秋になっても、バジルはまだ青々としている。
夏のあいだ、穫っても穫っても伸びてきた。朝晩が冷えてきたけれど、このままいつまで穫れるのか。冬も持つなら、そのまま置いておきたい。花が咲きかけているのも気になる。
アクアポニックス・水耕栽培のバジルがいつまで穫れるかは、終わり方で決まります。終わり方は2つ、とう立ちと寒さです。私は錦鯉の設備でバジルを育て、冬にどこまで持つか試してみましたが、寒さで枯れました。とう立ちもして、とう立ちしたあとの葉はおいしくありませんでした。この記事は、その2つの終わり方と、どこで片付けるかを書きます。
- バジルが穫れるのは、暖かいあいだだけ。終わり方は2つ、とう立ちと寒さ。
- 私は冬にどこまで持つか試して、寒さで枯らした。とう立ちした葉はおいしくなかった。
- 花は咲いたら摘む。ただし遅らせる手で、止める手ではない。
- 朝晩が冷えて外側の葉が黒ずみはじめたら、残りを全部穫る。
- 冬を越させず、春に種からまき直す。冬は寒さに強い葉物を入れる。
- バジルはいつまで穫れるか|暖かいあいだだけ。終わり方は2つ
- 寒さで終わる|私は、どこまで持つか試して、枯らした
- 水は暖かくても、葉は空気の寒さに当たる
- とう立ちで終わる|花が咲くと、葉がおいしくなくなる
- 花を摘むか、咲かせるか|私は花が咲いたら摘んでいた
- 節の上で切ると、枝が増える|夏のうちに株を広げる
- 葉が黒くなる|寒さに当たったか、冷蔵庫に入れたか
- 穫りきったバジルが余る|使いきれない分は、ペーストにして凍らせる
- 冬を越させるか、春にまき直すか
- 室内で育てるなら|寒さは防げても、光が足りない
- アクアポニックスにバジルが向いている理由|私は錦鯉の設備で育てた
- いつ片付けるか|バジルを終わらせる線
- まとめ
- よくある質問(FAQ)
- 次に見るのは、ここ
バジルはいつまで穫れるか|暖かいあいだだけ。終わり方は2つ
答えを先に書きます。バジルが穫れるのは、暖かいあいだだけです。アクアポニックスでも水耕栽培でも、土の畑でも、これは変わりません。
バジルは暑い土地の生まれの草です。暖かいほどよく育ち、寒さにはとても弱い。夏に穫っても穫っても伸びてきたのは、バジルにとっていちばん居心地のいい季節だったからです。
終わり方は2つあります。1つは、夏から秋にかけてのとう立ち。花を咲かせて種を作るほうへ切り替わり、葉がおいしくなくなります。もう1つは、秋から冬の寒さ。気温が下がると育ちが止まり、やがて枯れます。
どちらが先に来るかは、その年の暑さと、花をどれだけ摘んだかで変わります。けれど、どちらも来ないまま冬を越す、ということは、加温も照明も無い屋外やハウスでは、まずありません。

寒さで終わる|私は、どこまで持つか試して、枯らした
私は、バジルが冬にどこまで持つか、試してみたことがあります。結果は、寒さで枯れました。
バジルは寒さに弱く、気温が10℃を下回るあたりから育ちが鈍り、葉が傷みはじめます。霜に当たれば、ひと晩で黒くしおれます。秋のうちは持ちこたえているように見えても、冷え込む日が重なるうちに弱っていくのが、バジルのふつうの終わり方です。
寒くなってからのバジルは、葉が増えるより傷むほうが早くなります。「もう少し持つかもしれない」と待っても、穫れる量は増えません。待つあいだに、穫れたはずの葉まで傷ませることになります。
だから、寒さで終わるのを待つより、寒くなる前に穫りきるほうが得です。
水は暖かくても、葉は空気の寒さに当たる
アクアポニックスで育てていると、「水の中の根は暖かいから、もう少し持つのでは」と思いたくなります。
