朝、容器をのぞいて、なんとなく細いと思った。気のせいかもしれないし、そうでないかもしれない。
横から見ていると、これが決まりません。メダカはもともと薄い魚なので、横から見た姿はいつも細く見えます。
だから見る向きを変えます。真上からです。それだけで、迷っていたことが決まります。
- 痩せているかどうかは、上から見ます。横からでは分かりません。
- 頭の後ろに幅がなく、そこから尾までまっすぐ細い。おたまじゃくしのような形になっていれば、痩せています。
- 1匹だけなら、その個体の問題。だんだん増えているなら環境。最初から全部細いなら餌です。
- 餌を増やす前に、餌が届いているかを見てください。足りないのではなく、届いていないことのほうが多いです。
- 数日で戻る細り方はありません。週や月の単位で見ます。
メダカが痩せているかどうかは、上から見る
答えを先に書きます。容器の真上に立って、頭の後ろの幅を見てください。
健康なメダカは、頭のすぐ後ろがいちばん幅広く、そこから尾へゆるやかに細くなります。上から見ると、木の葉のような形をしています。
痩せてくると、この幅が消えます。頭だけが残って、その後ろから尾まで、まっすぐ細い線になります。おたまじゃくしのような形です。
この形になっていれば、痩せています。横から見て「細いかな」と思っていたものが、上から見ると一目で決まります。
見るときは水面の揺れを止めてください。エアレーションを一時的に弱めるか、動きが落ち着くまで待ちます。餌を落とすと寄ってくるので、そのときが見やすいです。
そして、比べる相手を用意してください。同じ容器の他の個体と並んだところを見れば、細っているのがどれかがはっきりします。1匹だけを見ていると、目が慣れて分からなくなります。

細く見えるのに、そうではないとき
上から見て幅があるなら、痩せてはいません。ではなぜ細く見えたのか。理由がいくつかあります。
まず品種です。ヒレの長い品種や体型を変えた品種は、横から見たときの印象が変わります。体型そのものが違う品種もあります。
次にオスとメスです。メスは卵を持つ時期に腹が膨らむので、隣に並ぶと、オスのほうが痩せて見えます。オスはもともとそういう形です。
それから水の色です。緑がかった水では、光の入り方で体の輪郭がぼやけます。白い容器に一時的に移して見ると、印象が変わることがあります。
最後に、産卵のあとです。卵を出しきった直後のメスは、腹が引っ込んでいます。数日で戻るなら、それは痩せではありません。
逆に言えば、これらを除いてもなお上から見て細いなら、そこは本当に痩せています。

痩せていたら、次に見るのは「何匹か」
痩せていると決まったら、原因を探す前に数を数えてください。ここで道が3つに分かれます。
1匹だけなら、その個体の側です。同じ水、同じ餌で、その1匹だけが細っている。だとすれば、水や餌の話ではありません。
だんだん増えているなら、環境の側です。先週は1匹、今週は3匹。この増え方をしているときは、水質か水温か、置き場所を疑います。増えていく減り方をするときの見方は、こちらにまとめています。
最初から全部が細いなら、餌の側です。群れ全体が一様に細いなら、届いている量そのものが足りていません。
この分け方は、元気がないときに「1匹か複数か」から入るのと同じ考え方です。症状から原因を当てにいくより、数の分布を見るほうが速く絞れます。
順番を間違えないでください。1匹だけなのに水を換えても、その1匹は変わりません。
餌が「足りない」のではなく「届いていない」
全部が細いとき、多くの人は量を増やします。けれど増やす前に、届き方を見てください。
与えた餌が水面に浮いたまま残っているなら、量は足りています。届いていないだけです。2〜3分で食べきる量が目安ですが、その2〜3分のあいだに全員が口にできているかは別の話です。
届かない理由でいちばん多いのは、水面が広すぎることです。大きな容器の一か所に落とすと、遠くにいる個体は気づく前に終わります。数か所に分けて落としてください。
次に、強い個体が独占していることです。同じ場所に落とし続けると、そこに来るのが得意な個体だけが食べます。成長差が開くと、この偏りはさらに広がります。
それから水流です。ポンプやエアレーションが強いと、餌が沈む前に流れていきます。餌やりのあいだだけ止める、という手があります。
そして粒の大きさ。口に入らない粒は、目の前にあっても食べられません。体の大きさに合った粒を選んでください。
