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水耕栽培のスポンジで種まき|水位は半分。根が出ないときに見る4つ

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水耕栽培のスポンジで種まきのアイキャッチ。水位は半分で、全部沈めると種が息をできない アクアポニックス

水耕栽培を始めると、最初にやるのがスポンジへの種まきです。ところがそこで止まる人がとても多い。芽が出ない、根が出てこない、いつ移せばいいのか分からない。

手順そのものは単純です。バットに水を張り、湿らせたスポンジを置いて、切れ込みに種を入れるだけ。ポンプも装置も要りません。それでも失敗するのは、書かれていない条件がいくつかあるからです。

この記事では、うちが実際にやっている形と、うまくいかないときにどこを見るかを書きます。どの培地を使うかという判断は、別の記事にまとめました。

この記事の結論(要点)
  • バットに水を張って、湿らせたスポンジを置くだけ。ポンプも装置も要りません。
  • 水につけるのは、スポンジの半分まで。全部沈めると種が息をできません。
  • 光を当てる種と、隠す種があります。レタスは当てる、ネギやトマトは隠す。逆にすると出ません。
  • 隠すのにティッシュは使わないでください。ぼろぼろになって汚くなります。バットを被せるほうが楽です。
  • 入れるのは水道水です。飼育水も養液も使いません。発芽に栄養は要らないからです。
  • 根が出ないときに見るのは水位・光・温度・種の古さの4つ。この順に潰します。
  • 移すのは底から白い根が2〜3cm出たころ。伸ばしすぎると絡まって切ることになります。

水耕栽培で、なぜスポンジなのか

そもそもなぜスポンジなのか。土でも綿でもなく、あれが使われる理由から書きます。

スポンジは、水と空気を同時に持てる材料だからです。下から水を吸い上げながら、内部にすきまが残る。発芽には水と酸素の両方が要るので、この性質がそのまま条件になります。

綿やティッシュだと水を含みすぎて空気が残らず、崩れます。土は空気を持てますが、水耕栽培では水を濁らせ、配管に流れていきます。崩れる材料は、循環する仕組みと相性が悪いのです。

もうひとつ、1株ずつ切り離せることが効いています。芽が出なかった塊だけ捨てて、出たものだけ移せる。トレーにまとめてまく方式では、この選別ができません。

そして根を傷めずに運べます。スポンジは移すときの入れ物を兼ねていて、そのまま栽培槽に置けば土台になります。まく道具と、支える道具を、ひとつで済ませているわけです。

まく前に、スポンジへ水を吸わせておく

手順としてよく抜けるのが、ここです。乾いたスポンジを、そのままバットに置いてもうまくいきません。

乾いたスポンジは水をはじきます。置いただけでは浮いてしまい、底が触れているだけで中まで濡れないことがある。その状態だと、種のあるところまで水が上がってきません。

だから先に、スポンジ全体を水に沈めて、押して空気を抜いておきます。握って離すと、水を吸って沈むようになります。そこまでやってから、水位を半分に戻す。

吸わせてしまえば、あとはスポンジが勝手に水を上げてくれます。最初の一手間だけで、そのあとの数日が安定します。

バットに置いた水耕栽培用のスポンジから双葉が出ている。種の殻が子葉に付いたままの苗もある
うちのやり方はこれだけです。バットに水を張り、湿らせたスポンジを置いて、切れ込みに種を入れる。
スポンジで種をまくときの断面図。水位はスポンジの半分までで、下半分が水を吸い上げ、上半分が空気に触れている。種は切れ込みに入れる
水につけるのは半分まで。全部沈めると、種が息をできません。

スポンジの種まきは、水位が半分

いちばん大事なところから書きます。水につけるのは、スポンジの半分くらいまでです。

うちがやっているのは、それだけです。バットに水を張り、そこへ湿らせたスポンジを並べる。水は動かしていません。ポンプも、エアレーションも使っていません。発芽までのあいだ、装置は要らないということです。

