夜、暖房を切って寝る部屋に、メダカの水槽がある。
昼間は暖房で20℃近くある部屋が、朝方には外と変わらないくらいまで冷える。ヒーターを入れていない水槽は、そのたびに上がって下がっているはずだ。これで冬を越せるのか。ヒーターを買ったほうがいいのか。
私は窓際に置いた60cmの水槽で、ヒーターなしでメダカに冬を越させたことがあります。落ちずに無事でした。室内でヒーターなしの冬越しはできます。ただ、怖いのは寒さそのものではありませんでした。
- 室内でヒーターなしでも、メダカは冬を越せる。私は窓際の60cm水槽で無事だった。
- 怖いのは寒さより1日のうちの温度の上がり下がり。
- 迷ったら暖房のない部屋。暖房の部屋は中途半端に揺れる。
- 容器は大きく。冬の途中で屋外と室内を行き来させない。
- 餌は屋外と同じ線。朝の水温で決める。
室内でヒーターなしでも冬は越せる|怖いのは寒さより昼夜の温度差
答えを先に書きます。メダカは、室内でヒーターなしでも冬を越せます。もともと日本の冬を屋外で越す魚で、氷の下でも春を待てます。室内は屋外より暖かいので、寒さそのものは問題になりにくい。
室内で気をつけるのは、1日のうちの温度の上がり下がりです。メダカにとって危ないのは、水温の高さや低さより、1日の変化。寒い日が続くことより、暖かくなったり冷えたりをくり返すことのほうが、体にこたえます。
屋外は、寒いなりに毎日だいたい同じ寒さです。室内は、人の暮らしに合わせて暖房がついたり消えたりします。部屋の空気が上がって下がれば、水も少し遅れて上がって下がる。室内の冬越しがときに屋外より難しいと言われるのは、このためです。
私の窓際の60cm水槽は、ヒーターなしで無事でした。そのうえで、室内でヒーターなしにするなら、置く部屋と水の量を先に決めておきます。
暖房のある部屋か、暖房のない部屋か
室内でヒーターなしにするとき、いちばん大きく分かれるのが、この選び方です。
暖房のない部屋・玄関・廊下は、寒いが一定。冬のあいだ水温は低いまま、昼と夜の差も小さい。メダカは屋外と同じように、底でじっとして冬を過ごします。
暖房のある部屋は、暖かいが揺れる。人がいる時間は暖かく、夜に暖房を切れば冷える。水温が中途半端に上がり下がりして、メダカは冬眠に入りきれません。冬にいちばんよくないのは、中途半端に暖かいこと。餌をやるかやらないかでも、ずっと迷うことになります。
私は暖房のある部屋に置いたこともあります。どちらの部屋でも、見るのは部屋の暖かさではなく、水温が1日でどれだけ動くかです。暖房のある部屋に置くなら、暖房の風が直接当たらない場所へ。床に近いほど温度は落ち着きます。
迷ったら、暖房のない側を選びます。寒いが揺れない場所のほうが、メダカにとっては楽です。

窓際は、冬に昼と夜で一番揺れる場所
私の水槽は窓際にありました。窓際は、冬の室内でいちばん温度が揺れやすい場所です。
昼は、ガラス越しの日差しで水が温まります。夜は、外の冷たさがガラスから伝わってきて、部屋の中でいちばん冷える。同じ部屋でも、窓から離れた壁際より、昼と夜の差が大きくなります。
窓際でも無事だった理由として考えられるのは、水の量です。60cmの水槽は、規格のものなら水が約57リットル入ります。水は温まりにくく冷めにくいので、量が多いほど、部屋の温度が揺れても水温はゆっくりしか動きません。
窓際にしか置けないなら、夜だけ厚手のカーテンを閉めて、水槽と窓のあいだに空気の層を作ります。日差しは昼のうちに入れて、冷えは夜に遮る。窓際の揺れは、それで小さくなります。

小さな容器は、室内でも冷えきる
水の量が温度の揺れを小さくする、ということは、逆も言えます。小さな容器は、室内でも揺れが大きい。
数リットルの小さな水槽や鉢は、部屋の温度がそのまま水に出ます。暖房の部屋なら昼に上がりすぎ、夜に冷えすぎる。冬支度でいちばん効くのは水量で、これは屋外でも室内でも同じです。
室内でヒーターなしにするなら、容器はできるだけ大きく。小さな容器で飼っているメダカは、冬の前に大きな水槽へまとめるほうが、揺れに強くなります。まとめるときは、1匹に2リットルを目安にします。
水の量は、家の断熱材と同じです。外がどれだけ揺れても、中までは届きにくい。容器を大きくすることが、ヒーターを入れる前にできる、いちばん安い保温です。
冬の途中で、屋外と室内を行き来させない
