朝、メダカの容器をのぞくと、水面に膜が張っている。光が当たると、虹色にぎらつく。指で触ると、さっと散った。
調べると「餌の油」「バクテリアの死骸」「水草」「ほこり」と原因が並んで、最後に「キッチンペーパーで取りましょう」と書いてあります。どれが自分の容器の油膜かは、分かりません。
種類は、触れば分かります。散るか、割れるか、崩れるか。そこから書きます。
- 油膜は3種類。触ったときの壊れ方で見分けます。散れば餌の油、しわになれば細菌、割れれば鉄。
- 餌の油は次の1回を抜く。細菌の膜は底を掃除して1/3換える。鉄の膜は水を変える。
- 取るのはキッチンペーパーを浮かべて、すっと引き上げる。手でかき回さない。
- 害は油膜そのものではなく、酸素の入り口をふさぐこと。パクパクしはじめたら酸欠の手当てが先。
- 原因を直して3日出なければ終わり。毎日出るなら、種類を間違えています。
油膜は3種類|触ったときの壊れ方で見分ける
答えを先に書きます。メダカの容器に出る油膜は、大きく3種類です。見分けるのは、指や楊枝で触ったときの壊れ方です。
触ると、さっと散って、すぐ元に戻るなら、餌の油です。透明で、光が当たると虹色。餌を与えたあとに出て、一晩で薄くなります。底に沈んだ餌、白いにごりと一緒に出ているなら、与えすぎです。
触ると、白く濁った膜がしわになって、破片が浮くなら、細菌の膜です。白っぽく、少し厚みがあって、においがすることがあります。餌を止めていても出ます。水の中で細菌が増えすぎて、水面に集まっている状態です。
触ると、板のようにパリッと割れて、割れたまま戻らないなら、鉄の膜です。虹色で、餌の油によく似ていますが、散らずに割れます。井戸水や、赤茶色の沈殿がある容器で出ます。鉄を食べる細菌が作る膜で、油ではありません。
触るときは、指でもいいですが、楊枝の先のほうが分かりやすい。膜の端を、楊枝で1センチほど横に引いてみてください。引いた跡がすぐ埋まるか、しわが残るか、割れ目が残るか。3秒で決まります。
もうひとつ、春先に黄色い粉が浮くなら、花粉です。これは油膜ではなく、上に載っているだけです。取れば終わります。
この3つは、原因も、取り方も、放っておいたときの影響も違います。先に触って、どれかを決めてください。

餌の油|取るより、次の1回を抜く
触って散った。餌の油です。一番多いのが、これです。
餌には油が含まれています。食べ残しが水中でほぐれると、油が水面に浮きます。メダカが食べるときに口からこぼれる分もあります。
この油膜は、取ることより、出さないことのほうが大事です。出ているなら、与えている量が多い。次の1回を抜いてください。それだけで、翌日には薄くなります。
取るなら、キッチンペーパーを水面に浮かべて、すっと引き上げます。膜ごと取れます。新聞紙でも同じです。
害は、薄いうちはほとんどありません。ただ、厚くなると、水面から酸素が入らなくなります。朝にメダカが水面で口をパクパクしていたら、油膜が原因のひとつです。
毎日出るなら、毎日与えすぎています。取り続けるのではなく、量を減らす。餌の油膜は、餌の側で止めます。
細菌の膜|水の中で増えすぎている合図
触ると白い膜がしわになって、破片が浮いた。細菌の膜です。
これは、油ではありません。水の中で増えた細菌が、水面に集まって膜を作っています。餌を止めていても出るのが特徴です。原因は、水の中に餌が多すぎること。食べ残し、フン、死んだ魚、枯れた水草。それを食べて、細菌が増えます。
立ち上げたばかりの容器で出やすいのは、まだ水の中の細菌のバランスができていないからです。この場合は、数日で自然に消えることが多い。
立ち上げてしばらくたった容器で出るなら、水換えのサインです。においがするなら、なおさらです。3分の1ほど換えて、底の汚れを吸い出してください。
取るのは、餌の油と同じでキッチンペーパーです。ただ、取っても、水の中の原因が残っているかぎり、翌日また出ます。取るのは応急で、直すのは水換えです。
細菌の膜が出ているとき、水中の酸素はすでに減っています。細菌も酸素を使うからです。エアレーションを弱く、夜に回してください。

鉄の膜|油ではないので、餌を減らしても消えない
触ると板のように割れて、戻らない。虹色。これは鉄の膜です。
水に鉄分が多いと、それを食べる細菌が水面に膜を作ります。虹色に光るので油に見えますが、油ではありません。割れ方が違います。油は散り、鉄の膜は割れます。
