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水耕栽培の定植|日数ではなく、根が出たかで決める

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白い栽培パネルの穴にスポンジごと植えられたレタスの若い苗。水耕栽培の定植の記事のアイキャッチ アクアポニックス

スポンジで播いた芽が育ってきた。そろそろ栽培槽へ移すのか、まだ早いのか。

調べると「発芽から2週間」「本葉が3枚」と、いろいろな目安が出てきます。どれも間違いではありませんが、品目でも季節でも変わります。

だから日数で決めません。見て決めます。スポンジの底を、ひっくり返して見てください。

この記事の結論(要点)
  • 定植の合図は日数ではありません。スポンジの底から白い根が顔を出したかどうかです。
  • あわせて本葉が1〜2枚。この2つがそろえば移せます。
  • 早すぎると、株がまだスポンジをつかんでいません。持ち上げたときに抜けます。
  • 遅すぎると、根が隣と絡みます。分けようとして、そこで傷つけます。
  • 移す前に、受け入れ側の水を作っておいてください。順番を逆にすると、そこで数日止まります。

水耕栽培の定植は、いつやるか

答えを先に書きます。スポンジの底から、白い根が顔を出したときです。

種を播いたスポンジは、上から見ているだけでは中が分かりません。持ち上げて、底を見てください。白い根が数本、外に出ていれば準備ができています。

もうひとつの目安が本葉です。最初に開く双葉ではなく、そのあとに出てくる本物の葉。1〜2枚出ていれば十分です。

この2つがそろったら移します。どちらか片方だけなら、待ちます。葉が育っていても根が出ていなければ、支えるものがありません。

日数を目安にしないのは、ばらつくからです。同じ日に播いても、品目が違えば差が出ます。水温が高い時期は早く、低い時期は遅くなります。

だから「〇日たったから移す」ではなく、「根が出たから移す」という順番にしてください。

水耕栽培の定植の図。日数ではなく根が出たかで決める。スポンジの底から白い根が出て本葉が1〜2枚なら移せる。根が見えないなら早く、隣と絡んでいるなら遅い。順番は受け入れ側の水を先に作る、スポンジごと切り離す、パネルの穴へ押し込む、根が水に届く高さにする、数日は日射を弱める
日数ではなく、根が出たかで決めます。

