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メダカは足し水だけで飼える?うちは3年そうしている。ただし普通の容器では崩れる

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メダカは足し水だけで飼えるか。3年足し水だけの実例と、成立する条件の見分け方 めだか

うちのメダカの容器は、この3年、水換えをしていません。夕方に見回って、減った分の水を足すだけ。バケツも、3分の1の交換もなしです。

そう書くと、たいてい「それはいつか崩れるやつだ」と言われます。その指摘は、半分正しいのです。同じことを普通の容器でやれば、たしかに崩れます。うちで崩れないのには、はっきりした理由があります。この記事は、その分かれ目の話です。

この記事の結論(要点)
  • 足し水だけで回る容器と、崩れる容器があります。分かれ目は「硝酸の行き先」があるかどうか。
  • 足し水が補うのは蒸発した水だけです。硝酸は蒸発しないので、引き取り手がいない容器ではたまり続けます。
  • うちで3年成立しているのは、容器の上に野菜が載っていて、硝酸を毎日引き取っているからです。
  • 普通の容器で真似すると、見た目は透明のまま、ある日まとめて崩れます。「足し水だけはダメ」は普通の容器では正しい。
  • 自分の容器で成立するかは、3つの問いで見分けられます。最後は硝酸塩を測って確かめるのが確実です。

答え|回る容器と、崩れる容器の分かれ目

メダカを足し水だけで飼えるかを4場面で描いたグラフィックレコーディング。水を足すのは楽、しかし汚れは消えていない、植物が硝酸を引き取れば回る、最後は試験紙で測って確かめる、という流れ
流れはこの4つ。楽かどうかは、③の引き取り手がいるかで決まります。

分かれ目は1つだけです。硝酸の行き先が、その容器にあるかどうか。

メダカのフンや食べ残しは、細菌の働きでアンモニアから亜硝酸、そして硝酸へと変わっていきます。硝酸は毒性が低いのでメダカはすぐには参りませんが、たまり続ければ話は別です。水換えという作業の正体は、この硝酸を捨てることです。

ここで足し水を見てみます。足し水が補っているのは、蒸発して減った「水」だけです。硝酸は蒸発しません。つまり足し水は、硝酸を1ミリグラムも減らしていません。

それでも回る容器があります。水換えの代わりに、硝酸を引き取ってくれる相手がいる容器です。植物です。

「足し水だけはダメ」は、普通の容器では正しい

黒い容器を上から見たメダカ数匹。植物がほとんど無い普通の飼育容器
よくある形の容器。この形のままだと、足し水だけでは崩れる側です。

先に、崩れる側から話します。黒い容器にメダカと、申し訳程度の浮草。よくある形です。この容器で足し水だけを続けると、どうなるか。

しばらくは、何も起きません。ここが厄介なところです。硝酸はゆっくりたまり、水はそのあいだも透明なままです。目に見える濁りや臭いは、ずっと後まで出てきません。

数か月たったころ、水は「濃い」状態になっています。硝酸がたまり、水質は酸性側に傾き、それでもメダカは慣らされながら泳いでいます。崩れるのは、何かのきっかけがあった日です。夏の高水温が重なった朝や、見かねて久しぶりに大きく水換えをした直後。「次々と死ぬ」という事故の下地は、こうしてできあがります。

だから、水換えの手間を減らす記事でうちは「足し水だけで済ませるのはやめてください」と書いています。矛盾ではありません。硝酸の行き先が無い容器では、それが正しいのです。

うちが3年、足し水だけで回している容器

うちで足し水だけが成立しているのは、この容器です。

NVボックス2つで組んだメダカのアクアポニックス。上の栽培槽の野菜が硝酸を引き取るので足し水だけで回る
うちの実物。上の野菜が「水換え係」です。

NVボックスという収納箱を上下に2段重ねて、下でメダカを20〜25匹飼い、上の箱で野菜を育てています。水はポンプで回りっぱなしで、メダカの水が野菜の根元を通ってから戻ってきます。

仕組みはこうです。フンから生まれた硝酸は、植物にとって窒素肥料そのものです。上の野菜が、うちの「水換え係」として毎日硝酸を引き取っています。だから捨てる理由が消えました。この容器の作り方は別記事に全部まとめてあります。箱2つとパイプ数本でできます。

もうひとつ、うちの条件を正直に書いておきます。このメダカの容器は、雨の入らないハウスの中に置いています。雨の助けが無くても、足し水だけで回っています。成立させているのは雨ではなく、植物です。

