メダカの針子はPSBだけで育つ?効果と使い方・併用すべきエサ
めだか
2024.08.17
メダカの針子を育てるときによく登場するPSB(光合成細菌)。「PSBだけで育つ」という話も聞きますが、実際のところはどうなのでしょうか。
その話は半分だけ当たっています。PSBだけでは針子は十分に育ちません。生存率をある程度押し上げる効果はありますが、成長に必要な栄養を単独でまかなうには足りません。PSBは主食ではなく補助——この位置づけを理解しておくことが、針子を落とさないコツです。
- PSBだけでは針子は十分に育たない。死にはしないが成長が止まり、結果的に生存率が下がる。
- PSBは補助。グリーンウォーターや微粉末フードと併用するのが前提。
- 給餌は量より回数。1日3〜4回、ごく少量ずつ。PSBの入れすぎは酸欠を招くので注意。
PSBとは?──水をきれいにする光合成細菌
PSBは光合成細菌の略で、光のエネルギーを使って有機物を分解する細菌の総称です。アクアリウムでは古くから水質改善剤として使われてきました。
PSBは「餌」であると同時に「水質改善剤」でもあります。ただし主食にはなりません。ここが判断のポイントです。
PSBがしてくれる仕事は主に3つあります。ひとつは水質の浄化。有機物や硫化水素、アンモニアといった有害物質の分解に関わり、水の立ち上げを助けます。
ふたつめが餌としての役割です。PSBの菌体そのものが微細なタンパク源になるため、口の小さい針子でも取り込めます。「PSBが餌になる」と言われるのはこの性質によるものです。
そして水を安定させる働き。他のバクテリアの活動を支え、水槽全体のバランスを整えます。独特のニオイの軽減につながることもあります。
PSBだけで針子は育つのか?
ここが本題です。答えははっきりしていて、PSBだけでは不十分です。
結論として、PSBは「補助」です。針子を確実に育てたいなら、グリーンウォーターや微粉末フードとの併用が前提になります。
理由は単純で、菌体だけでは栄養の密度が足りないからです。針子は孵化から2週間ほどで体長が倍近くになる、非常に成長の速い時期にあります。この時期に必要なタンパク質と脂質の量を、PSBの菌体だけで満たすのは現実的ではありません。
実際にPSBのみで育てると、死にはしないが大きくならないという状態になりがちです。痩せたまま日数だけが経過し、成長の遅れがそのまま生存率の低下につながります。針子は大きくなるほど死ににくくなるので、成長を止めることは結果的にリスクを高めるのです。
ではPSBは無意味かというと、そうではありません。水質を保ちながら、餌の合間を埋める役割としては非常に優秀です。とくに給餌の回数を確保しにくい日中や、外出が多い時期の保険として役立ちます。
針子に必要な餌と組み合わせ方
針子を確実に育てるなら、PSBに加えて密度の高い餌を用意します。
もっとも相性がよいのがグリーンウォーターです。植物プランクトンが常に水中にいる状態なので、針子はいつでも食べられます。PSBとグリーンウォーターの併用は、針子飼育でもっとも安定する組み合わせのひとつです。
次に微粉末タイプの人工フード。針子の口に入るサイズまで細かくしたもので、栄養価が高く扱いやすいのが利点です。ただし食べ残しは水を汚すので、ごく少量をこまめにが原則になります。
ゾウリムシは生き餌なので食い付きがよく、水も汚しにくい優れた餌です。ブラインシュリンプは栄養価が非常に高いものの、孵化直後の針子には大きすぎることがあるため、1cm前後に育ってからが目安になります。
針子の餓死は「量」ではなく「回数」の不足で起きます。少量をこまめに——これが生存率を決めます。
給餌で意識すべきは量ではなく回数です。針子は消化器官が未発達で、一度にたくさん食べられません。1日3〜4回、ごく少量ずつ——これが餓死を防ぐ最大のポイントです。まとめて与えると、食べ切れずに水を汚すだけになります。
併用したい餌
ゾウリムシは生き餌なので食い付きがよく、水も汚しにくい餌です。種水から培養できるので、一度用意すれば継続的に与えられます。
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微粉末タイプの人工フードは、針子の口に入るサイズまで細かくしたものです。栄養価が高く扱いやすいので、PSBと組み合わせる主食として最適です。
