メダカを飼っている容器に、グッピーも入れたい。見た目は似ているし、店では隣の水槽にいる。
調べると「飼えます。ヒーターが要ります」と出てきます。それで終わっている。いつ分けるのか、増やしたいときはどうするのか、書いていません。
答えは「できる」でも「できない」でもなく、時期で変わります。そこから書きます。
- 春から秋は、同じ容器で飼えます。冬は分けます。グッピーは冬の屋外を越せません。
- 始める前に冬を決めてください。ヒーターで室内か、秋にグッピーだけ移すか。どちらも無いなら始めない。
- 増やしたいなら、混ぜないでください。互いの卵と稚魚を食べます。
- 交雑はしません。別の科の魚です。品種を守る意味では影響がありません。
- 起きるとすれば、狙われるのは尾の長いグッピーのオス。尾が裂けたら、その日に分けます。
メダカとグッピーの混泳は、春から秋ならできる
答えを先に書きます。水温が安定している春から秋のあいだなら、同じ容器で飼えます。冬は分けます。
メダカは日本の魚で、氷が張る水でも冬を越します。グッピーは熱帯の魚で、冬の屋外の水温には耐えられません。この差が、混泳の答えのほとんどを決めます。
両方が困らない水温の範囲は、重なっています。だから春から秋は同居できます。問題は、その範囲の外に出る季節です。
ヒーターなしで越冬できる相手をまとめた記事があります。そこにグッピーが入っていないのは、越せないからです。アカヒレや青コリドラスは越せますが、グッピーは別です。
つまり「混泳できるか」という質問は、「冬をどうするか」という質問と同じです。答えは次の章です。
ここでひとつ。同居できる季節でも、入れるのは朝晩の水温差が小さい時期にしてください。春先や秋口の変わり目に入れると、その揺れで落ちます。

冬をどうするか|ヒーターを入れるか、分けるか
秋が深まったら、選ぶのは2つです。
ひとつは、ヒーターを入れて、両方を室内で飼うこと。グッピーに合わせて水温を保てば、メダカも一緒に暮らせます。ただし、メダカは本来、冬は底でじっとして過ごす魚です。それをしないまま冬を越すことになります。
もうひとつは、秋に分けること。グッピーだけを室内のヒーター入りの容器へ移し、メダカは屋外でそのまま冬を越させます。
手間で言えば、分けるほうが楽です。ヒーターを入れるのは、容器に合ったワット数と置き場所を決める作業が要りますし、電気代も冬じゅうかかります。
だから、混泳を始める前に決めておいてください。冬に分ける容器があるか。無いなら、ヒーターを入れる覚悟があるか。どちらも無いなら、始めないほうがいいです。
分ける時期は、メダカの冬越しの準備と同じで、秋のうちです。水温が下がりきってから動かすと、グッピーのほうが先に参ります。
増やしたいなら、混ぜない
混泳できるかどうかと、増やせるかどうかは別の話です。どちらかを増やしたいなら、混ぜないでください。
メダカは卵を産みます。卵と針子は、同居している魚に食べられます。グッピーも例外ではありません。
グッピーは卵ではなく、稚魚を直接産みます。生まれた稚魚は小さく、こちらはメダカに食べられます。
つまり、どちらも相手の子を食べます。両方が減ることはあっても、両方が増えることはありません。
観賞用として、いまいる個体を眺めるだけなら混ぜて構いません。増やす容器は別に作る。品種を守るときの分け方と同じ考えです。
どちらを増やしたいかで、混ぜる容器と分ける容器を決めてください。

交雑はしない
「グッピーとメダカが交配しないか」という質問があります。しません。
見た目は似ていますが、別の科の魚です。メダカは卵を産み、グッピーは稚魚を産む。産み方からして違います。
違う品種のメダカ同士なら、オスとメスがいれば必ず交雑します。それはどちらもメダカだからです。グッピーとのあいだでは起きません。
だから、品種を守るという意味では、グッピーを入れても影響はありません。気にするのは、卵を食べられることのほうです。
