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アクアポニックスを室内でやる|60cm水槽の上部フィルターで作れる。足りなくなるのは光

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アクアポニックスを室内でやるのアイキャッチ。60cm水槽の上部フィルターで作り、足りなくなるのは光 アクアポニックス

アクアポニックスを室内でやりたい。そう調べると、出てくるのは企業の販売しているシステムか、おしゃれな水槽の写真です。いくらかかって、何につまずくのかを書いたページが見当たりません。

うちは室内でもやりました。使ったのは、60センチの水槽と、その上に載せる上部フィルターです。特別なものは買っていません。

この記事では、実際にどうつまずいたかを順番に書きます。光の総論ポンプの選び方は、それぞれ別の記事にまとめてあります。

この記事の結論(要点)
  • 60cm水槽の上部フィルターが、そのまま栽培槽になります。うちはこれで作りました。
  • 培地は買っていません。中に入れるろ材に、そのまま植えられます。
  • 最初に足りなくなるのは光です。部屋の明かりだけだと、茎ばかり伸びる徒長が出ます。
  • 植物育成ライトを足せば解決します。ただし近づけすぎると葉焼けするので、距離が要点です。
  • 次に来るのがコケとアオミドロ。光と栄養が同じ場所にそろうので、ここは避けられません。
  • 室内で効いてくるのは重さ・水はね・音の3つ。60cm水槽なら、水だけで60キロを超えます。
小型のアクアポニックス装置。下のガラス水槽に金魚、上の栽培槽に苗がびっしり育っている
下が魚の水槽、上が栽培槽。上部フィルターを使うと、この形が既製品でできます。

室内のアクアポニックスは、上部フィルターで作れる

いちばん手っ取り早い作り方から書きます。60センチ水槽と、上部フィルターです。

上部フィルターは、水槽の上に載せる箱型のろ過装置です。ポンプが水を汲み上げて箱に流し、中のろ材を通って水槽へ戻る。この箱に植物を植えれば、それがもう栽培槽になります。

ここが、この作り方のいちばん面白いところです。培地を買う必要がありません。中に入れるろ材が、そのまま培地になります。うちはサブストラットプロ、リングろ材、エーハイムメックといったろ材を敷き詰めて、そこに植えていました。

成立する理由ははっきりしています。培地に求められる条件は4つ——pHに影響しないこと、水中で崩れないこと、多孔質であること、軽いこと。ろ材は、まさにその条件を満たすように作られた材料です。むしろ多孔質という点では、園芸用の培地より徹底しています。細菌を住まわせるために、そう設計されているからです。

考えてみれば当然で、上部フィルターはアクアポニックスの栽培槽と構造がほとんど同じです。上から水が入って、粒のあいだを通って、下から落ちる。植物が入るかどうかの違いしかありません。

だから、この作り方は買うものが少なくて済みます。ポンプも配管もろ材も、最初から付いています。買い足すのは苗と、後述するライトだけです。水漏れの心配も、既製品なので少ない。

ひとつだけ注意があります。ろ材に種を直まきしないでください。粒が大きいので、すきまに落ちて出てきません。スポンジで芽を出してから移すか、苗を買ってください。

置き場所を選ばないのも大きい。60センチ水槽が置ける場所なら、そこがそのまま装置の置き場所になります。屋外でNVボックスを組むより、部屋の中では現実的です。

ただし、この形にはひとつ弱点があります。栽培槽が狭い。上部フィルターの箱に入る株数は限られるので、たくさん穫るための装置ではありません。葉物を数株、というのが実際のところです。

室内のアクアポニックスでつまずく順番の図。部屋の明かりだけで始めると徒長し、植物育成ライトを足すと解決するが、近づけすぎると葉焼けし、最後に上部フィルターにコケとアオミドロが出る
室内でまず足りなくなるのは光です。そして光を足すと、次はコケが来ます。

最初に足りなくなるのは光|部屋の明かりでは徒長する

うちが最初につまずいたのは、ここでした。部屋の明かりだけでは、光が足りません。

出た症状は徒長です。茎だけがひょろひょろと長く伸びて、葉と葉のあいだが間延びしていく。植物が光を探して背を伸ばしている状態で、これは光不足に固有のサインです。

紛らわしいのは、最初の数日はふつうに育つことです。種や苗が持っている力で伸びるので、失敗に気づくのが遅れます。おかしいと思ったときには、もう茎が伸びきっています。

