産卵床を上げても、卵が付いていない。
夏のあいだは毎朝いくつも付いていたのに、10月に入ってからは空の日が続く。屋外の容器では、今年の産卵はもう終わったらしい。来年の春まで待つか。それとも室内で温めて、冬のうちにもう一度産ませるか。
私は副業としてメダカを扱っているので、冬に加温して産卵させることがあります。水温は26℃。始めるのは、屋外で産まなくなった頃です。この記事は、冬に産ませるなら何が要るか、そもそも産ませるべきかを書きます。
- メダカは冬でも、室内で条件をそろえれば産む。条件は水温18℃超と明るい時間13時間。
- 私は副業なので、冬も26℃で加温して産卵させることがある。
- 始めるのは、屋外で産まなくなった頃。冬眠に入った親を起こさない。
- ヒーターと照明、2つそろえて毎日同じに。親はメス2・オス1を数組。
- 冬に卵が必要な理由がなければ、春まで待つ。
メダカは冬でも、条件がそろえば産む|私は26℃で加温している
答えを先に書きます。メダカは冬でも、室内で条件をそろえれば卵を産みます。私も、冬に加温して産卵させることがあります。
秋にメダカが産まなくなるのは、寒さだけが理由ではありません。産卵の条件は、水温18℃超と、明るい時間13時間。秋は、水温より先に日の長さが欠けて、産卵が止まります。
だから冬に産ませるには、2つを室内で取り戻します。水温はヒーターで、明るい時間は照明で。私は水温を26℃にしています。どちらか片方だけでは、足りないことがあります。
ただし、冬に産ませるかどうかは、飼い方しだいで答えが変わります。次の章で、産ませる理由と、待つ理由を並べます。

冬に産ませるか、春まで待つか
産ませる理由は、1年を長く使えることです。私の場合は副業なので、冬のあいだも産ませる理由があります。品種を早く増やしたい人、春の産卵期より先に大きな個体をそろえておきたい人にも、冬の産卵は意味があります。
待つ理由は、手間と費用と、親の体です。冬に産ませると、ヒーターと照明を冬のあいだずっと使い、餌も水換えも夏と同じように続けます。親は冬眠せずに産みつづけるので、休む季節がありません。
冬の産卵は、ただ眺めて楽しみたい人には向きません。ただ眺めて楽しみたいなら、冬は待つ側で構いません。屋外で冬を越させて、春に産ませれば、ヒーターも照明も要らない。冬に産ませるのは、冬に卵が必要な理由がある人のやり方です。
迷ったら、待つ。冬の産卵は、やめるより始めるほうに手間がかかります。

始めるのは、屋外で産まなくなった頃
時期は、私は特に決めていません。ただ、狙い目は屋外の容器で産まなくなった頃です。
理由は、親の体の状態です。屋外で産まなくなったばかりの親は、秋の体力がまだ残っていて、冬眠にも入っていません。水温と明るさを戻せば、産卵の続きとして自然に戻れます。
逆に、屋外で冬眠に入った親を真冬に起こして産ませようとすると、冷えきった体を一気に温めることになります。メダカにとって危ないのは、1日の大きな変化。冬眠の途中で室内の温かい水に移すのは、その大きな変化そのものです。
室内に移すのは、まだ屋外の水温がそれほど下がっていない時期に。移す日は、屋外の水と室内の水の温度を合わせてから入れます。そこから数日かけて、ヒーターで26℃まで上げていきます。
ヒーターと照明|2つそろえて、毎日同じに
冬の産卵に要る道具は、ヒーターと照明の2つです。
ヒーターは、水温を26℃に保つもの。私は26℃にしています。産卵の記事にも書いたとおり、容器が小さいなら、26℃に固定された小型のヒーターで足ります。設定を変えられないぶん、迷いがありません。
26℃は、産ませるための温度です。冬を越させるだけなら20〜23℃で足り、通年26℃で回すと、メダカは早く大人になる側へ強く引っぱられます。産卵を休ませる時期が来たら、温度を下げられるヒーター(サーモが別になっているもの)のほうが融通がききます。
26℃に固定されたヒーターなら、温度を設定する手間も、設定を間違える心配もありません。
照明は、明るい時間を13時間にするもの。冬の部屋の明かりだけでは、13時間に届かないことが多い。照明をタイマーでつけて消し、明るい時間を毎日同じにします。日によって長さが変わると、産卵も安定しません。
水温だけ上げて明かりを足さない、明かりだけ足して水温が低い。どちらかが欠けると、産まない冬になります。冬の産卵は、夏の条件を室内で2つとも作り直すことです。温室で夏野菜を育てるのと同じで、温度だけでは足りず、日の長さもそろえてはじめて実がつきます。

