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メダカの黒い容器はなぜ選ばれる?体色が濃く出る仕組みと、見えない・暑いの2つの対処

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黒い容器を上から見た親のメダカ めだか

黒い容器をのぞくと、メダカが見えない。

朝、餌をやりに行って、容器の中を探す。水面の上には、青水の濃い緑と、底の暗さしか見えない。いるはずの稚魚が、1匹も見つからない。そんな日が、黒い容器にはあります。

それなのに、メダカの容器は黒が多い。なぜでしょうか。この記事は、黒い容器が選ばれる理由と、黒で困る2つのこと(中が見えない・夏に水温が上がる)の対処を、仕組みから書きます。私のところの屋外の容器も、黒が多いです。

この記事の結論(要点)
  • 黒い容器が選ばれるのは、体の色が濃く出るから。メダカは背景の明るさに合わせて色を変える。
  • 欠点は2つ。稚魚が見えない。夏に水温が上がる。
  • 稚魚は、数える日だけ白いバットにすくう。夏は日を遮る。
  • 水温の動きにくさを決めるのは、色でなく水量。昼に30℃を超えたら手を打つ。
  • 稚魚を育てる容器は白、色を楽しむ成魚は黒。迷ったら、何を見たいかで選ぶ。
容器ごとに、稚魚の数と色の変化を残しておくと、減ったことにすぐ気づけます。残すなら → メダカ台帳(無料)

メダカの黒い容器が選ばれる理由|体色は背景に合わせて変わる

答えを先に書きます。黒い容器が選ばれるのは、メダカの体の色が濃く出るからです。上から見たときに、体の色が引き立つ。これが、いちばん大きな理由です。

仕組みは、メダカの皮ふにある色素の細胞にあります。メダカは、目で見た背景の明るさに合わせて、体の色素を広げたり縮めたりします。背景が暗いと、黒い色素が広がって、体の色が濃くなる。背景が明るいと、色素が縮んで、体の色が薄くなる。まわりの色に身を寄せて、敵に見つかりにくくするための、魚の仕組みです。

この仕組みが、飼育容器では「黒だと色が濃く見える」「白だと薄く見える」という差になります。体色が濃く出ると、色の違いも見分けやすくなります。体の色を楽しむ品種や、色を見て選ぶ人にとって、黒い容器は理由のある選び方です。

この色の変わり方そのものは、選別の記事(メダカの選別のやり方)に、選別の場面にしぼって書いています。この記事では、容器を選ぶときの話にしぼります。

黒い容器が選ばれる理由は、ほかにもあります。ひとつは、上から見たときの見やすさです。水面を上から見る飼い方では、メダカの体の色が背景から浮いて見えます。もうひとつは、日が差したときに、容器の中が暗く落ち着いて見えることです。ただ、後ろの2つは「気分」に近く、色が濃く出ることが、いちばん確かな理由です。

黒い容器を上から見たメダカ数匹。体の色が背景から浮いて見える
黒い背景では、体の色が濃く、くっきり見える。

黒い容器の欠点は2つ|中が見えない、夏に上がる

黒い容器には、欠点もあります。先に書きます。

① 中が見えない。体の色が濃く出る代わりに、暗い背景の中のメダカは、見つけにくくなります。特に稚魚は、小さくて色も薄いので、黒い底に紛れます。

② 夏に水温が上がる。黒は、日光を吸収します。同じ日向に置いても、白い容器より水が温まりやすくなります。

この2つは、使い方で片づきます。片づけずに放っておくと、稚魚が減っても気づかない、真夏の水温が上がりすぎる、という形で効いてきます。次の2つの章で、1つずつ見ます。

反対に、黒い容器が向かないのは、中を毎日細かく見たい人です。稚魚の数をこまめに数えたい、水の汚れを毎日見たい。そういう飼い方は、白い容器のほうが合います。黒い容器でできないのは、中を一目で見渡すことです。

