数えるたびに、1匹ずつ足りない。
死んだメダカは浮いていない。底を見ても見当たらない。水は澄んでいて、残ったメダカは元気に泳いでいる。それなのに、先週より明らかに少ない。どこへ消えたのか、何に取られたのか、見当がつかない。
私にも、数が減って、犯人が分からなかったことがあります。猫か、イタチか、テンか。それらしい跡はあっても、結局どれだったかは分かりませんでした。犯人が見えないとき、手がかりになるのは、容器のまわりに残った跡と、減り方です。
- 死骸を残さずに減るなら、犯人は4つ。鳥・獣(猫・イタチ・テン)・ヤゴ・容器の外。
- 荒れているなら外から、きれいなままなら中で。
- 大きい個体から減るなら鳥や獣、小さい個体からならヤゴ。
- ヤゴは水換えのときに見つかる。底をすくって探す。
- 鳥や獣には網。大雨には、縁に掛けたスポンジで水を逃がす。
メダカが消える犯人は4つ|鳥・獣・ヤゴ・容器の外
答えを先に書きます。屋外のメダカが、死骸を残さずに減るとき、犯人はだいたい4つに絞れます。
鳥(サギやカラスなど)、獣(猫・イタチ・テンなど)、ヤゴ、そして容器の外へ出てしまうこと(大雨であふれる、飛び出す)。
4つは、残す跡が違います。水草が荒らされているか、容器のまわりが濡れているか、減ったのは大きい個体か小さい個体か、いつ減ったか。犯人を直接見られなくても、跡を順に見ていけば、どれかに寄せられます。
犯人を絞るのは、対策が犯人ごとに違うからです。網は鳥と獣には効きますが、すでに容器の中にいるヤゴには効きません。雨に網をかけても、あふれるのは止まりません。

荒らされているか、きれいなままか
最初に見るのは、容器の中と外が荒れているかどうかです。
荒れているなら、獣か鳥。水草や浮き草が引き出されてちぎれている、容器のふちや地面が濡れている、泥や足跡がある。容器の外から手や口を入れて取っていった跡です。夜のあいだに荒れていたなら、獣を疑います。
きれいなままなら、ヤゴか、容器の外。水草はそのまま、容器のまわりも変わらない。それなのに数だけが減っている。死骸が無いのに減るなら、まずヤゴを疑う、というのはこのためです。
私の場合は、それっぽい跡はありました。ただ、猫なのか、イタチなのか、テンなのかまでは分かりませんでした。跡から犯人の種類まで決めるのは難しい。でも、「外から取られた」のか「中で起きた」のかは、跡で分かります。そこが分かれば、対策は決まります。空き巣に入られたとき、犯人の顔より先に、窓が割られたのか鍵が開いていたのかを確かめるのと同じです。
大きい個体から減ったか、小さい個体から減ったか
次に見るのは、減り方です。
大きい個体から減るなら、鳥や獣。外から取る側にとっては、大きくて目立つ個体のほうが見つけやすく、取りやすい。水面近くを泳ぐ大きな親から先に消えていきます。
小さい個体から減るなら、ヤゴ。ヤゴは水の中で待ち伏せて、口の届く大きさの魚を捕ります。稚魚や若い個体が先にいなくなり、大きな親は残ることが多い。針子が消えるときの原因にも、ヤゴは入っています。
いつ減ったかも手がかりになります。大雨の翌朝に減っていたなら、容器の外を疑う。夜のあいだに荒れていたなら、獣。昼間に水面の大きな個体が減ったなら、鳥。少しずつ何日もかけて減っていくなら、ヤゴです。

ヤゴは、水換えのときに見つかる
私がヤゴに気づいたのは、水換えのときでした。
ヤゴは底や水草の陰にじっとしていて、上からのぞいているだけではまず見つかりません。水を減らして底の泥や落ち葉をすくったときに、はじめて出てきます。数が減る原因が分からないまま過ごして、水換えでやっと犯人が分かる、というのはよくある順番です。
数が減ってきたと感じたら、水換えのついでに底をすくって、網の中を見てください。茶色っぽい、脚のある虫がいれば、それがヤゴです。見つけたら取り出して、トンボが卵を産みに来ないようにするのが、ヤゴの対策です。
ヤゴは、トンボが水面に卵を産みつけて入ります。水面が開いていて、水草がある容器ほど、トンボは寄ってきます。網やすだれで水面を覆うと、トンボが入りにくくなります。
容器の外へ出てしまう|大雨と飛び出し
取られたのではなく、容器の外へ出てしまって減ることもあります。
大雨で水があふれると、メダカが水と一緒に流れ出ます。容器のふちまで水が来て、そのまま外へ。朝になって容器のまわりに干からびたメダカが見つかれば、これです。