親の数は、メス2・オス1を1組にして3組
冬に産ませる親の組み方も、私のやり方を書いておきます。
私は、メス2匹とオス1匹を1組にして、それを3組、合わせて9匹で採卵しています。この組み方にしてから、採れる卵の数が安定しました。
最初は、オスとメスを2組で始めました。そのときは、卵が採れる日と採れない日がはっきり分かれて、安定しませんでした。1匹のメスの調子がそのまま全体の卵の数に出るので、少ない組では波が大きくなります。
冬は、夏より産卵の条件がぎりぎりです。数を少し多めにして、1匹の調子に左右されない組にしておくほうが、冬の採卵は続きます。
親を入れる容器は、ヒーターが効く大きさで
冬の産卵用の容器は、夏の屋外の容器とは選び方が変わります。
親の数から決めます。1匹に2リットルが目安なので、メス2・オス1を3組、9匹なら20リットル前後の水が要ります。これより小さいと、冬も食べて汚す親には狭すぎます。
そのうえで、ヒーターがその水量を温められること。大きすぎる容器は、ヒーターが追いつかず、隅が冷えます。小さすぎる容器は、設定より上がりやすい。水量とヒーターの大きさを合わせて選びます。
卵と針子のあいだは、水量が少なくていいので、親とは別の小さな容器と小さなヒーターで足ります。親の容器と、卵の容器を分けておくと、どちらの温度も管理しやすくなります。
冬に採った卵は、どう管理するか
冬に採った卵は、夏と同じように親から分けて管理します。私は卵を、水道水にメチレンブルーを入れた水で管理しています。
ヒーターで温めた水なら、25℃前後で10日ほどで孵ります。冬だからといって、孵るまでの日数が極端に延びることはありません。延びるのは、卵の容器の水温が下がっているときです。卵の容器にも、ヒーターか、ヒーターの入った水槽に浮かべる形で温度を保ちます。
白く濁った卵は、見つけたら抜きます。冬は水の入れ替えが億劫になりがちですが、止まった水ではカビが増えます。卵の容器は小さいので、水の入れ替えも手間ではありません。
加温した水槽の餌は、夏と同じ
ヒーターで26℃に保っている水槽では、メダカは冬も夏と同じように食べます。冬の餌をやめるのは、屋外や無加温の容器の話で、加温した水槽は普段どおりです。
私は、1日1回、魚の目の大きさを1匹ぶんとして、それに匹数をかけた量を目安にしています。メダカは出された分だけ食べてしまうので、量はこちらで決めます。
もうひとつ、照明をつけてすぐに餌をやらないこと。照明で朝を作っている水槽では、明かりがついた直後のメダカは起きたばかりです。少し時間をおいて、泳ぎはじめてから与えます。産ませている親は、よく食べさせたいぶん、ここで与えすぎやすいところです。
ヒーターで起きやすいつまずき
冬に加温すると、夏には無かったつまずきが出てきます。よく聞くのは3つです。
温度がまだらになる。ヒーターのまわりだけが温まり、離れたところは冷たいまま。水の流れが弱いと、メダカは温かい水と冷たい水を行き来することになります。弱いエアレーションで水を動かしておくと、温度がそろいます。
設定より上がる。小さな容器は、部屋の暖房や日差しの影響も受けて、ヒーターの設定より水温が上がることがあります。26℃のつもりが28℃、ということも。水温計を別に入れて、実際の水温を見ます。
壊れる。ヒーターは、壊れると温まらないか、止まらずに上がりつづけます。冬のあいだ毎日、水温計を見るのは、この2つに早く気づくためです。
冬に生まれた稚魚は、春まで室内で
冬に孵った稚魚は、そのまま室内で育てます。私もそうしています。
稚魚は体が小さく、冬の屋外の水温には耐えられません。1.5cmに届かない稚魚は、屋外では冬を越せないので、冬生まれは室内で育てるしかありません。ヒーターの入った水槽なら、冬でも成長します。
屋外へ出すのは、春に屋外の水温が上がってから。私は冬に生まれた稚魚を、室内で育ててから屋外へ移しています。移すときは、室内の水温と屋外の水温が近くなる時期を選び、袋や容器ごと浮かべて水温を合わせてから入れます。春先は、暖かい日のあとに冷え込む日が来るので、焦らずに。
無加温なのに冬に産んだら|止め方
ヒーターを入れていない室内の水槽で、冬に卵が付くことがあります。私の水槽では、無加温の容器で冬に産んだことはありません。ただ、暖房の効いた部屋で照明を長くつけていると、条件がそろってしまうことがあります。
冬に産ませるつもりがないなら、止め方は簡単です。産卵床を抜いて、照明を夕方に消す。明るい時間を短くすれば、産卵は止まります。
