ラディッシュを抜いたら、赤い玉が縦に割れていた。
割れていないものを包丁で切ってみると、今度は真ん中がスカスカで、白い筋のような空洞が走っている。水は切らしていない。水耕栽培なのに、なぜ割れるのか。この空洞は何なのか。食べても大丈夫なのか。
私のところでも、アクアポニックス・水耕栽培のラディッシュで、割れも「す」も両方出ています。育てたのはメダカの設備です。この記事は、2つがなぜ起きるのか、穫りどきをどう決めれば出にくくなるのかを書きます。
- 割れも「す」も、いちばん多い原因は穫り遅れ。私のところでも両方出た。
- 割れは皮が追いつかない。「す」は中身が追いつかない。暑いほど早く来る。
- 穫りどきは種の袋の日数と、根元の玉の太さ(直径2〜3cm)。
- 太らないなら、光、株の数、培地の深さを見る。
- 1週間ずつずらしてまくと、穫り遅れない。
- ラディッシュの割れも「す」も、いちばん多い原因は穫り遅れ
- 割れる|中の育つ速さに、皮が追いつかない
- 「す」が入る|育ちすぎて、中身の詰まりが追いつかない
- 割れた、「す」が入ったラディッシュは食べられるか
- 収穫時期は種の袋の日数|目安は根元の太さ
- 夏に育てるか、涼しい季節に育てるか|暑いほど穫りどきが短い
- 太らない|光、株の数、培地の深さ
- スポンジで育てるか、ハイドロボールで育てるか|玉を支えるものが要る
- ラディッシュが辛い|暑さと穫り遅れで辛みが増す
- アクアポニックスで根を食べる野菜は、ラディッシュまで
- まとめてまくか、少しずつずらしてまくか
- ラディッシュの葉は、捨てなくていい
- いつ穫るか|ラディッシュを割らない線
- まとめ
- よくある質問(FAQ)
- 次に見るのは、ここ
ラディッシュの割れも「す」も、いちばん多い原因は穫り遅れ
答えを先に書きます。割れと「す」は、どちらも根が育ちすぎたときに起きます。いちばん多い原因は、穫り遅れです。
ラディッシュは、小さな根を短い期間でふくらませる野菜です。穫りどきを過ぎても、根はふくらもうとします。外側の皮がその勢いについていけなくなると割れ、中身の詰まりが追いつかなくなると空洞ができます。形は違っても、始まりは同じです。
だから、2つを防ぐ手も同じです。穫りどきを過ぎる前に穫る。ラディッシュの世話でいちばん効くのは、水や肥料より、穫る日を決めることです。
桃や柿のような果物が、木に置いたままだと熟れすぎて割れたり、中がぐずぐずになったりするのと同じで、ラディッシュの根にも「ちょうどいい日」があります。

割れる|中の育つ速さに、皮が追いつかない
割れは、根の中身がふくらむ速さに、外側の皮が追いつかなくなったときに起きます。
土の畑では、雨で急に水が増えたときによく割れます。乾いていた根が一気に水を吸い、中身だけが急にふくらむからです。
アクアポニックスや水耕栽培では、水はいつもあります。急に水が増えることはありません。それでも割れるのは、穫り遅れて根が育ちすぎたときです。水が安定しているぶん、根は止まらずにふくらみ続けます。大きくなるほど皮が張りつめて、やがて縦に割れます。
暑い時期ほど、根がふくらむ速さも上がり、穫りどきを過ぎるのも早くなります。同じ日数でも、夏は割れやすくなります。
「す」が入る|育ちすぎて、中身の詰まりが追いつかない
「す」は、根の中にできる空洞や、白くスカスカになった部分のことです。
根が大きくなりすぎると、中の細胞に水や養分が行きわたらなくなり、細胞がしぼんで、すき間ができます。これが「す」です。見た目は大きく立派でも、切ると中が抜けている。食べると、ぱさぱさして、みずみずしさがありません。
「す」も、いちばんの原因は穫り遅れです。そこに暑さが重なると、根が育つ速さが上がり、早く「す」が入ります。割れと違って外から見えないので、切ってはじめて気づきます。穫り遅れた株を1つ切ってみて、中が抜けていたら、同じ日にまいた残りも、もう穫ってしまいます。