黒い容器で稚魚が見えないとき|数えるのは白い容器で

中が見えない理由は、3つ重なっています。

1つ目は、背景が暗いことです。メダカは、黒い背景の中では、体の色が濃くなる分、色のコントラストが小さくなります。暗い水の中の、暗い魚は、見つけにくい。

2つ目は、稚魚が小さいことです。生まれて間もない稚魚は、体が数ミリで、色も薄く、水の中で点のように見えます。

3つ目は、青水です。青水(緑色の水)は、植物プランクトンが増えた水で、稚魚の餌になるので、育てるには向いています。ただ、色が濃いと、水の中がほとんど見通せません。黒い容器の青水は、緑と黒が重なって、底まで見えなくなります。

この3つが重なった容器で、稚魚の数が減っても、気づけません。「30匹以上いるはずが、数えたら12匹だった」という声を、メダカ飼育者の投稿で見かけます。見えなかったから、減ったことに気づくのが遅れた、という話です。

対処は、2つあります。

1つ目は、数える日だけ白い容器にすくうことです。白いバットや洗面器に、網で稚魚をすくって移します。白い背景では、稚魚の体がくっきり見えます。数えたら、すぐに元の容器へ戻します。毎日はやりません。週に1回、あるいは大きさを見たい日だけで足ります。

2つ目は、底に明るい砂や赤玉土を敷くことです。底が明るくなると、稚魚が見えやすくなります。実際に、田砂や赤玉土を敷いたら見えるようになった、という声があります。

ただ、底に敷くと、困ることも出ます。敷いたものの隙間に、食べ残しとフンがたまります。掃除のときに、底の汚れを吸い出しにくくなる。見えやすさと引き換えに、水の傷みが見えにくくなる、という面があります。

私のところでは、鑑賞用のレイアウト水槽も、トロ舟のビオトープ(植物を野菜にした、アクアポニックス式)もやっています。底砂や赤玉土を敷くのは、そのうちレイアウト水槽だけです。繁殖用の容器は、ベアタンク(底に何も敷かない容器)にしています。掃除のしやすさを取って、底には何も敷きません。

稚魚の数をまめに見たい容器は、そもそも白にするのも手です。次の「黒か白か」の章で、使い分けを書きます。

夏に黒い容器の水温が上がるとき|色より日射と水量で決まる

黒い容器の水温は、たしかに上がりやすいです。ただ、上げ方を決めているのは、容器の色だけではありません。

水温を決めるのは、主に3つです。1つ目は、日が当たる時間。2つ目は、水の量。3つ目が、容器の色です。色は、日が当たったときに、どれだけ熱を受け取るかを変えます。黒は、日光を吸収しやすい。だから、同じ場所に置くと、白より温まりやすい。

夏に黒い容器の水温が上がりすぎた、という声は、いくつも見かけます。「黒い容器の水温が30℃台後半まで上がったので、白い大きな容器に移した」という声や、「同じ日に、青い容器より黒い容器のほうが、数℃高かった」という声があります。数字は、置き場所や水量で変わるので、あくまで参考です。ただ、方向は同じです。黒は、日向で上がりやすい。

ここで、1つ気をつけたいことがあります。「黒い容器は、水温が動きにくい」と言われることがあります。これは、色のせいではありません。水が動きにくいのは、水の量が多いからです。大きな容器は、水が多いぶん、温まるのも冷めるのも、ゆっくりです。小さな容器は、色にかかわらず、朝夕で水温が大きく動きます。

お風呂にたとえると、浴槽の水はなかなか冷めず、洗面器のお湯はすぐ冷めます。冷めにくさを決めるのは、色ではなく水の量です。黒い容器が日中に熱を受けやすいことと、水が多いと温度が動きにくいことは、別の話です。

ですから、夏に黒い容器の水温を下げたいときは、色を変えるより、先に日射と水量を見ます。

① 日を遮る。遮光ネットや、すだれで、日光を直接当てない。いちばん手軽で、いちばん効きます。私も夏は、遮光ネットで日を遮ります。

日向に置くしかない容器は、まず日射を減らすと水温が下がります。

② 置き場所を変える。午前中だけ日が当たる場所は、午後の暑い時間に、日が当たりません。「真夏でも水温が上がりすぎないように、午前だけ日の当たる場所に置いた」という声もあります。

