今夜は氷点下。メダカの発泡スチロールの蓋を、閉めるか開けておくか。
閉めれば暖かそうだが、酸欠にならないか。真っ暗でかわいそうではないか。日に当てなくていいのか。蓋を手に持ったまま、決められない。
私の冬越しの発泡スチロールは、蓋を開けっ放しです。直射日光の当たらない裏庭に置いていて、それでも張るのは薄い氷だけ。落ちたことも、特にありません。この記事は、閉めなくていい理由と、閉めたほうがいい2つの場合を書きます。
- 発泡スチロールの蓋は、関西くらいの冬なら開けっ放しでいい。私は日陰の裏庭で、開けっ放しで薄氷だった。
- 冬に強いのは、壁と底が断熱して、冷える面が水面だけになるから。
- 閉めるのは2つの場合だけ。底まで凍りそうな寒さと、雪や落ち葉が入る場所。
- 閉めるなら密閉しない。すき間か空気穴。寒い朝に開け閉めしない。
- 容器はまず水量、次に素材。迷ったら、蓋は開けておく。
発泡スチロールの蓋は、閉めなくていい|私は開けっ放しで薄氷だった
答えを先に書きます。発泡スチロールでメダカを冬越しさせるなら、蓋は開けっ放しで構いません。
私が使っているのは、熱帯魚の通販(チャーム)から生体や用品が届いたときの発泡スチロールの箱です。大きさは測っていません。それを裏庭の、直射日光の当たらない場所に置いて、冬も蓋はしていません。
それで張るのは、薄い氷だけです。冬のあいだに落ちた、ということも特に覚えがありません。
私の設備では、同じ冬、同じ場所で、小さな睡蓮鉢は厚く凍りました。大きな容器(NVボックス#22)は薄氷で済みました。発泡スチロールの箱も、張るのは薄氷です。冬支度の記事で「一番効くのは水量」と書いたのは、この違いを見たからです。
蓋を閉める理由の多くは「凍らせたくない」だと思います。でも、メダカにとって危ないのは、底まで凍ることと、氷が水面を全部ふさぐことの2つだけです。薄い氷なら、その下でメダカは春を待てます。

発泡スチロールが冬に強いのは、箱ごと空気だから
発泡スチロールは、体積の約98%が空気でできた素材です。細かい空気の粒が壁の中に閉じこめられていて、熱を通しにくい。断熱材として家の壁に使われるのと同じ理屈です。
水が冷えるのは、外の冷たい空気に触れている面からです。プラスチックや陶器の容器は、側面と底からも冷えます。発泡スチロールは、側面と底がほとんど冷えない。冷えるのは、上の水面だけになります。
だから蓋を開けていても、冷える面は水面の1面だけ。凍るとしても、表面の薄い層で止まりやすい。蓋をしていないのに薄氷で済むのは、蓋ではなく、壁と底が守っているからです。
蓋を閉めれば、その1面も守れます。ただ、1面が開いていても薄氷で済むなら、閉める理由は小さくなります。冬の発泡スチロールは、魔法瓶のふたを開けたままでも、コップよりはずっと冷めにくい、というのと同じです。
蓋を閉めると、酸欠になるか、ならないか
蓋を閉めるときに、いちばん多い心配がこれです。夜だけ閉めたら、酸欠にならないか。
冬は、酸欠が起きにくい季節です。理由は2つあります。
水温が低いほど、水に溶ける酸素は多い。水に溶ける酸素の量は水温で決まり、5℃の水はおよそ12.8mg/L、25℃の水はおよそ8.3mg/Lまで溶けます。冬の水は、夏の1.5倍ほど酸素を抱えられます。
冬のメダカは、酸素をあまり使わない。水温が下がると、メダカは底でじっとして、体の働きも落ちます。使う酸素も少なくなります。
だから、冬に蓋をしてすぐ酸欠になることは、まずありません。ただし、ぴったり密閉はしない。すき間を残すか、蓋に空気の通る穴を開けておく。密閉した箱は、水面と空気の入れ替わりが止まります。
私は蓋をしていないので、酸欠の心配そのものがありません。閉めない選び方の、いちばんの利点はそこです。

閉めたほうがいいのは、2つの場合だけ
開けっ放しで構わない、というのは、私の裏庭のような関西の冬の話です。閉めたほうがいい場合が、2つあります。
1つ目は、底まで凍りそうな寒さのとき。寒冷地や、厳しい寒波の夜。水面の薄氷では済まず、厚く凍る地域なら、蓋で水面の1面も守ります。発泡スチロールの蓋で越冬させる、という寒い地域の飼い方は、この理屈です。
2つ目は、雪や落ち葉がたくさん入る場所。雪が積もると、水面をふさぐ氷と同じことになります。落ち葉は底で腐ります。上から入るものを防ぐために閉める。