私は、大雨で流れたことはたぶんありません。容器の縁にスポンジを引っ掛けて、あふれる前に水が外へ逃げるようにしていました。スポンジの内側の端をあふれさせたくない高さに合わせ、外側の端を容器の外へ垂らしておくと、水位がそこまで上がったときに、スポンジが水を吸って外へ出してくれます。メダカはスポンジを通れないので、水だけが抜けていきます。梅雨の前に水位を下げておくのも、同じ考え方です。
もうひとつは、飛び出しです。水位が高すぎる、驚いて跳ねる、水が合わずに逃げようとする。飛び出しなら、容器のすぐまわりに1匹ずつ落ちています。
死骸が見つからないのは、なぜか
「死んでいるなら死骸があるはず」と思いがちですが、死骸が見つからないこと自体は、珍しくありません。
暑い時期の小さなメダカは、死ぬと数日のうちに崩れていきます。同じ容器にエビや貝がいれば、それを片づけてしまう。底の泥や水草の陰に沈めば、上からは見えません。
だから「死骸が無い」だけで、外敵と決めつけないほうがいい。まずヤゴを疑い、底をすくって確かめる。ヤゴがいなければ、水が悪くなって少しずつ落ちている可能性も考えます。次々死ぬときに見る3つ(水質・水温・酸素)を確かめておくと、外敵探しの前に原因が見つかることがあります。
カエル、蛇、そのほかの生き物
4つのほかにも、メダカを取る生き物はいます。
カエルは、容器に入りこむと、口に入る大きさのメダカを食べることがあります。水草の上や容器のふちにじっとしているので、見つけやすい相手です。蛇は、水辺の近くや草の多い庭では、ありえない話ではありません。
どれも、網をかけ、容器のまわりに足がかりになる物を置かないことで、入りにくくなります。容器の横に植木鉢や板を立てかけていると、そこを伝って登ってきます。
人に持っていかれる、ということもある
あまり考えたくありませんが、道から見える場所に置いた容器では、人に持っていかれることもあります。値段の高い品種ほど、目をつけられやすい。
跡がまったく無く、大きくて見栄えのする個体だけがまとめて消えたときは、この可能性も頭に置きます。道から見えない場所に移す、容器の上に網を張って留めておく。それだけでも、手を出しにくくなります。
網のほかに、置き場所と深さで守る
網をかけられない容器もあります。そういうときは、置き場所と容器の作りで、取られにくくします。
深い容器は、取られにくい。浅くて水面の広い容器は、鳥が立って魚を狙いやすい。深さがあれば、メダカは底へ逃げられます。
隠れる場所を作る。水草や浮き草があると、メダカは驚いたときにその下へ隠れます。全部を覆わず、水面の一部に隠れ場所があるだけで、見つけられにくくなります。
容器を地面から上げる。台の上に置くと、地面を歩く獣は手を入れにくくなります。そのぶん風と日差しは強く当たるので、夏の水温には気をつけます。

網をかけるか、かけないか
犯人が鳥か獣だと分かったら、いちばん効くのは網です。私も、数が減って犯人が分からなかったあとから、網を乗せている水槽があります。
網は、容器の上に乗せて、ふちを重しや洗濯ばさみで留めます。鳥はくちばしを、獣は手を入れられなくなります。ヤゴの元になるトンボも、網があれば水面に近づけません。
目の細かい網なら、鳥や獣だけでなく、ヤゴの元になるトンボも水面に近づけません。切って使えるので、容器の大きさに合わせられます。
ただし、網にも欠点はあります。見た目が悪くなり、餌やりや水換えのたびに外す手間が増えます。そして、網の上に落ち葉や雪がたまると、水面の光と空気がさえぎられます。網をかけたら、上に物がたまっていないかを、ときどき見ます。
網の目は、細かいほうが守れる相手が増えます。粗い網は鳥と獣を止めますが、トンボは通ります。ヤゴも防ぎたいなら、目の細かい網を選びます。
迷ったら、減りはじめた容器にだけ網をかけます。すべての容器にかける必要はありません。被害が出た場所、水面の広い浅い容器、稚魚の容器。守りたいところから順に。
どこで見切るか|犯人探しで決めておく線
線を決めておきます。
荒れているなら、外から取られた。獣か鳥。網をかける。
きれいなままなら、中で起きた。水換えのついでに底をすくって、ヤゴを探す。
大雨の翌朝なら、容器の外。縁にスポンジを掛けて、あふれる前に逃がす。
犯人の種類まで決めようとしない。私も、猫かイタチかテンかは分からなかった。外か中かが分かれば、対策は決まる。