③ 水量を増やす。小さな容器を、大きな容器にする。水が多いと、朝と昼の水温の差が小さくなります。

④ 外側を明るい色にする。黒い樹脂の容器の外側を、明るい灰色に塗る、という計画を立てている人もいます。外側の色を変えれば、日光の吸収が減るはずですが、容器の素材によっては塗料が合わないこともあるので、小さな範囲で試してからにします。

水温を測るなら、最低と最高を記録できる水温計が便利です。朝と昼で何度動いたかが分かると、どの手を打てばいいか決めやすくなります。

朝と昼でどれだけ動いたかを、あとから見て決められます。

水温の上限は、別の記事(メダカの水温は何度まで大丈夫?)に書きました。水温が30℃を超えたら、危ない側です。

黒い容器と白い容器の比較図。黒は体の色が濃く出て上から映えるが、稚魚や汚れが見えにくく、日向で水温が上がりやすい。白は体の色が薄く見えるが、稚魚や汚れが見やすく、日向でも上がりにくい
色を楽しむなら黒、見やすさを取るなら白。

黒い容器か、白い容器か|用途と季節で使い分ける

黒か白か。迷ったら、まず「何を見たいか」で決めます。

色を楽しむ成魚の容器は、黒。体色が濃く出て、上から見て映えます。観賞が目的の容器は、黒が合います。

稚魚を育てる容器は、白か、明るい底。稚魚は、数が減っても気づきにくいので、見やすい容器のほうが安全です。白い容器なら、稚魚が見えます。黒い容器を使うなら、数える日だけ白いバットにすくいます。

形やヒレの欠けを見るときは、白。体の輪郭は、白い背景のほうがはっきりします。選別のときに、白い容器を使うのは、このためです。

夏の暑さが心配な場所は、白か、日を遮る。日向に置くしかなく、遮光もできないなら、白い容器のほうが水温が上がりにくくなります。

ただし、白い容器にしたら、体の色が薄くなることは知っておきます。メダカの体は、容器の色に合わせて変わります。白い容器に移して1晩たつと、体の色が薄く見えた、という声があります。そして、元の容器に戻すと、色は戻っていきます。一時的な変化です。

色が薄くなっても、病気ではなく、元に戻ります。ただ、色の濃さを比べたいときは、いつも同じ色の容器で見ないと、比べたことになりません。

冬は、黒い容器と白い容器で、保温にほとんど差はありません。冬の水温を決めるのは、水量と置き場所です。冬のあいだは、色より、水の量を優先して選びます。

季節で見ると、夏は日を遮れるなら黒、遮れないなら白。秋から冬にかけては、日が短くなって、黒い容器の中は暗くなります。「夏の日差しには黒が良かったが、日が短くなって、よく見えなくなった」という声のとおり、季節が進むと、見え方が変わります。

黒い容器で、メダカの色が濃くならないとき

黒い容器に入れたのに、色が濃くならない。そう感じることもあります。理由は、いくつか考えられます。

1つ目は、入れたばかりであることです。容器の色に、体の色が合うまでには、少し時間がかかります。移した直後に色を見て、判断しません。数日は、落ち着くまで待ちます。

2つ目は、もともとの色の持ち方です。体の色の濃さは、背景だけで決まるわけではなく、品種や個体の持っている色にも左右されます。もともと色が薄い品種は、黒い容器に入れても、劇的には変わりません。

3つ目は、明るさです。黒い容器でも、強い光が差し込むと、背景として暗く見えません。容器の内側が汚れて明るくなっていたり、水が白く濁っていたりしても、同じです。

なお、黒い容器に入れても色が濃くならなかった、という体験談は、今回調べた範囲では見つかりませんでした。色が濃くならないときは、まず落ち着くまで待ってから見ます。

黒い容器で困ったときの対処の順番の図。1稚魚が見えないときは数える日だけ白いバットにすくう。2夏に水温が上がるときは遮光ネットやすだれで日を遮る。3水温計で見て、昼に30度を超えたら日を遮るか場所か容器を替える
困りごとは2つ。見えない、と、暑い。

黒い容器をやめる、遮光する線|水温30℃と、稚魚の数

黒い容器を、いつ手放すか。いつ手を打つか。線を2つ決めておくと、迷いません。

水温は、30℃が線です。夏の日中に、黒い容器の水温が30℃を超えたら、遮光するか、場所を変えるか、白い大きな容器に移すか、どれかをします。朝と昼で水温計を見て、昼に30℃に届くなら、その容器は日向に置かないようにします。