水は空気より冷えにくく、冬の朝も空気ほどは下がりません。それでも、バジルの葉と茎は空気の中にあります。根が暖かくても、葉が冷たい空気に当たれば、葉は傷みます。冬に野菜が止まる理由は、水温だけではなく、日の短さと空気の冷たさも重なっているからです。
リーフレタスやスイスチャードのように、寒さに強い葉物は、同じ設備でも冬を越して少しずつ育ちます。バジルとの違いは、葉が冷たい空気に耐えられるかどうかです。冬のアクアポニックスで育てるなら、リーフレタスのような葉物へ切り替えます。
とう立ちで終わる|花が咲くと、葉がおいしくなくなる
もう1つの終わり方が、とう立ちです。私のところでも、バジルはとう立ちしました。とう立ちしたあとの葉は、おいしくなくなりました。
とう立ちは、株が葉を増やすのをやめて、花を咲かせ、種を作るほうへ切り替わることです。株は花と種に力を回すので、葉は硬くなり、香りも落ちていきます。先端に、穂のような花のつぼみが並びはじめたら、とう立ちが始まったしるしです。
とう立ちと、光不足で伸びる徒長は、見た目が似ています。見分けるのは先端です。先端に花のつぼみがあれば、とう立ちです。
花を摘むか、咲かせるか|私は花が咲いたら摘んでいた
私は、花が咲いたら摘んでいました。
花を摘むと、株は花に回していた力を、また葉に回します。咲かせたままにすると、株は種を作りきるほうへ進んでいきます。葉を穫るために育てているなら、花は見つけたら摘みます。
ただし、摘んでいても、とう立ちはいずれ来ます。私のところでもそうでした。摘むことは、とう立ちを遅らせる手であって、止める手ではありません。株が花のほうへ向かう力が強くなってきたら、摘んでも摘んでも次の穂が上がってきます。そのころが、その株の終わりどきです。
花を摘むときは、花の穂だけでなく、その下の葉のつけ根の少し上で切ると、そこから新しい枝が出ます。
節の上で切ると、枝が増える|夏のうちに株を広げる
バジルは、茎の途中の葉のつけ根、節の上で切ると、そこから左右に2本の枝が出てきます。切った回数だけ枝が増えるので、1株から長く穫れます。
夏のうちに先端を何度か切っておくと、株が上に伸びるかわりに、横に広がります。枝が増えれば、穫れる葉も増えます。花の穂が上がるのも、先端を切り続けているうちは少し遅くなります。
穫るときに、下の大きな葉だけをむしるのは、バジルには向きません。下の葉が無くなって、上ばかり伸びた、ひょろひょろの株になります。穫るなら、先端を節の上で切る。これが、そのまま収穫と、株を広げる手入れになります。
葉が黒くなる|寒さに当たったか、冷蔵庫に入れたか
「バジルの葉が黒くなる」という悩みも、よく見かけます。
多いのは、寒さです。バジルの葉は冷たい空気に当たると、黒ずんでしおれます。秋の冷え込みの朝に、外側の葉から黒くなっていたら、寒さのしるしです。そこから暖かさが戻ることはあっても、株の勢いは戻りにくいので、残りの葉を穫ってしまいます。
穫ったあとに黒くなるのは、冷蔵庫の冷たさです。穫った葉を冷蔵庫の冷たいところに入れると、同じように黒ずみます。バジルは、なるべくその日に使いきるのが向いています。
穫りきったバジルが余る|使いきれない分は、ペーストにして凍らせる
夏のバジルは、穫っても穫っても伸びてくるので、使いきれずに余りがちです。寒くなる前に穫りきると、なおさら一度にたくさん手元に残ります。
