夏は週に1回、メダカの水を換えていた。涼しくなって、この間隔でいいのか分からなくなった。減らすのか、やめるのか、冬の前に一度きれいにするのか。
調べると「秋の全換水は危ない」までは、どこも同じです。ただ、最後の1回をいつにするのか、どの水で換えるのか、割水という手順は要るのか、そこで割れています。
この記事は、秋の水換えを4つに絞ります。いつ最後か、どれだけか、どの水か、何をしないか。
- 秋の水換えは、9月は2週に1回、10月は月末の1回。15℃を割る前に終える。それが冬前の最後。
- 量は3分の1まで。全換水はしない。細菌ごと捨てて、秋は戻りが遅い。
- 割水は要らない。抜いて、足す。容器を増やさない。
- 水はカルキを抜いた水道水を、温度を合わせて、昼に、底から。
- 底砂・フィルター・リセットは秋にやらない。迷ったら、換えない。

メダカの秋の水換えは、10月末の1回で終わり|量は3分の1
答えを先に書きます。秋の水換えは、朝の水温が15℃を割る前に、3分の1を1回。関西の平地なら10月の終わり。それが冬前の最後です。
理由は、水温です。15℃を割ると餌が1日1回になり、10℃を割ると食べなくなる。食べなければ、水は汚れません。汚れない水を換える理由は無く、換えるほうが水温を動かして危ない。冬の水換えを原則しないのは、そのためです。
9月は、まだ食べています。夏と同じ間隔でなくていいが、やめるのも早い。9月は2週に1回、3分の1。10月に入ったら、月末の1回だけ。そこで終わり。
「冬の前にきれいにしておきたい」という気持ちで全量を換える人がいます。それが一番、秋に落とす水換えです。次の章で。

全換水をしないのは、なぜか|細菌と、水温と、戻りの遅さ
秋の全換水が危ない理由は3つあります。夏より秋のほうが、3つとも重くなる。
細菌ごと捨てる。水をきれいにしている細菌は、水と底に住んでいます。全量を換えると、それを捨てて、真水から始めることになる。夏なら細菌の戻りが早いが、秋は水温が低いので、戻りが遅い。戻るまでのあいだ、アンモニアが溜まる。
水温が動く。秋は朝晩の水温差がもともと大きい季節です。秋にメダカが落ちる原因のひとつが、この水温差。そこに水換えでもう一段の変化を足すと、魚の側が持たない。3分の1なら、混ざったときの温度差は小さく済みます。
戻りが遅い。夏なら、水換えで崩れてもグリーンウォーターも細菌も数日で戻る。秋は、その数日が数週間になる。崩れたまま冬に入ると、春まで戻りません。
秋の全換水は、冬の前に家の壁を全部塗り直すのと同じで、乾く前に寒くなります。塗るなら夏、秋は補修まで。
割水は要るか、要らないか|手順が増えるほど、変化も増える
秋の水換えで「割水」という方法を見かけます。今の飼育水を別の容器に分けて、新しい水と混ぜてから戻す、という手順です。
要りません。3分の1の水換えなら、飼育水が3分の2残っているので、その場で混ざります。わざわざ別の容器に分けて混ぜるのは、全量に近い水換えをするときに、急変を避けるための工夫です。全量に近い水換えを秋にしないなら、割水も要らない。
私は割水をやったことがありません。だから効くとも効かないとも言えませんが、手順が増えれば、メダカを移す回数も、水温が動く回数も増える。秋にやりたいのは逆で、手順を減らすことです。
やるなら、抜いて、足す。それだけ。容器を1つ増やさない。

どの水で換えるか|カルキを抜いた水道水。私のところでは3種類
換える水は、カルキを抜いた水道水で足ります。日本の水道水は、もともとメダカに合う硬度です。ミネラル剤も添加剤も要りません。
カルキ抜きは、メダカ用の粘膜保護つきのもので足ります。3分の1の換水なら、1本で秋を越えます。
私のところでは、カルキ抜きを使う日も、水道水をそのまま使う日も、川の水を使う日もあります。それでも、この記事では「抜く」側で書きます。抜いて損することは無く、抜かずに損することはあるからです。換える量が3分の1以下なら、忘れても薄まりますが、忘れない前提で。
もうひとつ、水温。秋は水道水が飼育水より冷たいことが多い。汲んで数時間置くか、バケツを日なたに置いて、飼育水と同じくらいにしてから入れる。水換えで弱る原因の大半は、カルキか水温差です。
汲んだ水と飼育水の差を見るなら、浮かべる水温計を両方に。差が2℃以内になってから入れます。
雨水を溜めて使う人もいますが、秋の雨は冷たい。溜めた水も冷たい。使うなら、日なたで温度を合わせてから。

やるのは昼、抜くのは底から
秋の水換えは、やる時間と抜き方で、結果が変わります。
昼にやる。朝は水温が一番低く、夕方から下がりはじめる。昼の暖かい時間なら、新しい水との温度差が小さく、換えたあとに水温が上がる側に動く。夕方に換えて、そのまま夜の冷え込みに入るのが、一番悪い。