ここで肥料を足そうとする人が多いのですが、意味がありません。足りないのが光なら、足すべきは光です。窒素を入れても、茎が伸びる勢いが増すだけです。

窓際ならどうか。窓際は部屋の奥よりましですが、ガラス越しの光は屋外よりかなり弱くなります。室内で野菜を穫るつもりなら、照明は装置の一部だと考えてください。

ライトは距離で決まる|近すぎると葉焼けする

うちは植物育成ライトを足しました。それで徒長は止まりました。

ここははっきりしています。屋外の装置では、うちは照明を使っていません。冬もです。そのかわり室内では必須でした。同じ装置でも、置く場所で答えが逆になります。

ただし、足せば終わりではありません。次の問題が出ます。

ライトと植物の距離です。近すぎると、葉が焼けます。光が強すぎて、葉の組織が傷む状態です。白っぽく抜けたり、縁が枯れたりします。

遠ざけると今度は弱くなり、また徒長に戻る。この2つのあいだに、ちょうどいい距離があります。そしてその距離は、ライトの強さによって変わるので、ひとつの数字では言えません。

実務としては、少し遠めから始めて、様子を見ながら近づけるのが安全です。葉が焼けてからでは戻せませんが、徒長は距離を詰めれば止まります。失敗したときに取り返しがつくほうから入ってください。

もうひとつ、植物は伸びます。置いたときにちょうどよくても、育つにつれて葉先がライトに近づいていきます。据え付けたまま放っておくと、いつのまにか焼けている。高さを変えられる形にしておくと楽です。

点灯時間にも注意が要ります。12〜14時間が目安で、24時間つけっぱなしは逆効果です。植物にも夜が要ります。タイマーで管理してください。

ライトの選び方|明るさより、光の中身を見る

選ぶときに何を見るか。ここは、あとから効いてくるところです。

ひとつめは、植物用として作られているかどうか。部屋を明るくするための照明と、植物を育てるための照明は、光の中身が違います。人の目に明るく見えることと、葉が使えることは別です。

ふたつめが、光の色の組み合わせです。植物が光合成に使う色と、そうでない色があります。植物用として売られているものは、そこを考えて作られています。白く見えるものでも、中身が違います。

みっつめが、葉に届く光の強さです。ライトそのものの明るさではなく、実際に葉の位置でどれだけ届いているか。同じライトでも、距離と向きで変わります。前の章で距離が要点だと書いたのは、そのためです。

そして栽培槽の全体に届く配置にできるか。1点から照らすと、真下だけが育って端が徒長します。上部フィルターのような細長い箱なら、細長く照らせる形のほうが合います。

うちは光の強さを測っていないので、数値は書きません。測っていないものを、あるように書くつもりはありません。ただ、選ぶときにこの4つを見ておくと、あとで買い直さずに済みます。

上部フィルターにコケとアオミドロが出た

ライトを足すと、次に来るものがあります。コケとアオミドロです。うちも出ました。

これは、ある意味で避けられません。光と栄養が、同じ場所にそろってしまうからです。植物を育てるために光を当てているのですが、その光は藻にも当たります。そして水には魚由来の栄養が溶けています

上部フィルターは、とくに出やすい場所です。水が薄く広がって流れ、上から光が当たり、栄養が通り続ける。藻にとって、これ以上ない条件がそろっています。

対処の考え方は屋外の藻と同じで、全部取ろうとしないことです。見た目が気になっても、それ自体で植物や魚が弱ることはあまりありません。

ただし、水の通り道をふさぐものは別です。アオミドロが糸状に絡まって流れを止めると、装置そのものが止まります。ポンプの吸込口と、水が落ちる穴。この2か所だけは見てください。

減らしたいなら、光の当たり方を調整します。植物の葉が茂ってくると、その下は自然に暗くなるので、藻の勢いは落ちます。植物が育ちきる前の時期が、いちばん出やすいということです。

室内で効いてくる3つ|重さ・水はね・音

屋外では気にならないのに、室内では効いてくるものが3つあります。

1つめが重さです。60センチ水槽の水は、それだけで60キロを超えます。そこへ砂利と上部フィルターと培地が加わる。大人ひとりぶんよりずっと重いものが、一点に載ることになります。置き台と床を先に確認してください。

2つめが水はねです。上部フィルターは水を落とす構造なので、まわりに細かい水滴が飛びます。木の家具の上に置くと、じわじわ効いてきます。塩分は無くても、水は水です。

3つめが音です。これは寝室に置くかどうかで評価が変わります。ポンプ自体は静かですが、水が落ちる音が意外と響く。落とす高さを下げるか、管を水面の下まで伸ばすと静かになります。

あとひとつ、意外に忘れられるのが電源です。ポンプとライトで、差し込み口が2つ要ります。タイマーを挟むならもうひとつ。水まわりなので、床に直置きの延長コードは避けてください。

そして水を足す手間です。屋外ほど蒸発しませんが、上部フィルターは水を空気にさらす構造なので、確実に減っていきます。減るとポンプが空気を吸って音が変わるので、そこで気づけます。バケツを持ってこられる場所に置いてください。

室内のほうが有利なこともある

不利な話ばかり書きましたが、室内には室内の強みがあります。

いちばん大きいのは温度です。人が快適に過ごしている部屋は、たいてい魚にも植物にも都合がいい温度です。屋外なら夏の高温と冬の低温が最大の山になりますが、室内ではそこがほぼ消えます。