寒波の予報を見て、屋外のメダカを慌てて室内へ入れたくなることがあります。
私は冬の途中で、屋外と室内を行き来させたことはありません。移すと、屋外の冷たい水から室内の暖かい水へ、一度に水温が変わります。1日の変化が危ないメダカにとって、これはいちばん大きな変化です。
室内で冬を越させると決めるなら、決めるのは秋のうち。まだ水温が高く、メダカが餌を食べているあいだに移しておけば、冬に入るころには室内の水に慣れています。冬までに1.5cmに届かない稚魚を室内へ入れるのも、同じく秋のうちです。
いったん屋外で冬越しに入ったメダカは、そのまま屋外で越させます。屋外は、水量が多ければ氷が張っても越せます。
ヒーターを入れるか、入れないか
室内でヒーターなしにするか迷うのは、ヒーターを入れれば温度の揺れが消えるように思えるからです。
ヒーターを入れると、水温は一定に保たれます。ただ、メダカは冬眠せず、冬も食べて、動いて、水を汚します。餌も水換えも夏と同じように続ける冬になる。ヒーターを入れるなら、置き場所に合った大きさを選び、冬のあいだずっと面倒を見る前提です。
ヒーターを入れた水槽では、ヒーターのまわりだけ水が温まって、離れた場所が冷たいままになることがあります。水の流れが弱いと、温度がまだらになる。ヒーターが壊れて、温まらない、あるいは上がりすぎる、ということも起きます。ヒーターを入れれば何も考えなくていい、ではありません。
私も、冬にヒーターで加温することがあります。ただしそれは、冬に卵を採るためで、冬を越させるためではありません。ただ冬を越させたいだけなら、ヒーターは要りません。水の量と置く部屋で足ります。

室内ヒーターなしの冬の餌は、屋外と同じ線
ヒーターを入れない室内の水槽では、餌の線も屋外と同じです。
水温が15℃を下回ったら減らし、10℃を割る朝が続いたらやめる。室内は屋外より暖かいので、同じ冬でも、この線に届くのが遅く、届かないまま春になる部屋もあります。
そこで迷うのが、暖房のある部屋の水槽です。昼は15℃を超え、朝は10℃近くまで下がる。食べる日もあれば、食べない日もある。こういう水槽では、昼の様子ではなく、朝の水温で決めます。朝が10℃を割るなら、やめる側。
室内は、屋外より水温がゆっくり動くぶん、線をまたぐ日が長く続きます。水温計が無いと、その長い迷いを勘で決めることになります。
1日にどれだけ動いているか、測って決める
室内でヒーターなしにするかどうかは、部屋の印象ではなく、水温の数字で決めます。
見るのは1日の最低と最高の差です。メダカは1日のうちに5℃前後動くと、体がついていきません。朝いちばんと、夕方の暖房が効いている時間に1回ずつ測って、その差が5℃を超えるなら、置き場所か容器を変えます。
1回だけ測っても、揺れの幅は分かりません。暖房の使い方は曜日や天気で変わるので、少なくとも数日は続けて見ます。差が小さい日が続いていれば、その部屋はヒーターなしで越せる部屋です。
差が大きかったら、まず水槽を窓や暖房から離し、それでも大きければ容器を大きくします。ヒーターを考えるのは、その2つをやってからです。
室内の冬、水換えはどうするか
ヒーターを入れない室内の水槽は、冬のあいだ餌をほとんど食べず、水もあまり汚れません。冬の水換えは原則しない、という屋外の線がそのまま使えます。
室内で気をつけるのは、減った水を足すときです。部屋は乾燥していて、屋外より水が減る日もあります。足すときは、水道水を汲んでしばらく置き、水槽の水と同じくらいの温度にしてから、カルキを抜いて静かに入れます。冬は2℃違うだけでも、メダカには大きな変化です。
暖房のある部屋で、昼に食べる日が続いている水槽は、そのぶん水も汚れます。室内で冬も食べ続ける水槽は、夏と同じ間隔で、2週に1回、3分の1を温度を合わせた水で換えます。食べる量に合わせて、水の世話も決まります。
春に外へ出すか、室内のままか
室内で冬を越したメダカを、春に外の容器へ出したくなることがあります。
出すなら、室内の水温と屋外の水温が近くなってからです。春先の屋外は、昼に暖かくても朝はまだ冷えます。メダカが落ちるのは、冬より春先で、そこに引っ越しの変化を重ねないほうがいい。
私は冬の途中で屋外と室内を行き来させたことはありませんが、移すなら水温がそろう時期を選ぶ、という考え方は春も秋も同じです。室内のままで調子がいいなら、無理に出す理由はありません。