産んでしまった卵を育てるなら、ヒーターで温める側に回ることになります。無加温の冬の部屋では、孵っても稚魚が育ちません。育てないなら、卵は親の容器に残したままで構いません。
どこで見切るか|冬の産卵で決めておく線
線を決めておきます。
冬に卵が必要な理由がなければ、春まで待つ。ただ眺めるなら、冬は屋外で休ませる。
産ませるなら、始めるのは屋外で産まなくなった頃。冬眠に入った親を真冬に起こさない。
水温と明るさ、2つをそろえる。私は26℃。明るい時間は13時間を毎日同じに。
親はメス2・オス1を1組にして、数組。少ない組は卵の数が安定しない。
冬生まれの稚魚は春まで室内。屋外に出すのは水温がそろってから。
迷ったら、待つ。冬の産卵は、1回始めると春まで続ける前提です。途中でやめると、室内で冬眠に入りきれない親と、室内でしか育たない稚魚が残ります。
まとめ
メダカは冬でも、室内で水温18℃超と明るい時間13時間をそろえれば卵を産みます。私は副業でメダカを扱っているので、冬も26℃で加温して産卵させることがあります。
始めるのは、屋外で産まなくなった頃。冬眠に入った親を真冬に起こさないこと。ヒーターと照明を2つそろえて、明るい時間を毎日同じにします。親はメス2・オス1を1組にして数組にすると、卵の数が安定します。
冬に生まれた稚魚は、春まで室内で育て、屋外の水温が上がってから移します。冬に卵が必要な理由がなければ、春まで待つほうが楽です。
よくある質問(FAQ)
Q. メダカは冬でも卵を産みますか。
A. 室内で条件をそろえれば産みます。産卵の条件は水温18℃超と明るい時間13時間で、冬はヒーターと照明で2つを取り戻します。私は副業でメダカを扱っているので、冬も26℃で加温して産卵させることがあります。
Q. ヒーターだけで産卵しますか。
A. 足りないことがあります。秋に産卵が止まるのは水温より先に日の長さが欠けるからで、冬の部屋の明かりだけでは明るい時間が13時間に届かないことが多い。照明をタイマーで毎日同じ時間つけます。
Q. 冬に産ませるなら、何度にすればいいですか。
A. 産卵の条件は18℃超です。私は26℃にしています。小さな容器なら、26℃に固定された小型のヒーターで足ります。設定より上がることがあるので、水温計を別に入れて見ます。
Q. いつから加温を始めればいいですか。
A. 私は時期は特に決めていませんが、狙い目は屋外の容器で産まなくなった頃です。親に秋の体力が残っていて、冬眠にも入っていません。冬眠に入った親を真冬に起こして一気に温めるのは避けます。
Q. 冬に加温して産ませるデメリットは。
A. ヒーターと照明を冬のあいだずっと使い、餌も水換えも夏と同じように続きます。親は休む季節がありません。ただ眺めて楽しみたいなら、冬は屋外で休ませて春に産ませるほうが楽です。
Q. 冬の採卵に、親は何匹いればいいですか。
A. 私はメス2匹とオス1匹を1組にして3組、合わせて9匹で採卵しています。この組み方で卵の数が安定しました。2組で始めたときは、採れる日と採れない日がはっきり分かれて安定しませんでした。
Q. 冬に生まれた稚魚は、どうすればいいですか。
A. 春まで室内で育てます。私もそうしています。1.5cmに届かない稚魚は屋外では冬を越せません。屋外に出すのは、春に屋外の水温が上がり、室内の水温と近くなってからです。
Q. 冬の産卵用の容器は、どれくらいの大きさが要りますか。
A. 親の数から決めます。1匹に2リットルが目安なので、メス2・オス1を3組の9匹なら20リットル前後です。ヒーターがその水量を温められる大きさにし、卵と針子は別の小さな容器で管理します。
Q. 冬に採った卵は、どう管理しますか。
A. 私は水道水にメチレンブルーを入れた水で管理しています。25℃前後に保てば10日ほどで孵ります。白く濁った卵は見つけたら抜きます。
Q. 加温した水槽では、冬も餌をやりますか。
A. やります。26℃に保っていれば夏と同じように食べます。私は1日1回、魚の目の大きさ×匹数を目安にしています。照明をつけてすぐではなく、少し時間をおいてから与えます。
Q. ヒーターを入れていないのに、冬に卵を産みました。
A. 暖房の部屋で照明を長くつけていると、条件がそろうことがあります。産ませたくないなら、産卵床を抜いて照明を夕方に消します。無加温の冬の部屋では、孵っても稚魚が育ちません。
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