稚魚の容器を上からのぞくと、同じ親から生まれたはずなのに、みんな少しずつ違う。
色の濃い子、薄い子。ヒレの長い子、体の短い子。どれを残して、どれを分ければいいのか。まだ小さすぎる気もするし、待っているうちに容器はいっぱいになっていく。外した子は、どこへやればいいのか。
メダカの選別は、体型から見ます。私は、選別で特別なことはしていません。この記事は、選別のやり方を、いつから始めるか、何をどの順で見るか、外した子をどうするかの順に書きます。
- メダカの選別は体型から見る。色と柄は育つと変わるので最後。
- 1回目は1cm前後。はっきりした曲がりだけを分ける。色では外さない。
- 色は容器の色で変わる。比べるのは、いつも同じ色の容器で。
- 1回で全部やらない。今日は1つの容器だけ、と決める。
- 外した子は、別の容器で飼うか譲る。川や池には放さない。
メダカの選別は、体型から見る|色と柄は最後
答えを先に書きます。選別で最初に見るのは体型です。色と柄は、いちばん最後に見ます。
理由は、変わるかどうかです。体の曲がりや、背骨の短さは、育っても直りません。いま曲がっている子は、大きくなっても曲がっています。反対に、色と柄は、育つにつれて濃くなったり、出てきたりします。小さいうちの色だけで外すと、あとで良くなる子まで外してしまいます。
だから順番は、体型、ヒレ、目、色と柄。変わらないものから先に見て、変わるものは育つのを待ちます。私の選別も、この順番と変わりません。
家の建てつけにたとえると、体型は柱で、色は壁紙です。柱が曲がっていたら直せませんが、壁紙はあとから貼り替わっていきます。
選別はいつから|1回目は1cm前後、色を見るのは育ってから
選別は1回で終わらせるものではありません。大きさに合わせて、何回かに分けます。
1回目は、稚魚が1cm前後になったころです。体の形が見えてきて、曲がっている子、泳ぎ方のおかしい子が分かるようになります。ここで見るのは体型だけ。色はまだ決めません。
2回目は、体がひと回り大きくなって、色と柄が出てきたころ。品種の特徴が見えはじめます。最後に見るのは、親になる大きさまで育ってからです。体の中から光るような体外光や、柄の出方は、ここまで育たないとはっきりしない品種があります。
「小さいうちから選別したら、成長の遅い子に良いのがいた」という声も見かけます。小さい子を早く見切らないほうがいいのは、このためです。1回目で外すのは、曲がりのようにはっきりした違いだけにしておきます。
1cmは、親の口に入らなくなる大きさでもあります。稚魚を親と同じ容器に戻せるのは1.5cmからで、1回目の選別は、この合流の前にやっておくと手間が1回で済みます。

何を見て残すか|体型→ヒレ→目→色と柄
見る順番を、もう少し細かく書きます。
体型。上から見て、背骨がまっすぐか。横から見て、背中が曲がっていないか。体が極端に短くないか。背曲がりには、稚魚のうちは見えず、育ってから出てくる型もあります。1回目で見つからなくても、2回目、3回目でもう一度見ます。
ヒレ。欠けていないか、曲がっていないか、左右で形が違わないか。ヒレの長い品種なら、伸び方がそろっているか。
目。左右の大きさがそろっているか、白く濁っていないか。口がゆがんでいないかも、ここで一緒に見ます。
色と柄。品種の特徴が出ているか。ここは品種ごとに見るところが違い、何を良しとするかは、飼う人の好みも入ります。迷ったら、その品種の親の姿に近い子を残します。
体型で外れた子は、色がどれだけきれいでも、親にはしません。形の崩れは子に出ることがあるからです。
黒い容器で見るか、白い容器で見るか|色は容器の色で変わる
選別で見落としやすいのが、容器の色です。
メダカは、まわりの色に合わせて体の色を変えます。黒い容器では色が濃く、白い容器では薄くなります。同じ子でも、昨日は黒い容器、今日は白い洗面器で見たら、別の子に見えます。
だから、色を比べるときは、いつも同じ色の容器で見ます。どちらの色がいいかは、品種と、何を見たいかで決まります。体の形や、ヒレの欠けを見るなら、白い容器のほうが輪郭がはっきりします。色の濃さや体外光を見るなら、ふだん飼っている黒い容器のほうが、本来の色で見えます。
移した直後は、色がまだ新しい容器に合っていません。すくってすぐに色で判断せず、少し落ち着いてから見ます。

