スイスチャードのスポンジだけ、芽が出てこない。
同じ日にリーフレタスもまいた。レタスはもう双葉がそろっている。スイスチャードは、出たものと出ないものがばらばらで、出たと思ったら1つのスポンジから2本も3本も芽が伸びている。まき方を間違えたのか、種が古かったのか。
私のところでも、この秋冬にアクアポニックス・水耕栽培で育てているのはリーフレタスとスイスチャードで、スイスチャードは発芽率があまりよくありません。ただ、それはまき方のせいではありませんでした。理由は、種の形にあります。
- スイスチャードの種は、3粒ほどがひと塊。殻が硬く、発芽がそろわないのはそのため。
- まく前の晩に水に浸けておく。1つのスポンジに塊は1つ。
- 芽が2本、3本出たら、本葉のころに1本を残して根元で切る。
- 隣が芽を出して数日たっても割れない塊は、まき直す。
- 冬は加温なしだと遅く育つが、止まりはしない。外葉から穫ってつなぐ。

- スイスチャードの発芽がそろわないのは、種が3粒でひと塊だから
- まく前に一晩、水に浸けておく
- 発芽の温度は25℃前後|秋が深まるほど遅くなる
- 発芽に光は要るか、要らないか|スイスチャードは暗くても芽を出す
- 1つのスポンジから芽が2本、3本出たら、1本に切る
- 芽が出たら、いつ栽培槽へ移すか
- 葉の色が薄いときは、先に間引き、それから養分
- まき直すか、待つか|出ない塊をいつ見切るか
- 冬は、加温なしだと遅く育つ|止まりはしない
- アクアポニックスにスイスチャードが向いている理由
- スイスチャードか、リーフレタスか|冬に育てるならどちら
- どこで見切るか|スイスチャードの発芽で決めておく線
- まとめ
- よくある質問(FAQ)
- 次に見るのは、ここ
スイスチャードの発芽がそろわないのは、種が3粒でひと塊だから
答えを先に書きます。スイスチャードの「種」は、1粒の種ではありません。硬い殻の中に、種が3粒ほどまとまって入った塊です。
そのため、ふつうの種より水を吸うのに時間がかかります。殻が水を通すまで、中の種は目を覚ましません。同じ日にまいても、殻がすぐ水を吸った塊と、なかなか吸わない塊とで、芽の出る日がずれます。これが「そろわない」の正体です。
そして、1つの塊に種が複数入っているので、うまく水を吸った塊からは2本、3本と芽が出ます。出ない塊と、出すぎる塊。両方が起きるのは、同じ理由からです。
リーフレタスの種は、小さな1粒です。水を吸えばすぐに割れる。同じ日にまいて差がつくのは、種の作りがまったく違うからで、どちらかのまき方が悪いわけではありません。

まく前に一晩、水に浸けておく
殻が水を吸うのに時間がかかるなら、まく前に吸わせておけばいい。スイスチャードの種は、まく前の晩から水に浸けておきます。
コップに水道水を入れて、種を沈めておくだけです。翌朝、スポンジの切れ目に1つずつ押し込みます。浸けるのは一晩で足ります。何日も浸けっぱなしにすると、今度は中の種が水の中で息苦しくなります。
スイスチャードの種は、茎が赤・黄・白に色づく品種を選ぶと、冬の栽培槽が明るくなります。
スポンジの水位は、ほかの種と同じで半分です。スポンジの種まきは、水位が半分。上半分が空気に触れていないと、種が腐ります。スイスチャードは芽が出るまでが長いぶん、ここで腐らせやすい。
硬い殻を持つ種に一晩の水を吸わせるのは、乾物のしいたけを戻すのと同じで、先に水を入れておくほど、あとの仕事が早く進みます。
発芽の温度は25℃前後|秋が深まるほど遅くなる
スイスチャードは、9℃から35℃くらいまでのあいだで発芽しますが、いちばんよく芽が出るのは25℃前後です。
秋のはじめにまくと、まだ水温が高く、殻さえ水を吸えば芽は出ます。秋が深まって水が冷えてくると、同じ種でも芽が出るまでの日数が延びます。発芽がそろわないうえに、全体が遅くなる。
だから、スイスチャードを秋にまくなら、早めに。遅くなってからまくなら、発芽のあいだだけ室内の暖かい場所に置いて、芽が出てから栽培槽へ移すほうが揃います。秋にまく締切は、冬に届くかで決まります。
発芽に光は要るか、要らないか|スイスチャードは暗くても芽を出す
「スイスチャード 発芽 光」と調べる人は多いと思います。レタスのように、光が当たらないと芽が出ない種があるからです。
スイスチャードは、光が無くても芽を出す側の種です。土にまくときは、種の2〜3倍の厚さの土をかぶせるのがふつうで、暗い土の中で芽を出します。スポンジにまくときも、光を当てる必要はありません。
要るのは光より、水と温度です。殻が水を吸い、25℃前後の暖かさがあれば芽は出ます。暗い場所で発芽させても構いませんが、芽が出たらすぐに光の当たる場所へ移します。芽が出たあとも暗いままだと、光を探して茎だけがひょろひょろ伸びます。