抜くのは底から。秋は落ち葉と食べ残しが底に溜まります。上の水を抜いても、汚れは残る。ホースかスポイトで、底の沈殿を吸いながら3分の1。抜くのは水ではなく底の汚れ、というのは季節を問いません。
底の沈殿を吸いながら3分の1抜くなら、プロホース。上の水だけ抜く水換えより、同じ量で汚れが減ります。
足すのは、ふちに沿わせて静かに。魚に直接かけない。底の汚れを舞い上げない。
終わったら、その日は餌をやらない。翌日、普通に寄ってくれば問題ありません。
足し水か、水換えか|秋は足し水が主役になる
秋に減った水位を見て、「水換えの時期か」と思う。それは足し水で足りることが多い。
水換えは、汚れを抜いて新しい水を入れること。足し水は、減った分を足すだけ。秋は餌が減って汚れが遅いので、抜く理由が減り、足す理由(蒸発と、冬支度で水位を上げること)が増える。足し水だけで飼う考え方は別の記事に書きましたが、秋はその考え方に一番近い季節です。
足し水にも、水温は要ります。減った分を冷たい水道水でいきなり足すと、それだけで水温が動く。バケツに汲んで日なたに置き、飼育水と同じくらいにしてから、ふちに沿わせて。
10月に入ったら、水換えは月末の1回、それ以外は足し水だけ。水位を高めに保つことが、冬支度の一番効く手当て(水量)にもなります。
緑の水は、薄めるか、そのままか|秋は薄めすぎない
夏に濃くなったグリーンウォーターを、秋にどうするか。
グリーンウォーターは針子の餌で、成魚には要りません。ただ、要らないからといって秋に一気に透明にすると、水が急に変わる。緑の水も、水の一部です。
秋は、3分の1の水換えで自然に薄まる分だけで足ります。中が見えないほど濃いなら、2週に1回の3分の1を9月のうちに2回。それで見える程度になります。透明にする必要はありません。
薄まる分は薄まり、残る分は残る。それで冬に入って構いません。
稚魚の容器は、秋も足し水だけ
成魚の容器と稚魚の容器を分けている人は、稚魚の側を別に考えます。
針子のあいだは、季節に関係なく足し水だけ。秋に1cmを超えていて、泳ぎがしっかりしているなら、成魚と同じ3分の1を1回。まだ小さいなら、秋も冬も足し水だけで通します。
稚魚の容器は小さいことが多く、小さい容器ほど水換えで水温が動きます。冬までに1.5cmに届かない稚魚を室内に入れるなら、その移動が秋の最後の「水の変化」です。水換えと移動を同じ週にしない。
秋の稚魚に一番効くのは、水を換えることではなく、餌を切らさないこと。成魚は減らす、稚魚は切らさない。逆です。
室内の水槽は、屋外と別|秋の切り替えは要らない
ここまでは屋外の話です。室内の水槽は、秋に切り替える理由がほとんどありません。
室内は、部屋の温度が外気ほど動かない。水温も秋に10℃まで下がらないので、メダカは冬も食べ続け、水も汚れ続けます。だから室内は、夏と同じ間隔のまま。2週に1回、3分の1。冬も同じです。
室内で秋に気をつけるのは、水道水の温度だけ。蛇口の水が飼育水より冷たくなるので、汲み置きしてから入れる。それだけで、秋の室内に特別な手順はありません。
屋外と室内を両方持っている人は、屋外だけ秋の型に切り替えて、室内は変えない。両方を同じ間隔にしようとすると、どちらかが合いません。
換えたあとに落ちたら|秋の見分けは3つ
秋の水換えのあとにメダカが落ちたら、原因は3つのどれかです。夏より秋のほうが、3つとも起きやすい。
水温差。朝や夕方に換えた、水道水を冷たいまま入れた。翌朝に落ちるなら、まずこれ。次からは昼に、温度を合わせて。
カルキ。抜き忘れた、量が多かった。換えた日のうちに落ちるなら、これ。気づいた時点で薬剤を直接入れる。
量。3分の1を超えて換えた。数日たってから落ちるなら、細菌が減ってアンモニアが溜まった側。足し水で薄めて、餌を止めて、細菌が戻るのを待つ。
3つとも、次の水換えで防げます。秋に落ちたなら、その秋はもう換えない。10月末の1回も飛ばして、足し水だけで冬へ。
やらなくていいこと|底砂の掃除、フィルターの掃除、容器のリセット
秋の水換えで、一緒にやりたくなることを3つ、やめておきます。
底砂を洗う。細菌の住む場所です。秋に洗うと、戻る前に冬が来る。底砂は、春まで触らない。
フィルターを洗う。水換えと同じ日にフィルターを洗うと、細菌を二重に減らします。洗うなら別の日、それも秋のうちに1回まで。
容器を移し替えてリセットする。これは全換水と同じことです。冬支度でやるのは、水量を増やすこと。水を捨てることではない。移すなら、今の水ごと移す。
秋の水換えで守るのは水ではなく、水の中の細菌です。細菌を残す水換えなら、量は3分の1で足ります。
