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メダカのエラ病|鼻上げは酸欠か病気か、見分け方と治し方

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メダカのエラ病の見分け方と手当ての手順 めだか

メダカが水面で口をパクパクさせている。えらの動きが速い。餌にも寄ってこない。このとき多くの飼い主が「エラ病かもしれない」と考えますが、ここで薬に手を伸ばす前に確かめてほしいことがひとつあります。そうなっているのは1匹だけですか、それとも容器の全部ですか。

容器の全部が水面から離れないなら、それは病気ではなく水質の悪化か酸欠です。水を換えて空気を送れば、多くは数十分から一日で落ち着きます。

逆に1匹だけが苦しそうで、ほかのメダカは普通に泳いでいるなら、その個体のえらに異常が起きている可能性が高くなります。この記事では、その切り分けから始めて、えらの見方、原因、手当ての順番までを整理します。

アクアポニックスで飼っている場合は、注意が必要です。
この記事の薬浴や塩水浴は、必ず別の容器で行ってください。そして薬を使った魚と水は、システムに戻せません。ろ過を担う菌が減ること、野菜が根から吸うこと、植物に害が出ることが理由です。塩水も植物を枯らすので戻せません。判断の分かれ目はアクアポニックスの魚が病気に|治療した魚は戻していいのかにまとめました。
アクアポニックス農場見学

エラ病とは、ひとつの病気の名前ではない

「エラ病」という言葉は、特定の病名ではありません。えらに異常が出て呼吸がうまくできなくなった状態をまとめて呼んでいるものです。だから原因もひとつではなく、水質の悪化、酸素不足、細菌、寄生虫と幅があります。

ここが大事なところで、原因によって手当てが変わります。水質と酸素なら水を直せば戻りますが、細菌や寄生虫には薬が要ります。「エラ病だから薬」と直行すると、原因が水質だった場合に何も改善せず、そのあいだに弱っていきます。まず切り分けるのが遠回りに見えて最短です。

えらは体表と違って、内側にあるぶん異変に気づきにくい器官です。それでも、えらぶたの開き具合と、すきまから見えるえらの色は外から確かめられます。この2つが、飼い主にできる観察の中心になります。

まず確かめる|鼻上げしているのは何匹か

まず、鼻上げしているのは何匹か水面で口をパクパクさせているメダカは?容器の全部、または大半水質の悪化か酸欠を疑うアンモニアや亜硝酸がたまっている水温が上がって酸素が減っている→ 水を換えて空気を送る1匹だけ、または数匹だけ病気を疑うえらの色とえらぶたを見るほかのメダカは普通に泳いでいる→ その個体を別の容器へ水を換えて空気を送って戻るなら、それは病気ではない鷲林寺アクアファーム|jurinji-aquafarm.com

ここを飛ばして薬に手を出すと、原因が水質だった場合に何も変わらない。

水面で口をパクパクさせる動きを鼻上げと呼びます。鼻上げは病気だけのサインではなく、酸素が足りないときにも、餌を待っているときにも出ます。だから「鼻上げしている」だけでは何も決まりません。決まるのは、それが何匹に起きているかを数えたときです。

容器の全部、または大半が水面から離れないなら、疑うのは水質の悪化と酸欠です。

アンモニアや亜硝酸がたまってえらを直接傷めているか、水温が上がって水に溶ける酸素が減っているか、そのどちらかがほとんどです。この場合の対処は薬ではなく、水換えとエアレーションになります。

1匹だけ、あるいは数匹だけが苦しそうで、ほかは普通に泳いでいるなら、その個体のえらに異常が起きていると考えます。まず別の容器に移して、えらの色とえらぶたを確かめてください。

なお餌の時間に水面へ集まるのは正常な行動です。空腹の鼻上げと酸欠の鼻上げの見分けはメダカの餌やり|量と回数の目安と、空腹と酸欠の見分け方で詳しく書いています。

えらを見る|色とえらぶたで判断する

メダカのエラ病の見分け方。健康なえらはあざやかな赤色でえらぶたは静かに閉じているが、エラ病では白っぽく褪せ粘液で膨れ、えらぶたが開いたままになる。全部が水面でパクパクなら水質か酸欠、1匹だけなら病気を疑う
健康なえらはあざやかな赤色。白っぽく褪せて、えらぶたが開いたままなら、その日に動く。

健康なメダカのえらは、あざやかな赤色をしています。血液が透けて見える色で、えらぶたは静かに閉じ、左右が同じ調子で動きます。呼吸はゆっくりで一定です。まずこの状態を覚えてください。比べる基準がないと、異常かどうかの判断がつきません。

