます。黒い容器だと、卵の飴色は見つけにくい。指ですくうより、底の水を白い容器に少し移して見るほうが早いです。
ふたつめは、食べられた卵です。親のメダカは自分の産んだ卵を食べます。産んでから見つけるまでに時間が空くほど、残る数は減ります。
みっつめは、腹に付いたまま。産み付ける場所が無いと、メスは卵をぶら下げたまま泳ぎ続けます。これが長く続くと、腹に溜まったままになることがあります。
どれも手当ては同じ方向です。産み付ける場所を増やして、朝のうちに引き上げる。産卵床は容器あたり2つか3つ置くと、取りこぼしが減ります。
いま、産卵する時期なのか
ここからは、ほんとうに産んでいない場合です。最初に確かめるのは、腹でも餌でもなく、時期です。
メダカが産卵を始めるのは、水温が18℃を超え、明るい時間が13時間ほど確保されるようになった日からです。この2つは、どちらか片方では足りません。
暖かくても日が短ければ産みませんし、日が長くても水温が低ければ産みません。春先に産まないのは、たいてい水温のほう。秋に止まるのは、日の長さのほうです。
そして秋の停止は、直すものではありません。日が短くなれば、水温が保たれていても止まります。メダカは日の長さで季節を測っているからです。
室内なら事情が変わります。部屋の明かりだけでは、13時間には届きません。人が消せば暗くなるからです。産ませたいなら、照明の時間をそろえるほうが確実です。

オスはいるか。いなくても産む
よく聞かれるので、はっきり書きます。メダカはオスがいなくても卵を産みます。
オスが必要なのは受精であって、産卵そのものはメスが単独で行います。だから「オスがいないから産まない」ではありません。産んではいるが、育たないという話になります。
採れた卵が白く濁ってばかりなら、そちらの問題です。透きとおれば育ち、白く濁れば育ちません。
ただし、オスがいると産卵行動そのものが促されます。追いかける動きが引き金になるからです。いなくても産むが、いたほうが産む。そう考えてください。
買ってきた個体が全部メスだった、ということも起こります。背びれと尻びれの形で見分けられます。

餌が足りていない|産卵は余ったぶんで起こる
時期も揃い、オスもいる。それでも産まないなら、次は餌です。
メダカの産卵数は、食べた量にそのまま比例します。体を保つぶんで終わってしまえば、卵に回す余裕が残りません。産卵は、余ったぶんで起こります。
だから効くのは量より回数です。1日1回では、その1回で食べきれる量に限りがあります。食べきる量を1日3回から4回に分けて与えると、産卵数が上がります。
ここで一度に増やさないでください。食べ残しは沈んで水を悪くします。回数を分けるのは、水を汚さずに総量を増やすためです。
そしてメスの体つきを見てください。上から見て、頭だけ大きく後ろが細いなら痩せています。産卵どころではありません。
水と、落ち着ける場所
餌も足りているのに産まない場合、残るのは環境のほうです。
水が汚れていれば産卵は止まります。透明かどうかではなく、換えていない日数で考えてください。足し水だけを続けていれば、溶けているものは濃くなっていきます。
もうひとつが、落ち着けるかどうかです。オスが多すぎてメスが追われ続けている容器では、産卵まで至りません。追いかけるのが求愛なのか、しつこすぎるのかは、相手の性別で見分けます。
目安として、オスよりメスを多くします。メス2匹にオス1匹くらいの比率にすると、1匹のメスに集中しません。
それから水温の振れ幅です。浅い容器は外気の影響を受けやすく、1日のうちに大きく動くと、産卵リズムが崩れます。
メスの年齢|始まりと、終わりがある
環境をひととおり見ても産まないなら、個体そのものを疑います。
若すぎるメスは産みません。水温が高ければ2か月ほどで産卵が始まりますが、それまでは体ができていません。買ってきたばかりの小さな個体なら、待つのが答えです。
逆に、終わりもあります。産み続けたメスは、やがて産卵そのものが止まります。一年中産ませ続けると消耗が早くなり、そのぶん終わりも早く来ます。
去年はよく産んだのに今年は産まない、という場合、年齢を数えてみてください。いつ来た個体なのかが分かれば、環境を疑い続けずに済みます。
冬に水温が下がって休む時期があると、そのあいだは一生が進みません。翌年また産むようになるのは、そのためです。
