メダカの稚魚を親と合流させる目安は、体長1.5cmです。日数ではなく、大きさで決めてください。
理由は単純で、メダカは自分の子でも口に入れば食べるからです。メダカの成魚は3.5〜4cmほどで、口の大きさはおよそ1cm。稚魚がその口より明らかに大きくなれば、別の容器で守っておく理由は無くなります。成魚の半分、というのはそういう意味です。
日数の目安は孵化から4〜6週間ですが、水温によって前にも後ろにも大きくずれます。カレンダーではなく、実際の体長を見て決めてください。
メダカの稚魚は、いつまで別容器で育てるのか


1cmの稚魚は、まだ危険です。親の口とほぼ同じ大きさなので、飲み込める範囲に入っています。朝になったら数が減っていた、という失敗はこの大きさで起きます。
1.5cmまで育てば、ほぼ食べられません。2cmを超えれば、追いかけられることはあっても飲み込まれることはまず無くなります。
迷ったら、まだ早いかもしれないと思うほうを選んでください。1週間待って損をすることはありませんが、早すぎた1日で全部いなくなることはあります。
測るときは、容器の横から定規を当ててください。上から見ると実際より大きく見えます。親の品種が大きい場合は、口もそのぶん大きいので、2cmまで育ててから合流させたほうが確実です。
そもそも、なぜ別容器で育てるのか


いちばん大きい理由は、親に食べられることです。メダカに子を守る習性はなく、自分が産んだ卵も、孵ったばかりの針子も、口に入れば食べます。産卵床ごと別の容器へ移すのが基本なのは、これが理由です。
餌の問題もあります。成魚と同じ容器では、稚魚は餌にたどり着く前に横取りされます。食べられずに済んでも、育ちが止まっていつまでも小さいままになります。
水の変化に弱いことも見落とせません。針子は水質の振れに耐える力が弱く、広い容器に放すと調子を崩したときに気づけません。
浅くて小さい容器のほうが、毎日目が届きます。針子が消えてしまう原因はメダカの稚魚が「消える・溶ける」のは何故?原因と対策にまとめました。
合流できる大きさまで、何日かかるのか
水温が保たれていれば、孵化から4〜6週間です。ただしこれは水温24〜28℃で餌がきちんと足りている場合の話で、条件が違えば大きく変わります。
メダカは水温が高いほど代謝が上がり、成長が早くなります。加温している室内なら4週間ほどで1.5cmに届くこともありますし、無加温の屋外で水温が上がらない時期なら2か月かかることも珍しくありません。
同じ日に孵化した兄弟でも、餌の量と容器の広さで差が出ます。
だから日数を数えるより、月に一度でも定規を当てるほうが確かです。孵化から2週間はまだ5〜7mmで、合流は考える段階にありません。1か月で1〜1.5cm、4〜6週間で1.5〜2cm。この歩みから大きく遅れているなら、合流の前に餌と容器の広さを見直してください。
合流の前に、何を確かめるのか

大きさだけで決めないでください。1.5cmあっても、成魚用の粒の餌をまだ食べられない個体は、合流させたところで餌にありつけません。合流の前に、少しずつ粒の餌に慣らしておくと安心です。
移す先の容器の状態も見ておきます。親の容器の水が濁っている、底に食べ残しがたまっている、親自身の調子が悪いという状態で稚魚を入れれば、弱いほうから落ちます。合流の前に、親の容器の水を換えておいてください。
親の容器が混み合っている場合も、合流させると全体が痩せます。1リットルあたり1匹が目安で、すでに詰まっているなら容器を増やすほうが先です。
稚魚は、どうやって親の容器へ移すのか

いちばん多い失敗は、網ですくって親の容器へそのまま放つことです。網は体の表面の粘膜を削り、そこから病気が入ります。また水温と水質が急に変わると、それだけで泳ぎが乱れ、数日後に落ちることがあります。
手順としては、まず親の容器の水をコップ1杯ずつ、30分から1時間おきに稚魚の容器へ足していきます。これを2〜3時間続けると、稚魚の側が新しい水に慣れます。より丁寧にやるなら、細い管で1滴ずつ落とす方法もあります。
水温は、容器を並べて数時間置くだけでも近づきます。差が2℃以内になったら、コップやプラスチックの容器で水ごとすくって移してください。移すのは午前中にします。夜に移すと、追い回されていても気づけません。
合流させたあと、何が起きるのか

