メダカの様子がいつもと違う。でも何の病気か分からない——。そんなときに、症状から原因をたどれるようにまとめました。見ているところは3つだけです。体に何か付いているか。体の形が変わったか。動きがおかしいか。
それぞれの病気の詳しい見分け方と治し方は個別の記事にありますので、この表で当たりをつけて、そこから読み進めてください。なお病名が分からないときにやることも決まっているので、先に知りたい方は「どの病気でも、まずこの3つ」まで飛ばして構いません。

この記事の薬浴や塩水浴は、必ず別の容器で行ってください。そして薬を使った魚と水は、システムに戻せません。ろ過を担うバクテリアが減ること、野菜が根から吸うこと、植物に害が出ることが理由です。塩水も植物を枯らすので戻せません。判断の分かれ目はアクアポニックスの魚が病気に|治療した魚は戻していいのかにまとめました。

- 見るところは3つだけ。体に何か付いているか・体の形が変わったか・動きがおかしいか。
- 病名が分からなくても、やることは決まっています。別容器に移す・水を換える・0.5%の塩水浴。薬はそのあとで。
- 薬は「承認された効能」で選びます。コショウ病・赤斑病の名前で承認された薬はありません。
- アクアポニックスの場合、薬や塩を使った魚と水はシステムに戻せません。治療は必ず別の容器で。
メダカの病気は、体のどこに症状が出るか

まず全体を見てください。1匹のメダカに、8つの病気の症状を描き込んだ図です。実際にこれらが同時に出ることはありませんが、「どの症状が体のどこに出るか」を一度に見比べられます。
付いているものが白い点か、金色の粉か、白い綿か、赤い斑点か。形が変わったのが鱗か、ひれか、お腹か。この図で当たりをつけてから、次のフローチャートで絞り込んでください。なお姿勢が崩れて浮いたり沈んだりするのは体に症状が出ないので、図の下に分けて書いています。
症状から病気をたどる



上から順に3つの問いに答えるだけです。体に何か付いているか。体の形が変わっているか。動きがおかしいか。当てはまったところで止めて、その病気の記事へ進んでください。当てはまらなければ次の問いへ送るので、迷子になりません。
体に「何か付いている」とき

白い点がはっきり数えられるなら白点病です。砂糖や塩の粒ほどの大きさで、ひれから始まって体へ広がります。ただし光る鱗のラメと間違えやすいので、行動もあわせて見てください。
金色から黄褐色の細かい粉をまぶしたように見えるならコショウ病です。「白点病だと思ったらコショウ病だった」という取り違えがよく起きます。粒が細かいと感じたら、まずこちらを疑ってください。
白い綿やフワフワしたものが付いているなら水カビ病で、傷口から生えることが多い病気です。体やひれに赤い充血の斑点が出ているなら赤斑病ですが、品種の赤みや内出血と紛らわしいので、日ごとに増えるかどうかで判断します。
体の形が変わったとき

鱗が松ぼっくりのように逆立っているなら松かさ病です。初期は横から見ても分かりにくいので、容器の上から覗いて輪郭がギザギザに見えないかを確かめてください。
ひれの縁が白くにごって欠けているなら尾ぐされ病です。進みが速い病気なので、気づいたその日に動く必要があります。お腹が張ってふくらんでいるなら、卵か便秘か内臓の病気かで分かれます。お腹が大きい・パンパンの見分け方にふくらむ場所ごとの違いをまとめました。
浮いたまま沈めない、底に沈んだまま浮けない、横向きや逆さで泳ぐ——これは転覆病です。多くは浮き袋や消化の不調で、まず餌と水温を見直します。
動きがおかしいとき

水面で口をパクパクさせているとき、まず数えてください。容器の全部がそうなっているなら、まず水質の悪化か酸欠を疑い、水を換えて空気を送ります。1匹だけならエラ病を疑って、えらの色とえらぶたを確かめます。
体を底や壁にこすりつけているのは、寄生虫が付いているサインです。白点病、コショウ病、えらに付く虫のどれかを疑ってください。
稚魚が死骸も残さず減っていくなら、病気ではなく捕食か餓死のことがよくあります。稚魚が消える・溶ける原因で消え方ごとに切り分けられるようにしています。
どの病気でも、まずこの3つ

病名が分からなくても、やることは決まっています。別の容器に移して、水を換えて、0.5%(水1Lに塩5g)の塩水浴をする。この3つは、病名が分からないうちに、どの病気でもまずやる手当てです。ただし塩水浴は、針子には勧めません。濃度と期間はメダカの塩浴|0.5%の作り方と3〜7日の手順にまとめました。
塩は添加物の入っていないものなら何でも。メダカ用の粒塩なら、量が測りやすい。
薬はそのあとで構いません。むしろ病名を取り違えたまま薬を使うと、効かないうえに弱った個体の負担になります。まず環境を整えて、それでも改善しないときに薬へ進むのが順番です。
うつる病気と、うつらない病気