稚魚の数は、見えない期間を決めます。黒い容器で稚魚を育てるなら、数を見ない期間を長くしません。週に1回は、白いバットにすくって数える。数えて減っていたら、容器を白にするか、底を明るくするか、どちらかに替えます。

反対に、黒い容器のままで大丈夫な目安もあります。水温が30℃に届かない。成魚だけで、数を数える必要がない。色を濃く出したい。この3つが揃っていれば、黒のままで構いません。

夏が終わって水温が下がれば、黒い容器の欠点の1つは自然に消えます。使い続けるなら、秋からは、稚魚の数の確認だけ気をつければ足ります。

まとめ

黒い容器が選ばれるのは、メダカの体の色が濃く出るからです。メダカは背景の明るさに合わせて色を変えるので、黒だと濃く、白だと薄くなります。

欠点は2つあります。1つは、稚魚や汚れが見えにくいこと。数える日だけ白いバットにすくえば、片づきます。もう1つは、夏に水温が上がりやすいこと。遮光ネットやすだれで日を遮り、昼に30℃を超えたら手を打ちます。水温の動きにくさを決めるのは色ではなく、水の量です。

稚魚を育てる容器は白、色を楽しむ成魚は黒。迷ったら、何を見たいかで決めます。

よくある質問(FAQ)

Q. メダカの容器は、なぜ黒が多いのですか。

A. メダカの体の色が濃く出て、上から見たときに映えるからです。メダカは背景の明るさに合わせて体の色素を広げたり縮めたりするので、黒い背景では色が濃く、白い背景では薄く見えます。

Q. 黒い容器だと、メダカの色は本当に濃くなりますか。

A. 濃くなります。背景が暗いと、体の色素が広がるためです。ただ、変わるまでに少し時間がかかり、もともと色が薄い品種は、変わり方が小さくなります。

Q. 黒い容器で、稚魚が見えないときはどうしますか。

A. 数える日だけ、白いバットや洗面器に稚魚をすくって移します。白い背景では体がくっきり見えます。底に明るい砂や赤玉土を敷く方法もありますが、汚れがたまりやすくなります。

Q. 黒い容器は、夏に水温が上がりやすいですか。

A. 上がりやすいです。黒は日光を吸収するので、同じ日向でも白い容器より温まりやすくなります。遮光ネットやすだれで日を遮る、午前だけ日が当たる場所に置く、水量を増やす、のどれかで下げます。

Q. 黒い容器は、水温が動きにくいと聞きましたが本当ですか。

A. 色のせいではありません。水温の動きにくさを決めるのは水の量です。大きな容器は温まるのも冷めるのもゆっくりで、小さな容器は色にかかわらず朝夕で水温が大きく動きます。

Q. 白い容器に入れると、メダカの色は薄くなりますか。

A. 薄くなることがあります。メダカは容器の色に合わせて体の色を変えるためです。一時的な変化で、元の容器に戻すと色は戻っていきます。

Q. 稚魚を育てる容器は、黒と白のどちらがいいですか。

A. 見やすさを取るなら白です。稚魚は数が減っても気づきにくいので、見えやすい容器のほうが安全です。黒い容器を使うなら、数える日だけ白いバットにすくいます。

Q. 黒い容器の水温は、何℃を超えたら対処しますか。

A. 30℃が線です。夏の日中に水温計で30℃を超えたら、遮光するか、場所を変えるか、水量の多い容器に移します。

Q. 冬は黒い容器と白い容器で、保温に差がありますか。

A. ほとんど差はありません。冬の水温を決めるのは、水量と置き場所です。冬のあいだは、色より水の量を優先して選びます。

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次に見るのは、ここ

選別で黒か白かを使い分けるならメダカの選別のやり方へ。水温の上限を知るならメダカの水温は何度まで大丈夫?へ。容器の大きさを決めるなら睡蓮鉢の号数ごとに、メダカは何匹へ。稚魚の容器を見直すならメダカの稚魚はいつまで別容器?へ。