飼っていたオスが死んでしまい、気づけばメスだけになっていた。それでもメダカは卵を産み続けます。この卵はどうなるのか、そのまま飼い続けて大丈夫なのか——不安になるところです。
そのまま飼い続けて問題ありません。ただし産まれる卵はすべて無精卵で孵化しません。放っておくと水カビが生えて水を汚すので、見つけ次第取り除く必要があります。そしてもうひとつ注意したいのが過抱卵——卵を体外に出せずお腹に溜め込んでしまう状態です。
メダカの卵は、産卵のときにオスの精子がかかって受精します。この流れはNHK for Schoolの映像教材で顕微鏡の観察つきで見られます。オスがいなければ受精は起きない、ということです。


- オスが死んでメスだけになっても、そのまま飼い続けて問題ありません。卵は産み続けます。
- ただし産まれる卵はすべて無精卵で、孵化しません。水カビの元になるので見つけ次第取り除きます。
- もうひとつの注意は過抱卵——卵を体の外に出せずにためこむ状態です。見分けは本文で。
- 増やしたいなら、新しいオスを迎えるときの注意まで読んでから動いてください。
- 迷ったら、そのまま飼う。無精卵は取る。それだけで困ることはありません。
メダカはメスだけでも卵を産む
まず知っておきたいのは、メダカの産卵にオスは必要ないということです。オスが必要なのは受精であって、産卵そのものはメスが単独で行います。
水温が18℃を超え、日照時間が13時間程度になると、メスは自然に卵を作りはじめます。オスがいなければ受精しないだけで、産卵という行為は止まりません。だからオスが死んだあとも、メスは卵を抱えて泳ぎ続けます。
無精卵の見分け方と管理


オスがいない環境で産まれた卵は、すべて無精卵です。孵化することはありません。
見分けは簡単で、有精卵は透明で弾力があり、無精卵は白く濁ってすぐ潰れます。有精卵なら数日で中に黒い目が見えてきますが、無精卵はいつまでも変化しません。
問題は放置したときの水質への影響です。無精卵は水カビの温床になり、そこから発生したカビが周囲に広がります。近くに有精卵があれば、そちらまで巻き込まれることもあります。産卵床に白い卵を見つけたら、その日のうちに取り除いてください。
取り除く作業を楽にするには、産卵床を使うのが確実です。水草に産みつけられた卵を1つずつ探すより、産卵床ごと引き上げて確認するほうが、手間も水槽への負担も少なくて済みます。
過抱卵に気をつける
メスだけで飼うときに、もっとも注意すべきなのが過抱卵です。卵を作ったのに体外へ放出できず、お腹の中に溜め込んでしまう状態を指します。

サインはお腹の異常なふくらみです。産卵前の自然な膨らみとは違い、明らかに不自然に膨れ、泳ぎ方もぎこちなくなります。放置すると落ちることがあります。
私のところでは、まず産みつける場所が無いことを疑います。メダカは卵をどこかに擦りつけて離すため、水草や産卵床がないと放出しづらくなります。産卵床を入れるのが最初の対処です。
次に水温。18℃を下回ると産卵行動そのものが鈍ります。屋外なら春先や秋口に起こりやすく、この時期は特に注意が必要です。
そして体力。産卵は想像以上に体力を使います。だから産卵期には、私は餌を切らさないようにしています。
オスを追加するべきか
「オスを買い足したほうがいいですか」とよく聞かれますが、答えは目的次第です。

増やしたいならオスは必須です。受精しなければ、どれだけ卵を産んでも孵化しません。私のところではオス1にメス2の割合にしています。オスが多いとメスが追い回されるので、増やしすぎないのがコツです。
一方、今の数のまま静かに飼いたいなら、メスだけでまったく問題ありません。むしろオスがいないぶん追いかけ回されることがなく、メスにとってはストレスの少ない環境になります。無精卵の除去だけ続ければ、水質も保てます。
判断が分かれるのが過抱卵を繰り返している場合です。オスがいると産卵行動が促されるため、過抱卵の改善につながることがあります。産卵床と水温を整えても改善しないなら、追加を検討する価値があります。
新しくオスを迎えるときの注意
オスを追加すると決めたら、いきなり同じ容器に入れないでください。

