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水耕栽培にエアレーションは必要?根が空気に触れる場所があれば要らない

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バットに並べた発芽用スポンジから出た双葉 アクアポニックス

ペットボトルで水耕栽培を始めて、根が伸びてきた。調べると「エアレーションが要る」と書いてある。エアポンプを買うべきなのか。買わずに育てている人もいる。どっちなのか。

答えは「方式による」と出てきます。それは正しいのですが、自分の装置がどっちなのかは、それでは決まりません。

決めるのは、根が空気に触れる場所があるかどうかです。そこから書きます。

この記事の結論(要点)
  • 根の一部が空気に触れる装置なら要らない。根が全部沈んで水が動かない装置なら要る。方式の名前ではなく、根の置かれ方。
  • 要らないのは、発芽まで・水が流れる・落ちる・パネルと水面のあいだが空いている装置。
  • 要る装置でも、先に水位を下げて上を空ける。それでも根が茶色くなるなら、入れる。
  • 泡は水面を動かすため。ゆらぐ程度で足りる。夜こそ回す。
  • 夏は、要らない装置でも要ることがある。先に日を切って水温を下げ、それでも臭うならエアレーション。

水耕栽培にエアレーションは必要か|根が空気に触れる場所があるかで決まる

答えを先に書きます。根が全部水に沈む装置なら要ります。根の一部が空気に触れる装置なら、要りません。方式の名前ではなく、根の置かれ方で決まります。

根は、水に溶けた酸素で呼吸します。溶けた酸素が減ると、根は酸素を使わない呼吸に切り替わり、力が落ちて、茶色くなります。土の中では根のまわりに空気の隙間がありますが、水の中には隙間がありません。だから水耕栽培は、土より根腐れしやすい。

ただし、酸素が要るのは「根」であって「水」ではありません。根の一部が空気に触れていれば、そこから足ります。スポンジの上半分、パネルと水面のあいだ、水が流れて落ちる場所。そういう場所がある装置は、エアレーション無しで回ります。

逆に、根が容器の底まで水に浸かって、水面に空気の層が無く、水も動かない。この形は、根が酸素を使い切った時点で止まります。ここにエアレーションが要ります。

だから、買う前に見るのは、自分の装置で根がどう置かれているかです。次の章で、形ごとに分けます。

水耕栽培にエアレーションが要るか要らないかの比較図。要らないのは発芽まで、水が流れて落ちる装置、パネルと水面のあいだに空気の層がある装置、根の一部が空気に触れている装置。要るのは根が全部沈んで水が動かない装置、根が茂って使う量が入る量を超えたとき、夏で水温が高いとき、魚がいて魚と細菌も酸素を使うとき
買う前に、水位を下げて上を空けてみる。

要らない装置|発芽まで・流れる・落ちる・上が空いている

先に、要らない形から。こちらのほうが多いです。

発芽まで。うちの種まきは、バットに水を張って湿らせたスポンジを置くだけです。ポンプもエアポンプもありません。水位はスポンジの半分で、上半分が空気に触れている。発芽までは、それで足ります。

水が流れる装置。ポンプで水を汲み上げて、パイプやパネルの上を流して、落とす。うちのNVボックス2段はこの形で、栽培槽の上から水が落ちるたびに、空気を巻き込みます。落ちる水が、エアレーションの代わりです。

根の上が空いている装置。パネルに苗を挿して、水面とパネルのあいだに空気の層がある形。根の上のほうが空気に触れ、下のほうが水に浸かる。根毛が出るのも、この空気に触れた部分です。

この3つは、根が空気に触れる場所を、装置の形が作っています。エアポンプを足しても、悪くはなりませんが、要りません。

ひとつ注意。流れる装置でも、ポンプが止まれば、止まった水の装置になります。うちのポンプは詰まりで止まりました。流れているかどうかは、毎日見てください。

バットに並べた発芽用スポンジから出た双葉
うちの種まき。水は動かしていません。スポンジの上半分が空気に触れているので、これで足ります。

要る装置|根が全部沈んで、水が動かない

要るのは、この形です。

容器に養液を張って、根を全部沈めて、水が動かない。ペットボトル、バケツ、発泡スチロールの箱に養液を入れて、ふたに苗を挿す形。手軽なので、始める人の多くがこれです。

この形は、根が小さいうちは持ちます。根が使う酸素が少なく、水面から溶ける分で足りるからです。根が茂ってきたころに、急に止まります。使う量が、入る量を超えた日です。

その日の合図は、水の臭いと、根の色です。腐った卵のような臭いがして、根の先が茶色くなる。葉は、その数日後にしおれます。

ここにエアレーションを入れます。ただし、入れ方に順番があります。次の章です。

もうひとつの手は、装置を変えることです。根を全部沈めるのをやめて、水位を下げて、上を空ける。ふたと水面のあいだに数センチの空気の層を作るだけで、要らない装置に変わります。エアポンプを買う前に、水位を下げてみてください。

