メダカの針子を育てるときによく登場するPSB(光合成細菌)。「PSBだけで育つ」という話も聞きますが、実際のところはどうなのでしょうか。
その話は半分だけ当たっています。PSBだけで針子が十分に育つとは考えにくいです。餌の合間を埋める補助にはなりますが、成長に必要な栄養を単独でまかなうには足りません。PSBは主食ではなく補助——この位置づけを理解しておくことが、針子を落とさないコツです。

- PSBだけで針子が育った確かな資料はありません。餌の合間を埋める補助で、主食にはしません。
- 主食はグリーンウォーターか、粉末の稚魚用の餌。量より回数で、1日3〜4回ごく少量。
- 入れすぎは逆効果。水が濁って臭うなら量を減らす。
- 迷ったら、PSBより餌。使い切れる容量で買って、残さない。
メダカの針子に使うPSBとは|水をきれいにする光合成細菌
PSBは光合成細菌の略で、光のエネルギーを使って有機物を分解するバクテリアの総称です。アクアリウムでは古くから水質改善剤として使われてきました。

PSBがしてくれる仕事は主に3つあります。ひとつは水質の浄化。有機物の分解に関わるバクテリアで、水の立ち上げを助けるとされています。
ふたつめが餌としての役割です。PSBの菌体は細かいタンパク源になると言われ、それが「PSBが餌になる」と言われる理由です。
そして水を安定させる働き。他のバクテリアの活動を支え、水槽全体のバランスを整えます。独特のニオイの軽減につながることもあります。
PSBだけで針子は育つのか?

ここが本題です。答えははっきりしていて、PSBだけでは不十分です。

理由は単純で、菌体だけでは栄養の密度が足りないからです。針子は孵化してからの数週間で、体がぐんぐん大きくなる時期にあります。この時期に必要なタンパク質と脂質の量を、PSBの菌体だけで満たすのは現実的ではありません。
PSBだけで育てると、死にはしないが大きくなりにくい状態になると考えられます。痩せたまま日数だけが経過し、成長の遅れがそのまま生存率の低下につながります。針子は大きくなるほど死ににくくなるので、成長を止めることは結果的にリスクを高めるのです。
ではPSBは無意味かというと、そうではありません。水質を保ちながら、餌の合間を埋める役割としては非常に優秀です。とくに給餌の回数を確保しにくい日中や、外出が多い時期の保険として役立ちます。
針子に必要な餌と組み合わせ方
針子を確実に育てるなら、PSBに加えて密度の高い餌を用意します。
もっとも相性がよいのがグリーンウォーターです。植物プランクトンが常に水中にいる状態なので、針子はいつでも食べられます。PSBとグリーンウォーターの併用は、針子飼育でもっとも安定する組み合わせのひとつです。
次に微粉末タイプの人工フード。針子の口に入るサイズまで細かくしたもので、栄養価が高く扱いやすいのが利点です。ただし食べ残しは水を汚すので、ごく少量をこまめにが原則になります。
ゾウリムシは生き餌なので食い付きがよく、水も汚しにくい優れた餌です。ブラインシュリンプは栄養価が非常に高いものの、孵化直後の針子には大きすぎることがあるため、口に入る大きさになってから(孵化から1〜2週間が目安)与えます。

給餌で意識すべきは量ではなく回数です。針子は消化器官が未発達で、一度にたくさん食べられません。1日3〜4回、ごく少量ずつ——これが餓死を防ぐ最大のポイントです。まとめて与えると、食べ切れずに水を汚すだけになります。
併用したい餌
ゾウリムシは生き餌なので食い付きがよく、水も汚しにくい餌です。種水から培養できるので、一度用意すれば継続的に与えられます。
微粉末タイプの人工フードは、針子の口に入るサイズまで細かくしたものです。栄養価が高く扱いやすいので、PSBと組み合わせる主食として最適です。
PSBの正しい使い方と注意点
PSBは入れれば入れるほど良い、というものではありません。入れすぎは逆効果です。
量は製品の表示に従います。濃さが製品で大きく違うので、表示量も製品ごとに違います。大量に入れると水が赤く濁り、分解のために酸素が消費されてかえって酸欠を招きます。
保管にも注意が必要です。PSBは生きたバクテリアなので、直射日光と高温を避けて保管します。開封後は劣化が進むため、早めに使い切るのが基本です。強い異臭がしたり、色が変わったりしたものは使わないでください。
また、PSBを入れたからといって水換えが不要になるわけではありません。あくまで水質を支える補助であって、汚れそのものを消してくれるわけではないからです。針子の容器でも、足し水を基本にしながら、必要に応じて少量の水換えを行ってください。

