産卵床に卵が付いている。採って別の容器に移す、と書いてある。でも、毎日それをやる時間が無い。ほったらかしにしたら、どうなるのか。
調べると「孵化はするけど親に食べられる。隔離しましょう」と出てきます。それは分かった。知りたいのは、どこまで放置していいのか、放置しても残す方法があるのか、です。
答えは、親がその容器にいるかどうかで、ほぼ決まります。そこから書きます。
- 卵は孵る。針子は親と同じ容器ではほぼ残らない。親の口は約1cm、針子は5mm。
- 残す方法は3つ。親を抜く(一番楽)/卵を抜く(数十匹)/隠れ家で薄める(数匹)。
- 放置していいのは卵が透きとおっているあいだと、孵化の前日まで。白い卵だけ抜く。
- 残った針子は2週間、餌を切らさない。緑の水があれば楽。
- 秋のほったらかしは、残っても冬に落ちる。採らないと決める季節。
メダカの卵をほったらかしにすると、卵は孵るが、針子はほぼ残らない
答えを先に書きます。卵は、ほったらかしでも孵ります。孵った針子は、親と同じ容器にいるかぎり、ほぼ残りません。
卵そのものは、放っておいても育ちます。野生のメダカは、水草に産み付けたあと、世話をしません。水温25℃なら10日ほどで孵ります。親が卵を食べることはありますが、産卵床や水草に付いた卵は、そこまで食べ尽くされません。
問題は、孵ったあとです。親の口はおよそ1cm。針子は5mmほど。親から見れば、目の前で動く餌です。卵と針子は、魚にもエビにも食べられます。混泳の記事に書いたとおりで、相手がメダカ自身でも変わりません。
だから、ほったらかしの結果は「孵化はする、稚魚は残らない」です。水草が茂った容器で、たまに1匹だけ生き残っていることはあります。それは例外で、数を残す方法ではありません。
ただし、これは「親と同じ容器に置いたまま」の話です。放置の仕方を変えれば、残ります。次の章です。

残す方法は3つ|親を抜く、卵を抜く、隠れ家で薄める
ほったらかしで残したいなら、やり方は3つです。手間の少ない順に書きます。
ひとつ目は、親を抜くこと。卵が付いた容器から、親だけを別の容器に移します。卵はそのまま、その容器で孵ります。針子を食べる魚がいないので、残ります。卵を1粒ずつ採るより、親を網でさらうほうが、はるかに早い。産卵期の終わりに、これをやる人が多い。
ふたつ目は、卵を抜くこと。これが一般に言う「隔離」です。産卵床ごと別の容器に移す。毎日でなくても、数日に一度、産卵床ごと動かせば、前日ぶんがまとめて取れます。手間は毎日ではなく、産卵床の数だけ。
三つ目は、隠れ家で薄めること。親と同じ容器のまま、水草を茂らせて、針子が逃げ込める場所を作る。隠れ家があれば、追われる側が逃げ込めます。残る数は少ないですが、ゼロではなくなります。数を求めないなら、これで足ります。
どれを選ぶかは、何匹残したいかです。数十匹なら卵を抜く。数匹でいいなら隠れ家。手間を一番減らしたいなら、親を抜く。

親を抜く、が一番楽な理由
3つのうち、意外と知られていないのが「親を抜く」です。少し詳しく書きます。
卵を採る作業は、毎日、産卵床を見て、付いた卵を指でつまむか、産卵床ごと移す。産卵期は毎日産むので、毎日の作業になります。1回に10〜30個、それが毎日。数週間続けると、追いつかなくなります。
親を抜くのは、一度きりです。産卵床に卵が十分に付いたところで、親を全部、別の容器へ。元の容器は、そのまま針子の容器になります。水も水草も、そのままです。
利点はもうひとつあって、針子を新しい水に移さなくて済むこと。卵を隔離すると、隔離先の水を作る手間と、水が合わないリスクがあります。親を抜けば、針子は生まれた水で育ちます。
欠点は、親の移し先が要ること。容器がもうひとつ要ります。ただ、親は成魚なので、2Lに1匹の目安で、小さな容器でも数日は持ちます。
親を抜くタイミングは、産卵床に卵が「もう十分」と思えたときです。数十粒付いていれば足ります。それ以上待つと、先に孵った針子を、まだいる親が食べはじめます。早すぎるより、遅すぎるほうが損です。
「隔離は手間だから、ほったらかし」と考えている方は、その前に、親を抜く、を試してください。手間は隔離の何分の一かで、結果は隔離とほぼ同じです。
ほったらかしにしていい期間|白い卵が出るまで
卵を採らないにしても、どこまで放っておいていいか。線があります。
透きとおった卵は育ちます。白く濁った卵は育ちません。そして、白い卵を放っておくと、カビが隣の卵へ広がります。これが、放置の限界です。
