メダカのお腹がふくらんでいる。フンが出ていない気がする。調べたら「便秘」と出てきて、絶食して塩浴して、6日たっても変わらない。これは便秘なのか。それとも、別の何かなのか。
知恵袋で「便秘ですか」と聞いている人の写真を見ると、便秘ではないものがかなり混じっています。卵だったり、ダルマ体型だったり、腹水だったり。見分けずに絶食すると、卵を抱えたメスを痩せさせるだけです。
見分けは3段階です。フンを見る、上から見る、数日で変わるかを見る。そこから書きます。

- ふくらむ場所の前か後ろかでは、便秘と卵は見分けられない。見るのは、オスか・産卵期のメスか・フンが出ているか・鱗が浮いていないか・餌を止めて小さくなるか。
- オスなら卵ではない。腹水は鱗が浮く。ダルマは体型。便秘なら、餌を1〜2日止めると小さくなる。
- 先に疑う原因は低い水温と与えすぎの2つ。秋に夏の量を与え続けている容器で一番起きる。
- 手当ては餌を1〜2日止めて、水温を下げない。塩浴は補助。特別な餌は要らない。
- 絶食は2日まで。変わらなければ便秘ではない。卵か腹水かダルマの記事へ。
メダカの便秘は、フンと、上からの形で見分ける

答えを先に書きます。フンが出ていない、または短く切れたフンが肛門に付いたまま、そして餌を1〜2日止めるとお腹が小さくなるなら、便秘です。それ以外のふくらみは、便秘ではありません。
便秘は、腸に餌が溜まったまま出ない状態です。ただ、お腹のどこがふくらむか、前か後ろかでは見分けられません。メダカには胃が無く、食べた物は腸の前のほうにたまります。そして卵巣はその腸の上、お腹の真ん中にあり、卵で満ちるとお腹全体がふくらむからです。
見るのは場所ではなく、次の5つです。
- オスか。オスなら、卵ではありません。
- 産卵期のメスか。ほかのメスが卵をぶら下げている時期なら、卵の線です。産卵期なら、数日で産んでへこみます。
- フンが出ているか。出ていない、または短く切れて肛門に付いたままなら、便秘の線です。
- 上から見て、鱗が浮いていないか。浮いていれば腹水や松かさ病で、急ぎます。
- 餌を1〜2日止めて、小さくなるか。小さくなれば、食べすぎ・便秘の線です。
腹水や松かさ病は、お腹だけでなく体全体が均等にふくらみ、鱗が浮いてきます。上から見ると、輪郭がざらつく。これは急ぎます。便秘とは別の記事です。
ダルマメダカは、体そのものが短く丸い品種です。お腹だけでなく、体全体が丸い。これは便秘でも病気でもなく、体型です。絶食しても変わりません。
まず、オスかメスか、産卵期か。次に、フン。最後に、鱗と、餌を止めたときの変化。この順で、たいてい決まります。

フンの見方|出ていないのか、出ているが細いのか

便秘かどうかを決めるのは、お腹より、フンです。
まず、フンが出ているかを見ます。餌を与えて、数時間後に、肛門から糸のようなフンが出ていれば、腸は動いています。便秘ではありません。
出ていないなら、肛門を見ます。短く切れたフンが付いたままになっている、あるいは、肛門のまわりが少し赤く盛り上がっている。これが、詰まっているときの見え方です。
白くて長いフンがぶら下がっているのは、便秘ではなく、食べていないか消化が追いついていないかです。色も見てください。餌の色(茶色や黒)のフンが出ていれば、便秘ではありません。
肛門から赤いものが出て、翌日も同じなら、脱腸です。引っぱらないでください。便秘と間違えやすいですが、手当てが違います。
フンを見るには、餌のあと数時間、横から見続けるのが確実です。上からでは見えません。透明な容器なら横から。黒い容器で横から見えないなら、透明なカップに1匹だけすくって、光にかざして見ます。数分で戻せば、魚への負担はほとんどありません。
もうひとつ、底を見る手もあります。前日のフンが底に落ちていれば、腸は動いています。容器の底に細い糸のようなものが数本あれば、それです。何も無ければ、出ていないか、ほかの魚やエビが片づけているか。判断は、横から見るほうが確実です。

便秘の原因|低い水温と、与えすぎ。まずこの2つ
便秘だと分かったら、先に疑う原因は2つです。

ひとつは、水温です。メダカは変温動物で、水温が下がると消化も遅くなります。15℃を下回るころから消化が遅くなるので、私はここで餌を減らし始めます。秋と春の変わり目、それから室内で水温が動く容器で起きます。
もうひとつは、与えすぎです。2〜3分で食べきる量を1日1〜2回、が基本です。それを超えて入ると、消化が追いつかずに溜まりやすくなります。まとめて多く与える与え方も、避けたいところです。
この2つが重なると、一番起きやすい。秋に水温が下がりはじめたのに、夏の量を与え続けている容器です。秋に「便秘では」と気づく方が多いのは、たぶんこれです。
逆に、水温25℃前後で、量も守っているのに便秘なら、便秘ではない可能性が高い。もう一度、前の章に戻って、卵か腹水かを見てください。
餌の種類で便秘になる、という説もあります。乾燥した餌が水を吸ってふくらむ、というものです。はっきりした資料は見つけられませんでしたが、与える前に少し水に浮かせてから落とす、という手は害がないので、気になる方はそれで構いません。ただ、先に直すのは量と水温です。
手当て|餌を止めて、水温を保つ。それだけ
便秘の手当ては、原因の裏返しです。