屋外と室内で、詰まるところが違う
同じ「産まない」でも、置き場所によって引っかかる場所が変わります。
屋外で詰まるのは、たいてい水温のほうです。日は勝手に長くなるので、明るい時間は季節が用意してくれます。春先に産まないのは、水がまだ温まりきっていないからです。
浅い容器ほど日中は上がりますが、夜に下がります。昼の最高ではなく、朝の水温を見てください。18℃を超えている日が続くようになってから、ようやく始まります。
室内は逆です。水温は保ちやすいのに、明るい時間が足りません。人が消せば暗くなるので、13時間には届かないことがほとんどです。
だから室内で産ませたいなら、照明を時間で管理するほうが確実です。点けたり消したりを気分でやると、長さがそろいません。
もうひとつ、室内は季節の合図が入ってきません。一年中同じ条件にすれば産み続けますが、休む時期が無いぶん、メスの消耗は早くなります。
いつまで待つか|終わりの判断
手を打ったあと、どれくらいで見切るのか。ここを決めておかないと、毎日いじり続けることになります。
産卵床を足した、餌の回数を増やした、オスを入れた。どれも、効くまでに数日から1週間かかります。翌日に変わらないからといって、次の手を重ねないでください。
見るのは1週間です。そのあいだ毎日、昼前に産卵床と底を見る。1個でも採れたなら、産む条件は揃っています。あとは数の問題です。
1週間まったく採れないなら、足すのをやめて、時期と年齢に戻ってください。水温が18℃に届いていない、日が短い、メスが若い、あるいは年をとった。この4つは、手当てで動かせません。
止まっているのが秋なら、それは待つ時期です。冬に休ませたほうが、翌年よく産みます。産ませ続けることが、いい飼い方とは限りません。
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まとめ
卵が採れないとき、まず分けるのは「産んでいない」のか「見つけられていない」のかです。産卵は朝なので、昼前に産卵床だけでなく底と水草の根元を見てください。
ほんとうに産んでいないなら、水温18℃と明るい時間13時間。この2つが揃った日から始まります。どちらか片方では産みません。
オスがいなくてもメスは産みます。オスが要るのは受精のほうです。
手を打ったら1週間見ます。それで採れないなら、足すのをやめて、時期とメスの年齢に戻ってください。秋に止まるのは、待つべき停止です。
よくある質問(FAQ)
Q. メダカが卵を産まないとき、最初に何を見ればいいですか。
A. 産んでいないのか、見つけられていないのかを分けてください。産卵は夜明けからしばらくのあいだなので、昼前に産卵床だけでなく、容器の底と水草の根元を見ます。
Q. メダカが卵を産まない水温は何度ですか。
A. 18℃を下回ると産卵が目に見えて減ります。始まるのは水温18℃を超え、かつ明るい時間が13時間ほど確保された日からで、どちらか片方だけでは産みません。
Q. メダカはオスがいなくても卵を産みますか。
A. 産みます。オスが必要なのは受精であって、産卵そのものはメスが単独で行います。ただし受精しないので、採れた卵は白く濁って育ちません。
Q. メダカに卵を産ませるためにはどうすればいいですか。
A. 水温18℃以上と明るい時間13時間を確保したうえで、食べきる量を1日3〜4回に分けて与えます。産卵数は食べた量に比例します。あわせて産卵床を容器あたり2〜3個置いてください。
Q. 産卵床に卵が付きません。
A. 産卵床にたどり着く前に落ちていることがあります。底の隅や水草の根元を見てください。産卵床は数を増やし、昼前に引き上げるほうが取りこぼしが減ります。
Q. メダカが卵を産まなくなった原因は何ですか。
A. 秋なら日が短くなったためで、正常です。水温が保たれていても止まります。季節が合わないのに止まったなら、餌の量、水の汚れ、メスが追われ続けていないかを見ます。
Q. どれくらい待って見切ればいいですか。
A. 手を打ってから1週間です。効くまでに数日かかるので、翌日に変わらなくても次の手を重ねないでください。1週間採れないなら、水温・日照・メスの年齢に戻ります。
次に見るのは、ここ
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