上から見るか、横から見るか|品種が作られた向きで見る
メダカの改良品種の多くは、上から見たときにきれいに見えるように作られています。屋外の容器で、上からのぞいて楽しむ魚だからです。
だから、色と柄は上から見るのが基本です。体の曲がりは、上からだと左右の曲がりが、横からだと背中の曲がりが見えます。体型は、両方の向きで確かめます。
横から見るには、透明な小さい容器に何匹か移して、目の高さで見ます。上から見るときは、網や白い容器に入れて見ます。
選別の道具|目の細かい網と、小さい容器
特別な道具は要りません。
1つは、目の細かい、柔らかい網です。目が粗いと、小さい稚魚がすり抜けたり、ヒレが引っかかったりします。選別用として売られている網は、目が細かく、浅く、メダカを網の中で並べて見やすい形になっています。
すり抜けとヒレの引っかかりを防ぐなら、目の細かい浅い選別網です。
もう1つは、分けた子を入れる小さな容器を2つか3つ。残す子、もう一度見る子、外す子。容器を分けておけば、途中で迷っても戻れます。
1cmに満たない稚魚は、網より、小さなカップやスプーンで水ごとすくうほうが傷つけません。網でこすると、ヒレや体の表面を痛めます。
選別で疲れない|1回で全部やらない
選別は、思ったより時間がかかります。「2時間やってヘトヘトになった」という声も多く見かけます。
疲れると、見る目が甘くなります。それに、メダカにとっても、網ですくわれ、小さな容器に移され、明るいところで長く見られるのは負担です。小さな容器の水は、日なたではすぐに温まります。
だから、1回で全部の容器をやらない。今日は1つの容器だけ、と決めて、短く終わらせます。選別に使う容器は日陰に置き、水はもとの容器と同じものを使います。終わったら、残す子をもとの容器に戻して、その日はもう触りません。
外した子はどうするか|別の容器で飼う、譲る。川や池には放さない
選別で外した子の行き先は、選別を始める前に決めておきます。決めていないと、外せなくなります。
いちばん多いのは、別の容器で飼うことです。親にはしないと決めた子を、1つの大きな容器にまとめて、そのまま観賞用として飼います。外した子どうしを交配させないよう、産卵床は入れないでおきます。
もう1つは、譲ることです。親にしないだけで、元気なメダカです。欲しい人に譲れば、その家で長く楽しまれます。
川や池、用水路には放しません。日本の野生のメダカ、ミナミメダカとキタノメダカは、環境省のレッドリストで絶滅危惧II類に入っています。改良されたメダカを放すと、野生のメダカと交ざり、その土地のメダカが持っていた性質が失われていきます。
違う品種どうしも、同じ容器に入れれば交ざります。品種を守るなら、容器を分けて飼います。

早すぎる選別か、遅すぎる選別か|どちらが困るか
早すぎる選別で困るのは、あとで良くなる子を外してしまうことです。色や体外光は、育ってからでないと分からない品種があります。
遅すぎる選別で困るのは、容器がいっぱいになることです。稚魚は日に日に大きくなり、同じ容器では狭くなります。狭い容器では、育ちも遅くなります。曲がりのある子も、ほかの子と同じだけ餌と場所を使います。
だから、分け方を2つにします。はっきりした形の崩れは早めに分け、色と柄の判断は育つまで待つ。早すぎと遅すぎの両方を、これで避けられます。
残した子から、次の世代を作る|選別は1世代では終わらない
選別で残した子は、次の親になります。ここで、選別のもう1つの意味が出てきます。
きれいな親どうしから生まれても、子は全部が親と同じにはなりません。親の特徴を強く受け継いだ子もいれば、薄い子もいれば、親とは違う姿の子も出ます。1回の選別で残した子どうしを親にして、その子をまた選別する。これを世代ごとに繰り返すと、残したい特徴を持った子の割合が、少しずつ増えていきます。
だから選別は、その世代をきれいにするためだけのものではなく、次の世代の出方を決める作業です。どの親から、どの子を残したか。これが分からなくなると、次の世代で良い子が出ても、どの組み合わせから出たのかをたどれません。
体の短い子のように、育てる水温で出方が変わる特徴もあります。ダルマの体型は、卵のときの水温で決まる割合が変わります。同じ親でも、育て方で子の姿が変わることがあるので、選別の結果は、親の組み合わせと育てた時期と一緒に残しておくと、あとで比べられます。
