上からメダカを見たら、1匹だけ体が太い。横から見ると、お腹が丸い。卵かと思ったけれど、オスだった。これは、太りすぎなのか。
調べると「メタボです」「転覆病になります」と出てきます。それで、餌を減らす。でも、どこまで減らせばいいのか、そもそも本当に太っているのかは、分かりません。
見分けは3段階です。上から見る、オスかメスかを見る、数日で変わるかを見る。そこから書きます。
- 上から見て、全体に幅があるなら太りすぎ。お腹だけなら、メスは卵、オスは病気。
- 太ると近づくのは転覆と寿命。秋に水温が下がると、太った個体から浮きます。
- 原因は総量よりまとめ食い。1日1回に多く、はいちばん太る。
- 戻すのは1回の量。回数は減らさない。絶食は逆効果。
- 戻るのは数週間。戻ったら、その量を続ける。
メダカの太りすぎは、上から見て、オスかメスかで決まる
答えを先に書きます。上から見て、頭から尾まで全体に幅があるなら太っています。お腹だけがふくらんでいるなら、メスは卵、オスは病気を疑います。
痩せたメダカは、上から見ると頭だけ大きく、後ろが細い。おたまじゃくしのような形です。太りすぎは、その逆。頭の幅と、胴の幅がほとんど変わらない。上から見て、体の輪郭が楕円に近い。
横から見ると分かりにくいのは、お腹のふくらみが、太りすぎでも、卵でも、病気でも、同じように見えるからです。お腹だけがパンパンなら、それは太りすぎではなく、メスなら卵、オスなら病気の可能性です。
だから、順番はこうです。まず上から見る。全体に太いなら、太りすぎ。お腹だけなら、オスかメスかを見る。メスなら卵で、産卵期なら正常です。オスなら、病気の見分けへ。
もうひとつ、数日で変わるかどうか。卵なら、産めば戻ります。病気なら、日ごとに張ってきます。太りすぎは、数日では変わりません。ゆっくり太って、ゆっくりしか戻らない。それが太りすぎの特徴です。

太ると、何が起きるか|転覆と、寿命
「太っているだけなら、いいのでは」と思うかもしれません。起きることが2つあります。
ひとつは、転覆です。転覆病の原因のほとんどは、低い水温での消化不良と、餌の与えすぎ。お腹に餌が溜まったまま消化が追いつかず、浮き袋のバランスが崩れて、ひっくり返る。太った個体は、この状態に近いところにいます。秋に水温が下がりはじめると、まず太った個体から浮きます。
もうひとつは、寿命です。速く育てた魚は、寿命が縮んだ実験があります。餌の総量が同じでも、まとめて食べさせた群のほうが短かった。太らせる飼い方は、この実験の「速く育てる」と同じことをしています。
メダカの寿命は、飼育下で2年から3年。太った個体が1年半で落ちるとき、原因は病気ではなく、この積み重ねであることが多い。
太っていること自体は、症状ではありません。ただ、転覆と寿命の2つに、確実に近づいています。戻すなら、太ったことに気づいたときが、一番楽です。

太る原因は、量ではなく「まとめ食い」
太る原因は、餌の与えすぎです。ただし、総量より、与え方のほうが効きます。
基本は、2〜3分で食べきる量を、1日1〜2回。これを、1日1回にまとめて多く与える、あるいは週末にまとめて与える、という与え方をすると、同じ総量でも太ります。
理由は、寿命の実験と同じです。一度に多く入った餌は、消化しきれずに、蓄えに回ります。少しずつ入った餌は、その場で使われます。まとめ食いが、一番太る。
もうひとつ、水面に集まっているから空腹だと思って与える、という繰り返し。集まるのは餌の時間を覚えているからで、空腹とは限りません。これで1日3回、4回と増えていきます。
そして、数が少ない容器。2Lに1匹より少ない、ゆったりした容器で、同じ量を与えると、1匹あたりが増えます。数を減らしたら、量も減らす。ここを忘れて太ることが多い。
与えすぎのサインは、魚より先に水に出ます。底に沈んだ餌、油膜、白いにごり。これが出ているなら、魚が太る前に、量が多い。
戻し方|減らすのは量ではなく、1回の量
太っていると分かったら、戻します。やることは、シンプルです。
1回の量を減らして、回数は減らさない。2〜3分で食べきる量、を1〜2分に。回数は1日1〜2回のまま。総量は減りますが、まとめ食いにはなりません。
やりがちなのは、絶食です。「数日与えなければ痩せる」。痩せますが、そのあとに与えたときに、まとめ食いになります。絶食と過食を繰り返すのが、一番体に悪い。減らすのは、1回の量だけです。