市販のPSB製品
PSB製品は濃度と容量で選びます。針子の飼育容器は小さいことが多いので、使い切れる容量を選ぶのが失敗しないコツです。
大容量でコストを抑えたいなら
複数の容器で針子を育てている場合や、屋外のビオトープにも使いたい場合は、大容量タイプが割安です。開封後は劣化するので、使い切れる範囲で選んでください。
濃縮タイプで少量ずつ使いたいなら
飼育容器が少ないなら、濃縮タイプを少量ずつ使うほうが管理しやすくなります。保管場所も取りません。
ニオイを抑えたい室内飼育なら
PSB特有のニオイが気になる方には、室内飼育を意識した製品もあります。室内で針子を育てる場合は、こうした製品を選ぶと続けやすくなります。
どこで見切るか|終わりの判断
線を決めておきます。
私もPSBを使ったことがあります。効いたかどうかは、正直に言うと分かりませんでした。効かなかったのではなく、効いたと言い切れる差が出なかった。だから「補助」と書いています。
PSBを入れていて、針子が減っていないなら、そのまま。ただしPSBは補助で、主食にはなりません。入れているから安心、ではない。
針子が痩せて減るなら、足りないのは餌。PSBを増やしても戻りません。密度の高い餌(緑の水か粉末)を足す側へ。
水が濁って臭うなら、入れすぎ。PSBは入れるほど良いものではなく、入れすぎは逆効果です。量を減らして、足し水。
私のところでは、針子が1cmを超えたらPSBはやめます。そこから先は普通の餌で足ります。PSBは「使い切れる容量」で買って、残さない。
PSBは、食事にたとえると調味料です。無くても育つし、あっても主食の代わりにはならない。
よくある質問(FAQ)
Q. メダカの針子はPSBだけで育ちますか?
A. 十分に育つとは考えにくいです。餌の合間を埋める補助にはなりますが、菌体だけでは栄養密度が足りず、成長が遅れやすくなります。針子は大きくなるほど死ににくくなるため、成長が止まることは結果的にリスクを高めます。
Q. PSBと何を併用すればよいですか?
A. グリーンウォーターがもっとも相性のよい組み合わせです。ほかに微粉末タイプの人工フード、ゾウリムシがあります。ブラインシュリンプは栄養価が高い一方で孵化直後の針子には大きすぎるため、口に入る大きさになってから(孵化から1〜2週間が目安)与えます。
Q. PSBはどのくらいの量を入れればよいですか?
A. 製品の表示に従ってください。濃さが製品で大きく違うので、表示量も製品ごとに違います。入れすぎると水が赤く濁り、分解に酸素が使われてかえって酸欠を招くので注意してください。
Q. 針子には1日何回餌をあげればよいですか?
A. 1日3〜4回、ごく少量ずつが基本です。針子は消化器官が未発達で一度にたくさん食べられません。針子はため食いができないので、回数を分けて切らさないようにします。
Q. PSBはどのように保管すればよいですか?
A. 生きたバクテリアなので、直射日光と高温を避けて保管します。開封後は劣化が進むため早めに使い切ってください。強い異臭がしたり色が変わったりしたものは使用を避けます。
Q. PSBを入れれば水換えは不要になりますか?
A. なりません。PSBは水質を支える補助であって、汚れそのものを消すわけではありません。針子の容器では足し水を基本にしながら、必要に応じて少量の水換えを行ってください。
次に見るのは、ここ
孵ったばかりの針子を残したいなら針子の育て方へ。
ブラインシュリンプを使うならブラインシュリンプへ。
針子の水を換えるか迷っているなら針子の水換えへ。
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