リーフレタスと一緒に発芽させるなら、光の当たる窓辺にまとめて置けば、レタスは光で、スイスチャードは暖かさで、両方の条件がそろいます。
1つのスポンジから芽が2本、3本出たら、1本に切る
うまく芽が出た塊からは、2本、3本と芽が並んで伸びてきます。そのまま育てると、1つの穴で株どうしが光と根の場所を取り合って、どれも細くなります。
本葉が出てきたころに、いちばん元気な1本を残して、ほかは根元で切ります。抜くと、残したい株の根まで一緒に引っぱり出します。間引きは、抜かずに切る。
切った芽は捨てなくていい。スイスチャードの若い芽は、そのままサラダに入れて食べられます。
発芽率が悪いからといって、1つのスポンジに塊を2つも3つも押し込むのは、やめておきます。出るときは全部出て、あとで切る手間が増えるだけです。1つのスポンジに塊は1つ。出なかったスポンジだけ、まき直します。
芽が出たら、いつ栽培槽へ移すか
スポンジで芽が出て、1本に切りそろえたら、次は栽培槽への引っ越しです。
移すのは、日数ではなく、根が出たかで決めます。スポンジの底から白い根が見えて、本葉が1〜2枚になったころ。スイスチャードは発芽がそろわないぶん、移す日も株ごとにずれます。そろうのを待たず、根が出た株から1つずつ移せば十分です。
移した直後の数日は、根が新しい水になじむ期間です。この間に葉が少ししおれても、根が伸びはじめれば戻ります。パネルの穴に差すときは、スポンジと穴の大きさを合わせて、すき間から光が水に入らないようにしておきます。
葉の色が薄いときは、先に間引き、それから養分
スイスチャードの葉がなかなか濃くならない、黄色っぽい、ということもあります。
先に疑うのは、株の数です。1つの穴に芽が何本も残っていたり、株と株の間隔が狭かったりすると、どの株も光と養分を取り合って、葉の色が薄くなります。色が薄いなら、まず間引き、それから鉄という順番は、スイスチャードでも同じです。
間引いても新しい葉だけが黄色く、葉脈が緑に残るなら、鉄が足りていないことを疑います。アクアポニックスの養分は魚の餌から来るので、冬に魚が食べなくなると、野菜に回る養分も減ります。冬の葉の色が薄いのは、半分は季節のせいです。
まき直すか、待つか|出ない塊をいつ見切るか
同じ日にまいた塊のうち、ほかがそろって芽を出したのに、いつまでも割れてこないものがあります。
見切るのは、隣の塊が芽を出してから、さらに数日待っても変化が無いとき。殻の色が変わらず、スポンジの上で乾いたままなら、水を吸えていません。そのスポンジは種ごと取り替えて、まき直します。
待ちすぎないほうがいい理由は、季節です。秋は日ごとに水が冷えていきます。1週間待つあいだに、まき直した種の発芽も遅くなる。迷ったら、まき直すほうを選びます。種は1袋に多めに入っています。

冬は、加温なしだと遅く育つ|止まりはしない
私のところには加温の設備がありません。冬のあいだ、スイスチャードもリーフレタスも、成長は遅くなります。
水温が下がると、根が養分を吸う速さも、葉を広げる速さも落ちます。そのうえアクアポニックスでは、水温が下がると魚が餌を食べなくなり、野菜の養分の元になる魚のフンも減ります。冬に育ちが遅くなるのは、野菜と魚の両方が休みに入るからです。冬に止まる理由は、屋外と室内で違います。
それでも、スイスチャードとリーフレタスは冬のあいだも少しずつ葉を増やします。夏野菜は、冬には育ちません。トマトやきゅうりのような実ものは、冬のあいだは無理です。秋から冬に植えるなら、葉物を選びます。
冬は、たくさん穫るより、少しずつ穫ってつなぐ季節です。外葉から穫れば、1株から何度でも穫れます。株を丸ごと抜かなければ、春に水温が戻ったとき、また勢いよく葉を出します。
アクアポニックスにスイスチャードが向いている理由
アクアポニックスの野菜の養分は、魚の餌から出たものです。量は多くなく、カリウムのように、魚の餌にごく少ししか入っていない養分もあります。
葉物は、実ものほど養分を欲しがりません。実をつける作物は、花と実のために多くの養分と光を使います。葉物は、葉を広げる分で足ります。アクアポニックスで葉物から始めるのをすすめるのは、このためです。
スイスチャードはそのうえ、一度根づけば、外葉を穫りながら長く続きます。何度もまき直す必要がないので、発芽の最初の手間を払う価値がある。発芽さえ越えてしまえば、手のかからない葉物です。

スイスチャードか、リーフレタスか|冬に育てるならどちら
秋冬のアクアポニックスで葉物を選ぶなら、私はこの2つを並べています。
リーフレタスは、発芽がそろって早い。小さな1粒の種で、水を吸えばすぐ芽を出します。そのかわり、暑さに弱く、春先に水温が上がるととう立ちしやすい。