餌を1〜2日止めます。腸に溜まっているものを、新しく入れずに出させる。健康な成魚は数日食べなくても平気なので、ここは心配要りません。
水温を、下げないようにします。上げる、ではなく、下げない。屋外なら日の当たる場所へ、室内なら冷たい水換えを避ける。急に動かすほうが、便秘より魚に効きます。25℃まで上げる必要はなく、私は15℃を下回らせないことだけを気にしています。
フンが出たら、餌を戻します。ただし、1回の量を減らして、回数は減らさない。元の量に戻すと、また溜まります。
塩浴は、便秘そのものには効きません。体の負担を減らす補助です。塩浴だけして餌を止めないなら、意味がありません。
やらなくていいことも書いておきます。特別な餌や、腸に効くと言われる添加物を買う必要はありません。餌を止めて、水温を保つ。それで出なければ、便秘ではありません。お腹を押す、細い棒で肛門を突く、といった手も、やらないでください。小さな魚の内臓は、それで傷みます。
絶食しても変わらないなら、便秘ではない

知恵袋の質問で一番多いのが、これです。「絶食して塩浴して6日、変わりません」。
便秘なら、餌を止めて数日でフンが出て、お腹はへこみます。数日たって何も変わらないなら、腸に餌は溜まっていません。便秘ではない、ということです。
変わらないふくらみは、3つのどれかです。産めない卵(過抱卵)、腹水、ダルマ体型。見分けは、最初の章のとおり。オスかメスか、産卵期か、上から見て鱗が浮いているか、体全体が丸いか。
ここで絶食を続けるのが、一番よくない。卵を抱えたメスを痩せさせ、腹水の魚の手当てを遅らせます。絶食は2日まで。それで出なければ、便秘の線を捨ててください。
「便秘」は、お腹のふくらみの中では、一番軽くて、一番手当てが簡単なものです。だから最初に疑っていい。ただ、2日で見切る。それが便秘との付き合い方です。
便秘と転覆は、同じ道の途中と終わり
便秘を放っておくと、どうなるか。私は、転覆につながることがあると考えています。

転覆病の原因としてよく挙がるのは、低い水温での消化不良と餌の与えすぎ。便秘の原因と、同じです。お腹に餌が溜まったまま食べ続けると、浮き袋の働きに響くと考えられています。便秘と転覆は、つながっていると私は考えています。
だから、便秘の段階で餌を止めるのは、転覆を防ぐ手でもあります。転覆してからだと、戻るものと戻らないものがあり、手当ての線が変わります。便秘のうちなら、餌を止めるだけで戻ることが多いです。
逆に、すでに浮いている、横になる、沈めないなら、便秘の記事ではなく転覆病の記事へ。便秘の手当て(餌を止めて水温を保つ)は転覆でも同じですが、見る線が違います。
お腹が張っているだけなら便秘。浮きはじめたら転覆。この順で進むことがあると知っていれば、早いうちに止められます。
稚魚・針子のお腹のふくらみは、便秘ではない
「針子のお腹がパンパン」という質問もよく見ます。これは、便秘ではありません。

孵化したばかりの針子は、お腹に卵黄の袋を持っています。最初の数日は、それを吸収して育ちます。お腹がふくらんで見えるのは、その袋です。数日で消えます。
もう少し育った稚魚のお腹がふくらむのは、たいてい食べた直後です。稚魚は体が小さいので、食べるとすぐお腹がふくらんで見えます。数時間で戻れば、正常です。
稚魚で本当に心配なのは、ふくらみではなく、痩せて消えることのほうです。お腹が張った稚魚より、お腹が無い稚魚を探してください。
成魚の便秘の見方を、そのまま稚魚に当てないでください。稚魚のお腹は、ふくらんでいるのが元気な印です。