産卵床に白い卵が見えはじめたら、そこだけは抜く。透きとおった卵はそのままでいい。この「白だけ抜く」を数日に一度やれば、卵の段階での損失はほぼ防げます。
もうひとつの線は、孵化です。25℃で10日、20℃で13日。その日が来る前に、親を抜くか、産卵床を移すかを決めます。孵ってから慌てて針子をすくうのは、一番難しい。針子は小さく、網で傷みます。
孵化の日を数えるには、最初に卵を見つけた日を書いておきます。水温が分からなければ、朝の水温を一度測る。25℃なら10日目、20℃なら13日目が、動かす締切です。書いておかないと、気づいたときには孵っています。
だから、放置していいのは、卵が透きとおっているあいだと、孵化の前日まで。孵る前に、親か卵か、どちらかを動かす。それだけ守れば、あとは放っておいて構いません。
底に落ちた卵と、産卵床の卵は、扱いが違う
「ほったらかし」と一口に言っても、卵がどこにあるかで、残り方が変わります。
産卵床や水草に付いた卵は、比較的残ります。親がつつくことはあっても、全部は食べません。放置の対象になるのは、こちらです。
底に落ちた卵は、ほぼ残りません。産卵床に付かずに落ちた卵は、親が底で見つけて食べるか、底の汚れに埋もれてカビます。産卵床が無い容器、産卵床が硬くて付きにくい容器では、ほとんどが底に落ちます。
だから、ほったらかしで残したいなら、まず産卵床を入れてください。毛糸や浮き草のような、卵が絡みやすいもの。それだけで、放置の結果が変わります。産卵床が無い放置は、放置ですらなく、ただ食べられているだけです。
もうひとつ、産卵床の位置。水面近くに浮いているものより、少し沈んでいるもののほうが、親の目に付きにくい。浮き草なら、根が長く垂れるものが向いています。
放置する容器に、入れておくとよいもの・いけないもの
ほったらかしと決めた容器に、何を入れておくか。残る数に効きます。
入れておくとよいもの。水草、とくに細かい葉が茂るもの。針子の隠れ家になり、緑の水が出やすくなります。それから、グリーンウォーター。透明な水より、緑がかった水のほうが、針子は残ります。
入れないほうがいいもの。エビ、それから同居の魚。ミナミヌマエビは卵も針子も食べます。掃除役として入れている容器で放置すると、親を抜いても、エビが残りを片づけます。
ヒメタニシは、卵も稚魚も食べません。口の作りが違います。タニシは入れたままで構いません。白く濁った卵を食べてくれるので、むしろ助かります。
それから、エアレーションは弱く。強い水流は、針子を疲れさせます。放置の容器は、水面がゆらぐ程度で足ります。

ほったらかしで残った針子は、その後どうなるか
親を抜いた容器、あるいは隠れ家で残った針子。そのあとの話です。
孵ってから2週間が、一番落ちます。餌を切らさないことだけで、残る数が変わります。ほったらかしの容器で有利なのは、水が緑がかっていること。グリーンウォーターは針子の餌になります。澄んだ水の容器で放置すると、餌が無くて落ちます。
針子が「消える」「溶ける」と言われるのは、死んで底に沈み、分解されて見えなくなるからです。ほったらかしの容器では、これが起きても気づきません。数を数える習慣が無いと、いつの間にか減っています。
残った針子が1.5cmになったら、親と合流できます。それまでは、親を戻さない。戻すなら、針子のほうを別の容器へ。
ほったらかしは、卵の段階では楽ですが、針子の段階では餌の問題が残ります。緑の水を用意しておくのが、一番手間の少ない対策です。
秋にほったらかしにするなら、冬までに間に合うか
この記事を9月に読んでいるなら、もうひとつ考えることがあります。
秋の卵は、冬までに1.5cmに届くかどうかで、育てるか決めます。9月後半に孵った針子は、屋外では冬に間に合わないことが多い。ほったらかしにして孵っても、小さいまま冬に入って、春まで持ちません。
だから、秋のほったらかしは、春から夏より、結果が悪い。残したいなら、室内で加温する手間が要ります。残さなくていいなら、放っておいて構いません。親が食べて、それで終わります。
春から夏のほったらかしは、残った針子が秋までに育ちます。秋のほったらかしは、残っても冬に落ちる。同じ放置でも、季節で意味が変わります。
秋は、ほったらかしにする、ではなく、採らないと決める季節です。
ほったらかしと「自然に近い」は別
「野生のメダカは世話をしないのだから、ほったらかしが自然」という考え方があります。半分は正しい。
