PR

アクアポニックスのカリウム不足|不足と過剰のサインと補充方法

当サイトではアフィリエイト広告を利用しています。

当サイトではアフィリエイト広告を利用しています。

アクアポニックスのカリウム不足|サインと補充方法 アクアポニックス

アクアポニックスで野菜を育てていると、窒素やリンに比べてカリウム不足が見落とされがちです。魚のフンで窒素は十分に供給されるのに、なぜかカリウムだけが足りなくなる——これには構造的な理由があります。

理由は餌のほうにあります。魚の餌に含まれるカリウムは、植物が必要とする量に比べて少ないのです。窒素・リンは魚由来である程度まかなえますが、カリウムは別途補う必要のある養分です。そして補充する際は、一度に大量に入れず、少量から様子を見るのが鉄則です。

アクアポニックスの栽培ベッドで育つ野菜
カリウムは窒素・リンと違い、魚の餌だけでは植物が必要とする量に足りにくい養分です。
カリウムの不足と入れすぎを場面で整理したグラレコ(グラフィックレコーディング)。不足は古い葉の先から黄色くなり、入れすぎは見た目で分からないので、少量から数日おきに足す
不足は古い葉に出る。少量から足す。
この記事の結論(要点)
  • 窒素とリンは魚の餌由来でまかなえますが、カリウムは餌に含まれる量が植物の必要量に比べて少なく、別途補う養分です。
  • 不足のサインは「古い葉の縁や先から黄色くなり、進むと茶色く枯れる」。入れすぎると他の養分の吸収を妨げることがあり、見た目だけでは不足と見分けにくいので、量は少しずつ。
  • 補充は少量から始めて、数日おきに様子を見ながら。一気に入れないでください。
  • 見落とされやすい養分ですが、実つき・花つきに直結します。

アクアポニックスにおけるカリウムの重要性

国連食糧農業機関の技術報告(2014年)には、アクアポニックスの水の中でカリウムが足りにくくなること、そのときに葉のふちから傷むことが書かれています。

植物の健全な成長には、窒素(N)・リン(P)・カリウム(K)という三大栄養素が欠かせません。

アクアポニックスの窒素・リン・カリウム。窒素とリンは魚の餌由来である程度まかなえるが、カリウムは餌に含まれる量が植物の必要量より少なく不足しやすく、少量から補う
窒素とリンは魚由来。カリウムは、別に補う養分。

窒素は主に葉の成長を促進し、クロロフィルの形成に関わります。リンは根や花、実の発育を助けます。そしてカリウムは、光合成の効率を高め、細胞の水分バランスを維持し、病害への抵抗力を強くする役割を担います。

アクアポニックスでは、魚の餌に窒素とリンは多く含まれる一方、カリウムは植物が必要とする量に比べて少ししか含まれていません。だからこそ、他の栄養素が足りていても、カリウムは慢性的に不足しやすいのです。

不足と過剰、それぞれのサイン

アクアポニックスのカリウム不足の精密図解。リーフレタスの外側の古い葉の縁や先から黄色くなり、進むと茶色く枯れ、新しい葉は緑のまま。足すなら少量から、数日おきに様子を見て、pHも測る。入れすぎは見た目で分からない
不足は古い葉から黄色くなる。

カリウムが不足すると、葉に変化が現れます。見た目で判断できるようにしておくと、対処が早くなります。

アクアポニックスのカリウム不足と入れすぎの見分け方。不足は古い葉の縁や先から黄色くなり、進むと茶色く枯れる(窒素不足やマグネシウム不足と紛らわしい)。入れすぎは他の養分の吸収を妨げることがあり、見た目では不足と見分けにくいので、少しずつ入れて量で判断する
不足は葉に出ます。焦って大量に足すと過剰側に振れるので注意が必要です。

不足のサインは「古い葉の縁や先から黄色くなり、進むと茶色く枯れる」ことです。窒素不足やマグネシウム不足と紛らわしいので、症状が紛らわしいときは、アクアポニックスで葉が黄色い原因は鉄不足の見分け方と並べて確かめてください。

入れすぎると、他の養分の吸収を妨げることがあります。見た目だけでは不足と見分けにくいので、入れる量を少しずつにして判断します。良かれと思って多めに入れるのは逆効果になります。

カリウムの補充方法

市販のカリウム添加剤を使えば、手軽に補充できます。

使うのは、アクアポニックス用のカリウム肥料か、炭酸カリウムのような単体の添加剤です。炭酸カリウムには水のpHを上げる働きもあるので、入れすぎると今度は鉄が吸えなくなります(アクアポニックスで足りない栄養は3つ)。製品の表示量より少なめから始め、入れたあとはpHも測ってください。