生の葉のまま冷蔵庫に入れると黒くなるので、残すなら形を変えます。いちばん手軽なのは、刻んでオリーブ油と合わせてペーストにし、小分けにして凍らせることです。油が葉を包むので、空気に触れて色が変わるのを遅らせられます。乾かして粉にする方法もありますが、香りは生やペーストより弱くなります。
穫りきる日は、株を片付ける日でもあります。余った分の残し方を先に決めておけば、寒さの前に迷わず全部穫れます。

冬を越させるか、春にまき直すか
バジルを冬のあいだも残したい、という人もいると思います。
残すなら、暖かい室内に入れて、光を足すことになります。屋外やハウスの設備のまま、加温も照明も無しで冬を越させるのは、私の実験のとおり、寒さで枯れます。
私のすすめは、冬を越させず、春にまき直すことです。バジルは種から育てやすく、暖かくなってからまけば、夏にはまた穫れます。冬のあいだの設備には、寒さに強い葉物を入れておけば、栽培槽が空きません。
春にまき直すなら、スイートバジルの種を1袋。夏にはまた、切るたびに枝が増えていきます。
バジルの種は、水を吸うと表面がぬるっとした膜に包まれます。腐ったのではなく、バジルの種のふつうの姿です。種まきは、気温がしっかり上がってからにします。寒い時期にまくと、芽が出るまでに時間がかかります。
室内で育てるなら|寒さは防げても、光が足りない
「バジル 水耕栽培 室内」と調べる人も多いと思います。室内なら冬の寒さは防げます。ただ、室内には別の足りないものがあります。光です。
バジルは、強い日差しの中で茂る草です。窓辺に置いても、ガラス越しの光は屋外よりずっと弱く、冬は日も短い。光が足りないと、バジルは光を探して茎を伸ばし、葉と葉の間が空いた、ひょろひょろの株になります。光がどれだけ要るかは、日陰でどこまで育つかで考えると分かりやすいです。
室内で冬もバジルを穫りたいなら、植物用のライトを足すのが前提になります。室内のアクアポニックスでも、足りなくなるのは光です。ライトを足せば、暖かい部屋のバジルは冬も育ちます。足さないなら、窓辺のバジルは寒さでは枯れなくても、光で細っていきます。
夏の終わりに、屋外の株から先端を切って水に挿しておくと、根が出てきます。室内で冬を越させるなら、大きな株を持ち込むより、この小さな株のほうが場所も光も少なくて済みます。
アクアポニックスにバジルが向いている理由|私は錦鯉の設備で育てた
私がバジルを育てたのは、錦鯉の設備です。
バジルは、葉物の中でも、よく茂る草です。茂るぶん、水から吸う養分も多い。錦鯉の設備は、餌の量が多いぶん、野菜に回る養分も多いので、バジルがよく茂ります。
もう1つは、穫り方です。バジルは節の上で切るたびに枝が増え、夏じゅう穫れます。暑い季節に止まる葉物が多い中で、夏に穫れるのは、アクアポニックスの夏の栽培槽にはありがたい。夏はバジル、冬はリーフレタスやスイスチャード、と季節で入れ替えると、1年を通して何かが穫れます。
いつ片付けるか|バジルを終わらせる線
線を決めておきます。
花が咲いたら摘む。摘んでも次々に穂が上がってくるようになったら、その株は終わりどき。
とう立ちして葉がおいしくなくなったら、株ごと片付ける。待っても、葉には戻らない。
朝晩が冷え込んで、外側の葉が黒ずみはじめたら、残りを全部穫る。加温も照明も無い設備で冬を越させようとしない。
空いた穴には、寒さに強い葉物を入れる。バジルは春に種からまき直す。
迷ったら、今日穫ります。バジルで一番もったいないのは、もう少し持つかもしれないと待っているうちに、寒さかとう立ちが先に来ることです。
まとめ
アクアポニックス・水耕栽培のバジルが穫れるのは、暖かいあいだだけです。終わり方は2つ、夏から秋のとう立ちと、秋から冬の寒さです。私は錦鯉の設備で、冬にどこまで持つか試しましたが、寒さで枯れました。とう立ちしたあとの葉も、おいしくありませんでした。