戻るのは、ゆっくりです。上から見て、数週間かけて、頭と胴の幅に差が出てくる。1週間で変わらなくても、それで正常です。
秋なら、水温が下がるにつれて、必要な量も減ります。15℃前後で1日1回、10℃以下は与えない。太った個体は、この切り替えを早めに。冬に入る前に、少し戻しておくと、転覆の心配が減ります。
そして、戻ったら、その量を続けます。戻った途端に元の量に戻すと、また太ります。太った個体は、その容器の「量が多かった」証拠です。量を、そこで決め直してください。
太った、ではなく、大きくなっただけのこともある
「太った」と思ったら、成長だったということがあります。とくに、春に稚魚から育てた個体です。
メダカは、水温と餌があれば、数か月で成魚の大きさになります。先月は細かった個体が、今月は倍の体積になっている。上から見て太く見えるのは、成長のうちです。
見分けは、長さです。太りすぎは、体の長さが変わらずに幅だけ増える。成長は、長さも幅も増える。上から見て、頭の先から尾の付け根までの長さが、周りの成魚と同じになっていれば、それは大きくなっただけです。
もうひとつ、時期です。春から夏の稚魚は、大きくなって当たり前。成魚が秋に太るのは、与えすぎ。同じ「太く見える」でも、誰が、いつ、で意味が変わります。
大きくなっただけなら、餌を減らす必要はありません。ただ、速く大きくした魚は寿命が縮む方向なので、急がせている自覚があるなら、そこで量を落ち着かせます。
餌を減らしても、水面に集まってくる|それは空腹ではない
1回の量を減らすと、メダカが水面に集まって、こちらを見る。「足りていないのでは」と、また与えたくなります。
水面に集まるのは、餌の時間と、人の影を覚えているからです。空腹のサインではありません。本当に足りていない個体は、集まるのではなく、上から見て痩せてきます。集まっているうちは、足りています。
ここで負けると、戻りません。減らした量を、集まっても変えない。数日で、集まり方は落ち着きます。魚が慣れるのではなく、期待しなくなるだけです。
逆に、減らしたあとに、上から見て痩せてきた個体が出たら、減らしすぎです。その個体だけでなく、群れ全体を見て、痩せた個体が2匹以上出たら、1回の量を少し戻します。太った個体1匹に合わせて、群れを痩せさせないこと。
太りすぎを直すのは、太った個体との勝負ではなく、与える側の習慣との勝負です。集まってきても、与えない。それだけです。
秋の太りすぎは、冬に効く|蓄えと、消化不良の境目
秋にこの記事を読んでいる方へ。太った個体は、この先の冬で、いちばん危ない個体です。
冬越しの成否は、秋の体で決まります。痩せたまま冬に入るのは駄目、と書いてきました。では太っているのは、蓄えがあっていいのか。違います。蓄えは、少しずつ食べて体に回ったもの。太りすぎは、消化しきれずに残ったもの。同じ丸さでも、中身が違います。
水温が下がると、消化が遅くなります。転覆病が冬に多いのは、低い水温で消化が追いつかず、お腹に餌が残るからです。秋の時点でお腹に余裕の無い個体は、水温が15℃を切ったころに浮きます。
だから、秋の太った個体は、冬に入る前に、1回の量を減らして、少し戻しておく。15℃で1日1回、10℃で止める切り替えを、太った個体のいる容器は、少し早めに。
秋の太りすぎは、秋のうちに直します。冬に入ってからでは、餌を止める季節なので、手が無くなります。
ダルマメダカと、体型の品種は、別に考える
「太っている」と思ったら、品種だった、ということがあります。
ダルマメダカは、体が短く丸い品種で、太っているのではなく、そういう体型です。上から見ても横から見ても丸い。これを痩せさせようとしても、痩せません。
ただし、ダルマは体型として転覆しやすく、そのうえ太ると、さらに浮きやすくなります。ダルマに限っては、丸いのが正常でも、与えすぎには普通のメダカより気をつけます。
半ダルマ、ショートボディと呼ばれる品種も同じです。買ったときの体型を覚えておいて、そこから太ったかどうかで見る。品種の丸さと、太った丸さは、別です。
見分けは、尾の付け根です。品種の丸さは、体全体が短い。太った丸さは、体の長さは普通で、胴だけが太い。尾の付け根が細いままなら、品種ではなく、太っています。

太った個体が1匹だけいるなら、その1匹が独占している
同じ容器で、1匹だけ太っている。ほかは普通。これは、量の問題ではなく、取り合いの問題です。