野生では、親と卵と針子が、同じ水域にいます。ただし、その水域は広い。針子は親から離れた浅瀬に逃げられます。容器の中では、逃げる場所がありません。隠れ家を入れるのは、その「離れた浅瀬」を容器の中に作ることです。
もうひとつ、野生では、数百個の卵から数匹残れば、種としては足ります。飼育で数匹しか残らないと、増やしたい人にとっては失敗です。自然に近いやり方は、自然と同じ結果になります。
だから、ほったらかしを選ぶなら、結果も自然と同じ、と受け入れる。数を残したいなら、親を抜くか、卵を抜く。どちらも「不自然」ですが、増やすとは、そういうことです。
どこで見切るか|終わりの判断
線を決めておきます。
卵が透きとおっているあいだは、放っておいてよい。白い卵が見えたら、そこだけ抜く。
孵化の前日までに、親を抜くか、産卵床を移す。孵ってから針子をすくうのは、一番難しい。
数匹でいいなら隠れ家。数十匹なら卵を抜く。手間を減らすなら親を抜く。何匹残したいかで決める。
最後にひとつ。ほったらかしは、卵の段階では楽で、針子の段階では餌が要ります。緑の水を用意しておく。それが、放置しながら残す一番の近道です。
まとめ
メダカの卵をほったらかしにすると、卵は孵ります。孵った針子は、親と同じ容器ではほぼ残りません。親の口は約1cm、針子は5mm。魚にもエビにも食べられます。
残す方法は3つ。親を抜く、卵を抜く、隠れ家で薄める。一番楽なのは親を抜くことで、一度きりの作業で、針子は生まれた水で育ちます。
放置していいのは、卵が透きとおっているあいだと、孵化の前日まで。白い卵だけ抜く。孵る前に、親か卵かを動かす。
残った針子は、2週間餌を切らさない。緑の水があれば楽です。秋のほったらかしは、残っても冬に落ちるので、採らないと決める季節です。
よくある質問(FAQ)
Q. メダカの卵をほったらかしにするとどうなりますか。
A. 卵は孵ります。孵った針子は、親と同じ容器にいるかぎりほぼ残りません。親の口は約1cm、針子は5mmほどで、卵と針子は魚にもエビにも食べられます。残したいなら、親を抜くか、卵を抜くか、隠れ家で薄めるかです。
Q. 隔離しないで残す方法はありますか。
A. 親を抜く方法です。卵が付いた容器から親だけを別の容器へ移せば、卵はそのまま孵り、食べる魚がいないので残ります。一度きりの作業で、針子を新しい水に移す手間もありません。
Q. どこまで放置していいですか。
A. 卵が透きとおっているあいだと、孵化の前日までです。白く濁った卵は放っておくとカビが隣へ広がるので、そこだけ抜きます。25℃で10日、20℃で13日で孵るので、その前に親か卵を動かします。
Q. 親は自分の卵を食べますか。
A. 食べます。産卵床や水草に付いた卵は食べ尽くされませんが、底に落ちた卵や、孵った針子は食べます。「自分の子と分かって食べない」ということはありません。
Q. ほったらかしで残った針子を育てるには。
A. 孵ってから2週間、餌を切らさないことです。水が緑がかっていれば針子の餌になります。澄んだ水で放置すると餌が無くて落ちます。1.5cmになるまで親を戻さないでください。
Q. 秋に産んだ卵もほったらかしでいいですか。
A. 秋は、放っておいて孵っても、小さいまま冬に入って春まで持たないことが多い。残したいなら室内で加温、残さなくていいなら採らないと決めます。春から夏の放置とは結果が違います。
Q. 水草があれば残りますか。
A. 数匹は残ることがあります。隠れ家があれば追われる側が逃げ込めるからです。ただし数を残す方法ではなく、数十匹残したいなら卵を抜くか親を抜きます。
Q. 卵は何日で孵りますか。
A. 水温で決まります。25℃でおよそ10日、20℃でおよそ13日。透きとおった卵は育ち、白く濁った卵は育ちません。
Q. 針子がいつの間にか減っています。
A. 食べられたか、死んで底に沈んで分解されたかです。ほったらかしの容器では気づきにくいので、数を数える習慣を。減り方で原因が分かれます。
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卵の見方はメダカの卵|透きとおれば育つ、白は抜く。25℃なら10日で孵るへ。残った針子はメダカの針子の育て方|最初の2週間、餌を切らさないへ。親を戻す時期はメダカの稚魚はいつまで別容器?合流は1.5cmからへ。秋の卵はメダカの産卵はいつまで?9月の卵を育てる線へ。同居の魚がいるならメダカと混泳できる魚・エビ7種へ。