結果として、冬も止まりません。屋外の装置は水温が下がると細菌の働きが落ち、餌も止めますが、室内なら年中同じ調子で回ります。育てられる期間が長い。

虫も少なくなります。屋外ではアブラムシやハダニと付き合うことになりますが、室内では入ってくる経路が限られます。皆無ではありませんが、頻度は落ちます。

そして、毎日目に入ります。これがいちばん効くかもしれません。屋外の装置は見に行かないと分かりませんが、部屋の中にあれば、水位が下がったのも、葉の色が変わったのも、勝手に目に入ります。異変に気づくのが早くなります。

小型のアクアポニックス装置。黒い栽培槽に葉物が育ち、下が魚の水槽になっている
室内で狙うのは葉物です。1株から何度も穫れる形が、狭い槽に合います。

室内では、何を育てるか

最後に作物の話です。室内なら葉物です。これは屋外以上にはっきりしています。

理由は光です。実のなる野菜は、葉物よりずっと多くの光を求めます。室内でその量を照明でまかなうのは、電気代の面でも装置の面でも割に合いません。

上部フィルターの広さも効きます。株が入る数が限られるので、1株を長く使えるものが向いています。外葉から穫って、また伸びてくるタイプです。1株から何度も穫る形にすれば、狭さがそれほど問題になりません。

逆に、いちごのように秋から春まで場所をふさぐものは、室内の狭い槽では分が悪くなります。長期間ふさがるうえ、実をつけるには光が要るからです。

最初の1回は、育つかどうかを見る回だと考えてください。葉物を数株、ライトを足して、藻が出るところまでを一度通す。そこまで来れば、あとは何を植えても同じ手順です。

ライトを何センチ離したか。いつ藻が出たか。室内は毎日目に入るぶん、記録が残しやすい場所です。「メダカ台帳」は容器ごとの記録が1タップ。距離を変えた日が残っていると、次に迷いません。
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まとめ

室内のアクアポニックスは、60センチ水槽と上部フィルターで作れます。ポンプも配管も付いているので、買い足すのは培地と苗と照明だけです。

最初に足りなくなるのは光です。部屋の明かりでは徒長します。植物育成ライトを足せば止まりますが、今度は距離が要点になります。近すぎれば焼け、遠すぎればまた伸びる。

そして光を足すと、藻が来ます。上部フィルターは藻にとって条件がそろった場所なので、これは避けられません。全部取る必要はなく、水の通り道だけ見ておけば足ります。

重さ・水はね・音。この3つを先に確かめてから置いてください。あとは、毎日目に入るという室内だけの強みが効いてきます。

よくある質問(FAQ)

Q. アクアポニックスは室内でもできますか。

A. できます。うちは60センチ水槽と上部フィルターで作りました。上部フィルターの箱に植物を植えれば、そのまま栽培槽になります。ポンプも配管も最初から付いているので、買い足すのは苗と照明だけです。

Q. 上部フィルターの培地は何を使えばいいですか。

A. ろ材がそのまま使えます。うちはサブストラットプロ、リングろ材、エーハイムメックなどを敷き詰めて植えていました。培地に求められる4条件(pHに影響しない・崩れない・多孔質・軽い)を、ろ材はもともと満たしています。ただし粒が大きいので、種の直まきはできません。

Q. 室内で最初につまずくのは何ですか。

A. 光です。部屋の明かりだけでは足りず、茎ばかり伸びる徒長が出ます。最初の数日はふつうに育つので気づくのが遅れます。肥料を足しても解決しません。

Q. 室内のアクアポニックスに照明は必要ですか。

A. 必要です。窓際でもガラス越しの光は屋外よりかなり弱くなります。室内で野菜を穫るつもりなら、照明は装置の一部だと考えてください。うちも植物育成ライトを足して、徒長が止まりました。

Q. ライトはどれくらい離せばいいですか。

A. 近すぎると葉が焼け、遠すぎるとまた徒長します。ライトの強さで変わるので、少し遠めから始めて様子を見ながら近づけてください。植物は伸びるので、高さを変えられる形にしておくと楽です。

Q. ライトは何を見て選べばいいですか。

A. 植物用として作られているか、光の色の組み合わせ、葉の位置に届く光の強さ、そして栽培槽の全体に届く配置にできるかの4つです。点灯は12〜14時間が目安で、つけっぱなしは逆効果です。

Q. 室内だとコケは出ますか。

A. 出ます。うちは上部フィルターにコケとアオミドロが出ました。光と栄養が同じ場所にそろうので避けられません。全部取る必要はありませんが、ポンプの吸込口と水が落ちる穴だけはふさがないように見てください。

Q. 室内でやるときに気をつけることは何ですか。

A. 重さ・水はね・音の3つです。60センチ水槽は水だけで60キロを超えるので、置き台と床を先に確認してください。上部フィルターは水を落とすので細かい水滴が飛びます。

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