よくある失敗が病気の持ち込みです。新しく迎えた個体が白点病や尾ぐされ病を持っていると、既存の群れごと失いかねません。新しい個体は別容器で様子を見てから合流させます。私は2週間ほど様子を見てから合流させています。落ち着かない個体がいれば、1か月まで延ばしてください。面倒に感じますが、群れを守るための保険です。
合流時の水合わせも丁寧に行います。袋ごと30分ほど浮かべて水温を合わせ、そのあと飼育水を少しずつ袋に足していきます。輸送で弱っている個体にとって、急な環境変化は致命的です。
メスだけの環境を整えるポイント

メスだけで飼い続けると決めたなら、環境の整え方が少し変わります。
まず複数匹で飼うこと。メダカは群れで泳ぐ魚です。数匹いれば自然な行動が保たれます。
次に隠れ家と水草。産卵床を兼ねる水草を入れておけば、過抱卵の予防になり、同時に落ち着ける場所にもなります。ホテイアオイやマツモなら、水質浄化の役割も果たします。
そして水質管理。無精卵が残りやすいぶん、水は汚れやすくなります。週1回、1/3程度の水換えを続け、産卵床は定期的に確認して白い卵を取り除いてください。この2つを習慣にできれば、メスだけの飼育でも長く健康に保てます。
どこで見切るか|終わりの判断
線を決めておきます。
増やす気が無いなら、メスだけのまま。やることは、白く濁った卵を見つけたら取ることだけ。
増やしたいなら、新しいオスを迎える。ただし、この記事の「迎えるときの注意」を読んでから。2週間ほどの隔離(落ち着かなければ1か月まで)と、水合わせが先。
メスのお腹が張って戻らない日が1週間続いたら、過抱卵の側。オスがいれば産ませる。いなければ、お腹がパンパンの記事へ。
卵が透きとおっていて、目が見えたら、それは有精卵。メスだけのはずでも、オスが混じっていたということ。育てて構いません。
私の設備でも、メスだけになった容器で無精卵を見ています。この線で困ったことはありません。
次に見るのは、ここ
お腹が膨らんでいるならお腹がパンパンへ。
孵ったばかりの針子を残したいなら針子の育て方へ。
違う品種を同じ容器にするなら品種を混ぜていいかへ。
1匹ではなく何匹も死んでいるならメダカが次々死ぬへ。
よくある質問(FAQ)
Q. メダカはオスがいなくても卵を産みますか?
A. 産みます。産卵にオスは必要なく、オスが必要なのは受精だけです。水温18℃以上、日照13時間程度の条件がそろえば、メスは単独で卵を作って産み続けます。ただし産まれるのはすべて無精卵で孵化しません。
Q. 有精卵と無精卵はどう見分けますか?
A. 有精卵は透明で少し黄色みがあり、指でつまんでも潰れない弾力があります。数日で中に黒い目が見えてきます。無精卵は白く濁っていて軽く触るとすぐ潰れ、いつまでも変化しません。
Q. 無精卵は放置しても大丈夫ですか?
A. よくありません。無精卵は水カビの温床になり、周囲に広がって有精卵まで巻き込むことがあります。産卵床に白い卵を見つけたら、その日のうちに取り除いてください。
Q. 過抱卵とは何ですか?どう対処しますか?
A. 卵を作ったのに体外へ放出できず、お腹に溜め込んでしまう状態です。お腹が不自然に膨れ、泳ぎ方もぎこちなくなります。まず産卵床を入れ、水温が18℃を下回っていないかを確かめ、餌を切らさないようにしてください。放置すると落ちることがあります。
Q. メスだけで飼い続けても問題ありませんか?
A. 問題ありません。むしろオスに追いかけ回されないぶん、メスにとってはストレスの少ない環境になります。無精卵の除去と週1回の水換えを続ければ、健康に飼い続けられます。
Q. オスを追加するときの比率は?
A. 私のところではオス1匹にメス2匹の割合にしています。オスが多いとメスが追い回されます。また新しい個体は別容器で2週間ほど様子を見て、落ち着かなければ1か月まで延ばしてから合流させ、病気の持ち込みを防いでください。