補充の進め方

効果を焦らず、安全に補充するための進め方です。

アクアポニックスのカリウム不足|補充の進め方。焦らず少量ずつ、変化を見ながら調整するのが基本です
焦らず少量ずつ、変化を見ながら調整するのが基本です。

いちばん大事なのは「少量から始める」ことです。一度に大量のカリウムを添加すると、水質が急激に変わり、過剰添加のリスクが高まります。少量ずつ足しながら数日おきに葉の様子を観察し、改善が見られなければ少しずつ量を増やしていきます。

そして忘れてはいけないのが、添加剤は魚がいる水に入れるものだということです。植物用の製品でも、成分によっては魚に影響が出ることがあります。アクアポニックスで使えると明記された製品を選び、規定量を守って使ってください。

私のアクアポニックス設備
添加剤は魚がいる水に入れるもの。規定量を守り、少量から様子を見て補います。

他の養分とのバランス

カリウムだけを突出して補っても、健全な成長にはつながりません。鉄・カルシウムなど、魚のフンだけでは足りなくなりやすい養分は他にもあります。葉の症状を見ながら、必要な養分を必要な分だけ補うという姿勢が大切です。

水質全体の考え方はアクアポニックスで失敗する原因は水質管理にまとめています。あわせて確認しておくと、養分管理の全体像がつかみやすくなります。

アクアポニックスは資本がある人のものだと思われがちですが、個人でも始められます。設備にいくら掛かったのか、どこでつまずいて、どう直したのか。私の実践の記録をnoteに書いています。見学に来られた方はのべ100人を超えました。
→ 個人で始めたアクアポニックスの費用と失敗をnoteで読む

どこで見切るか|終わりの判断

線を決めておきます。足すきっかけは、古い葉の縁や先から黄色くなり、進むと茶色く枯れる症状です。窒素不足やマグネシウム不足と紛らわしいので、黄色くなっているのが新しい葉か古い葉かを先に確かめます。

補充は製品の表示量より少なめから始め、数日おきに葉の様子を見ます。症状が先へ進まなくなったら、量はそこで止めます。改善が見られないときだけ、少しずつ増やします。

止める線は、症状が先へ進まなくなったところです。カリウムの入れすぎは、他の養分の吸収を妨げることがあります。

炭酸カリウムを使ったときは、入れたあとにpHも測ります。pHを上げる働きがあり、上がりすぎると今度は鉄が吸えなくなります。カリウムを足しても黄ばみが続くなら、鉄・カルシウム・マグネシウムなど、ほかの足りない養分を症状で見分けます。

よくある質問(FAQ)

Q. アクアポニックスでカリウムはなぜ不足しやすいのですか?

A. 魚の餌には窒素とリンは多く含まれますが、カリウムは植物が必要とする量に比べて少ししか含まれていないためです。窒素とリンは魚由来である程度まかなえますが、カリウムは別途補う必要があります。

Q. カリウム不足のサインは何ですか?

A. 古い葉の縁や先から黄色くなり、進むと茶色く枯れるのが典型的な症状です。窒素不足やマグネシウム不足と紛らわしいので、黄色くなる場所(新しい葉か古い葉か)とあわせて確認すると見分けやすくなります。

Q. カリウムを入れすぎるとどうなりますか?

A. 他の養分の吸収を妨げることがあります。見た目だけでは不足と見分けにくいので、入れる量を少しずつにして判断します。良かれと思って多めに入れるのは逆効果です。

Q. カリウムはどのように補充すればよいですか?

A. 市販のカリウム添加剤を使うのが手軽です。一度に大量に入れず、少量から始めて数日おきに葉の様子を観察しながら、必要に応じて少しずつ増やしていってください。

Q. カリウム添加剤は魚に影響しませんか?

A. 製品によっては影響が出ることがあります。アクアポニックスで使えると明記された製品を選び、規定量を守って使用してください。植物用の一般的な肥料をそのまま使うのは避けます。

Q. カリウム以外にも補うべき養分はありますか?

A. あります。鉄・カルシウムなど、魚のフンだけでは足りなくなりやすい養分は他にもあります。葉の症状を見ながら、必要な養分を必要な分だけ補うのが基本です。

次に見るのは、ここ

新しい葉が白っぽく黄色いなら鉄不足へ。

水質の数字の見方を知りたいなら水質管理の基本へ。

メダカで育てていて野菜が伸びないならメダカで野菜が育たないへ。

水換えのあとに弱ったなら水換え後に弱るへ。

この記事を書いた人
鷲林寺アクアファーム(兵庫県西宮市)

植木屋として5年、アクアリウムは10年。2021年から、義理の祖母が守ってきた農地を休耕地にしないためにアクアポニックスを始め、一人で続けています。書いているのは、その農場で実際に起きたことと、確かめられた範囲のことだけです。

農場見学は全国から受け入れてきました(現在は休止中)。ラジオ関西「羽川英樹 ハッスル!」、雑誌「Mer」などの取材を受けています。
プロフィール ・ 農場見学 ・ メディア実績 ・ お問い合わせ

このサイトの図解は、出典にリンクを付けていただければご自由にお使いいただけます(学校の教材・自由研究も可)。