便秘になりやすい時期と、ならない与え方

便秘は、起きてから直すより、起きる時期を知っておくほうが楽です。
秋。水温が下がりはじめるのに、餌は夏のまま。15℃前後で1日1回、10℃以下は与えない。この切り替えを、水温計を見て早めにやる。
切り替えの目安は水温です。最低・最高を記録する水温計なら、朝の水温を見に行かなくても分かります。
春。冬眠明けに、暖かい日が1日あっただけで餌を与えると、翌日冷えて、腸に残ります。餌の再開は、水温が10℃を安定して超えてから。
室内の冬。ヒーターなしの室内は、昼と夜で水温が動きます。夜に下がる容器では、夕方の餌が残りやすい。与えるなら、水温が上がっている昼に。
与え方は、太りすぎの記事と同じです。1回の量を少なく、回数を減らさない。まとめ食いをさせない。便秘も太りすぎも、原因は同じ与え方から来ます。
もうひとつ、冬に向けて消化のいい餌に切り替えるという手もあります。ただし、餌を替えるより、量と時間を変えるほうが先です。
どこで見切るか|終わりの判断
線を決めておきます。
餌を止めて、フンが出て、お腹がへこんだら、終わりです。餌は1回の量を減らして戻す。
餌を止めて2日で変わらなければ、便秘ではありません。上から見て、鱗が浮いていれば腹水、メスで産卵期なら卵、体全体が丸ければダルマ体型。それぞれの記事へ。
肛門から赤いものが出ていて翌日も同じなら、脱腸。便秘の手当てはしないでください。
最後にひとつ。便秘は、お腹のふくらみの中で一番軽い。だから最初に疑っていい。でも、2日で見切る。長引かせるほど、本当の原因を見逃します。
まとめ
メダカの便秘は、フンが出ていない、そして餌を1〜2日止めるとお腹が小さくなる、で見分けます。ふくらむ場所の前か後ろかでは見分けられません。オスなら卵ではなく、メスなら産卵期かを見る。腹水は鱗が浮く。ダルマは体そのものが丸い。
先に疑う原因は、低い水温と与えすぎの2つです。秋に夏の量を与え続けている容器で一番起きます。手当ては餌を1〜2日止めて、水温を下げないこと。塩浴は補助で、特別な餌は要りません。
絶食は2日まで。フンが出てへこんだら終わり。変わらなければ便秘ではなく、卵か腹水かダルマ体型です。それぞれの記事へ。
便秘はお腹のふくらみの中で一番軽い。最初に疑っていい。でも、長引かせるほど本当の原因を見逃します。
よくある質問(FAQ)
Q. メダカの便秘はどう見分けますか。
A. ふくらむ場所の前か後ろかでは見分けられません。メダカには胃が無く、食べた物は腸の前のほうにたまり、卵巣はその腸の上にあって、卵で満ちるとお腹全体がふくらむからです。見るのは、オスか(オスなら卵ではない)、産卵期のメスか、フンが出ているか(出ていない、または短く切れて肛門に付いたままなら便秘の線)、上から見て鱗が浮いていないか(浮いていれば腹水・松かさ病で急ぐ)、餌を1〜2日止めて小さくなるか、の5つです。ダルマは体そのものが短く丸く、絶食しても変わりません。
Q. 便秘の原因は何ですか。
A. 先に疑うのは、低い水温と、与えすぎの2つです。15℃を下回るころから消化が遅くなり、夏の量を与え続けている秋に一番起きます。25℃前後で量も守っているのに便秘なら、便秘ではない可能性が高い。
Q. 便秘の治し方は。
A. 餌を1〜2日止めて、水温を下げないようにします。上げる必要はなく、私は15℃を下回らせないことだけを気にしています。フンが出たら、1回の量を減らして餌を戻します。特別な餌や添加物は要りません。
Q. 塩浴は効きますか。
A. 便秘そのものには効きません。体の負担を減らす補助です。塩浴だけして餌を止めないなら意味がありません。
Q. 絶食して塩浴して6日、変わりません。
A. 便秘ではありません。便秘なら数日でフンが出てへこみます。変わらないふくらみは、産めない卵(過抱卵)、腹水、ダルマ体型のどれかです。絶食を続けると卵を抱えたメスを痩せさせるので、絶食は2日までにしてください。
Q. ダルマメダカが便秘か分かりません。
A. ダルマは体全体が短く丸い品種で、絶食しても変わりません。フンが出ず、餌を1〜2日止めてお腹が小さくなるなら便秘。ダルマは転覆しやすいので、与えすぎには普通のメダカより気をつけます。
Q. 便秘と松かさ病の見分け方は。
A. 松かさ病は鱗が松ぼっくりのように逆立ち、体全体が均等にふくらみます。上から見ると輪郭がざらつく。便秘は鱗が浮かず、餌を止めると小さくなります。鱗が浮いていたら、便秘の手当てではなく松かさ病の記事へ。
Q. 白くて長いフンが垂れています。便秘ですか。
A. 便秘ではなく、食べていないか、消化が追いついていないかです。餌の色のフンが出ていれば腸は動いています。白いフンの記事を見てください。
Q. いつ便秘になりやすいですか。
A. 秋に水温が下がりはじめるのに餌が夏のままのとき、春の冬眠明けに暖かい日だけ見て与えたとき、室内で夜に水温が下がる容器で夕方に与えたとき。与えるなら水温が上がっている昼に、1回の量を少なく。
次に見るのは、ここ
便秘でなかったらメダカのお腹が大きい・パンパン|卵か病気かを見分けるへ。
鱗が浮いていたらメダカの松かさ病は治る?初期症状の見分け方へ。
白いフンならメダカのフンが白い|食べているのに白いかへ。
与え方を直すならメダカの太りすぎ|上から見て全体に太いなら餌へ。
量の決め方はメダカの餌やり|量と回数の目安へ。