どちらの場合も、密閉はしない。すき間を残す。そして、閉めると決めたら、寒い朝に開けたり閉めたりしないことです。蓋で守っていた水面の上の空気が、開けた瞬間に冷たい外気に入れ替わります。
この2つに当てはまらないなら、開けっ放しで構いません。迷ったら、開けておく。冬のあいだに蓋を開け閉めする手間も、要らなくなります。
置き場所は、日なたか、日陰か|私の箱は日の当たらない裏庭
冬支度の記事では「冬は日の当たる側へ」と書きました。昼に日が当たれば、朝に張った氷が溶けて、水温が少し戻るからです。それは今も変わりません。
ただ、私の発泡スチロールの箱は、直射日光の当たらない裏庭にあります。それでも薄氷で済んで、落ちていません。
ここから言えるのは、発泡スチロールなら、日陰でも冬を越せることがあるということです。日なたが有利なのは同じ。でも、置き場所が選べないなら、容器を発泡スチロールにするほうが効きます。日なたに動かせないプラスチックの容器より、日陰の発泡スチロールの箱のほうが、冬は安心です。
日陰に置くことには、もうひとつ得があるかもしれません。発泡スチロールは、日光(紫外線)で傷む素材です。発泡スチロール飼育の記事でも注意に挙げています。私の箱が今のところ割れていないのは、日陰にあることも関係しているかもしれません。
どこに置くにしても、地面に直接よりは、台やすのこの上。地面からの冷えも、底の発泡が防ぎますが、置く場所が平らでないと、水の重さで底がたわみます。
発泡スチロールか、NVボックスや睡蓮鉢か
容器をどれにするか、迷う人も多いと思います。私の設備には、発泡スチロールの箱、NVボックス(#13と#22)、睡蓮鉢があります。
厚く凍ったのは、小さな睡蓮鉢でした。大きなNVボックス(#22)と発泡スチロールの箱は、どちらも薄氷。違いは、素材よりも先に水の量でした。
そのうえで、同じくらいの水量なら、発泡スチロールのほうが冷えにくい。壁と底が断熱するからです。NVボックスや睡蓮鉢は、壁と底からも冷える。
だから冬の選び方は、まず水量、次に素材。小さな睡蓮鉢のメダカを冬の前にどこかへ移すなら、行き先は大きな容器か、発泡スチロールの箱です。
見た目がよくない、という声の多い素材です。それでも冬を越させるあいだは、見た目より水量と断熱を取る、という選び方ができます。

箱の大きさと、入れる数
私の箱の大きさは測っていないので、「何リットルの箱なら大丈夫」とは言えません。言えるのは、小さい容器ほど凍るということだけです。
発泡スチロールでも、小さな箱に水が少なければ、水ごと冷えきります。断熱は冷えるのを遅らせますが、水の量そのものの代わりにはなりません。
入れる数は、1匹に2リットルを目安にしています。泳ぐ場所まで考えた線で、1匹に1リットルは詰められる上限です。小さな箱にたくさん入れると、冬でも水が悪くなります。冬の手前に容器をまとめるとき、1つの小さな箱に詰めこむのはやめておきます。
箱が手元に無いなら、通販の生体や冷凍品の発泡スチロールの箱をとっておくと使えます。メダカ用に作られた発泡の鉢もあります。
箱が手元に無いなら、最初からメダカ用に作られた発泡の鉢が手軽です。冬は断熱、夏は水温の上がりすぎを抑えます。
割れと劣化|今のところ、私の箱は割れていない
発泡スチロールの弱点は、割れと劣化です。ヒビが入った、雨で蓋が割れそう、という声もよく見ます。
私の箱は、今のところ割れていません。割らないために効くのは、次の2つです。
水を入れたまま持ち上げない。水は重く、発泡スチロールはその重さを持つようには作られていません。動かすなら、水を抜いてから。
日陰に置く。紫外線で傷む素材なので、直射日光の当たる場所より長持ちしやすい。
ヒビが入ったら、冬の前に替えます。冬の途中で割れると、水を移すのは寒い日の作業になり、メダカを急な水温の変化にさらします。冬は水に触らないのが原則なので、容器の点検は秋のうちに。
タライやNVボックスに、発泡スチロールを浮かべる
容器を替えずに、発泡スチロールの板を水面に浮かべて、蓋の代わりにする人もいます。
理屈は、すだれを半分かけるのと同じです。水面の一部を覆って、冷える面を減らす。冬支度の記事で「蓋はすだれを半分」と書いたのと、向きは同じです。
浮かべるなら、水面を全部ふさがないこと。半分くらいまで。全部ふさぐと、氷が水面をふさいだのと同じで、水と空気の入れ替わりが止まります。
どこで見切るか|蓋を閉める線