選別をいつやめるか|親を決めたら、そこが終わりの線
線を決めておきます。
1回目は1cm前後。体型だけを見て、はっきりした曲がりを分ける。色では外さない。
2回目は、色と柄が出てきたころ。品種の特徴を見る。色は、いつも同じ色の容器で比べる。
最後は、親になる大きさで。次の世代を産ませる親を決めたら、その世代の選別は終わり。
外した子は、別の容器で飼うか、譲る。川や池には放さない。
迷ったら、残します。外した子は戻せませんが、残した子は次の選別でもう一度見られます。
まとめ
メダカの選別は、体型から見ます。体の曲がりは育っても直らず、色と柄は育つにつれて変わるからです。見る順は、体型、ヒレ、目、色と柄。私の選別も、この順番と変わりません。
1回目は稚魚が1cm前後になったころで、はっきりした曲がりだけを分けます。色と柄は育ってから、いつも同じ色の容器で比べます。1回で全部やらず、今日は1つの容器だけと決めて短く終わらせます。
外した子は、別の容器で観賞用として飼うか、欲しい人に譲ります。川や池には放しません。迷ったら残します。残した子は、次の選別でもう一度見られます。
よくある質問(FAQ)
Q. メダカの選別はいつから始めればいいですか。
A. 1回目は稚魚が1cm前後になったころです。体の形が見えてくるので、はっきりした曲がりだけを分けます。色と柄は育つにつれて変わるので、2回目以降に見ます。
Q. メダカの選別の基準は何ですか。
A. 体型、ヒレ、目、色と柄の順に見ます。体の曲がりは育っても直らないので先に見て、変わっていく色と柄は最後に見ます。私の選別も、この順番と変わりません。
Q. 選別は何回やればいいですか。
A. 大きさに合わせて何回かに分けます。1cm前後で体型、色と柄が出てきたころに品種の特徴、親になる大きさで最後の判断をします。親を決めたら、その世代の選別は終わりです。
Q. 選別は黒い容器と白い容器、どちらで見ればいいですか。
A. メダカは容器の色で体の色が変わるので、比べるときはいつも同じ色の容器で見ます。形やヒレの欠けは白い容器のほうが見やすく、色の濃さや体外光はふだん飼っている黒い容器のほうが本来の色で見えます。
Q. 選別した稚魚が網からすり抜けてしまいます。
A. 目の細かい、柔らかい選別用の網を使います。1cmに満たない稚魚は、網より小さなカップやスプーンで水ごとすくうほうが傷つけません。
Q. 選別で外したメダカはどうすればいいですか。
A. 別の容器にまとめて観賞用として飼うか、欲しい人に譲ります。外した子どうしを交配させないよう、産卵床は入れないでおきます。川や池、用水路には放しません。
Q. 外したメダカを川に放してはいけないのはなぜですか。
A. 日本の野生のメダカ、ミナミメダカとキタノメダカは、環境省のレッドリストで絶滅危惧II類です。改良メダカを放すと野生のメダカと交ざり、その土地のメダカの性質が失われていきます。
Q. 小さいうちに選別すると、良い個体を捨ててしまいませんか。
A. そのおそれがあります。色や体外光は育ってからでないと分からない品種があります。1回目の選別で外すのは、体の曲がりのようなはっきりした違いだけにし、色と柄の判断は育つまで待ちます。
Q. 選別に時間がかかって疲れます。
A. 1回で全部の容器をやらず、今日は1つの容器だけと決めて短く終わらせます。メダカにとっても長い選別は負担です。選別用の容器は日陰に置き、もとの容器と同じ水を使います。
Q. 背曲がりは選別で見つけられますか。
A. 見つけられますが、稚魚のうちは見えず、育ってから出てくる型もあります。1回目で見つからなくても、2回目、3回目でもう一度体型を見ます。
Q. 色がきれいなら、体が少し曲がっていても親にしていいですか。
A. 親にはしません。形の崩れは子に出ることがあります。色がきれいでも、体型で外れた子は別の容器で観賞用として飼います。
→ 容器ごとの記録を、スマホに
台帳でできることを、もう少し詳しく
次に見るのは、ここ
1回目の選別のあと、親と合わせるなら稚魚はいつまで別容器?へ。体型で迷ったらメダカの背曲がりへ。品種を守って分けるなら違う種類のメダカは混ぜてもOK?へ。選別まで早く育てたいならメダカを早く大きくする方法へ。体の短い子が気になったらダルマメダカの作り方へ。