水耕栽培のパネルに並んだ苗
パネルと水面のあいだに空気の層がある形。根の上のほうが空気に触れます。

泡は、酸素を溶かすためではなく、水面を動かすため

エアレーションを入れるなら、何をしているかを知っておくと、置き方が決まります。

泡が水中を上がるあいだに、泡から酸素が溶ける量は、じつは多くありません。メダカの酸欠の記事に書いたのと同じで、効いているのは、泡が水面を動かすことです。酸素は水面から溶けます。水面が動けば、空気と触れる面が増えて、溶ける量が増える。

だから、泡は強くなくていい。水面がゆらぐ程度で足ります。強すぎると、根を揺らして傷めますし、養液が飛んでパネルの上が濡れて、カビの元になります。

置く場所は、根から離れた容器の端。泡が根に直接当たらない位置です。泡が上がって水面を動かせば、酸素は容器全体に回ります。

そして、回す時間。夜こそ回してください。昼は葉が光合成で酸素を作りますが、夜は作らず、使うだけです。根が一番苦しいのは、明け方です。昼だけ回して夜に切るのは、逆です。

夏は、要らない装置でも要ることがある

「要らない」と書いた装置でも、夏だけは話が変わります。

水温が上がるほど、水に溶けていられる酸素は減ります。同時に、根も細菌も、暑いほど酸素を多く使う。入る量が減って、使う量が増える。春に足りていた装置が、夏に足りなくなるのは、これです。

だから夏は、流れる装置でも、上が空いている装置でも、酸素が足りなくなることがあります。合図は同じで、臭いと根の色。夏だけエアポンプを足す、という使い方は、理にかなっています。

ただし、エアポンプで水温は下がりません。むしろ、ポンプの熱で少し上がります。夏に先にやるのは、日を切って水温を下げること。それでも臭うなら、エアレーション。順番はこうです。

冬は逆で、水温が低いほど酸素は溶けやすく、根も使いません。冬に要らなくなったら、止めて構いません。

エアレーションを入れても、根腐れが止まらないとき

エアポンプを入れた。泡も出ている。それでも根が茶色くなる。これは、酸素以外の原因です。

ひとつは、水温です。30℃近い養液では、いくら水面を動かしても、溶けていられる酸素の量そのものが少ない。エアレーションは、溶ける速さを上げますが、溶ける上限は上げられません。上限を上げるのは、水温を下げることだけです。

もうひとつは、根の量です。容器に対して株が多すぎると、水面をいくら動かしても、使う量が勝ちます。株を減らすか、容器を大きくするか。

三つ目は、水そのものです。足し水だけで換えていない養液は、底に成分が溜まり、細菌が増えて、その細菌も酸素を使います。換えれば、使う側が減ります。

エアレーションで直るのは「入る量が足りない」場合だけです。「使う量が多すぎる」場合は、使う側を減らします。泡を強くしても、直りません。

装置の形を変えるほうが、ポンプより確実なことが多い

ここまで読んで、エアポンプを買う前に、もう一度考えてほしいことがあります。

要る装置と書いた「根が全部沈んで水が動かない」形は、じつは、少しの工夫で要らない形に変わります。

水位を下げる。ふたと水面のあいだに数センチの空気の層を作る。それだけで、根の上のほうが空気に触れます。根は、空気に触れた部分から酸素を取り、水に浸かった部分から養分を取ります。両方あれば、回ります。

スポンジを水面より上に出す。種まきと同じで、スポンジの半分が空気に触れていれば、そこが呼吸する場所になります。

水を落とす。小さなポンプで汲み上げて、上から容器に戻す。落ちる水が空気を巻き込みます。これは水を回すポンプで、エアポンプではありません。同じ電気を使うなら、こちらのほうが、水も混ざって、養液のムラも消えます。

エアポンプは、装置の形を変えられないときの手です。変えられるなら、形を変える。電気も音も減ります。

魚がいる装置では、魚のために入れる

アクアポニックスのように、魚がいる装置では、エアレーションの意味が変わります。

根より先に、魚が酸素を使います。夏の朝に魚が水面で口をパクパクしていたら、根の話ではなく、魚の酸欠です。魚がいる装置では、エアレーションは魚のために入れるもので、根はそのおまけです。

もうひとつ、魚がいる装置では、水を汚れなく回すために、細菌が酸素を使います。魚のフンをきれいにする細菌は、酸素が無いと働きません。魚、細菌、根。三者が同じ酸素を使うので、魚無しの水耕より、酸素は先に足りなくなります。

だから、魚がいる装置は、流れる形でも、エアレーションを入れておく理由があります。とくに夏の夜。魚の側から書いた記事があるので、そちらを見てください。

エアポンプを買うなら、見るのは1つだけ

要ると決めた方へ。選ぶときに見るのは、ひとつだけです。

音です。水耕栽培は室内に置くことが多く、エアポンプは一晩中回ります。吐出量や、何リットル用、という数字は、水面がゆらげば足りるので、小さいもので構いません。うるさくて夜に止めてしまうほうが、よほど根に悪い。