早すぎるとどうなるか

失敗の型は2つで、まず早いほうから書きます。

株がスポンジをつかんでいません。根がまだ内側にしかないので、持ち上げたときに芽だけが抜けます。移す動作そのもので失うことになります。

うまく移せたとしても、穴の中で安定しません。スポンジが軽いままなので、水の流れや風で傾きます。傾けば、そのまま曲がって育ちます。

そして根が水に届きません。スポンジの底から出ていない根は、パネルの下の水にも届きません。届かないあいだ、株は種の栄養だけで持ちこたえることになります。

ここで水位を上げて対応したくなりますが、それは別の問題を作ります。スポンジ全体が水に浸かれば、空気に触れる部分が無くなります。

迷ったときは数日待つほうが安全です。早く移して得られるものは、ほとんどありません。

遅すぎるとどうなるか

逆の失敗のほうが、じつは多いかもしれません。待ちすぎると、根が絡みます。

スポンジを並べて置いていると、隣のスポンジまで根が伸びていきます。そうなってから引き離せば、どちらの根も切れます。

間引きも、この段階では手遅れです。1つの穴に複数の芽が残っていて、根が編み合わさっていれば、切っても残っても傷が大きくなります。

そして徒長します。播いた場所は密なので、育つほど互いに影を作ります。伸びた節は、移してからも縮みません。

目に見える合図は根の色です。出てきた白い根が、待つあいだに茶色くなってきたら、そこはもう傷んでいます。

まとめると、早いのは「移せない」、遅いのは「傷つける」です。だから合図を見つけたら、その日か翌日に動いてください。

移す前に、受け入れ側の水を作る

ここが順番のいちばん大事なところです。先に水を用意します。

スポンジを抜いてから慌てて槽に水を張ると、根が空気にさらされる時間が延びます。細い根は、乾けば数分で傷みます。

だから前の日までに、栽培槽に水を張り、循環を回しておきます。水温も、その日のうちに落ち着きます。

魚のいるアクアポニックスなら、水はすでに回っているので、あとは水位を合わせるだけです。

そして水温を見てください。22℃を超えているなら、移した直後がいちばん弱い時間になります。夕方に移すか、日射を切ってからにします。

準備ができたら、一気にやります。抜いて、運んで、差し込む。ここは短いほど良い場面です。

白い栽培パネルの穴に、スポンジごと植えられたレタスの若い苗
スポンジごと押し込みます。株を出さないので、根に触りません。

どう移すか|スポンジごと

手順そのものは単純です。スポンジから株を出しません。

スポンジは1株ずつ切り離せるので、切り目に沿って分けます。根がスポンジの中に入ったままなので、触りません。

そのままパネルの穴へ押し込みます。スポンジが土台になって、株を支えます。根を引っぱらないでください。

穴に対してスポンジが小さいなら、スポンジを足して埋めます。隙間があると、光が水面に入って藻が出ます。水面に光を当てないことが、藻を減らすいちばんの手です。

そして高さを決めます。スポンジの底が水に触れるくらい。全部を沈めません。根は水中の酸素で呼吸するので、空気に触れる部分も残します。

最後に向きです。芽が傾いているなら、まっすぐになるように差し込みます。曲がったまま固定すると、そのまま伸びます。

移したあとの数日

移して終わりではありません。いちばん弱いのは、移した直後の数日です。

根が新しい環境に慣れるまで、水を吸う力が落ちます。そこへ強い日射が当たれば、葉から出る量に吸う量が追いつきません。

だから数日は日射を弱めます。屋外なら日よけ、室内ならライトを少し離す。近すぎると熱も加わります。

肥料は足しません。根が傷んでいる状態で濃い水にすると、吸うどころか水を持っていかれます。足すかどうかは、根が伸びはじめてから考えます。

見るのは葉の張りです。移した翌日にしおれていても、夕方に戻れば大丈夫。戻らないなら、水位か日射のどちらかが合っていません。

3日から1週間で、根が伸びはじめます。パネルを持ち上げて、白い根が下へ伸びていれば、そこで越えています。

アクアポニックスの場合|魚がいるぶん、ひとつ増える

同じ水に魚がいるなら、考えることが1つ足されます。

スポンジのかけらを、水に落とさないでください。切り離すときに出た小さな破片が槽に入れば、ポンプの吸い込み口に集まります。詰まれば循環が止まります。

作業は槽の上ではなく、別の場所でやってください。切ってから運ぶ、という順番にします。

そして手を洗ってから入れてください。石けんや薬剤が付いた手を水に入れれば、魚のほうに効きます。

株数も見ておきます。養える株数は魚の餌の量で決まるので、穴が空いているからといって全部埋めると、どれも細くなります。