これを外すと、たいてい失敗します。全部沈めてしまうと、種が息をできません。発芽には水と温度だけでなく、酸素が要ります。水没させると、その酸素が届かなくなります。

逆に水が少なすぎると、スポンジの上のほうまで水が上がってきません。種のあるところが乾けば、当然そこで止まります。

半分というのは、その両方を満たす高さです。下半分が水を吸い上げ、上半分が空気に触れている。スポンジという素材が水を吸い上げてくれるので、種の位置には水と酸素が同時に届きます。

置いてからも、水位は下がります。吸われるぶんと蒸発するぶんです。減ったら足してください。1日1回見れば足ります。

そして、入れる水です。ここは間違えている人が多い。使うのは水道水です。

入れるのは水道水|発芽に栄養は要らない

水耕栽培だから養液を使うのだろう、と考えて肥料入りの水を入れる人がいます。魚を飼っているなら、飼育水を使いたくなるかもしれません。どちらもやめてください。

理由は単純です。発芽に栄養素は要りません。種は自分の中に蓄えを持っていて、芽と根はその蓄えで出てきます。外から栄養をもらうのは、葉が開いて光合成を始めてからです。つまり、まいてから移すまでのあいだ、養分の出番はありません。

それどころか、逆に働きます。栄養のある水は、藻や雑菌のほうが先に使います。光の当たる浅い水に栄養が溶けていれば、そこは藻にとって良い場所です。種が動き出す前に、まわりが緑になっていきます。

飼育水も同じです。魚の水には養分が溶けていますから、わざわざ栄養入りの水につけていることになります。加えて、細かい浮遊物がスポンジに入り込みます。

だから水道水です。塩素も、この段階では気にしなくてかまいません。魚を入れる水ではないからです。カルキ抜きが要るのは、生き物のいる水のほうです。

養液に切り替えるのは、栽培槽へ移してからで足ります。移した先に、もう栄養は入っています。アクアポニックスなら魚が出してくれますし、水耕栽培なら液体肥料を入れる段階がそこから始まります。

光を当てる種と隠す種の分類図。好光性はレタス・シソ・セロリ・シュンギク・ミツバ・ゴボウで覆わない。嫌光性はダイコン・ネギ・タマネギ・ニラ・ナス・トマト・トウガラシでバットを被せて暗くする
同じまき方でも、品目で扱いが逆になります。