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PSBの正しい使い方と注意点
PSBは入れれば入れるほど良い、というものではありません。入れすぎは逆効果です。
目安は製品の表示に従いますが、おおむね水10Lに対して10〜20ml程度を週に2〜3回というのが一般的です。大量に入れると水が赤く濁り、分解のために酸素が消費されてかえって酸欠を招きます。
保管にも注意が必要です。PSBは生きた細菌なので、直射日光と高温を避けて保管します。開封後は劣化が進むため、早めに使い切るのが基本です。強い異臭がしたり、色が変わったりしたものは使わないでください。
また、PSBを入れたからといって水換えが不要になるわけではありません。あくまで水質を支える補助であって、汚れそのものを消してくれるわけではないからです。針子の容器でも、足し水を基本にしながら、必要に応じて少量の水換えを行ってください。
針子の容器は、澄んだ水より緑がかった水のほうが残る。
市販のPSB製品
PSB製品は濃度と容量で選びます。針子の飼育容器は小さいことが多いので、使い切れる容量を選ぶのが失敗しないコツです。
大容量でコストを抑えたいなら
複数の容器で針子を育てている場合や、屋外のビオトープにも使いたい場合は、大容量タイプが割安です。開封後は劣化するので、使い切れる範囲で選んでください。
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濃縮タイプで少量ずつ使いたいなら
飼育容器が少ないなら、濃縮タイプを少量ずつ使うほうが管理しやすくなります。保管場所も取りません。
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ニオイを抑えたい室内飼育なら
PSB特有のニオイが気になる方には、室内飼育を意識した製品もあります。室内で針子を育てる場合は、こうした製品を選ぶと続けやすくなります。
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よくある質問(FAQ)
Q. メダカの針子はPSBだけで育ちますか?
A. 十分には育ちません。生存率をある程度押し上げる効果はありますが、菌体だけでは栄養密度が足りず、成長が明らかに遅れます。針子は大きくなるほど死ににくくなるため、成長が止まることは結果的にリスクを高めます。
Q. PSBと何を併用すればよいですか?
A. グリーンウォーターがもっとも相性のよい組み合わせです。ほかに微粉末タイプの人工フード、ゾウリムシがあります。ブラインシュリンプは栄養価が高い一方で孵化直後の針子には大きすぎるため、1cm前後に育ってからが目安です。
Q. PSBはどのくらいの量を入れればよいですか?
A. 製品の表示に従うのが基本ですが、おおむね水10Lに対して10〜20mlを週2〜3回が目安です。入れすぎると水が赤く濁り、分解に酸素が使われてかえって酸欠を招くので注意してください。
Q. 針子には1日何回餌をあげればよいですか?
A. 1日3〜4回、ごく少量ずつが基本です。針子は消化器官が未発達で一度にたくさん食べられません。餓死は量ではなく回数の不足で起きるため、まとめて与えるのではなくこまめに与えてください。
Q. PSBはどのように保管すればよいですか?
A. 生きた細菌なので、直射日光と高温を避けて保管します。開封後は劣化が進むため早めに使い切ってください。強い異臭がしたり色が変わったりしたものは使用を避けます。
Q. PSBを入れれば水換えは不要になりますか?
A. なりません。PSBは水質を支える補助であって、汚れそのものを消すわけではありません。針子の容器では足し水を基本にしながら、必要に応じて少量の水換えを行ってください。
この記事を書いた人
鷲林寺アクアファーム(兵庫県西宮市)
植木屋として5年、アクアリウムは10年。2021年から、義理の祖母が守ってきた農地を休耕地にしないためにアクアポニックスを始め、一人で続けています。書いているのは、その農場で実際に起きたことと、確かめられた範囲のことだけです。
農場見学は全国から受け入れてきました(現在は休止中)。ラジオ関西「羽川英樹 ハッスル!」、雑誌「Mer」などの取材を受けています。