逆に、混ぜて新しい魚を作ろうと考えているなら、それは起きません。時間の無駄になります。
ついでに書くと、グッピーとよく似た魚で「メダカ」と名前に付くものがあります。カダヤシや、いわゆる「熱帯メダカ」と呼ばれる魚です。これらは分類上はグッピーの仲間で、日本のメダカとは交雑しません。名前に惑わされないでください。
この点だけは、はっきり言い切れます。
最初から室内の水槽で飼うなら、話は簡単になる
ここまでは屋外飼育を前提に書きました。室内の水槽で、最初からヒーターを入れて飼うつもりなら、冬の問題は消えます。
その場合の混泳は、グッピーの飼育にメダカを足す形になります。水温はグッピーに合わせて年中保つ。メダカはその水温で困りません。餌も止めない。冬眠もしない。
残るのは、卵と稚魚が食べられること、尾の長いオスが狙われること、この2つだけです。どちらも隠れ家と数で抑えられます。
ただし、メダカは冬に底でじっとして休む魚です。年中同じ水温で飼うと、その休みがありません。産卵も続きます。それが寿命にどう効くかは、はっきりした資料がありません。分かっているのは、自然の暮らし方ではないということまでです。
室内で飼うなら、そこは承知のうえで。屋外で飼うなら、冬に分ける。どちらでも、先に決めておくことは変わりません。
いじめは起きるか|狙われるのは尾の長いほう
混泳で心配されるのが、どちらかが追い回すことです。
メダカ同士でも追いかけは起きます。求愛かいじめかは、相手の性別で見分けます。グッピーが相手のときも、見るところは同じです。
起きるとすれば、狙われるのはグッピーのオスです。尾びれが大きく、泳ぎが遅い。動くものに反応するメダカにとって、あの尾は目立ちます。つつかれて尾が裂ける、という報告はよく見かけます。
防ぐのは、隠れ家と、数のバランスです。水草や物陰があれば、追われる側が逃げ込めます。そして、どちらか一方だけが多い状態にしないことです。
もうひとつ、餌の取り合いです。グッピーは水面の餌に速く寄り、メダカも同じ場所を狙います。数か所に分けて落とせば、取り合いは減ります。
尾が裂けた個体が出たら、その時点で分けてください。裂けたところから傷むことがあります。
餌と水は、共通で足りる
混泳で楽なのは、ここです。餌も水換えも、ほぼ同じで回ります。
餌は、メダカ用の細かい浮上性のもので、グッピーも食べます。専用の餌を2種類そろえる必要はありません。粒の大きさだけ、小さいほうに合わせてください。
水換えの頻度も、水量と匹数で決まるのはどちらも同じです。グッピーがいるからといって、回数を変える必要はありません。
ひとつだけ違うのは、グッピーは冬眠しないので、冬に餌を止められないことです。メダカだけなら冬は餌も水換えも止めますが、ヒーターで飼うなら、冬じゅう与え続けます。
これは手間というより、冬の管理が「メダカの冬」ではなく「熱帯魚の冬」になる、ということです。そこを分かったうえで始めてください。
メダカと熱帯魚は一緒に飼えるのか|グッピー以外の答え
「グッピーがだめなら、ほかの熱帯魚は」と考える方がいます。線の引き方は同じです。
見るのは、冬の屋外の水温に耐えるかどうか、それだけです。熱帯魚と呼ばれていても、青コリドラスのように、うちの屋外で冬を越した魚はいます。オトシンネグロも越しました。水面が凍った90cm水槽でです。
一方で、グッピー、ネオンテトラ、ベタは越せません。名前で決めるのではなく、その魚が低水温に耐えるかで決めます。店の人に「屋外で冬を越しますか」と聞けば、たいてい答えてくれます。
もうひとつの線は、口の大きさです。金魚は冬を越しますが、大きくなるとメダカを食べます。越冬できても、同居できるとは限りません。
だから「熱帯魚と飼えますか」への答えは、「冬を越せて、口がメダカより大きくならない魚なら」です。グッピーは前半で外れます。
この2つの線を持っておけば、店で新しい魚を見たときに、その場で判断できます。
容器の大きさと、入れる数
混ぜると決めたら、数の話が要ります。