水温が低いと、食べても身にならない
餌が届いていて、それでも細るとき。次に見るのは水温です。
メダカは体温を自分で作らないので、代謝は水温で決まります。水温が下がれば、消化にかかる時間が延びます。食べたものが身になるまでの効率が落ちます。
秋から冬にかけて細るのは、多くの場合これです。冬越しの成否が秋で決まるのは、冬に入る前にどれだけ蓄えられたかで変わるからです。
逆もあります。真夏の高すぎる水温では、代謝が上がるぶん消耗します。食べているのに追いつかない、という細り方をします。水温を下げる手は限られていて、効くのは日よけと水量です。
低いときにやってはいけないのが、量を増やすことです。消化できない餌は、そのまま水を汚します。食べているのにフンが白いなら、消化が追いついていない側です。
水温が原因のときは、餌ではなく置き場所を動かします。餌でどうにかしようとするほど、水が悪くなります。
餌でも水温でもないとき|疑う3つ
ここまでを潰しても細るなら、体の側です。見るのは3つ。
ひとつめは消化の不調です。食べているのに身にならない状態で、フンに出ます。白くて細いフンが続くなら、腸の粘膜が剥がれて出ている可能性があります。
ふたつめは腸から出ているものです。肛門から赤みのあるものが出ていて、数時間たっても引っ込まないなら、フンではありません。見分けるのは時間で、引っぱってはいけません。
みっつめは、他の魚にも同じ痩せ方が広がっているときです。1匹ずつ、順に細くなって落ちていく。この形の広がり方をするなら、その1匹を隔離してください。
この3つめについては、はっきり書いておきます。魚が細り続けて落ちていく症状には、承認された魚病薬がありません。薬で治す道が用意されていない、ということです。
できるのは、広げないことです。症状から原因をたどる早見表を用意しているので、他の症状が重なっていないかも見てください。

フラフラ泳いでいるのは、痩せの先にある
「フラフラ泳いでいたら痩せているのか」という質問があります。順番としては、逆です。
泳ぎ方が崩れるのは、痩せがかなり進んでからです。筋肉が落ちて、姿勢を保つ力が足りなくなった状態なので、そこまで来ると戻すのは難しくなります。
ただし、フラフラの原因は痩せだけではありません。水面で口を動かしているなら酸欠かエラの側です。浮いたり沈んだりが止まらないなら、浮き袋の側を見ます。
見分ける順番はこうです。まず上から見て痩せているか。痩せていなければ、泳ぎの崩れは別の原因です。
痩せていて、なおかつフラフラしているなら、それは進んだ状態です。底に沈んで動かなくなるところまで来ると、判断はさらに変わります。
だから細り始めで気づくことに意味があります。泳ぎが崩れてから気づくのでは、遅いのです。
お腹は膨らんでいるのに、身は落ちている
矛盾しているようですが、これは起こります。しかも見落とされやすい形です。
上から見ると、腹だけが横に張っている。けれど背の側、頭の後ろの盛り上がりが落ちている。横幅は腹で、上下の厚みは背で見ます。この2つは別々に動きます。
腹が張る理由はいくつかあって、卵、内臓の腫れ、腹水などが混ざります。オス・メス別に、卵か病気かを見分ける手順を別に書いています。
ここで問題になるのは、腹が張っていると「痩せていない」と判断してしまうことです。餌もふつうに与え続けてしまいます。
背の落ち方を見てください。頭の後ろが平らになり、背びれの前あたりがへこんでいれば、身は落ちています。鱗が立ってきているなら、また別の見方に移ります。
膨らみと細りは同時に起きます。片方だけを見て安心しないでください。
戻すためにやること|順番がある
原因が絞れたら、手当てに入ります。ただし順番があります。
まず環境を先に直します。水温、水質、置き場所。水換えの頻度は水量で決まるので、容器が小さいほど手が要ります。ここを放って餌だけ変えても、戻りません。
次に、届き方を直します。落とす場所を分ける、水流を弱める、粒を小さくする。量を増やすのは、この後です。
それから餌の質です。生き餌は食いつきが違うので、口を使わなくなっている個体には効くことがあります。ただし毎日の主食にする必要はありません。
1匹だけが痩せていて、他に押されているなら、分けます。小さな容器に移して、その個体だけに落とす。取り合いが無くなるだけで食べる量が変わります。
そしてやってはいけないのが、まとめ食いをさせることです。速く育てようとするほど、その先が短くなります。取り返そうとして与える量を跳ね上げると、消化が追いつかず、水も汚れます。