えらの見方エラ病のえら白っぽく褪せる、または赤黒く充血する粘液で膨れて、えらぶたが閉じない片方だけ動く、開いたまま止まる呼吸が速く、荒くなる健康なえらあざやかな赤色をしているえらぶたは静かに閉じている左右が同じ調子で動く呼吸はゆっくりで一定鷲林寺アクアファーム|jurinji-aquafarm.com

上から見るとえらぶたの開きが分かりやすい。左右差は進行のサイン。

エラ病では、えらの色が白っぽく褪せるか、逆に赤黒く充血します。褪せるのはえらの組織が傷んで血が通わなくなっているとき、充血するのは炎症が起きているときです。どちらも異常です。あわせて粘液が過剰に出て膨れ、えらぶたが閉じきらなくなります。

いちばん分かりやすいのは、えらぶたが開いたまま止まっていることと、左右で動きが違うことです。片方だけが動いている、あるいは片方が開いたままなら、そちら側のえらが機能していません。

上から見るとえらぶたの開きが分かりやすいので、容器の上から覗いて左右を見比べてみてください。

症状の進み方

エラ病は、呼吸の変化から始まります。最初はえらぶたの動きが速くなるだけで、えらの色もまだ変わっていないことが多いです。この段階で気づけると回復の見込みが高く、水を直すだけで戻ることもあります。

進むと、水面近くから離れなくなり、餌に反応しなくなります。えらの色が褪せてきて、粘液で膨れ、えらぶたが開いたままになります。体を底や壁にこすりつける動きが出るなら、寄生虫が付いている可能性があります。

末期になると、えらぶたが完全に開いて閉じず、水面で横たわるようになります。ここまで進むと助けられないことが多くなります。えらは呼吸そのものを担う器官なので、体表の病気より命に直結します。「呼吸が速いだけ」の段階で動くことが、いちばん効きます。

えらに異常が出る4つの原因

えらに異常が出る4つの原因水質の悪化アンモニアや亜硝酸がえらを直接傷める立ち上げ直後と、掃除を怠った容器で起きやすい酸素が足りない水温が上がると水に溶ける酸素が減る過密飼育と、濃いグリーンウォーターの夜が危ない細菌が入ったえらが腐って白っぽく崩れる水が汚れて体力が落ちたときに増える寄生虫が付いたえらに虫が付いて粘液が過剰に出る体を底や壁にこすりつける動きが出る鷲林寺アクアファーム|jurinji-aquafarm.com

前の2つは水を直せば戻る。後の2つは薬が要る。だから切り分けが先。

水質の悪化は、いちばん多い原因です。アンモニアや亜硝酸はえらの組織を直接傷めます。

立ち上げたばかりの容器では、餌の食べ残しやフンを分解する菌が育っていないため、これらがたまりやすくなります。水の中で何が起きているかは硝化サイクルの記事で数値の見方まで説明しています。

酸素不足は、夏に集中します。水温が上がると水に溶ける酸素の量が減るうえ、メダカの代謝も上がって消費が増えます。過密飼育の容器と、グリーンウォーターが濃くなった容器は特に危ないところで、後者は夜間に植物プランクトンが酸素を使うため、朝方に酸欠が起きます。

細菌が入ると、えらが腐って白っぽく崩れていきます。水が汚れて体力が落ちたときに、もともと水の中にいる菌が増えて起こります。寄生虫の場合は、えらに虫が付いて粘液が過剰に出ます。体を底や壁にこすりつける動きが出るのが特徴です。

ここから手当てに入ります。始めた日と、使った薬の名前と量を、どこかに控えておいてください。数日たつと必ず分からなくなりますし、うまくいかなかったときに何を変えればいいのかの手がかりは、その記録しかありません。メダカ台帳を使うと、水温が急に動く日の知らせと一緒に残せます。

手当ての順番

手当ての順番1水を換えて空気を送る3分の1ほどを、水温を合わせて換えるエアレーションを足すか、強める2別の容器に移す1匹だけに症状が出ているとき本水槽に薬を入れるとろ過バクテリアが減る30.5%の塩水浴水1Lに塩5g。添加物のない粗塩を使う粘膜を守り、呼吸の負担を減らす4薬浴に切り替える塩水浴で2〜3日みて改善しないとき規定量を守り、別の容器で行う5水温を見張る28℃を超えないようにする上げるときは1日1〜2℃ずつ鷲林寺アクアファーム|jurinji-aquafarm.com

上から順に。水を直すだけで戻ることが多いので、薬は4番目でよい。

順番が大事です。まず水を換えて空気を送る。これで戻るなら病気ではなく、薬を使う必要はありませんでした。水換えは3分の1ほどを、水温を合わせてから入れてください。急に大量に換えると、それ自体が負担になります。

