アクアポニックスという言葉は知っているけれど、具体的にどのような仕組みかいまいちわからないという方も多いでしょう。
本記事では、アクアポニックスの基本的な仕組みと、その多くのメリット、そしてデメリットについてわかりやすく解説します。
魚の排泄物を利用して植物を育てるこの持続可能な農業システムの魅力を、ぜひ理解してみてください。
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アクアポニックスの特徴とメリット
▶地球に優しい
アクアポニックスは基本的に水を排水することなく繰り返し利用します。そのため栄養豊富な水が周辺に流れ出すことはありません。
また、アクアポニックスでは魚や微生物にとって有毒な農薬を使用しないため、周辺の昆虫や土壌の微生物に与える影響がありません。
▶魚と野菜の成長を楽しめる
アクアポニックスでは野菜やハーブだけでなく魚(食用・観賞用)も同時に育てられます。
種類によっては自家繁殖もでき、種苗生産から収穫まで行えます。野菜とタンパク質となる魚を一緒に育てることができる画期的な仕組みです。
▶生態系が学べる
魚が出した排泄物を微生物が分解し、それを植物が肥料として吸収し、浄化された水が水槽に戻る。
この自然界でも行われているサイクルを自宅やオフィス、教室などで体感できます。アメリカでは初等・中等教育にアクアポニックスが利用されています。
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▶超節水できる
アクアポニックスは魚を飼育するため、初期段階で水を大量に使用します。
ですが、循環させリサイクルするので、土を利用した従来の栽培方法と比較して約90%の節水効果、水耕栽培と比較して10%程度の節水が可能です。
干ばつ地や水資源の少ない国や地域でも注目されています。
▶身体に優しい
アクアポニックスは土を使わないため、クワを使って耕したり、除草といった重作業が不要です。
システムによっては腰を曲げずに作業ができ、基本的な日常の作業は魚へのエサやり、収穫、補充が主で、従来の農業に比べると体への負担が軽減されます。
▶土づくりは不要
アクアポニックスでは土は必要ないため、難しいとされる土づくりの必要がありません。
水を循環させて育てるので土づくりの労力が不要です。また、土を使わないので、土の中に産卵されたり、土を住処とする虫がつきません。
▶大きさ、場所は自由自在
アクアポニックスは魚、野菜、微生物のバランスが取れた環境を作れれば、室内やベランダで楽しめる小型のものから大規模な農場まで、大きさを自由に変えられます。
また、場所の制限もないため、屋上やビルの一室、倉庫や廃校などにも設置できます。
アクアポニックスのデメリット
▶初期投資が必要
アクアポニックスシステムを構築するためには、魚槽、ポンプ、配管、ベッドメディアなど、初期段階での設備投資が必要です。
特に大規模なシステムを設置する場合、コストが高くなることがあります。
▶維持管理が必要
アクアポニックスシステムを適切に運用するためには、定期的な水質検査や設備のメンテナンスが必要です。
バクテリアや植物、魚の健康状態を常に監視し、システムのバランスを保つための知識と時間が求められます。
▶気候の影響を受けやすい
アクアポニックスシステムは、温度や湿度などの環境条件に敏感です。
特に屋外に設置した場合、季節や天候の変化に対応するための追加対策が必要です。冬場は加温、夏場は冷却が必要となる場合があります。
▶バクテリアの管理
アクアポニックスシステムは、バクテリアの活動に依存しています。
バクテリアが適切に機能しない場合、アンモニアの濃度が高くなり、魚にとって危険な環境となることがあります。バクテリアの活動を維持するための酸素供給や適切な温度管理が必要です。
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アクアポニックスシステムとは?
アクアポニックスシステムは、魚の養殖と水耕栽培を掛け合わせた、今までにない新しいスタイルの循環型農業です。
魚から出る排泄物を微生物の働きによって栄養豊富な有機肥料に分解し、野菜がそれを栄養として吸収します。
浄化された水が魚の水槽に戻るという、地球にやさしい画期的な循環型農業です。
アクアポニックスの仕組み
アクアポニックスは、魚の排泄物をバクテリアの働きによって野菜の肥料分に分解し、その養分を植物が吸収するシステムです。
この過程で水が浄化され、再び魚の水槽に戻ります。魚、バクテリア、植物が相互に作用し、持続可能な循環が実現します。
この記事が、アクアポニックスの魅力と実践におけるポイントを理解する一助となれば幸いです。興味を持った方は、以下のリンクから詳細を確認してみてください。
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