戻すのは、少しずつ、回数で。1回の量ではありません。
いつ諦めるか|終わりの判断
手を尽くしても戻らないことがあります。線を決めておかないと、いつまでも延々と手を入れることになります。
見るのは2週間です。環境と届き方を直して2週間。上から見た幅が、少しでも戻っていれば続けます。変わらないか、さらに細っているなら、そこは別の判断に入ります。
ここまで来たら、まず隔離を優先してください。戻す見込みが薄い個体を群れに置いたままにすると、他へ広がる道が残ります。
隔離した個体には、水を汚さない範囲で餌を続けます。塩浴が効くのは症状が限られるので、痩せそのものには期待しないでください。
そして残った群れを見ます。次の1匹が細り始めていないか。ここで止まれば、その1匹だけの問題でした。続くなら、環境の側にまだ何か残っています。
最後にひとつ。痩せは、いちばんゆっくり進む異常です。ゆっくり進むから、毎日見ている人ほど気づきません。上から見る習慣を作ると、そこが変わります。
まとめ
メダカが痩せているかどうかは、上から見て決めます。頭の後ろの幅が消えて、尾までまっすぐ細い。おたまじゃくしのような形なら、痩せています。
痩せていると決まったら、次は数です。1匹だけならその個体、だんだん増えているなら環境、最初から全部細いなら餌。ここで道が分かれます。
餌の側なら、増やす前に届き方を見てください。落とす場所、水流、粒の大きさ。足りないのではなく、届いていないことのほうが多いです。
環境と届き方を直して2週間。上から見た幅が戻らないなら、隔離して、残った群れを見ます。数日で戻る細り方は、そもそもありません。
よくある質問(FAQ)
Q. メダカが痩せる原因は何ですか。
A. 大きく3つに分かれます。餌が届いていない、水温が合っていない、体の側に問題がある。1匹だけなら個体、だんだん増えているなら環境、最初から全部細いなら餌です。まず上から見て痩せているかを決めて、それから数を数えてください。
Q. メダカが痩せているかどうか、どう見分けますか。
A. 容器の真上から見ます。健康なメダカは頭のすぐ後ろがいちばん幅広く、そこから尾へゆるやかに細くなります。痩せると頭の後ろの幅が消えて、尾までまっすぐ細い、おたまじゃくしのような形になります。横からでは分かりません。
Q. メダカがフラフラ泳いでいたら痩せているのでしょうか。
A. 順番は逆で、泳ぎが崩れるのは痩せがかなり進んでからです。フラフラの原因は痩せだけではないので、まず上から見て痩せているかを決めてください。痩せていないなら、酸欠や浮き袋など別の原因を見ます。
Q. メダカのお腹が膨らんでいるのは病気ですか。
A. 膨らみと痩せは同時に起こります。上から見て腹が横に張っていても、頭の後ろの盛り上がりが落ちていれば身は減っています。横幅は腹、上下の厚みは背で、この2つは別々に動きます。
Q. 餌を増やせば戻りますか。
A. 増やす前に、届いているかを見てください。水面に浮いたまま残っているなら、量ではなく届き方の問題です。落とす場所を分ける、水流を弱める、粒を小さくする。量を増やすのはその後です。
Q. 1匹だけ痩せています。どうすればいいですか。
A. 同じ水、同じ餌で1匹だけ細るなら、水や餌の話ではありません。他に押されて食べられていないことが多いので、小さな容器に分けてその個体だけに落としてみてください。
Q. 冬に痩せてきました。餌を増やすべきですか。
A. 増やさないでください。水温が下がると消化にかかる時間が延びるので、与えた分がそのまま水を汚します。冬に備えるのは秋の側の仕事で、冬に入ってからは減らす方向に動きます。
Q. どれくらいで見切ればいいですか。
A. 2週間です。環境と届き方を直して2週間、上から見た幅が少しも戻らないなら、戻す見込みは薄くなります。まず隔離して、残った群れで次の1匹が細り始めていないかを見てください。
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痩せ以外のサインも出ているならメダカが元気ない|まず1匹か複数かを見るへ。与える量から見直すならメダカの餌やり|量と回数の目安へ。消化の側を疑うならメダカのフンが白い|食べているのに白いかへ。腹だけ張っているならメダカのお腹が大きい・パンパンへ。肛門から何か出ているならメダカの脱腸|フンとの見分けは時間へ。