最後にひとつ。数が減ったと気づけるのは、ふだん数を知っているからです。容器ごとに、だいたい何匹いるかを覚えておくだけでも違います。ときどき数えておくと、減りはじめたその週に気づけます。気づくのが1週間早ければ、失うメダカも1週間ぶん少なくて済みます。
まとめ
屋外のメダカが死骸を残さずに減るとき、犯人はだいたい鳥・獣(猫・イタチ・テンなど)・ヤゴ・容器の外の4つです。私にも、数が減って犯人が分からなかったことがあります。
水草が荒れ、まわりが濡れているなら外から取られた。きれいなままなら中で起きた。大きい個体から減れば鳥や獣、小さい個体からならヤゴ。ヤゴは水換えのとき、底をすくって見つけます。
鳥や獣には網、大雨には縁に掛けたスポンジで水を逃がす。犯人の種類まで決めなくても、外か中かが分かれば対策は決まります。
よくある質問(FAQ)
Q. メダカの数が減りました。死骸がありません。
A. 屋外なら、犯人はだいたい鳥・獣(猫・イタチ・テンなど)・ヤゴ・容器の外(大雨であふれる、飛び出し)の4つです。水草が荒れているか、容器のまわりが濡れているかを見て、外から取られたのか、中で起きたのかを分けます。
Q. メダカが減る原因が、鳥か猫か分かりません。
A. 種類まで決めるのは難しい。私も、猫かイタチかテンかは分かりませんでした。夜のあいだに荒れていれば獣、昼間に水面の大きな個体が減っていれば鳥を疑います。どちらでも、対策は網です。
Q. 小さいメダカばかりいなくなります。
A. ヤゴを疑います。ヤゴは水の中で待ち伏せて、口の届く大きさの魚を捕るので、稚魚や若い個体から減ります。水換えのついでに底をすくって探します。私もヤゴには水換えのときに気づきました。
Q. ヤゴはどうやって見つければいいですか。
A. 上からのぞいても見つかりません。水を減らして、底の泥や落ち葉を網ですくったときに出てきます。茶色っぽい脚のある虫がいればヤゴです。見つけたら取り出し、網やすだれで水面を覆ってトンボが卵を産めないようにします。
Q. 大雨でメダカが流れないようにするには。
A. 私は容器の縁にスポンジを引っ掛けて、あふれないようにしていました。スポンジの内側の端をあふれさせたくない高さに合わせ、外側を垂らしておくと、水位がそこまで来たときに水を外へ出し、メダカは通れません。大雨の前に水位を下げておくのも効きます。
Q. 睡蓮鉢の鳥や猫の対策は。
A. 網を乗せて、ふちを重しや洗濯ばさみで留めるのが一番効きます。私も、数が減って犯人が分からなかったあとから、網を乗せている水槽があります。網の上に落ち葉や雪がたまっていないかは、ときどき見ます。
Q. 網をかけるデメリットはありますか。
A. 見た目が悪くなり、餌やりや水換えのたびに外す手間が増えます。網の上に物がたまると、水面の光と空気がさえぎられます。すべての容器ではなく、被害が出た容器や稚魚の容器から順にかけます。
Q. 死骸が見つからないのは、外敵に取られたからですか。
A. そうとは限りません。暑い時期の小さなメダカは、死ぬと数日のうちに崩れ、エビや貝が片づけてしまうこともあります。まずヤゴを疑って底をすくい、いなければ水質・水温・酸素も確かめます。
Q. カエルや蛇もメダカを食べますか。
A. カエルは容器に入りこむと、口に入る大きさのメダカを食べることがあります。網をかけ、容器の横に植木鉢や板など、登る足がかりになる物を置かないようにします。
Q. 網をかけられない容器は、どう守ればいいですか。
A. 深い容器にする、水面の一部に水草や浮き草で隠れ場所を作る、台の上に置いて地面から上げる、の3つが効きます。浅くて水面の広い容器ほど、鳥に狙われやすくなります。
Q. メダカが容器のまわりに落ちていました。
A. 飛び出しか、大雨であふれて流れた可能性があります。大雨の翌朝なら流出、晴れた日にすぐそばに1匹ずつ落ちているなら飛び出しを疑います。飛び出しの理由は、水位・驚き・水が合わないことなどです。
次に見るのは、ここ
ヤゴだと分かったらメダカのヤゴ・ボウフラ対策へ。容器のまわりに落ちていたらメダカの飛び出し|理由は4つへ。減ったのが針子ならメダカの針子が溶ける・消えるへ。大雨の前にやっておくことは梅雨時期のメダカ飼育へ。冬に蓋をするか迷ったらメダカの冬越しに発泡スチロールへ。

