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アクアポニックスの光はどれだけ要るのか|日陰の限界と、ライトが要る条件

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アクアポニックスの光の記事のアイキャッチ。ハウスの栽培槽で育つ葉物を背景にしている アクアポニックス

置き場所を決めるとき、水道とコンセントは気にします。ところが光は「まあ当たるだろう」で済ませがちです。

そして数週間後、茎だけがひょろひょろ伸びた葉物を見て、肥料が足りないのだろうかと考えはじめる。これは肥料の問題ではありません。

この記事では、光がどれだけ要るのかという判断だけを扱います。育たない原因の切り分けは別の記事に、置き場所そのものの決め方はあとから変えられない4つにまとめてあります。

この記事の結論(要点)
  • 目安は1日4〜6時間の直射。葉物とハーブなら、これで足ります。
  • 午前だけ当たる場所がいちばん扱いやすい。夏の西日を避けられるからです。
  • 明るい日陰でも葉物は育ちます。ただし茎がひょろ長く伸びて、葉が薄くなります。
  • 光不足は肥料では埋まりません。足りないのが光なら、足すべきは光です。
  • 室内でほぼ日が入らないなら照明が要ります。屋外なら、うちは照明を使っていません。

アクアポニックスの光は、1日何時間要るのか

結論から書きます。葉物とハーブなら、直射日光が1日4〜6時間当たれば足ります。

実のなる野菜はもっと要ります。トマトやきゅうりは6時間以上、できれば終日当たる場所が望ましい。花を咲かせて実をふくらませる作業には、それだけのエネルギーが要るからです。

ここで大事なのは、光は栄養と足し算にならないという点です。いちばん少ないものが上限を決めるという法則は、栄養だけでなく光にも当てはまります。肥料をどれだけ足しても、光が足りなければそこで頭打ちになります。

逆に言えば、光が足りているのに育たないなら、そのときこそ栄養やpHを疑う番です。順番を間違えないでください。

アクアポニックスの置き場所の明るさと育つものの図。終日当たれば実ものまで、午前だけなら扱いやすい、明るい日陰は葉物とハーブ、日が入らないなら照明が要る
足りないと、まず茎が伸びます。光は光でしか埋まりません。

置き場所の明るさで、育つものが変わる

自分の置き場所がどの段階かを確かめてください。判定は簡単で、晴れた日に、朝から夕方まで何回か見に行くだけです。

終日よく当たる場所。実ものまで狙えます。ただし夏は水温が上がるので、遮光とセットで考えます。光は足りているのに魚が苦しい、という状態になりやすい場所です。

午前だけ当たる場所。じつはここがいちばん扱いやすい。午前の光で光合成は足りて、いちばん暑い午後の西日を避けられます。うちが屋外に置くなら、まずこの条件を探します。