強い個体が餌を独占して、ほかの個体に届いていない。太った1匹と、痩せた数匹が同居しているなら、ほぼこれです。量を増やすと、太った1匹がさらに太ります。
直すのは、与え方です。餌を1か所に落とさず、数か所に分ける。あるいは、太った1匹を数日だけ別の容器に移して、ほかに食べさせる。
太った1匹が、ほかを追い回しているなら、それも独占のうちです。餌のときだけでなく、いつも追っているなら、分けたほうが早い。
群れの中の1匹だけの太りすぎは、その1匹の問題ではなく、容器の中の力関係が見えているのだと思ってください。
どこで見切るか|終わりの判断
線を決めておきます。
上から見て、頭と胴の幅に差が出てきたら、戻っています。数週間かかります。1週間で判断しないでください。
1回の量を減らしても、お腹だけがふくらみ続けるなら、太りすぎではありません。メスなら過抱卵、オスなら病気の記事へ。
戻ったら、その量を続ける。元に戻したら、また太ります。太ったのは、その容器の量が多かった証拠です。
最後にひとつ。太りすぎは、病気ではなく、与え方の結果です。魚を直すのではなく、与え方を直してください。魚は、あとからついてきます。
まとめ
メダカの太りすぎは、上から見ます。頭から尾まで全体に幅があれば太りすぎ。お腹だけなら、メスは卵、オスは病気。数日で変わらないのが太りすぎです。
太ると、転覆と寿命に近づきます。原因は総量より、まとめ食い。戻すのは1回の量で、回数は減らさない。絶食は、そのあとのまとめ食いを招くので逆効果です。
戻るのは数週間。戻ったら、その量を続けます。太ったのは、その容器の量が多かった証拠です。
太りすぎは病気ではなく、与え方の結果です。魚ではなく、与え方を直してください。
よくある質問(FAQ)
Q. メダカが太りすぎかどうか、どう見分けますか。
A. 上から見ます。頭から尾まで全体に幅があり、輪郭が楕円に近いなら太っています。お腹だけがふくらんでいるなら、メスは卵、オスは病気を疑います。太りすぎは数日では変わらず、ゆっくり太ってゆっくりしか戻りません。
Q. 太っていると何が起きますか。
A. 転覆と寿命です。転覆病の原因のほとんどは消化不良と餌の与えすぎで、太った個体はその状態に近く、秋に水温が下がるとまず浮きます。速く育てた魚は寿命が縮んだ実験があり、太らせる飼い方はそれと同じことをしています。
Q. 太る原因は何ですか。
A. 餌の総量より、まとめ食いです。1日1回に多く、週末にまとめて、という与え方は同じ総量でも太ります。水面に集まるのを空腹と思って回数が増えること、数を減らした容器で量を減らさないことも原因です。
Q. どうやって戻しますか。
A. 1回の量を減らして、回数は減らしません。2〜3分で食べきる量を1〜2分に。絶食は、そのあとのまとめ食いを招くので逆効果です。戻るのは数週間かかり、戻ったらその量を続けます。
Q. 絶食させれば痩せますか。
A. 痩せますが、そのあと与えたときにまとめ食いになります。絶食と過食の繰り返しが一番体に悪い。減らすのは1回の量だけです。
Q. ダルマメダカは太っているのですか。
A. 品種の体型で、太っているのではありません。ただしダルマは転覆しやすく、太るとさらに浮きやすいので、与えすぎには普通のメダカより気をつけます。見分けは尾の付け根で、品種の丸さは体全体が短く、太った丸さは胴だけが太い。
Q. 1匹だけ太っています。
A. 強い個体が餌を独占しています。量を増やすとその1匹がさらに太ります。餌を数か所に分けて落とすか、太った1匹を数日だけ別の容器に移してほかに食べさせます。
Q. 太ったメダカは卵を産みますか。
A. 産みますが、太っているのが原因で産まないことも、産むことも、はっきりした資料がありません。産卵の条件は水温18℃超と明るい時間13時間で、そちらを先に確かめてください。
Q. どうなったら終わりですか。
A. 上から見て頭と胴の幅に差が出てきたら戻っています。数週間かかります。1回の量を減らしてもお腹だけがふくらみ続けるなら太りすぎではなく、メスは過抱卵、オスは病気を疑います。
次に見るのは、ここ
量の決め方はメダカの餌やり|量と回数の目安と、空腹と酸欠の見分け方へ。逆に痩せているならメダカが痩せる|上から見れば分かるへ。お腹だけがふくらんでいるならメダカのお腹が大きい・パンパン|卵か病気かへ。浮きはじめたらメダカの転覆病|ダルマと冬に多い理由へ。寿命との関係はメダカを早く大きくする方法|速さには代償があるへ。