白点病、コショウ病、尾ぐされ病、水カビ病はうつります。白点病とコショウ病は寄生虫、水カビ病はカビ、尾ぐされ病は細菌が、水を介して別の魚に取りつくためです。症状の出た個体を別の容器に移し、元の容器も水換えで立て直してください。
松かさ病と赤斑病は、ふだんから水の中にいる細菌が、弱った魚の体で増える病気です。過抱卵は感染症ではありません。
ただし1匹に出たということは、同じ水にいる全部の抵抗力が落ちているということです。その意味では、うつるかどうかにかかわらず水を立て直す必要があります。
薬は「承認された効能」で選ぶ

魚病薬は病気ごとに承認された効能が決まっています。動物用医薬品等データベース(農林水産省 動物医薬品検査所)で引くことができます。適応外の薬は、規定量を守っても効くという裏付けがありません。買う前に、その病気が効能に含まれているかを確かめてください。
注意しておきたいのは、「コショウ病」「赤斑病」という病名で承認された薬は存在しないことです。コショウ病は寄生虫による病気なので、白点病などで承認された薬(メチレンブルー水溶液など)を、承認の範囲外で使うことになります。そのぶん、加温と水換えが結果を左右します。赤斑病は「観賞魚の細菌性感染症」など、より広い枠の薬を使うことになります。
また承認の対象魚として挙げられているのは金魚や錦鯉、淡水性熱帯魚で、メダカを明記していない製品もあります。実際には広く使われていますが、量は必ず守ってください。
予防は、病気ごとに変えなくていい
ここまで9種類の病気を見てきましたが、予防はほとんど共通しています。過密にしない。こまめに水を換える。餌を与えすぎない。水温を急に変えない。新しいメダカは別の容器で2週間ほど様子を見る(落ち着かなければ1か月まで)。この5つです。
理由は単純で、多くの病気が「水が悪化して抵抗力が落ちたときに出る」ものだからです。菌の多くは、もともと水の中にいます。それが増えるかどうかを決めているのは、メダカ自身の体力と水の状態です。だから病気を1つずつ覚えるより、水を保つほうが結局は近道になります。
よくある質問(FAQ)
Q. メダカの病気は何から見分ければいいですか?
A. まず「見た目に何か付いているか」「体の形が変わったか」「動きがおかしいか」の3つに分けてください。
白い点や金色の粉が付いているなら寄生虫、白い綿ならカビ、赤い斑点や鱗の逆立ちなら細菌、というように大きく分かれます。動きだけがおかしい場合は、病気ではなく水質や酸欠のこともあります。
Q. 病名が分からないとき、何をすればいいですか?
A. 病名が分からなくても、別の容器に移す、水を換える、0.5%の塩水浴をする、この3つは、どの病気でもまずやる手当てです(塩水浴は針子には勧めません)。薬はそのあとで構いません。むしろ病名を取り違えたまま薬を使うと、効かないうえに弱った個体の負担になります。
Q. メダカの病気はうつりますか?
A. 病気によります。白点病、コショウ病、尾ぐされ病、水カビ病はうつります。松かさ病や赤斑病は、ふだんから水の中にいる細菌が、弱った魚の体で増える病気です。過抱卵は感染症ではありません。
どの病気でも、1匹に出たということは同じ水にいる全部が危ないという意味では変わりません。
Q. メダカの病気で、いちばん多いのは何ですか?
A. どの病気が多いかを比べた資料はありません。体表に何か付く病気では、白点病とコショウ病の取り違えが起きやすいので、まずそこを見分けてください。
また稚魚では、病気ではなく餓死や捕食で数が減っていることがよくあります。
Q. 薬はどれを買っておけばいいですか?
A. 動物用医薬品等データベース(農林水産省 動物医薬品検査所)で効能を確認すると、承認された効能は薬ごとに決まっています。
細菌が相手ならグリーンFゴールド顆粒(観賞魚の細菌性感染症)、白点病・尾ぐされ症状・水カビ病ならメチレンブルー水溶液が幅広く使えます。まず1種類ずつ持っておくと、いざというときに慌てません。
細菌性なら、グリーンFゴールド顆粒。承認された効能の範囲で使う。
Q. 予防はどうすればいいですか?
A. 病気ごとに変える必要はほとんどありません。過密にしない、こまめに水を換える、餌を与えすぎない、水温を急に変えない、新しいメダカは別の容器で2週間ほど様子を見る(落ち着かなければ1か月まで)。この5つで、かなり減らせます。多くの病気が「水が悪化して抵抗力が落ちたときに出る」ものだからです。
次に見るのは、ここ
白い点が出たなら白点病とラメの違いへ。
点が粉のように細かいならコショウ病へ。
ヒレがボロボロなら尾ぐされ病へ。
鱗が逆立っているなら松かさ病へ。
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