花は咲いたら摘みます。ただし、とう立ちを遅らせる手で、止める手ではありません。先端を節の上で切ると枝が増え、夏じゅう穫れます。
朝晩が冷えて外側の葉が黒ずみはじめたら、残りを全部穫ります。冬は寒さに強い葉物を入れ、バジルは春に種からまき直します。迷ったら、今日穫ります。
よくある質問(FAQ)
Q. 水耕栽培のバジルはいつまで収穫できますか。
A. 暖かいあいだだけです。終わり方は2つで、夏から秋のとう立ちと、秋から冬の寒さです。私は錦鯉の設備でバジルが冬にどこまで持つか試しましたが、寒さで枯れました。寒くなる前に穫りきるほうが得です。
Q. バジルは冬を越せますか。
A. 加温も照明も無い屋外やハウスの設備では、越せません。私のところでも寒さで枯れました。残すなら暖かい室内に入れて光を足すことになりますが、春に種からまき直すほうが楽です。
Q. バジルの花は摘んだほうがいいですか。
A. 葉を穫るために育てているなら、摘みます。私も花が咲いたら摘んでいました。花を摘むと株は力を葉に回します。ただし摘んでもとう立ちはいずれ来るので、遅らせる手と考えます。
Q. とう立ちしたバジルは食べられますか。
A. 食べられますが、葉が硬くなり、おいしくなくなります。私のところでも、とう立ちしたあとの葉はおいしくありませんでした。待っても葉には戻らないので、株ごと片付けます。
Q. バジルの葉が黒くなるのはなぜですか。
A. 多いのは寒さです。バジルの葉は冷たい空気に当たると黒ずんでしおれます。穫ったあとに黒くなるなら、冷蔵庫の冷たさです。秋に外側の葉から黒ずみはじめたら、残りを穫ってしまいます。
Q. アクアポニックスなら、水が暖かいので冬も持ちませんか。
A. 持ちません。水は空気より冷えにくいですが、バジルの葉と茎は空気の中にあります。根が暖かくても、葉が冷たい空気に当たれば傷みます。
Q. バジルを長く収穫するコツはありますか。
A. 先端を節の上で切ることです。そこから左右に2本の枝が出て、切った回数だけ枝が増えます。下の大きな葉だけをむしると、上ばかり伸びたひょろひょろの株になります。
Q. バジルがひょろひょろになります。
A. 光が足りないか、下の葉だけを穫っているかを疑います。先端を節の上で切ると、株が横に広がります。光を足しても止まらず、先端に花のつぼみがあれば、とう立ちです。
Q. バジルの種が水でぬるぬるしました。腐っていますか。
A. 腐っていません。バジルの種は水を吸うと、表面がぬるっとした膜に包まれます。ふつうの姿なので、そのまままきます。
Q. アクアポニックスのバジルには、どんな魚が向いていますか。
A. 私は錦鯉の設備で育てました。バジルはよく茂るぶん養分を多く吸うので、餌の量が多く、野菜に回る養分も多い錦鯉の設備ではよく茂ります。
Q. バジルを片付けたあと、冬は何を植えればいいですか。
A. リーフレタスやスイスチャードのような、寒さに強い葉物です。私のところでも、冬はこの2つを育てています。加温なしでも遅く育つだけで、止まりはしません。
→ 費用と失敗の記録をnoteで読む
次に見るのは、ここ
先端から穂が上がってきたらとう立ち|徒長と見分けるへ。節の上で切る穫り方はアクアポニックスの収穫へ。バジルのあとに入れる葉物はリーフレタス|収穫時期と穫り方へ。冬に野菜が止まる理由はアクアポニックス・水耕栽培の冬へ。バジルを育てた錦鯉の設備はアクアポニックスに錦鯉へ。