1匹だけに症状が出ているなら、別の容器に移します。本水槽にそのまま薬を入れると、ろ過を担う菌が減って水質が崩れ、治療後にかえって別の問題を招きます。移す先は洗面器やバケツでかまいません。小さいほうが薬の量を管理しやすく、水の汚れにも早く気づけます。

塩水浴で呼吸の負担を下げる

0.5%(水1Lに塩5g)の塩水浴は、粘膜を守り、浸透圧の負担を下げます。呼吸で消耗している個体を助ける手当てです。

塩は添加物の入っていない粗塩か塩浴用の塩を選び、少しずつ溶かして加えて、一気に濃度を上げないようにします。濃度と期間の詳しい目安はメダカの塩浴の適切な濃度と頻度にまとめています。

ただし塩は菌や寄生虫を殺す薬ではありません。あくまで体力の消耗を抑えるケアなので、2〜3日みて改善しないなら薬浴に切り替えてください。なお野菜や水草を一緒に育てている容器で塩を使うと植物が傷みます。必ず別の容器に移してから行ってください。

薬浴に切り替える|薬の選び方

薬の「承認された効能」エルバージュエースエロモナス感染症(穴あき病・スレ症・立鱗病)カラムナリス病(鰓腐れ・尾腐れ・口腐れ)松かさ・エラ・尾ぐされに適応がいちばん明確グリーンFゴールド顆粒観賞魚の細菌性感染症(皮膚炎・尾ぐされ病等)細菌性の病気に幅広く使える観パラDエロモナス属による穴あき病承認はこの1つだけ。尾ぐされには第一選択にしないメチレンブルー水溶液・アグテン白点病、尾ぐされ症状、水カビ病体の表面に出る病気に使う薬。体の中には届かない鷲林寺アクアファーム|jurinji-aquafarm.com

出典:動物用医薬品等データベース(農林水産省 動物医薬品検査所)。対象魚にメダカを明記していない製品もあるため、規定量を必ず守る。

薬は「承認された効能」で選んでください。魚病薬は病気ごとに効能が決まっているので、適応外の薬を使うと規定量を守っても効きません。以下は動物用医薬品等データベース(農林水産省 動物医薬品検査所)の記載に沿って整理しています。

細菌が原因のエラ病に適応がいちばん明確なのはエルバージュエースです。効能に「カラムナリス病(鰓腐れ・尾腐れ・口腐れ)」と明記されています。鰓腐れは、えらで起きる細菌感染そのものです。ただし水草には使えません。

グリーンFゴールド顆粒は「観賞魚の細菌性感染症」で承認されていて、細菌性の病気に幅広く使えます。手に入りやすいので、常備しておくならこれです。

観パラDは「エロモナス属による穴あき病」での承認です。えらの細菌感染に対する承認ではないので、エラ病の第一選択にはしません。体に穴が開くなどエロモナス属の症状を併発しているなら選択肢になります。

用法と用量は必ず製品の指示に従い、規定量を守ってください。濃くすればよく効くというものではなく、濃すぎるとメダカが薬負けします。

なお承認の対象魚として挙げられているのは金魚や錦鯉で、メダカを明記していない製品もあります。実際には広く使われていますが、量は必ず守ってください。

薬浴中は餌を控えめにします。治療中のメダカは体力が落ちていて、薬浴容器は水も汚れやすいためです。食べ残しを出さないことが大事です。また水温は28℃を超えないようにしてください。水温が上がると酸素が減るので、呼吸が苦しい個体には逆効果になります。

似た症状と間違えないために

似た症状と間違えないために空腹の鼻上げ餌の時間に水面へ集まるのは正常餌をやれば散る。えらの色も普通酸欠の鼻上げ容器の全部が水面から離れない空気を送れば数十分で落ち着く白点病体やひれに白い点が散らばるえらだけでなく体表に症状が出る尾ぐされ病ひれの縁が白くにごって欠けるえらに広がると呼吸も荒くなる鷲林寺アクアファーム|jurinji-aquafarm.com

鼻上げは病気だけのサインではない。まず正常な鼻上げを除外する。

鼻上げも、体をこすりつける動きも、エラ病だけのサインではありません。取り違えると治療が空振りになるので、次のものを先に除外してください。

体やひれに白い点が散らばっているなら白点病です。えらだけでなく体表に症状が出ます。見分け方と治し方はメダカの白点病とラメの違いにあります。

ひれの縁が白くにごって欠けているなら尾ぐされ病で、これがえらに広がると呼吸も荒くなります(尾ぐされ病の記事)。白い綿のようなものが付いているなら水カビ病です(水カビ病の記事)。