最初の数日は、追い回されることがあります。多くは順位を決めているだけで、数日で落ち着きます。ただし追う側が執拗で、追われる個体のヒレが裂けてきたり、餌の時間に出てこなくなったりしたら、戻してください。
追い回しを減らすには、隠れられる場所を作るのがいちばん早い方法です。水草を浮かべる、鉢や土管を沈めるなどして、視線が切れる場所を用意してください。広い容器のほうが逃げ場ができるので、合流を機に容器を大きくするのも手です。
餌の時間もしばらくは見ていてください。成魚と一緒だと、稚魚は餌の場所にたどり着けないことがあります。数か所に分けてまくと、小さい個体にも行き渡ります。
大きさの差が開いたまま同居させると共食いにつながるので、メダカの稚魚が共食いする理由もあわせて読んでおくと安心です。
大きさが揃っていないときは、大きい個体から順に移してください。同じ日に孵化した兄弟でも育ちには差が出ます。小さいものは残して育て、合流できる大きさになってから追いかけさせるほうが、結果として残る数が増えます。
別容器は、どれくらいの大きさが要るのか
目安は水1リットルあたり1匹です。孵化したばかりの針子なら、3リットルの容器に20匹ほどでも当面は足ります。ただし育つにつれて必要な水の量は増えるので、同じ容器のままでは途中で頭打ちになります。
稚魚は容器の広さに合わせて成長を止めます。餌を足しても大きくならないときは、足りていないのは餌ではなく水の量であることが多いです。合流できる大きさに届かないまま止まっている場合は、まず容器を大きくするか、数を分けてください。
浅い容器のほうが向いています。針子は泳ぐ力が弱く、深いと餌にたどり着けません。水面に浮いた餌を追える深さ、目安として水深10cmから15cmくらいが扱いやすい範囲です。
発泡スチロールの箱は、浅くて水温が振れにくいので稚魚の容器として都合が良い形をしています。
屋内と屋外で、気をつけることは違うのか
違います。屋内は水温を保てるかわりに光が足りず、屋外は光が足りるかわりに水温が振れます。どちらも合流の時期に影響します。
屋内で育てる場合、水温を24〜28℃に保てば4週間ほどで合流できる大きさに届きます。ただし光が足りないと体が弱くなるので、照明を1日10時間から13時間当ててください。暗いままだと、大きさは足りても合流のストレスに耐えられない個体になります。
屋外は水温が上がる時期なら育ちが早く、光の心配もありません。かわりに、小さい容器ほど一日のうちの水温の振れが大きくなります。
真夏の直射日光は水温を一気に押し上げるので、簾や板で半分ほど日を切ってください。雨が入って水位が上がるのも稚魚には負担なので、梅雨の時期はふたを半分掛けておくと安心です。
秋に生まれた稚魚は、どうするのか
冬までに1.5cmへ届くかどうかで、扱いが変わります。届きそうなら合流させて、親と一緒に越冬させて構いません。届きそうになければ、合流ではなく室内に取り込んでください。
小さい個体は体力が持たず、冬を越せないことが多いためです。屋外で越冬させると、餌を食べない数か月のあいだに痩せて落ちます。室内で水温を保ったまま育てれば、冬のあいだに合流できる大きさまで届きます。
春から夏に生まれた稚魚なら、水温が高いので迷うことは少ないはずです。ただし真夏は水温が上がりすぎて、小さい容器ほど一日の振れが大きくなります。
合流の前に、日よけと水量を先に見直してください。越冬そのものの判断はメダカの冬越し|成否は秋で決まるに書いています。
合流させない、という選び方もある
合流は義務ではありません。分けたままのほうが都合の良い場面もあります。
品種を混ぜたくない場合が、その代表です。違う品種を同じ容器に入れれば当然掛け合わさるので、品種を保ちたいなら分けたままにします。成長を揃えたい場合、産卵を管理したい場合も同じです。
ただし、分けたままにするなら容器のほうを大きくしてください。稚魚は容器の広さに合わせて成長が止まります。
小さい容器に入れたままだと、餌を足しても大きくならず、「いつまでも稚魚のまま」という状態になります。数が増えたら分ける、育ったら移す。この2つを繰り返します。