出るのは、井戸水を使っている容器、赤茶色の沈殿がある容器、鉄の器具を入れている容器です。水道水では、まず出ません。
この膜は、餌を減らしても、水換えをしても、同じ水を使っているかぎり出続けます。原因は水そのものだからです。
害は、餌の油や細菌の膜より小さい。鉄の膜そのものが魚を傷めることは、まずありません。ただ、厚くなれば酸素の入り口をふさぐのは同じです。
止めたいなら、水を変えます。井戸水をやめて水道水にする。それができないなら、取り続けるしかありません。エアレーションで水面を動かせば、膜は張りにくくなります。
屋外と室内で、出やすい油膜が違う
同じ油膜でも、置き場所で、出やすい種類が変わります。
屋外の容器で多いのは、餌の油と、細菌の膜です。屋外は水温が上がりやすく、細菌の増え方が早い。餌の油も、暖かい水面には浮きやすい。夏の朝に張っているなら、この2つのどちらかです。
屋外にはもうひとつ、上から落ちてくるものがあります。花粉、ほこり、木の葉の油。これらは水面に載っているだけで、水の中の問題ではありません。取れば終わります。雨が降れば、雨が散らしてくれます。
室内の水槽で多いのは、細菌の膜です。室内は水面が動きません。風も雨もない。餌の油も細菌の膜も、静かな水面に集まって、そのまま残ります。屋外なら風で散っていた膜が、室内では張り続けます。
室内で毎朝出るなら、エアレーションを弱く入れて、水面を動かしてください。屋外では要らなかったものが、室内では要ることがあります。
鉄の膜は、屋外でも室内でも、水しだいです。井戸水を使っていれば、どちらでも出ます。
水草と青水の容器で出る、もうひとつの膜
水草が多い容器や、青水の容器で、朝だけ薄い膜が張ることがあります。
これは、水草や藻が出したものと、夜のあいだに増えた細菌が混ざった膜です。昼になって光が当たり、水草が酸素を出しはじめると、水面が動いて消えます。
この膜は、昼に消えるなら、放っておいて構いません。害は薄い。ただ、青水が濃い容器は明け方に酸素の底が来ます。膜が張っているのは、その時間帯です。膜が酸素の入り口をふさぐのと、青水が夜に酸素を使うのが重なります。
朝にメダカが水面に集まっているなら、膜より青水の濃さを疑ってください。薄めれば、膜も減ります。
水草が枯れて溶けている容器では、細菌の膜が出ます。枯れた葉は取り除いてください。それが餌になっています。
取り方|キッチンペーパーと、水面の流れ
種類が分かったら、取ります。取り方は、3種類とも同じです。
キッチンペーパーを1枚、水面にそっと置きます。すぐに引き上げず、1秒ほど待って、端からすっと持ち上げる。膜がペーパーに付いて、まとめて取れます。新聞紙でも同じです。
広い容器なら、コップで水面の水をすくって捨てる方法もあります。膜は水面のごく薄い層にあるので、水面だけをすくえば、少ない水で取れます。
もうひとつは、水面を動かすこと。油膜は、水面が静かなときに張ります。エアレーションを弱く回して、水面がゆらぐ程度にすれば、膜が集まらなくなります。取るというより、張らせない方法です。
やってはいけないのは、水面を手でかき回すこと。膜が水中に散って、また浮いてきます。取れたように見えて、取れていません。
取る時間は、朝です。油膜は夜のあいだに張り、朝に一番厚くなります。朝に取っておけば、昼の日ざしで水温が上がる時間帯に、酸素の入り口が開いています。夕方に取っても、翌朝にはまた張ります。
取ったあと、翌日また出るかどうかを見ます。出なければ終わり。出るなら、種類ごとの原因が残っています。

油膜は、メダカに害があるのか
「油膜があるとメダカが死ぬ」と聞いて、心配する方がいます。
油膜そのものが、メダカを直接傷めることは、ほとんどありません。害があるのは、油膜が酸素の入り口をふさぐことです。メダカは水面から溶け込む酸素で生きています。膜が厚く張ると、その入り口が閉じます。
だから、薄い油膜が朝だけ張って、昼には消えるなら、放っておいて構いません。厚くなって、一日中残って、メダカが水面で口をパクパクしはじめたら、そこが線です。
もうひとつ、油膜が出ている容器は、餌が多いか、水が汚れているか、どちらかです。油膜より、その原因のほうが、メダカには効きます。油膜は、水の状態を教えてくれる目印だと思ってください。
油膜を取っただけで安心せず、なぜ出たかまで戻ってください。そこを直せば、油膜は出なくなります。
毎日出るときは、原因が3つのどれかで決まっている