ただし雨には別の働きがあります。足し水だけを続けると、水に溶けたミネラル分が少しずつ濃くなっていきます。うちのベランダにある錦鯉の設備は雨が入るので、この濃縮が薄まります。ハウスの中はその助けが無いぶん、濃縮は素直に進みます。だから、いずれ換える場面はあります。「一生換えない」ではなく「3年換えていない」が正確なところです。

足し水は、どれくらいの量になるのか

「足し水だけ」と言うと楽に聞こえますが、量は正直に書いておきます。水は思っているより減ります。

目安になる数字があります。小規模な循環設備では、蒸発・植物の蒸散・水はねで1日あたり全水量の1〜5%が失われるとされています。国連食糧農業機関の手引きは平均で1日1〜3%としています。植物が多い容器ほど、蒸散のぶん減りは速くなります。

水50リットルの容器なら、1日におよそ0.5〜1.5リットル。夏はこの上限側に張りつくので、足し水はほとんど毎日の仕事になります。うちも夏場は毎日のように足しています。逆に言えば、数日おきにジョウロ1杯で済んでいるなら、それは蒸発が少ない季節か、水量に余裕がある容器です。

冬は逆に、ほとんど減りません。水温が下がって蒸発が減り、メダカも冬眠に入ります。冬の水換えは原則しないのと同じ理屈で、冬の足し水は「凍結で水位が下がっていないかをたまに見る」程度になります。

「ビオトープなら足し水だけでいい」の正体

ビオトープの記事や動画では「足し水だけで大丈夫」とよく言われます。あれは嘘ではありません。ただし魔法でもありません。

ビオトープと呼ばれる容器は、たいてい水草がしっかり植わっていて、土が敷かれ、メダカは控えめの数です。つまり、この記事で言う「硝酸の引き取り手がいる容器」を、最初から設計として組んであるのです。成立しているのはビオトープという名前のおかげではなく、植物の量のおかげです。

だから同じ見た目でも、水草が申し訳程度で匹数が多いビオトープは、崩れる側に入ります。名前ではなく、次の3つの問いで判定してください。

足し水だけで回る容器と崩れる容器の対比図。左は植物が硝酸を引き取るので回る。右は硝酸の行き先が無く、たまる一方で見た目は透明のまま崩れる
足し水が補うのは水だけ。硝酸の行き先が分かれ目です。

あなたの容器で成立するか|3つの問いで見分ける

ここからが本題です。自分の容器が「回る側」か「崩れる側」かは、次の3つで見分けます。

問い1。硝酸の引き取り手はいるか。目安は、水面や水中が植物でしっかり埋まっているかどうかです。ホテイアオイやマツモが容器の3分の1以上を覆って旺盛に育っている、あるいはうちのように栽培槽が載っているなら、引き取り手はいます。浮草がぽつんと2株、では足りません。

問い2。メダカの数に余裕はあるか。目安は水1リットルに1匹ではなく、2リットルに1匹です。植物が引き取れる量は餌の量で決まっていて、限りがあります。出す側が多ければ追いつかれます。

問い3。日光は当たるか。植物が硝酸を吸う力は、日光で決まります。屋外や日当たりのいい場所なら、植物はよく働きます。雨が当たる置き場所なら、ミネラルの濃縮を薄めるおまけも付きます。室内の水槽はこの助けが無いので、足し水だけを狙うなら植物の量をさらに増やす必要があります。

3つとも当てはまっても、最後は測って確かめてください。硝酸塩の試験紙で、数週間おきに測って横ばいなら成立しています。上がり続けているなら、植物が追いついていません。

試験紙は、6項目をまとめて測れるタイプで足ります。定番はテトラの6in1で、硝酸塩・亜硝酸・pHなどが一度に測れます(アンモニアは入っていないので、そこは別の試験紙の話です)。水に1秒ひたして、色見本と見比べるだけ。1回あたり数十円の作業です。

見るのは絶対値より「向き」です。2週間おきに測って、色が濃くなり続けているかどうか。横ばいなら植物が追いついています。濃くなり続けているなら、その容器は足し水だけでは崩れる側です。測った日と色をメモしておくと、向きがひと目で分かります。

成立しないまま続けたときの、時間の流れ

崩れる側の容器で足し水だけを続けたときの典型的な経過を、時間順に書いておきます。

最初の1〜2か月は、むしろ調子がよく見えます。水換えのストレスが無いぶん、メダカは落ち着いて見えるからです。その間に硝酸は静かに積み上がります。

次に来るのは、じわじわした変化です。餌への反応が鈍い日が増える。コケの伸びが速くなる。それでも水は透明なので、原因を水に求めにくい。

最後は、きっかけ待ちです。高水温、急な冷え込み、そして皮肉なことに「久しぶりの大きな水換え」。濃い水に慣れたメダカにとって、きれいな水への急変はそれ自体がショックになります。戻すときは一気に換えず、少しずつ薄めてください。

