メダカの目が飛び出している。金魚のデメキンのように、ぷっくりと。調べると「ポップアイ」という名前が出てきて、細菌だ、水質だ、と並んでいる。
原因が4つあると言われても、どれなのかは分かりません。そこで、いま自分の目で確かめられることから始めます。
片目だけか、両目とも出ているか。それだけで、外から来たのか、体の中から来たのかが分かれます。
- まず、片目か両目かを数えてください。ここで原因の場所が変わります。
- 片目だけなら、外から。ぶつけた、つつかれた、網ですくったとき。
- 両目とも出ているなら、体の中の話です。こちらのほうが急ぎます。
- ほかに鱗の逆立ちや赤い斑点が出ていないかを見てください。あればそちらが本体です。
- 飛び出た目は、戻らないことがあります。見るのは戻ったかどうかではなく、進んでいるかどうかです。
メダカのポップアイは、まず片目か両目かを見る
数えるだけです。道具も要りません。それでも、いちばん大きい分岐がここにあります。
片目だけなら、外から来た可能性が高い。体の中で起きていることなら、ふつう左右そろって出ます。片方だけというのは、その目に何かがあったということです。
両目とも出ているなら、体の中の話です。目の奥に水が溜まって、内側から押し出されている状態と考えられます。
この分け方が効くのは、やることが変わるからです。外からなら、原因はもう終わっています。中からなら、いまも続いています。
だから片目のほうは待てて、両目のほうは急ぎます。
ただし片目でも、あとから両目になることがあります。1回見て決めず、翌日ももう一度数えてください。

片目だけのとき|外から来たものを疑う
心当たりを探します。ここ数日で、何かありませんでしたか。
網ですくった。これがいちばん多い心当たりです。網の目に体をこすると、突き出ている目は真っ先に当たります。
容器を移した。運ぶあいだ、袋やケースの中で壁に当たり続けます。特に暗くしていなかった場合、暴れて自分でぶつけます。
つつかれた。追いかけられている個体は、逃げるときに壁や底に当たります。そして弱った個体は、周りからつつかれます。
それから容器の中の物です。石の角、流木、器具の縁。夜に驚いて跳ねたときにぶつかります。
心当たりがあって、ほかに症状が無いなら、そこまで急ぎません。静かな場所に分けて、しばらく見ます。
両目のとき|体の中で起きている
こちらは待ちません。両目が同じように出ているなら、体の内側からの力です。
いちばんよく挙げられるのが細菌です。エロモナス菌は、もともと飼育水の中にいる菌です。特別に持ち込まれるものではなく、魚が弱ったときに増えます。
だから「うつされた」ではありません。同じ水の中で、その個体だけが押し負けた、という形です。
次に水です。アンモニアや亜硝酸が溜まっている水では、体を守るほうに力が使われます。水が透明でも、汚れていないとは限りません。
そして複数の個体に出ているなら、水で確定に近い。1匹だけなら個体の問題ですが、何匹も同じなら容器の側です。

ほかに何が出ているか|そちらが本体のことがある
ポップアイだけを見ないでください。組み合わせで、行き先が変わります。
鱗が逆立っている。松かさ病です。同じエロモナス菌が相手なので、併発します。この場合、主役はそちらです。
体に赤い斑点がある。赤斑病です。これも同じ菌で、傷や弱った皮膚から入ります。
腹が張っている。卵なのか、体の中に水が溜まっているのかで分かれます。後者なら、目のふくらみと同じ原因を見ることになります。
ほかは何も無い。この場合が、いちばん待てます。片目で、泳ぎ方も食欲も変わらないなら、数日そのまま見てください。
並べて言えることは1つです。ポップアイは、単独で出るときがいちばん軽い。
何をするか|分けて、水を整える
やることは順番があります。足す手は、いちばん最後です。
まず分けます。飛び出た目は、周りから見れば目立ちます。つつかれれば、そこから傷が広がります。静かな容器へ、網ですくって移してください。
移すときの水は、元の容器と同じものを使います。新しい水を用意すると、環境の変化が重なります。
次に水を整えます。元の容器のほうです。何匹も出ているなら、そちらに原因があります。1/3ずつ換えてください。全量交換は逆効果です。
餌は止めます。弱っている個体は消化にも体力を使います。成魚なら数日食べなくても平気です。
そして触らないでください。目を押し戻そうとする、綿棒で拭く。どちらもしてはいけません。
塩浴はどう位置づけるか
PAAにもある質問なので、はっきり書きます。塩浴でポップアイが治るわけではありません。
塩浴が助けるのは、体液の濃さを保つ手間を減らすことです。その分の体力を、回復に回せるようになります。
だから「効く薬」ではなく「支える手」です。出ている目が引っ込むわけではありません。
それでも最初に選ぶ理由はあります。薬より体力を削らないからです。原因がはっきりしないうちに薬を使うより、まず塩浴で見るほうが穏やかです。
濃さは守ってください。0.5%で、3〜7日。目分量だと、薄すぎて効かないか、濃すぎて脱水させるかのどちらかになります。
薬に進むかどうか
ここは慎重に書きます。「ポップアイ」という病名で承認された魚病薬は、ありません。
実際に使われるのは、エロモナス菌を相手にする薬です。グリーンFゴールド顆粒は「観賞魚の細菌性感染症」で承認されています。エルバージュエースは「エロモナス感染症(穴あき病・スレ症・立鱗病)」で承認されています。
つまりポップアイそのものを狙うのではなく、その裏にいる菌を狙うという考え方です。だから、鱗の逆立ちや赤い斑点が一緒に出ているときのほうが、使う理由がはっきりします。
逆に片目だけで、ほかに何も無いなら、薬に進む理由は弱い。外からぶつけただけなら、菌を叩いても意味がありません。
使うと決めたら、説明書の量と日数を守ってください。そして薬を入れた水は、元の容器に戻しません。
目は戻るのか|正直なところ
いちばん知りたいところだと思うので、はっきり書きます。戻ることもあれば、戻らないこともあります。
ぶつけただけの軽いものなら、腫れが引いて元の形に近づきます。ただし、時間はかかります。数日で見た目が変わるものではありません。
いっぽうで、飛び出たまま固定される個体もいます。片目が出たままでも、泳いで、食べて、そのまま暮らします。
だから見るのは、戻ったかどうかではありません。進んでいるかどうかにしてください。
昨日より出ていない。濁っていない。泳ぎ方が変わっていない。止まっていれば、それでいいと考えます。
PAAに「目が取れるのですか」という質問がありますが、そこまで進む前に、たいてい別の症状が出ます。目だけを見張るより、体全体を見てください。