割れた、「す」が入ったラディッシュは食べられるか
食べられます。割れも「す」も、病気ではありません。
割れたものは、割れ目が汚れていたら、そこを切り落とします。割れ目が茶色くなっていたり、ぬめりがあったりしたら、その部分は食べずに捨てます。割れたまま長く置いた株は、切ると中まで茶色くなっていることがあります。中まで変色していたら、その株は食べません。
「す」が入ったものは、食感がぱさぱさになり、辛みが強くなっていることがあります。生のサラダより、薄く切って酢漬けにしたり、火を通したりするほうが食べやすくなります。
ただ、食べられるからといって、次も同じ日数で穫れば、また同じことが起きます。割れや「す」を見たら、次のラディッシュは、それより早く穫る合図です。
収穫時期は種の袋の日数|目安は根元の太さ
私のところでは、ラディッシュが穫れるまでの日数は、種の袋に書いてあるとおりです。
穫りどきの目安は、日数と根の太さの2つです。袋の日数が近づいたら、根元をのぞいて、赤い玉の太さを見ます。直径2〜3cmになっていれば、穫りどきです。ハイドロボールの栽培槽なら、根元の粒を指で少しよけると、玉の肩が見えます。
「残りをいつまで置いておけばいいのか、ゴールが分からない」という声もよく見かけます。ゴールは日数ではなく、玉の太さです。直径2〜3cmになったものから抜く、と決めておけば、迷いません。
待ちすぎないことが大事です。「もう少し大きくしてから」と数日待つあいだに、割れと「す」が近づきます。ラディッシュは、大きくするより、ちょうどいい大きさで穫るほうが得な野菜です。
全部が同じ日にそろうわけではありません。太ったものから抜いていけば、残った株に場所と光が回り、あとから太ります。
夏に育てるか、涼しい季節に育てるか|暑いほど穫りどきが短い
ラディッシュが得意なのは、涼しい季節です。春と秋が育てやすく、真夏には向きません。
暑いと、根がふくらむ速さが上がり、ちょうどいい大きさの期間が短くなります。昨日はまだ小さかったのに、2日後には割れていた、ということが起きやすい。暑さでとう立ちも早まります。とう立ちした株は、根に養分を回さなくなります。
夏に育てるなら、穫りどきを毎日見ます。涼しい季節なら、数日の余裕があります。冬は育ちが遅くなり、日数は袋より延びます。

太らない|光、株の数、培地の深さ
割れや「す」とは反対に、「いつまでたっても根が太らない」という悩みもあります。家庭でラディッシュを育てる人の声で、実はいちばん多いのがこれです。「葉ばかりわさわさになって、根っこが膨らんでこない」「20日大根なのに、20日で穫れなかった」。
20日という名前は、条件がそろったときの目安です。光が足りない場所や、涼しい季節には、日数は延びます。20日で穫れないのは失敗ではなく、条件がそろっていないしるしです。
先に疑うのは光です。光が足りないと、ラディッシュは葉と茎ばかり伸ばし、根に回す養分を作れません。茎がひょろひょろと長いなら、徒長を疑います。
次に、株の数です。1つの場所に芽が何本も残っていると、根どうしが場所を取り合って、どれも太れません。混み合った株を間引いて別の容器に移したら、移した株は丸く育った、という声もあります。直まきなら、双葉のうちに1か所1本に間引きます。間引きは、抜かずに切ります。抜くと、隣の根まで動かします。
もう1つは、根が太る場所です。ラディッシュの玉は、根元の少し下にできます。私のメダカの設備の栽培槽は、ハイドロボールの上5cmを水に浸けない形にしています。玉は粒の中でふくらみます。培地が浅すぎると、玉のできる場所がありません。
スポンジで育てるか、ハイドロボールで育てるか|玉を支えるものが要る