どこで見切るか|終わりの判断
線を決めておきます。
私の設備では、秋に次々と落としたことはありません。水は日によってカルキ抜き・水道水・川の水を使い分けていますが、この記事の線は「抜く・3分の1・昼」で書いています。
9月は2週に1回、3分の1。10月は月末の1回。それで冬前は終わり。
全換水と割水は、しない。抜いて、足す。容器を増やさない。
水はカルキを抜いた水道水。温度を合わせて、昼に、底から。
底砂・フィルター・リセットは、秋にやらない。細菌を残す。
迷ったら、換えない。秋に換えなくて起きる失敗より、換えて起きる失敗のほうが多い。
最後にひとつ。秋の水換えで一番大事なのは、量でも水でもなく「やめる日を決めておくこと」です。決めていないと、寒くなってから「まだ換えていない」と焦って、11月に全量を換えることになる。10月末の1回、と先に決めておけば、それで終われます。
まとめ
メダカの秋の水換えは、9月は2週に1回、10月は月末の1回で冬前は終わりです。朝の水温が15℃を割る前に終えます。
量は3分の1まで。全換水と割水はしません。細菌ごと捨てることになり、秋は戻りが遅く、朝晩の水温差に変化を足すからです。
水はカルキを抜いた水道水を、温度を合わせて、昼に、底から。私のところでは3種類の水を使っていますが、抜く側で書いています。底砂・フィルター・リセットは秋にやりません。
迷ったら、換えない。秋に換えなくて起きる失敗より、換えて起きる失敗のほうが多い。
最後にひとつ。秋の水換えで一番大事なのは、量でも水でもなく「やめる日を決めておくこと」です。決めていないと、寒くなってから「まだ換えていない」と焦って、11月に全量を換えることになる。10月末の1回、と先に決めておけば、それで終われます。
よくある質問(FAQ)
Q. メダカの秋の水換えは、いつまでやりますか。
A. 朝の水温が15℃を割る前、関西の平地なら10月の終わりの1回が最後です。9月は2週に1回、3分の1。10月は月末に1回。冬に入ったら原則しません。
Q. 秋に一度に全部換えてもいいですか。
A. いけません。細菌ごと捨てることになり、秋は水温が低いので戻りが遅い。朝晩の水温差にもう一段の変化を足すことにもなります。3分の1までです。
Q. 割水は必要ですか。
A. 要りません。3分の1の水換えなら、その場で飼育水と混ざります。割水は全量に近い水換えのための工夫で、秋にそれをしないなら不要です。私は割水をやったことがありません。
Q. どの水で換えればいいですか。
A. カルキを抜いた水道水で足ります。私のところではカルキ抜き・水道水そのまま・川の水を日によって使っていますが、この記事では抜く側で書いています。温度を飼育水に合わせてから入れます。
Q. 水換えは朝と夕方どちらがいいですか。
A. 昼です。朝は水温が一番低く、夕方は夜の冷え込みに入ります。昼の暖かい時間なら温度差が小さく、換えたあと水温が上がる側に動きます。
Q. グリーンウォーターは秋に透明にしたほうがいいですか。
A. しなくていい。3分の1の水換えで薄まる分だけで足ります。一気に透明にすると水が急に変わります。
Q. 冬の前に底砂やフィルターを掃除したほうがいいですか。
A. 秋にはやりません。細菌の住む場所なので、秋に洗うと戻る前に冬が来ます。底砂は春まで触らず、フィルターは洗うなら水換えと別の日に、秋のうちに1回まで。
Q. 水換えのあとメダカが弱りました。
A. 急変です。カルキか水温差のどちらかがほとんど。次からは抜いた水と同じ温度の水を、3分の1まで。当日は餌をやりません。
Q. 足し水は水道水そのままでいいですか。
A. カルキを抜いて、温度を合わせてから。量が少なくても、冷たい水をいきなり足すと水温が動きます。バケツに汲んで日なたに置いてから、ふちに沿わせて。
Q. 11月になってしまいました。まだ換えていません。
A. 朝の水温が15℃を割っていれば、もう換えません。足し水で水位を上げるだけにして、冬に入ります。換えていないことより、寒くなってから換えることのほうが危ない。
Q. 水換えをしないと水が悪くなりませんか。
A. 秋は餌が減り、冬は食べないので、汚れる速さが夏と違います。10月末の1回で冬前は足ります。減った分は足し水で。
次に見るのは、ここ
10月末の1回が済んだらメダカの冬の水換え|原則しないへ。水換え以外の冬支度はメダカの冬支度|10月にやる5つへ。秋に入って落ちはじめているならメダカが秋に死ぬ|原因は4つへ。換えたあとに弱ったなら水換え後に弱る5つの理由へ。カルキを抜かずに入れてしまったならカルキ抜きを忘れたへ。