えらを守る、日々のこと

メダカの屋外飼育容器。水量が少ないと外気温の影響を受けて水温が上がり、水に溶ける酸素が減る
屋外の容器は外気温の影響を受けやすい。夏は水温が上がって酸素が減るので、空気を送るのが効く。
えらを守る、日々のこと過密にしない水量1Lあたり成魚1匹ほどが目安詰めるほど水が傷み、酸素も足りなくなるこまめに水を換える週1回、3分の1ほど水温を合わせてから入れる餌を与えすぎない2〜3分で食べきる量食べ残しがアンモニアの元になる夏は空気を送る水温が上がると酸素が減る濃いグリーンウォーターは夜に酸素を使う新しいメダカは別容器で2週間寄生虫や細菌の持ち込みを防ぐ鷲林寺アクアファーム|jurinji-aquafarm.com

エラ病は「水が悪くなったときに出る」病気。予防はほぼ水の管理に尽きる。

エラ病は「水が悪くなったときに出る」病気です。だから予防は、ほとんど水の管理に尽きます。過密にしない、こまめに水を換える、餌を与えすぎない。この3つを続けているだけで、発症はかなり減ります。

夏は空気を送ることを足してください。水温が上がると酸素が減るので、同じ飼い方をしていても夏だけ酸欠が起きます。そして新しくメダカを迎えるときは、2週間ほど別の容器で様子を見てから合流させると、寄生虫や細菌の持ち込みを防げます。

よくある質問(FAQ)

Q. エラ病の初期症状は?

A. 最初に出るのは呼吸の変化です。えらぶたの動きが速くなり、水面近くで口をパクパクさせる時間が増えます。

この段階ではえらの色はまだ変わっていないことも多いので、呼吸のリズムと、餌への反応の悪さで気づくことになります。えらの色が褪せたり、えらぶたが開いたままになったら、すでに進んだ段階です。

Q. メダカのエラ病に塩水はどうですか?

A. 0.5%(水1Lに塩5g)の塩水浴は有効です。粘膜を守り、浸透圧の負担を下げるので、呼吸で消耗している個体を助けます。ただし塩は菌や寄生虫を殺す薬ではないので、2〜3日みて改善しないなら薬浴へ切り替えてください。

なお水草や野菜を一緒に育てている容器で塩を使うと植物が傷むので、必ず別の容器に移してから行います。

Q. メダカのエラに病気ができたら末期ですか?

A. いいえ、えらの異常が見えた時点で必ず手遅れというわけではありません。ただしえらは呼吸そのものを担う器官なので、体表の病気より進行が命に直結します。

えらぶたが開いたまま閉じない、片方だけしか動かない、水面から離れられない、このあたりまで来ると回復は難しくなります。呼吸が速いだけの段階で動けば間に合います。

Q. メダカのエラ呼吸が早いのは病気ですか?

A. 病気とは限りません。水温が上がったとき、餌の直後、驚いたあとは一時的に速くなります。見分け方は「何匹がそうなっているか」です。

容器の全部が水面でパクパクしているなら水質の悪化か酸欠で、水を換えて空気を送れば戻ります。1匹だけなら病気を疑って、その個体のえらの色とえらぶたを確かめてください。

Q. エラ病はほかのメダカにうつりますか?

A. 原因によります。細菌や寄生虫が原因なら水を介してうつるので、症状の出た個体は別の容器に移してください。

一方、水質の悪化や酸欠が原因の場合はうつるのではなく、同じ水にいる全部が同時に弱っている状態です。どちらなのかは、症状が出ているのが1匹だけか全部かで見分けられます。

Q. 水温を上げたほうがいいですか?

A. エラ病では積極的に上げる必要はありません。水温が上がると水に溶ける酸素が減るため、呼吸が苦しい個体にはかえって負担になります。薬の効きを考えて上げる場合でも28℃を超えないようにし、上げるときは1日1〜2℃ずつにしてください。あわせて空気を送るのを忘れないことです。

まとめ|数えてから、えらを見る

エラ病はひとつの病気ではなく、えらに異常が出た状態の総称です。原因は水質、酸素、細菌、寄生虫の4つに分かれ、前の2つは水を直せば戻り、後の2つには薬が要ります。だから切り分けが先になります。

切り分けの入口は単純で、鼻上げしているのが何匹かを数えるだけです。全部なら水質か酸欠、1匹だけなら病気。

そのうえでえらの色とえらぶたを見て、白っぽく褪せていたり開いたままなら、その日のうちに手当てを始めてください。えらは呼吸そのものなので、体表の病気より時間の猶予がありません。

メダカの世話は、覚えておこうとするほど抜けていきます。水を換えた日と薬を使った日が残っていれば、次に迷ったときの手がかりになります。「メダカ台帳」は無料ではじめられます。
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