光を当てる種と、隠す種|品目で逆になる

次がここです。種には、光が当たると発芽するものと、暗くないと発芽しないものがあります。

光を好むほうを好光性、嫌うほうを嫌光性と呼びます。種苗会社の資料では、次のように分けられています。

光が要るのは、レタス・シソ・セロリ・シュンギク・ミツバ・ゴボウ。水耕栽培でよく作るレタス類が、ここに入ります。だからレタスは覆わず、明るいところに置きます。

光を嫌うのは、ダイコン・ネギ・タマネギ・ニラ・ナス・トマト・トウガラシ。こちらは暗くしないと出ません。土にまくときは1センチほどの深さに入れる品目です。

スポンジで困るのは、覆う土が無いことです。切れ込みに入れただけでは、光が当たってしまいます。だから嫌光性の種は、別の方法で暗くする必要があります。

うちは上からバットを被せています。台所で使う浅い容器で足ります。芽が出たら外す。それだけです。

ティッシュを被せる方法は、やめました

暗くする方法として、湿らせたティッシュを被せるやり方がよく紹介されています。うちも試しましたが、やめました。

理由は単純で、ぼろぼろになって汚くなるからです。水を含んだティッシュは、日が経つと崩れます。崩れた繊維がスポンジや水に混ざり、取るのに手間がかかります。

芽が出はじめると、さらに厄介です。細い芽が繊維に絡みます。剥がすときに引っ張ることになり、せっかく出た芽を傷めます。

被せる目的は「暗くすること」だけです。それなら、崩れないもので蓋をすればいい。バットでも、皿でも、箱でもかまいません。

ただし、密閉はしないでください。暗くするだけで、空気は通しておく。浅い容器をふわりと載せる程度で足ります。

ビニールハウスの中で、ステンレスのバットに置いたスポンジから双葉が出ている
ハウスに置いたバット。出なかった塊は、そのまま取り替えられます。

根が出ないときに見る4つ

スポンジから根が出てこない。いちばん多い相談です。見るところは4つあり、順番も決まっています。

1つめ、水位です。沈めすぎていないか、足りなくなっていないか。ここが原因のことが最も多い。半分に戻してください。

2つめ、光です。前の章のとおりで、品目によって当てるか隠すかが逆になります。レタスを暗いところに置いていたなら、それだけで出ません。

3つめ、温度です。発芽には品目ごとに適した温度があり、そこから外れると水も光も足りているのに動きません。冬の窓辺は日中こそ暖かくても、夜のあいだに冷え込みます。真夏はその逆で、昼のあいだに上がりすぎる。どちらも一日のうちの振れ幅が大きく、平均だけ見ていると気づけません。春と秋がいちばん素直に出ます。室内で温度が動きにくい場所があるなら、発芽までそこに置くほうが確実です。

4つめ、種の古さです。種にも寿命があり、時間が経つほど発芽する割合が落ちていきます。何年も前に買った袋の残りを使っているなら、そこを疑ってください。袋には有効期限が書かれています。古い種でも出るには出ますが、出そろわない。10粒まいて3粒しか出なかったとき、腕の問題だと思い込んで手順をいじりはじめると、本当の原因から遠ざかります。

この4つを潰しても出ないなら、まき直すほうが早いです。待っても出ないものは出ません。スポンジの利点は、出なかった塊をそのまま取り替えられることにあります。

白い塩ビ管に開けた穴に、スポンジごと植えた苗が等間隔で並んでいる
1株ずつ切り離せるので、出たものだけ移せます。

スポンジのまま育ててもいいのか

芽が出たあと、スポンジから外すべきかどうか。よく聞かれます。

外さなくてかまいません。というより、外さないでください。根はスポンジの中を通って伸びているので、無理に外すと必ず切れます。

正しいのは、スポンジごと栽培槽へ移すことです。スポンジはそのまま株を支える土台になり、根はその先へ伸びていきます。

移す先は、ハイドロボールなどの培地を敷いた槽でも、水に浮かべる形でもかまいません。どちらもスポンジごと入れます。

ちなみに、栽培槽に直接種をまくのはすすめません。粒のすきまに落ちて、出てきません。落ちたのか、まだ出ていないのかも分からなくなります。手間に見えても、スポンジを経由するほうが結果として早い。

白い栽培パネルの穴に、スポンジごと植えられた小さな苗
移した先。スポンジごと入れるので、根を触りません。

移すのは、根が2〜3cm出たころ

いつ移すか。目安があります。スポンジの底から白い根が2〜3センチ出たあたりです。

この大きさがいちばん扱いやすい。伸ばしすぎると、根が絡まります。隣のスポンジの根と混ざり、外すときに必ず切ることになります。

運ぶときに一部ちぎれることはあります。ただ、そのあと枯れたことはありませんでした。多少切れても大きな問題にはならない、というのが実感です。学術的に確かめたわけではないので、そのつもりで読んでください。

気になるなら、早めに移すほうが確実です。根が短いうちなら、そもそも絡みません。ただし早すぎると、株がまだスポンジをつかんでいません。持ち上げたときにぐらつくようなら、もう少し待ってください。底から根が見えていて、つまんでも動かない。この2つがそろったときが移しどきです。

カビは出るのか

スポンジは湿ったままなので、カビを心配する人が多いところです。うちでは出たことがありません。

理由は2つあると考えています。ひとつは、半分が空気に触れていること。スポンジ全体が水に沈んでいれば話は変わりますが、上半分は乾きぎみのまま保たれます。

もうひとつは、水に栄養が入っていないこと。前の章のとおり水道水しか使っていないので、カビや藻が増えるための餌がそもそもありません。養液や飼育水を使っていたら、同じ結果にはならなかったと思います。

もし白いふわふわが出たら、その塊だけ取り除いてください。全部やり直す必要はありません。スポンジは1つずつ独立しているので、悪くなったところだけ捨てられます。

予防としては、古い水をためないこと。水位を足すだけでなく、たまに全部入れ替えるほうが安心です。

どんなスポンジを使うか

最後に、道具の話です。うちは水耕栽培用に売られている発芽用のスポンジを使っています。

台所の食器用スポンジを切って使う方法も紹介されていますが、うちでは試していません。洗剤や抗菌の成分が入っているものがあるからです。入っていない製品を選べば使えるのかもしれませんが、確かめたことがないので、良いとも悪いとも書けません。