いつまで見るか|終わりの判断
区切りを決めておきます。決めないと、毎日のぞき込むことになります。
見るのは1週間です。分けて、餌を止めて、1日1回だけ横から見る。それを続けます。
3日で腫れが引きはじめたなら、そのまま続けます。餌を戻すのは、見た目が落ち着いてからさらに数日おいてからです。
1週間たっても変わらず、しかも泳ぎ方も食欲も保っているなら、そこで手当てを終えます。出たまま暮らす個体はいます。
逆に、この間に目が濁ってきた、動かなくなった、鱗が逆立ってきた。そちらのほうが重いサインです。見る場所を、目から個体全体へ移してください。
最後にひとつ。ポップアイは、症状であって病名ではありません。目が出ていること自体を治す手はなく、押している原因が止まったときに、結果として止まります。
起きにくくするには
予防でできることを、効く順に書きます。
網ですくう回数を減らす。数える、選ぶ、移す。そのたびに体はこすれます。移すときは水ごと、網は最後だけにしてください。
水を溜めない。エロモナス菌はもともと水の中にいるので、増やさないことが予防になります。換える量より、換えない日数のほうが効きます。
過密にしない。密度が上がれば、つつき合いも汚れも増えます。容器の水量に対して、入れる数を決めてください。
容器の中の角を減らす。尖った石や器具の縁は、夜に跳ねたときに当たります。
どれも特別なことではありません。ポップアイを防ぐ手というより、弱らせない手です。菌はもともといるので、こちらが弱らせなければ増えません。
→ 気づいた日と、分けた日を残しておく
台帳でできることを、もう少し詳しく
まとめ
メダカの目が飛び出していたら、まず片目か両目かを数えてください。片目だけなら外から、両目とも出ているなら体の中です。
片目でぶつけた心当たりがあり、ほかに症状が無いなら急ぎません。両目、あるいは鱗の逆立ちや赤い斑点が一緒に出ているなら、そちらが本体です。
やることは、分ける、餌を止める、元の容器の水を1/3ずつ換える。塩浴は治す手ではなく、体力を回復に回すための手です。
見るのは1週間。戻ったかどうかではなく、進んでいるかどうかで判断してください。出たまま暮らす個体はいます。
よくある質問(FAQ)
Q. メダカのポップアイは、まず何を見ればいいですか。
A. 片目か両目かを数えてください。片目だけなら外から来た可能性が高く、ぶつけた、つつかれた、網ですくったといった心当たりを探します。両目とも出ているなら体の中の話で、こちらのほうが急ぎます。
Q. メダカのポップアイは塩浴で治せますか。
A. 塩浴で治るわけではありません。塩浴が助けるのは体液の濃さを保つ手間を減らすことで、その分の体力を回復に回せるようになります。効く薬ではなく支える手として、0.5%で3〜7日を守ってください。
Q. ポップアイの治し方は何ですか。
A. 順番があります。まず静かな容器に分け、餌を止め、元の容器の水を1/3ずつ換えます。目を押し戻したり拭いたりしてはいけません。薬に進むのは、鱗の逆立ちや赤い斑点が一緒に出ているときです。
Q. ポップアイに効く薬はありますか。
A. 「ポップアイ」という病名で承認された魚病薬はありません。実際に使われるのはエロモナス菌を相手にする薬で、グリーンFゴールド顆粒は「観賞魚の細菌性感染症」、エルバージュエースは「エロモナス感染症」で承認されています。
Q. ポップアイになると目が取れるのですか。
A. そこまで進む前に、たいてい別の症状が出ます。目だけを見張るより、鱗の逆立ちや泳ぎ方など、体全体を見てください。
Q. 飛び出た目は元に戻りますか。
A. 戻ることもあれば、戻らないこともあります。飛び出たまま固定されても、泳いで食べてそのまま暮らす個体はいます。見るのは戻ったかどうかではなく、進んでいるかどうかにしてください。
Q. ほかのメダカにうつりますか。
A. うつされる病気ではありません。原因になるエロモナス菌はもともと飼育水の中にいて、弱った個体で増えます。複数に出ているなら、うつったのではなく水のほうを疑ってください。
Q. どれくらいで見切ればいいですか。
A. 1週間です。分けて餌を止め、1日1回横から見ます。1週間たっても変わらず、泳ぎ方も食欲も保っているなら、そこで手当てを終えてください。
次に見るのは、ここ
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