明るい日陰。直射は入らないけれど、空は見えている場所です。葉物とハーブなら育ちます。ただし後述する徒長が出やすい。

ほぼ日が入らない場所。ここでは植物は育ちません。照明を足すか、置き場所を変えるかの二択です。

アクアポニックスの栽培槽で育てた葉物。株が密に並び、葉の色が薄く黄緑がかっている
これは株の植えすぎでしたが、日陰で密に植えても似た姿になります。

光が足りないと、まず何が起きるか

症状には順番があります。ここを知っていると、栄養不足と取り違えません。

最初に出るのが徒長です。茎だけがひょろひょろ長く伸びて、葉と葉の間隔が空きます。植物が光を求めて背を伸ばしている状態で、これは光不足の固有のサインです。

次に、葉が薄く小さくなります。色は薄い緑になりますが、鉄不足の黄色とは違って、全体的にぼんやり薄い。葉脈だけが緑に残るような出方はしません。

そして育ちが止まります。枯れはしないけれど、いつまでも大きくならない。「枯れないのに穫れない」状態は、光不足の典型です。

実ものの場合は、花は咲くのに実が付かない、付いても大きくならないという形で出ます。リン酸不足と症状が似ているので、疑う前に光を確かめてください。

日陰でやるなら、どこまでいけるか

置き場所を選べないことはあります。北向きのベランダしかない、建物の陰になる。そのときにどこまでいけるか。

まず魚だけなら、日陰でまったく問題ありません。むしろ水温が上がりにくく、藻も出にくい。困るのは植物の側だけです。

明るい日陰で狙えるのは、葉物とハーブです。リーフレタス、小松菜、ミツバ、ミントあたりは比較的耐えます。実ものは諦めたほうが早い。

そのうえで、日陰では株間を広くとってください。光が少ないぶん、隣の株の影が効いてきます。密に植えると全部が徒長します。

収穫も早めに切り上げます。大きくなるのを待っても、そこから先は伸びません。外葉から穫る形にして、若いうちに回していくほうが結果的に量が穫れます。

自分の置き場所の明るさを、道具なしで測る

照度計を買うほどではありません。晴れた日に3回見るだけで足ります。

朝9時ごろ、正午、午後3時ごろ。それぞれ栽培槽に直射が当たっているかを見て、当たっていた回数を数えます。3回とも当たっていれば終日、1回だけなら4時間前後という見当がつきます。

影の出かたも見ておきます。手をかざして、輪郭のはっきりした影が落ちるなら直射です。ぼんやりした影しか出ないなら、それは明るい日陰にあたります。

季節でずれることも忘れないでください。夏に決めた置き場所は、冬には日が当たりません。太陽の高さが変わるからで、建物や木の影が伸びます。冬にどうなるかは、11月にもう一度見て確かめるしかありません。

ここで測っておくと、あとで「育たない」と悩んだときの土台になります。原因の切り分けで、光を最初に消せるからです。

光と水温は、いつも一緒に動く

置き場所の話が難しいのは、光だけを増やせないからです。光を増やすと、水温も上がります。

だから理想は「光は当たるが、水は温まりにくい」形になります。具体的には、水量を多くする、容器を白や薄い色にする、そして午後の日ざしだけを切る

逆に、日陰を選んで水温を抑えると、今度は植物が伸びません。どちらかを取ると、どちらかが痛む。この綱引きの中で置き場所を決めることになります。

うちが「午前だけ当たる場所」を推すのは、この綱引きでいちばん損が少ないからです。光合成が活発な午前に光を取り、いちばん暑い午後を避ける。季節を通して破綻しにくい形です。

ライト(照明)は要るのか

検索でよく見かける問いなので、正面から答えます。うちは屋外で、照明を使っていません。冬もです。

屋外で光が足りないなら、まず置き場所を動かすことを考えてください。照明は電気代がかかり続けますが、置き場所の変更は一度きりです。ランニングコストの話としても、ここは大きい。

照明が要るのは、室内でやる場合です。窓際でも、ガラス越しの光は屋外よりかなり弱くなります。室内で野菜を穫るつもりなら、照明は装置の一部だと考えてください。

選ぶときに見るのは3つです。植物用として作られているか。栽培槽の全体に届く配置にできるか。そしてタイマーで管理できるか。点けっぱなしは良くありません。

点灯時間は12〜14時間が目安です。24時間当て続けると、植物にも休む時間が必要なので逆効果になります。夜は消してください。

ビニールハウスの中のアクアポニックスの栽培槽。赤いリーフレタスとスイスチャードが育ち、奥に骨組みとビニールが見える
ビニールは光を素通しにしません。外の明るさの感覚で置くと足りなくなります。

ビニールハウスの中は、思ったより暗い

うちの一次情報として書いておきます。ビニールは、光を素通しにしません。

新しいうちでもいくらか減りますし、汚れと経年でさらに落ちます。外で見ている明るさの感覚で置くと、思ったより光が足りない。ハウスは冬を楽にしてくれますが、光の面では代償があります