静かなものを、1つ。チューブと、先に付ける石(エアストーン)。それだけです。逆流防止の弁は、ポンプを水面より低い場所に置くなら要ります。高い場所に置くなら要りません。

石は、細かい泡が出るものより、粗い泡でいい。細かい泡は詰まりやすく、数か月で出なくなります。粗い泡で水面が動けば、目的は果たしています。

買ったら、まず夜に回して、翌朝の臭いを確かめてください。臭いが消えていれば、それが答えです。

どこで見切るか|終わりの判断

線を決めておきます。

根の一部が空気に触れている装置なら、入れない。発芽まで、流れる、落ちる、上が空いている。この4つは要りません。

根が全部沈んで水が動かない装置は、水位を下げて上を空ける。それでも根が茶色くなるなら、入れる。買うのは、その順です。

入れたら、夜に回す。翌朝、臭いが消えて、新しい白い根が出てきたら、足りています。出なければ、水温か根の量を見直します。

最後にひとつ。エアレーションは、酸素を足す道具ではなく、根が空気に触れる場所を作れなかったときの代わりです。装置の形で作れるなら、そのほうが確実で、静かです。

まとめ

水耕栽培にエアレーションが要るかは、根が空気に触れる場所があるかで決まります。発芽まで、水が流れる、落ちる、パネルと水面のあいだが空いている装置は、要りません。

根が全部沈んで水が動かない装置は、根が茂ったころに足りなくなります。先に水位を下げて上を空ける。それでも根が茶色くなるなら、入れる。

泡は酸素を溶かすためではなく、水面を動かすためです。ゆらぐ程度で足り、夜こそ回す。夏は要らない装置でも要ることがありますが、先にやるのは日を切ること。

エアレーションは、根が空気に触れる場所を作れなかったときの代わりです。装置の形で作れるなら、そのほうが確実で、静かです。

よくある質問(FAQ)

Q. 水耕栽培にエアレーションは必要ですか。

A. 根が全部水に沈む装置なら要ります。根の一部が空気に触れる装置なら要りません。方式の名前ではなく、根の置かれ方で決まります。発芽まで、水が流れる、落ちる、パネルと水面のあいだに空気の層がある装置は要りません。

Q. ペットボトルの水耕栽培には要りますか。

A. 根が全部沈んで水が動かない形なら、根が茂ったころに酸素が足りなくなります。まず水位を下げて、ふたと水面のあいだに数センチの空気の層を作ってください。それでも根が茶色くなるなら、エアポンプを入れます。

Q. エアレーションは何をしているのですか。

A. 泡から溶ける酸素は多くありません。効いているのは、泡が水面を動かすことです。酸素は水面から溶けるので、水面が動けば溶ける量が増えます。泡は水面がゆらぐ程度で足り、強すぎると根を傷めます。

Q. いつ回せばいいですか。

A. 夜です。昼は葉が光合成で酸素を作りますが、夜は使うだけで、根が一番苦しいのは明け方です。昼だけ回して夜に切るのは逆です。

Q. 夏だけ要りますか。

A. 要らない装置でも、夏は酸素が足りなくなることがあります。水温が上がると溶ける酸素が減り、根も細菌も多く使うからです。ただし先にやるのは日を切って水温を下げること。それでも臭うならエアレーションです。

Q. エアポンプはどれを選べばいいですか。

A. 音です。一晩中回すので、うるさくて止めてしまうほうが根に悪い。吐出量は水面がゆらげば足りるので小さいもので構いません。石は粗い泡でよく、細かい泡の石は詰まりやすい。

Q. 魚がいる装置ではどうですか。

A. 根より先に魚が酸素を使い、フンをきれいにする細菌も酸素を使います。三者が同じ酸素を使うので、魚無しより先に足りなくなります。流れる形でも、とくに夏の夜は入れておく理由があります。

Q. 入れたのに根が茶色くなります。

A. 酸素以外の原因です。水温が高すぎるか、根の量が容器に対して多すぎるか、水が古いか。夏の水温、間引き、水換えの順に見てください。

Q. どうなったら足りていると分かりますか。

A. 夜に回して、翌朝に腐った卵のような臭いが消え、数日で新しい白い根が出てきたら足りています。

次に見るのは、ここ

根が茶色くなったら根腐れの原因は酸素不足|水耕栽培より強い理由と対策4つへ。臭いが出たら水耕栽培の水が臭い|においで原因が3つに分かれるへ。発芽までの水位は水耕栽培のスポンジで種まき|水位は半分へ。夏に足りなくなったら水耕栽培の夏の水温|22℃で線を引くへ。魚がいるならアクアポニックスの夏の酸欠|魚が水面に集まったらへ。