取っても取っても、毎日出る。これは、種類ごとに原因がはっきりしています。
餌の油が毎日なら、毎日与えすぎです。量を半分にして、3日見てください。それで消えるなら、それが答えです。
細菌の膜が毎日なら、水の中に餌が多すぎます。底に沈んだ餌、フン、枯れた水草。底を掃除して、3分の1換える。そのあとエアレーション。
鉄の膜が毎日なら、水です。井戸水を使っているかぎり出ます。水道水に変えるか、取り続けるか。
もうひとつ、屋外で夏に毎日出るなら、水温です。水温が高いと、細菌の増え方も、餌の油の浮き方も早くなります。すだれで日射を切ってください。
毎日出る油膜は、毎日取るものではなく、原因を1つ直すものです。
どこで見切るか|終わりの判断
線を決めておきます。
原因を直して、3日出なければ、終わりです。薄く張って昼に消える程度なら、それも終わりに数えて構いません。
直したのに毎日出るなら、種類を間違えています。もう一度、触ってください。散るか、しわになるか、割れるか。
厚く張って、メダカが水面でパクパクしはじめたら、油膜より先に酸欠の手当てです。応急の手順は、酸欠の記事に書きました。油膜を取るのは、そのあとです。
最後にひとつ。油膜は、取るものではなく、読むものです。散れば餌、しわになれば水、割れれば鉄。読めたら、直すところが決まります。
まとめ
メダカの油膜は3種類です。触って、さっと散れば餌の油。白い膜がしわになって破片が浮けば細菌の膜。板のように割れて戻らなければ鉄の膜。
餌の油は、次の1回を抜く。細菌の膜は、底を掃除して3分の1換えて、エアレーション。鉄の膜は、井戸水をやめるか、取り続けるか。
取るのは、キッチンペーパーを浮かべてすっと引き上げる。手でかき回さない。水面を弱く動かせば、張りにくくなります。
害は油膜そのものではなく、酸素の入り口をふさぐこと。パクパクしはじめたら酸欠の手当てが先。原因を直して3日出なければ終わりです。
よくある質問(FAQ)
Q. メダカの容器に油膜が張るのはなぜですか。
A. 3種類あります。餌の油、水中で増えた細菌の膜、鉄を食べる細菌の膜。触ったときの壊れ方で見分けます。散れば餌の油、白い膜がしわになれば細菌、板のように割れれば鉄です。
Q. 油膜はメダカに害がありますか。
A. 油膜そのものが直接傷めることはほとんどありません。害は、油膜が水面をふさいで酸素が入らなくなることです。薄くて昼に消えるなら放っておいて構いません。厚く残ってメダカが水面でパクパクしはじめたら、酸欠の手当てを先にします。
Q. 油膜を取る方法は。
A. キッチンペーパーを水面にそっと置き、1秒待って端からすっと引き上げます。膜ごと取れます。新聞紙でも同じ。手でかき回すと膜が散ってまた浮くので、やらないでください。
Q. 油膜が毎日出ます。
A. 種類ごとに原因が決まっています。餌の油なら与えすぎで量を半分に。細菌の膜なら底の汚れで、掃除して3分の1換える。鉄の膜なら井戸水などの水そのもの。毎日取るのではなく、原因を1つ直します。
Q. 餌を止めているのに油膜が出ます。
A. 餌の油ではなく、細菌の膜か鉄の膜です。触ってみてください。白い膜がしわになるなら細菌で、水換えとエアレーション。虹色で板のように割れるなら鉄で、水を変えないかぎり出続けます。
Q. 虹色の膜は油ですか。
A. 餌の油も鉄の膜も虹色です。触って散るなら油、割れて戻らないなら鉄。井戸水や赤茶色の沈殿がある容器なら鉄のほうです。
Q. 立ち上げたばかりの容器に油膜が出ました。
A. 水の中の細菌のバランスがまだできていないときに出る細菌の膜で、数日で自然に消えることが多いです。取りながら、餌を控えめにして待ってください。
Q. エアレーションで油膜は消えますか。
A. 水面がゆらぐ程度に弱く回せば、膜が集まらなくなります。取るというより張らせない方法です。ただし原因が残っていれば止めるとまた張ります。
Q. 春に黄色い粉が浮きます。
A. 花粉です。油膜ではなく上に載っているだけなので、キッチンペーパーで取れば終わりです。
次に見るのは、ここ
パクパクしていたらメダカの酸欠の応急処置|水面でパクパクしていたらへ。餌の油ならメダカの餌の量|与えすぎは魚ではなく水に出るへ。水換えのサインはNVボックスでメダカ飼育|水換えのサインへ。井戸水を使っているならメダカに使える水|水道水・井戸水・ミネラルウォーターへ。夏に毎日出るならメダカの水温を下げる方法へ。