「ラディッシュ 水耕栽培 スポンジ」と調べる人も多いと思います。スポンジでも育てられますが、葉物とは少し事情が違います。
ラディッシュの赤い玉は、根元のすぐ下がふくらんでできます。スポンジで育てると、この玉がスポンジの穴の中や、そのすぐ下でふくらもうとします。穴が狭いと玉が締めつけられていびつになり、水に深く浸かっていると、ふくらむ前に傷みやすくなります。
スポンジで育てるなら、玉ができはじめたころに、スポンジの穴を少し広げるか、スポンジごと浅い位置に上げて、玉が水に沈みすぎないようにします。玉の上半分が空気に触れているくらいが、ちょうどいい位置です。
ハイドロボールの栽培槽なら、粒が玉をやわらかく支え、粒のすき間でふくらみます。上の層が乾いていれば、玉が水に浸かりっぱなしになることもありません。根を食べる野菜は、スポンジより、培地を敷いた栽培槽のほうが向いています。
ラディッシュが辛い|暑さと穫り遅れで辛みが増す
割れや「す」ほどではなくても、「思ったより辛い」ということもあります。
ラディッシュの辛みは、大根と同じ仲間の辛みで、育つ条件で強さが変わります。暑い時期に育ったもの、穫りどきを過ぎたものほど、辛みが強くなりやすい。「夏に作ると辛いのができる、春や秋はいいのができる」という声もあります。涼しい季節に、ちょうどいい大きさで穫ったものは、辛みがやわらかく、みずみずしくなります。
辛みが強かったら、それも穫り遅れの合図として見ておきます。次の株は数日早く穫ると、食べやすさが変わります。辛みが強いものは、薄く切って酢漬けにすると角が取れます。
アクアポニックスで根を食べる野菜は、ラディッシュまで
アクアポニックスで根を食べる野菜を育てるなら、ラディッシュがいちばん手軽です。
根が小さく、短い期間で穫れるので、培地を敷いた栽培槽でも形になります。ニンジンや大根になると、培地の深さが足りず、根が分かれやすくなります。根菜で試すなら、まずラディッシュからです。
私がラディッシュを育てたのは、メダカの設備です。メダカの設備は、錦鯉の設備より、野菜に回る養分が少なくなります。そのぶん、葉を大きく茂らせる野菜より、短い期間で穫る小さな野菜のほうが合います。メダカの設備で穫れたのは、ラディッシュ、リーフレタス、空芯菜、バジルでした。
穫るときは、株ごと抜きます。根を培地に残すと、腐ってよどみの元になります。抜いたあとの穴に、次の種をまきます。

まとめてまくか、少しずつずらしてまくか
ラディッシュは、一度にたくさんまくと、一度にたくさん穫りどきが来ます。食べきれないうちに、割れと「す」が始まります。
だから、少しずつ、日をずらしてまきます。1週間ごとに数か所ずつまけば、穫りどきも1週間ごとに少しずつ来ます。穫ったあとの穴には、すぐ次の種をまく。そうすると、栽培槽のどこかで、いつもちょうどいい大きさの玉ができています。
種は小さく、1袋にたくさん入っています。まき続けても、なかなか減りません。
少しずつずらしてまくなら、1袋で長く続きます。
ラディッシュの葉は、捨てなくていい
株ごと抜くと、赤い玉と一緒に、青い葉がひとつかみ手に残ります。
ラディッシュの葉は、大根の葉と同じように食べられます。若いうちの葉はやわらかく、刻んで炒めたり、みそ汁に入れたりできます。間引きで切った芽も、小さなサラダの葉として使えます。
葉がしっかり茂っているのは、光を受けて、根に養分を送れていたしるしでもあります。葉が黄色く薄い株は、玉も太りにくい。抜いたときの葉の色は、次のラディッシュの育て方を決める手がかりになります。
いつ穫るか|ラディッシュを割らない線
線を決めておきます。
袋の日数が近づいたら、毎日根元を見る。赤い玉が直径2〜3cmになったら穫る。
太ったものから抜く。全部がそろうのを待たない。
1つ割れていたら、同じ日にまいた残りは全部穫る。1つ切って「す」が入っていても、同じ。