足し水だけ=完全放置、ではない

誤解のないように、うちがやっていることを全部書いておきます。「足し水だけ」は「何もしない」ではありません。

まず、底にたまる沈殿物は消えません。フンのすべてが細菌に分解されるわけではなく、分解されない分は底に積もります。うちでも、たまったぶんを吸い出す掃除はします。水換えという「水を捨てる作業」が消えただけで、掃除という「泥を取る作業」はゼロにはなりません。

次に、毎日の観察です。足し水のついでに、メダカの泳ぎと餌への反応を見る。水位の減り方がいつもと違えば、それ自体が異変のサインです。作業は減りましたが、見る時間は減らしていません。むしろ、見るだけでいい飼い方になった、と言うほうが近いです。

楽になりたいだけなら、設計を変える

「足し水だけにしたい」の根っこが「水換えがめんどくさい」なら、答えは2段階あります。

まず、水換えの頻度そのものを設計で減らすこと。水量を増やす、匹数を見直す、浮草を入れる。この3つで、必要な回数が下がります。ゼロにはなりませんが、月1回程度までは現実的に減らせます。

そのうえで、本当にゼロを狙うなら、硝酸の引き取り手を容器に組み込むことになります。うちのように野菜を載せる形なら、週末2日の工作です。水換えが消えて、おまけにサラダが穫れます。

黒いメダカの容器にジョウロでそっと足し水をしているイラスト。水面に波紋が広がり、メダカが泳ぎ、浮草が浮かんでいる
水面のすぐ近くから、細く、そっと。しぶきを立てないのがコツです。

足し水そのもののやり方はシンプルです。カルキを抜いた水を、朝のうちに、少しずつ。昼の熱くなった容器に冷たい水を注ぐと、その場で急変を作ってしまいます。夏はほとんど毎日になります。

足し水した日、硝酸塩を測った日、数値がいくつだったか。足し水だけの飼い方は、「測って横ばいを確かめる」ことで初めて安心になります。「メダカ台帳」なら容器ごとの記録が1タップ。冷え込みや警報の通知も届きます。
→ 容器ごとの記録を、次に迷ったときに引き出せる
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まとめ

足し水は水を補うだけで、硝酸を減らしません。だから答えは容器によって変わります。硝酸の引き取り手がいるなら回り、いないなら静かに崩れる。うちは野菜が引き取ってくれるので、3年足し水だけです。

自分の容器がどちら側かは、植物の量・匹数の余裕・置き場所の3つで見分けて、最後は硝酸塩の数字で答え合わせをしてください。楽をしたいという動機は、間違っていません。設計で楽になるのが正解です。

よくある質問(FAQ)

Q. メダカは足し水だけで飼えますか。

A. 硝酸の引き取り手がいる容器なら飼えます。うちは野菜を載せた容器で3年、足し水だけです。植物がほとんど無い普通の容器では、硝酸がたまり続けるのでいずれ崩れます。

Q. 足し水と水換えは何が違うのですか。

A. 足し水は蒸発して減った水を補うだけで、たまった硝酸を減らしません。水換えは硝酸を水ごと捨てる作業です。役割がまったく違います。

Q. 足し水にはどんな水を使えばいいですか。

A. カルキを抜いた水を、朝のうちに少しずつ足します。昼の熱くなった容器に冷たい水を入れると、温度の急変になります。

Q. ホテイアオイを入れていれば足し水だけで大丈夫ですか。

A. 量によります。水面の3分の1以上を覆って旺盛に育っているなら、硝酸の引き取り手として働きます。数株では足りません。最後は硝酸塩を測って、横ばいかどうかで判断してください。

Q. グリーンウォーター(青水)でも足し水だけでいけますか。

A. 青水の植物プランクトンも硝酸を吸うので、方向としては助けになります。ただし濃さが安定しないので、青水だけを当てにせず、数値の確認をおすすめします。

Q. 足し水だけを続けると、ミネラルはどうなりますか。

A. 蒸発で水だけが抜けるので、溶けているミネラル分は少しずつ濃くなります。雨が当たる置き場所なら薄まる方向に働きますが、ハウスやひさしの下では素直に濃縮が進みます。どちらもゼロにはならないので、数年単位では換える場面が来ます。

Q. 室内の水槽でも足し水だけにできますか。

A. 屋外より条件が厳しくなります。日光と雨の助けが無いぶん、水草の量を大きく増やし、照明をしっかり当てる必要があります。硝酸塩を測りながらでないとおすすめしません。

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