発芽用として売られているものは、最初から切れ込みが入っていて、まとめて切り離せる形になっています。1回に何十株もまくことを考えると、この形が効いてきます。

選ぶときに見るのは、切れ込みの有無と、1個あたりの大きさが移す先に合うかどうか。それだけです。ここに凝る意味はあまりありません。

芽が出なかった塊はそのまま捨てられるので、多めに入っているもののほうが気楽です。まき直しをためらわずに済むことが、結果としていちばん効きます。

いつまいて、いつ根が出て、いつ移したか。次にまくとき、その日付があると迷いません。「メダカ台帳」は容器ごとの記録が1タップ。
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まとめ

水位は半分。これがいちばん効きます。全部沈めると種が息をできず、少なすぎると乾きます。

光は品目で逆になります。レタスは当てる、ネギやトマトは隠す。スポンジには覆う土が無いので、暗くしたいときは容器を被せてください。ティッシュは崩れるのでやめたほうがいい。

根が出ないときは、水位・光・温度・種の古さの順に潰します。それでも出ないなら、その塊だけ替えれば済みます。

移すのは根が2〜3センチ出たころ。スポンジごと入れてください。外すと切れます。

参考にした資料

  • 株式会社トーホク「タネの発芽と光の関係」(好光性種子・嫌光性種子の品目と覆土の考え方)

よくある質問(FAQ)

Q. 水耕栽培のスポンジは、どこまで水につけますか。

A. スポンジの半分くらいまでです。全部沈めると種に酸素が届かず、発芽しません。逆に少なすぎると種のあるところまで水が上がってきません。減ったら足してください。

Q. 水耕栽培でスポンジから根が出ない原因は何ですか。

A. 水位・光・温度・種の古さの4つを、この順に見てください。いちばん多いのは水位で、沈めすぎか足りなさすぎです。次が光で、品目によって当てるか隠すかが逆になります。

Q. レタスの種まきにスポンジを使うとどうなりますか。

A. よく合います。レタスは光が当たると発芽する好光性の種なので、覆わずに明るいところへ置いてください。スポンジは土と違って覆土をしないやり方なので、そのまま条件が合います。

Q. 光を当てる種と、暗くする種はどう分かれますか。

A. 光が要るのはレタス・シソ・セロリ・シュンギク・ミツバ・ゴボウ。暗くするのはダイコン・ネギ・タマネギ・ニラ・ナス・トマト・トウガラシです。スポンジには覆う土が無いので、暗くしたい品目は上から容器を被せてください。

Q. 暗くするのに、湿らせたティッシュを被せてもいいですか。

A. すすめません。うちも試しましたが、ぼろぼろになって汚くなるのでやめました。芽が出はじめると繊維に絡みます。バットのような崩れないものを、密閉せずに被せるほうが楽です。

Q. 水耕栽培でスポンジのままで育ててもいいですか。

A. そのままで育ててください。根はスポンジの中を通っているので、外すと切れます。スポンジごと栽培槽へ移せば、そのまま株を支える土台になります。

Q. スポンジから栽培槽へ移すのは、いつですか。

A. スポンジの底から白い根が2〜3センチ出たころです。伸ばしすぎると隣の根と絡まり、外すときに切ることになります。

Q. スポンジに入れる水は、養液ですか、水道水ですか。

A. 水道水です。発芽に栄養素は要りません。種は自分の蓄えで芽と根を出すので、外から養分をもらうのは葉が開いてからです。栄養のある水を使うと、藻のほうが先にそれを使ってしまいます。魚の飼育水も同じ理由で使いません。

Q. 種まきのとき、カルキ抜きは必要ですか。

A. この段階では要りません。魚を入れる水ではないからです。カルキ抜きが必要になるのは、生き物のいる水のほうです。

Q. スポンジにカビは生えませんか。

A. うちでは出たことがありません。半分が空気に触れていることと、水道水しか使っていないのでカビの餌になる栄養が無いことが理由だと考えています。出た場合はその塊だけ取り除けば足ります。

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