夏は毎日、涼しい季節は数日おきに見る。暑いほど、穫りどきは短い。
迷ったら、今日抜きます。ラディッシュは、小さめで穫っても損はありませんが、穫り遅れると、割れと「す」で食べどころが減ります。
まとめ
アクアポニックス・水耕栽培のラディッシュの割れと「す」は、どちらも根が育ちすぎたときに起き、いちばん多い原因は穫り遅れです。私のところでも、メダカの設備で両方出ています。暑いほど、早く来ます。
穫りどきは、種の袋の日数と、根元の玉の太さで決めます。袋の日数が近づいたら毎日見て、直径2〜3cmで穫ります。太らないなら、光、株の数、培地の深さを見ます。
1週間ずつずらしてまけば、穫りどきが一度に来ず、穫り遅れません。迷ったら、今日抜きます。
よくある質問(FAQ)
Q. ラディッシュが割れる原因は何ですか。
A. いちばん多いのは穫り遅れです。根の中身がふくらむ速さに外側の皮が追いつかなくなると割れます。水耕栽培では水が安定しているぶん、穫りどきを過ぎても根がふくらみ続けます。私のところでも割れは出ています。
Q. ラディッシュに「す」が入るのはなぜですか。
A. 根が育ちすぎて、中の細胞に水や養分が行きわたらなくなり、しぼんですき間ができるためです。いちばんの原因は穫り遅れで、暑さが重なると早く入ります。私のところでも「す」は出ています。
Q. 割れたラディッシュは食べられますか。
A. 食べられます。割れは病気ではありません。割れ目が汚れていたら切り落とし、茶色くなっていたりぬめりがあったりする部分は捨てます。
Q. ラディッシュの収穫時期はいつですか。
A. 種の袋の日数が目安です。私のところでも、袋のとおりに穫れています。日数が近づいたら根元を見て、赤い玉が直径2〜3cmになっていれば穫りどきです。
Q. 水耕栽培のラディッシュが太らないのはなぜですか。
A. 先に光を疑います。光が足りないと葉と茎ばかり伸びます。次に株の数で、1か所に芽が何本も残っていると太れません。培地が浅すぎて玉のできる場所が無いこともあります。
Q. ラディッシュは水耕栽培できますか。
A. できます。根が小さく短い期間で穫れるので、ハイドロボールのような培地を敷いた栽培槽なら形になります。私はメダカのアクアポニックスの設備で育てました。
Q. ラディッシュは夏でも育てられますか。
A. 育てられますが、難しくなります。暑いと根がふくらむ速さが上がり、ちょうどいい大きさの期間が短くなって、割れや「す」が出やすくなります。夏は穫りどきを毎日見ます。
Q. ラディッシュを長く穫り続けるには、どうすればいいですか。
A. 少しずつ日をずらしてまきます。1週間ごとに数か所ずつまけば、穫りどきも少しずつ来ます。穫ったあとの穴には、すぐ次の種をまきます。
Q. ラディッシュの間引きはいつですか。
A. 双葉のうちに、1か所1本にします。抜くと隣の根まで動かすので、残さない芽は根元で切ります。
Q. アクアポニックスで大根やニンジンは育ちますか。
A. 難しいです。培地の深さが足りず、根が分かれやすくなります。根を食べる野菜を試すなら、根の小さいラディッシュからです。
Q. メダカのアクアポニックスでラディッシュは育ちますか。
A. 育ちます。私はメダカの設備でラディッシュを育てました。メダカの設備は野菜に回る養分が少なめなので、短い期間で穫る小さな野菜が合います。
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次に見るのは、ここ
ラディッシュを育てたメダカの設備はメダカでアクアポニックス|NVボックス2つで作るへ。株ごと穫る野菜の穫り方はアクアポニックスの収穫へ。芽が混み合っていたら水耕栽培の間引き|抜かずに切るへ。ほかに根を食べる野菜はアクアポニックスで育つ作物の一覧へ。同じ栽培槽で葉物も育てるならリーフレタス|収穫時期と穫り方へ。