どこで見切るか|室内でヒーターなしにする線
線を決めておきます。
室内でヒーターなしの冬越しはできる。私は窓際の60cm水槽で、ヒーターなしで無事だった。
見るのは部屋の暖かさではなく、水温が1日でどれだけ動くか。迷ったら、暖房のない部屋。
容器は大きく。小さな容器は室内でも冷えきる。まとめるなら1匹2リットル。
冬の途中で屋外と室内を行き来させない。室内にするなら、秋のうちに移す。
餌は屋外と同じ線。朝の水温で決める。
最後にひとつ。室内のヒーターなしで一番知りたいのは「この部屋で、水温が1日にどれだけ動いているか」です。朝と夕方の水温を何日か続けて見れば、それが分かります。分かれば、置き場所を変えるか、容器を大きくするか、そのままでいいかが決まります。
1日にどれだけ動いたかは、最低・最高を記録する水温計なら1日で分かります。朝に見に行かなくても、夜にどこまで下がったかが残ります。
まとめ
メダカは、室内でヒーターなしでも冬を越せます。私は窓際に置いた60cmの水槽で、ヒーターなしで冬を越させて無事でした。
室内で怖いのは、寒さそのものより、1日のうちの温度の上がり下がりです。迷ったら暖房のない部屋に置き、容器は大きく。窓際なら、夜は厚手のカーテンで冷えを遮ります。
冬の途中で屋外と室内を行き来させないこと。室内にするなら秋のうちに移します。餌は屋外と同じ線で、朝の水温で決めます。
ただ冬を越させたいだけなら、ヒーターは要りません。水の量と置く部屋で足ります。
よくある質問(FAQ)
Q. メダカは室内でヒーターなしでも冬を越せますか。
A. 越せます。もともと屋外で冬を越す魚で、室内は屋外より暖かいので寒さそのものは問題になりにくい。私は窓際の60cm水槽で、ヒーターなしで冬を越させて無事でした。気をつけるのは、1日のうちの温度の上がり下がりです。
Q. 暖房のある部屋と、暖房のない部屋はどちらがいいですか。
A. 迷ったら暖房のない部屋・玄関・廊下です。寒いが1日の揺れが小さい。暖房のある部屋は暖かいが揺れ、水温が中途半端に上がり下がりして冬眠に入りきれません。暖房の部屋に置くなら、風が直接当たらない床に近い場所へ。
Q. 窓際に置いても大丈夫ですか。
A. 私の水槽は窓際で無事でしたが、窓際は昼は日差しで温まり、夜はガラスから冷える、冬に一番揺れる場所です。水の量が多い水槽にし、夜は厚手のカーテンで窓とのあいだに空気の層を作ります。
Q. 小さな水槽でもヒーターなしで大丈夫ですか。
A. 小さな容器は室内でも部屋の温度がそのまま水に出て、揺れが大きくなります。冬の前に大きな水槽へまとめるほうが安心です。まとめるときは1匹に2リットルを目安にします。
Q. 寒波が来るので、屋外のメダカを室内に入れてもいいですか。
A. 冬の途中の移動はすすめません。屋外の冷たい水から室内の暖かい水へ一度に水温が変わります。私も冬の途中で屋外と室内を行き来させたことはありません。室内にするなら秋のうちに移し、屋外で冬越しに入ったメダカはそのまま屋外で越させます。
Q. 室内ならヒーターを入れたほうがいいですか。
A. ただ冬を越させたいだけなら要りません。ヒーターを入れるとメダカは冬眠せず、冬も餌と水換えが続きます。ヒーターのまわりだけ温まる、壊れて温まらない・上がりすぎる、ということもあります。私が冬にヒーターを使うのは卵を採るときだけです。
Q. 室内ヒーターなしの水槽に、冬も餌をやっていいですか。
A. 屋外と同じ線です。水温が15℃を下回ったら減らし、10℃を割る朝が続いたらやめます。暖房のある部屋で昼と朝の水温が違うときは、朝の水温で決めます。
Q. 室内でもメダカは冬眠しますか。
A. 暖房のない部屋で水温が10℃前後まで下がれば、屋外と同じように底でじっとして冬を過ごします。暖房のある部屋では水温が中途半端で、冬眠に入りきれないことがあります。
次に見るのは、ここ
何度まで耐えられるかはメダカの水温は何度まで大丈夫?へ。暖房の部屋で冬眠しないのが心配ならメダカを冬眠させないとどうなる?へ。室内の冬の餌をいつやめるかはメダカの冬の餌|水温計で決めるへ。屋外で越させるならメダカの冬支度|10月にやる5つへ。室内の水槽をそろえるところからメダカの室内飼育に必要なものへ。