逆に言えば、定植は「何株にするか」を決める最後の機会です。ここを過ぎると、減らすには切るしかなくなります。

うまくいかないとき|どこを疑うか

移したあとに調子が出ないとき、見る順番を決めておきます。

まず水位です。根が水に届いていないか、逆に全部沈んでいるか。どちらも起こります。パネルを持ち上げれば分かります。

次に日射。移した直後に強く当てていないか。しおれが夕方に戻らないなら、ここです。

そして温度。養液が22℃を超えていれば、根の側に余裕がありません。移す時期そのものを、ずらす判断もあります。

最後にそもそも早すぎなかったか。根が出ていないうちに移していれば、これらを直しても伸びません。

ここまで見て変わらないなら、どこから傷んでいるかを見て、原因をたどってください。

栽培パネルを持ち上げたところ。パネルの裏から白い根が水中へ伸びている
1週間後にパネルを持ち上げて、白い根が下へ伸びていれば越えています。

いつ諦めるか|終わりの判断

1株ずつ見切る線を決めておきます。決めないと、空いた穴を空けたまま待つことになります。

見るのは1週間です。移して1週間たっても、新しい根が下へ伸びていない。葉も増えていない。ここまで来たら、その株は戻りにくいと考えます。

抜いたら、穴をそのままにしないでください。別に播いておいたスポンジを差し込めば、時期はずれても収穫は続きます。

だから播くのは、定植する数より少し多めにしておきます。全部が付くとは限りません。

逆に、1週間で根が伸びていれば、そこからは通常の管理です。日射を戻し、肥料を考えはじめます。

最後にひとつ。定植は、育てる作業の中でいちばん失敗が見えにくいところです。移した直後は、成功も失敗も同じ見た目をしています。1週間後に差が出ます。

まとめ

水耕栽培の定植は、日数ではなく根で決めます。スポンジの底から白い根が顔を出し、本葉が1〜2枚。この2つがそろえば移せます。

早すぎると株がスポンジをつかんでおらず、持ち上げたときに抜けます。遅すぎると隣と根が絡んで、引き離すときに切れます。

移す前に、受け入れ側の水を作っておいてください。スポンジは切り離してそのまま穴へ。株を出さず、根も引っぱりません。

移したあとの数日は日射を弱め、肥料は足しません。1週間で新しい根が下へ伸びていれば、そこで越えています。

よくある質問(FAQ)

Q. 水耕栽培の定植は、いつやればいいですか。

A. 日数ではなく、スポンジの底から白い根が顔を出したときです。あわせて本葉が1〜2枚出ていれば移せます。どちらか片方だけなら待ってください。

Q. 定植が早すぎると、どうなりますか。

A. 株がまだスポンジをつかんでいないので、持ち上げたときに芽だけが抜けます。うまく移せても穴の中で安定せず、根が水に届きません。

Q. 定植が遅れると、どうなりますか。

A. 隣のスポンジまで根が伸びて絡みます。そうなってから引き離すと、どちらの根も切れます。密な場所で育つので徒長もします。出てきた白い根が茶色くなっていたら、遅れています。

Q. スポンジから株を出したほうがいいですか。

A. 出しません。スポンジごと切り離して、そのままパネルの穴へ押し込みます。スポンジが土台になって株を支えます。根を引っぱらないでください。

Q. 定植後の水やりは必要ですか。

A. 水耕栽培では、根が水に届いていれば別に与える必要はありません。大事なのは高さで、スポンジの底が水に触れるくらいにします。全部沈めると、空気に触れる部分が無くなります。

Q. 定植したあと、しおれてしまいました。

A. 移した直後は水を吸う力が落ちています。翌日にしおれていても夕方に戻れば大丈夫です。戻らないなら、水位か日射のどちらかが合っていません。数日は日射を弱めてください。

Q. 定植のあと、肥料はいつから足しますか。

A. 直後には足しません。根が傷んでいる状態で濃い水にすると、吸うどころか水を持っていかれます。根が伸びはじめてから考えてください。

Q. どれくらいで見切ればいいですか。

A. 1週間です。新しい根が下へ伸びず、葉も増えていないなら、その株は戻りにくいと考えます。抜いた穴には別に播いておいたスポンジを差し込んでください。

次に見るのは、ここ

まくところからやるなら水耕栽培のスポンジで種まき|水位は半分へ。移す前に減らすなら水耕栽培の間引き|抜かずに切るへ。もう伸びてしまっているなら水耕栽培で徒長する|光だけが原因ではないへ。根が茶色くなっているなら根腐れの原因は酸素不足|対策4つへ。何株まで植えるかはメダカで野菜が育たない|株を減らせば穫れるへ。