スイスチャードは、発芽は手がかかるが、育ってからが強い。葉が厚く、寒さにも暑さにも比較的強い。一度根づけば、外葉を穫りながら長く続きます。茎の色が赤や黄色の品種もあり、栽培槽が明るく見えます。
どちらか1つなら、はじめての人はリーフレタス。発芽で迷わずに済みます。慣れてきたら、発芽の手間を覚悟してスイスチャードを足す。2つ並べると、どちらかが止まっても、もう片方が穫れます。
どこで見切るか|スイスチャードの発芽で決めておく線
線を決めておきます。
まく前の晩に、水に浸けておく。一晩で足りる。浸けっぱなしにしない。
1つのスポンジに、塊は1つ。芽が2本、3本出たら、本葉のころに1本を残して根元で切る。
隣が芽を出してから数日たっても割れない塊は、まき直す。秋は待つほど水が冷える。
冬は加温なしなら遅く育つ。止まりはしない。外葉から少しずつ穫ってつなぐ。
迷ったら、まき直す。スイスチャードの発芽で一番もったいないのは、出ない塊を待ちつづけて、秋の暖かい日を使い切ることです。
まとめ
スイスチャードの発芽がそろわないのは、種が1粒ではなく、硬い殻の中に3粒ほどがまとまった塊だからです。私のところでも、発芽率はあまりよくありません。
まく前の晩に水に浸けておき、1つのスポンジに塊は1つ。芽が2本、3本出たら、本葉のころに1本を残して根元で切ります。隣が芽を出して数日たっても割れない塊は、まき直します。
冬は、加温なしだと遅く育ちます。止まりはしないので、外葉から少しずつ穫ってつなぎます。夏野菜は冬には育たないので、秋冬はリーフレタスとスイスチャードのような葉物を選びます。
よくある質問(FAQ)
Q. スイスチャードの発芽率が悪いのはなぜですか。
A. 種が1粒ではなく、硬い殻の中に3粒ほどがまとまった塊だからです。殻が水を吸うのに時間がかかり、吸った塊と吸わない塊で芽の出る日がずれます。私のところでも発芽率はあまりよくありません。
Q. スイスチャードの種は、水に浸けてからまいたほうがいいですか。
A. はい。まく前の晩から水道水に浸けておくと、殻が水を吸って発芽がそろいやすくなります。一晩で足ります。浸けっぱなしにはしません。
Q. 1つのスポンジから芽が2本も3本も出てきました。
A. 1つの塊に種が複数入っているので、よく起きます。本葉が出てきたころに、いちばん元気な1本を残して、ほかは根元で切ります。抜くと残したい株の根も引っぱります。
Q. スイスチャードの発芽温度は何度ですか。
A. 9℃から35℃くらいで発芽し、25℃前後がいちばんよく芽が出ます。秋が深まって水が冷えると、芽が出るまでの日数が延びます。
Q. 芽が出ない塊は、いつまで待てばいいですか。
A. 同じ日にまいた隣の塊が芽を出してから、さらに数日待っても変化が無ければ、スポンジごとまき直します。秋は待つほど水が冷えるので、迷ったらまき直すほうを選びます。
Q. スイスチャードは冬でも育ちますか。
A. 育ちますが遅くなります。私のところは加温の設備が無いので、冬のスイスチャードとリーフレタスの成長は遅めです。止まりはしないので、外葉から少しずつ穫ってつなぎます。
Q. アクアポニックスで冬に育てられる野菜は何ですか。
A. リーフレタスやスイスチャードのような葉物です。トマトやきゅうりのような夏野菜は冬には育ちません。私はこの秋冬、リーフレタスとスイスチャードを育てています。
Q. スイスチャードの発芽に光は要りますか。
A. 要りません。土にまくときは種の2〜3倍の厚さの土をかぶせる種で、暗くても芽を出します。要るのは水と25℃前後の暖かさです。芽が出たら、すぐに光の当たる場所へ移します。
Q. スイスチャードの苗は、いつ栽培槽に移せばいいですか。
A. スポンジの底から白い根が見えて、本葉が1〜2枚になったころです。発芽がそろわないので、そろうのを待たず、根が出た株から1つずつ移せば十分です。
Q. スイスチャードの茎の色は、品種で違いますか。
A. 違います。赤・黄・白の茎の品種があり、色の混ざった種も売られています。育て方は同じで、色が違っても発芽の手間は変わりません。冬の栽培槽が明るく見えるのは、色のついた茎の品種です。
Q. スイスチャードとリーフレタス、はじめてならどちらがいいですか。
A. はじめてならリーフレタスです。小さな1粒の種で、発芽がそろって早い。慣れてきたら、発芽に手間のかかるスイスチャードを足すと、どちらかが止まってももう片方が穫れます。
次に見るのは、ここ
スポンジのまき方そのものはスポンジで種まき|水位は半分へ。芽が何本も出てしまったら水耕栽培の間引き|抜かずに切るへ。冬に育ちが止まる理由はアクアポニックス・水耕栽培の冬へ。冬に少しずつ穫る穫り方はアクアポニックスの収穫|外葉からへ。育った苗を差す板は水耕パネル|自作か、既製品かへ。