だからハウスの中では、置く位置がより効いてきます。南寄りに、背の高いものの影に入らないように。棚や資材は北側へ寄せます。

冬の寒冷紗も同じ理屈です。白を選ぶのは、光を通しながら夜の熱だけを抑えたいからです。黒や銀は遮光のために作られているので、冬に掛けると昼の光まで削ってしまいます。

夏は、光を減らすほうの仕事になる

ここまで足りない側の話をしてきましたが、夏は逆です。減らす仕事に変わります。

理由は光そのものより水温です。強い日射しは水を温め、水温が上がると水に溶ける酸素が減ります。植物のために光を確保したことが、魚を苦しめる方向に働く。

だから夏は寒冷紗で日ざしを弱めます。掛けるのは栽培槽の上で、ハウス全体を覆う必要はありません。7月に入る前に済ませておくのが、うちの手順です。

遮光しても葉物は育ちます。光を完全に切るわけではないからです。夏に光を削って困るより、水温が上がって魚を失うほうが痛い。優先順位はそこで決まります。

置き場所を動かしたら、そのぶん結果が変わります。いつ動かして、どう変わったか。「メダカ台帳」は容器ごとの記録が1タップ。「変えたこと」が残っていると、原因をたどれます。
→ 容器ごとの記録を、次に迷ったときに引き出せる
どんなアプリか見てみる(登録はメールアドレスだけ・30秒。記録と通知はずっと無料です)

まとめ

葉物なら1日4〜6時間。午前だけ当たる場所がいちばん扱いやすく、明るい日陰でも葉物は育ちます。

足りないと、まず茎が伸びます。これは肥料では埋まりません。光は光でしか埋まらない。

そして夏は、逆に減らす仕事になります。光を削って葉が小さくなるより、水温が上がって魚を失うほうが痛いからです。

よくある質問(FAQ)

Q. アクアポニックスに必要な日照時間はどれくらいですか。

A. 葉物とハーブなら1日4〜6時間の直射で足ります。実のなる野菜は6時間以上、できれば終日当たる場所が望ましいです。

Q. 日陰でもアクアポニックスはできますか。

A. 魚だけなら問題ありません。植物は明るい日陰なら葉物とハーブが育ちますが、茎が伸びて葉が薄くなりやすいので、株間を広くとって若いうちに穫ってください。実ものは難しいです。

Q. 光が足りないと、どんな症状が出ますか。

A. 最初に茎だけがひょろ長く伸びます(徒長)。次に葉が薄く小さくなり、最後は枯れないのに大きくならない状態になります。肥料では埋まりません。足りないのが光なら、足すべきは光です。

Q. アクアポニックスにライトは必要ですか。

A. 屋外なら、うちは使っていません。冬も使っていません。室内でやる場合は必要です。窓際でもガラス越しの光は屋外よりかなり弱くなります。点灯は12〜14時間が目安で、24時間つけっぱなしは逆効果です。

Q. 自分の置き場所の明るさは、どう測ればいいですか。

A. 照度計は要りません。晴れた日の朝9時ごろ・正午・午後3時ごろに、栽培槽へ直射が当たっているかを見て回数を数えてください。3回とも当たれば終日、1回だけなら4時間前後です。手をかざして輪郭のはっきりした影が落ちれば直射、ぼんやりなら明るい日陰です。

Q. 夏と冬で、日の当たり方は変わりますか。

A. 変わります。太陽の高さが季節で動くので、夏に決めた置き場所が冬には日陰になることがあります。建物や木の影が伸びるためです。冬にどうなるかは、11月にもう一度見て確かめてください。

Q. ビニールハウスの中では光は足りますか。

A. ビニールは光を素通しにしません。新しくてもいくらか減り、汚れと経年でさらに落ちます。ハウスの中では南寄りに置き、背の高いものや棚は北側へ寄せてください。

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