線を決めておきます。
関西くらいの冬なら、蓋は開けっ放し。私は日陰の裏庭で、開けっ放しで薄氷でした。
閉めるのは2つの場合だけ。底まで凍りそうな寒さのときと、雪や落ち葉がたくさん入る場所。
閉めるなら、密閉しない。すき間か空気穴を残す。閉めたら、寒い朝に開け閉めしない。
容器は、まず水量、次に素材。小さな睡蓮鉢から移すなら、大きな容器か発泡スチロールへ。
迷ったら、開けておく。開けておけば、酸欠も暗さも、開け閉めの手間も考えずに済みます。
最後にひとつ。冬の発泡スチロールで一番大事なのは、蓋ではなく、秋のうちに箱を用意しておくことです。寒くなってから小さな容器のメダカを移すのは、それ自体が水温の変化になります。箱は10月のうちに。
まとめ
発泡スチロールでメダカを冬越しさせるなら、関西くらいの冬は蓋を開けっ放しで構いません。私はチャームから届いた箱を、直射日光の当たらない裏庭に置いて、冬も開けっ放し。張るのは薄い氷だけで、落ちた覚えも特にありません。
発泡スチロールが冬に強いのは、壁と底が断熱して、冷える面が水面だけになるからです。冬は水に溶ける酸素が多く、メダカが使う酸素は少ないので、蓋をしても酸欠にはまずなりません。
閉めるのは、底まで凍りそうな寒さのときと、雪や落ち葉が入る場所の2つだけ。閉めるなら密閉せず、寒い朝に開け閉めしない。容器はまず水量、次に素材です。
迷ったら、開けておく。箱は10月のうちに用意しておきます。
よくある質問(FAQ)
Q. メダカの冬越しで、発泡スチロールの蓋は閉めたほうがいいですか。
A. 関西くらいの冬なら、開けっ放しで構いません。私は直射日光の当たらない裏庭で、冬も蓋を開けっ放しにしていて、張るのは薄い氷だけです。閉めるのは、底まで凍りそうな寒さのときと、雪や落ち葉がたくさん入る場所の2つの場合です。
Q. 夜だけ蓋をしたら酸欠になりますか。
A. 冬はまずなりません。水温が低いほど水に溶ける酸素が多く、冬のメダカは酸素をあまり使わないからです。ただし密閉はせず、すき間を残すか空気の通る穴を開けておきます。
Q. 蓋を閉めると真っ暗でかわいそうです。日に当てなくていいですか。
A. 気になるなら、閉めなければいい。私は開けっ放しなので、暗さも酸欠も考えずに済んでいます。閉める場合は、寒い朝に開けたり閉めたりしないこと。守っていた水面の上の空気が、開けた瞬間に冷たい外気に入れ替わります。
Q. 発泡スチロールの箱は、日なたと日陰のどちらに置けばいいですか。
A. 日なたのほうが有利です。昼に日が当たれば氷が溶けて水温が少し戻ります。ただ、私の箱は直射日光の当たらない裏庭で、それでも薄氷で済みました。置き場所が選べないなら、容器を発泡スチロールにするほうが効きます。
Q. 発泡スチロールとNVボックス、睡蓮鉢はどれが冬に強いですか。
A. まず水量、次に素材です。私の設備では、小さな睡蓮鉢は厚く凍り、大きなNVボックスと発泡スチロールの箱は薄氷でした。同じくらいの水量なら、壁と底が断熱する発泡スチロールのほうが冷えにくい。
Q. 小さな発泡スチロールの箱に、何匹まで入れられますか。
A. 1匹に2リットルを目安にしています。小さな箱に詰めこむと、冬でも水が悪くなり、水の量が少ないぶん凍りやすくもなります。
Q. 発泡スチロールは割れたり劣化したりしませんか。
A. 紫外線で傷み、水を入れたまま持ち上げると割れやすい素材です。私の箱は今のところ割れていません。動かすときは水を抜いてから、置くのは日陰に。ヒビが入ったら、冬の途中ではなく秋のうちに替えます。
Q. 春まで持つか心配です。冬のあいだに見ることはありますか。
A. 氷が水面を全部ふさいでいないか、底まで凍っていないか、の2つだけです。私の箱で冬に落ちた覚えは特にありません。冬より、暖かくなってからの戻り寒波のほうが山場です。
Q. 蓋の着脱が面倒です。
A. 閉めない、が一番楽です。開けっ放しで薄氷で済む地域なら、蓋は要りません。水面の半分に発泡スチロールの板を浮かべる方法もあります。
Q. 発泡スチロールの箱はどこで手に入りますか。
A. 通販で生体や冷凍品が届いたときの箱をとっておくと使えます。私もチャームから届いた箱を使っています。メダカ用に作られた発泡の鉢も売られています。
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