メダカだけなら、目安は2Lに1匹です。ろ過の話ではなく、泳ぐ場所の話です。グッピーを足すなら、その分もこの数に入れます。10Lの容器なら、合わせて5匹まで。
グッピーは増えます。稚魚がメダカに食べられる前提で書きましたが、水草が茂っていると生き残ります。気づくと数が倍になっていることがあります。数えて、増えたぶんは別の容器へ移してください。
数が多いと、餌の取り合いと、水の傷みが早くなります。夏の朝に水面で口をパクパクさせていたら、酸欠です。混泳の容器は、メダカだけの容器より早くそこに着きます。
容器は、深さより広さです。両方とも水面の近くにいる魚なので、水面が広いほど、追われる側の逃げ場が増えます。
目安を超えたら、増やすのではなく、分ける。混泳の容器でも、考え方はメダカだけのときと同じです。

混泳を始める手順
やると決めたら、順番があります。
まず、水温差の小さい時期を選びます。初夏か、初秋。真夏の高水温と、春秋の変わり目は避けます。
次に、水合わせです。袋ごと浮かべて、少しずつ水を混ぜる手順は、メダカを迎えるときと同じです。グッピーは店の水温が高いことが多いので、ここは丁寧にやります。
入れたら、数日は餌を数か所に分けて落とし、追いかけが起きていないかを見ます。1匹だけ隅にいる、ヒレをたたんでいる、があれば、そこで判断します。
そして、秋に分ける準備を先にしておきます。ヒーターを入れるか、別の容器を空けておくか。始めてから考えると、水温が下がるほうが早いです。
順番はこれだけです。難しいのは手順ではなく、冬を決めておくことです。
どこで見切るか|終わりの判断
線を決めておきます。
尾が裂けた個体が出たら、分けます。その日のうちに。戻るかどうかを待たないでください。
秋の水温が下がりはじめたら、分けます。グッピーが底でじっとしはじめたら、もう遅いくらいです。その前に動きます。
どちらかを増やしたくなったら、分けます。混ぜたまま増やす方法はありません。
逆に、この3つが起きないかぎり、同居は続けて構いません。餌も水も共通で回ります。
最後にひとつ。混泳できるかどうかは、魚の相性ではなく、冬をどうするかで決まります。そこを先に決めれば、あとは迷いません。
まとめ
メダカとグッピーの混泳は、春から秋ならできます。冬は分けます。グッピーは熱帯の魚で、冬の屋外を越せません。
だから始める前に、冬を決めてください。ヒーターを入れて両方を室内で飼うか、秋にグッピーだけを移すか。どちらの用意も無いなら、始めないほうがいいです。
増やしたいなら混ぜません。互いの卵と稚魚を食べます。交雑はしないので、品種を守る意味では影響がありません。
分けるのは3つのとき。尾が裂けた個体が出た、秋の水温が下がりはじめた、どちらかを増やしたくなった。それ以外は、餌も水も共通で回ります。
よくある質問(FAQ)
Q. メダカとグッピーは一緒に飼えますか。
A. 水温が安定している春から秋なら飼えます。冬は分けます。メダカは氷の張る水でも越冬しますが、グッピーは熱帯の魚で冬の屋外には耐えられません。混泳できるかは、冬をどうするかで決まります。
Q. 冬はどうすればいいですか。
A. 2つです。ヒーターを入れて両方を室内で飼うか、秋にグッピーだけ室内へ移してメダカは屋外で越冬させるか。手間は分けるほうが楽です。分ける容器もヒーターも無いなら、始めないほうがいいです。
Q. メダカとグッピーは交配しますか。
A. しません。別の科の魚で、メダカは卵を産み、グッピーは稚魚を直接産みます。品種を守る意味ではグッピーを入れても影響はなく、気にするのは卵を食べられることのほうです。
Q. 混ぜたまま増やせますか。
A. 増えません。メダカの卵と針子はグッピーに食べられ、グッピーの稚魚はメダカに食べられます。どちらかを増やしたいなら、増やす容器を別に作ってください。
Q. いじめは起きますか。
A. 起きるとすれば、狙われるのは尾の長いグッピーのオスです。隠れ家を用意し、どちらか一方だけが多い状態にしないでください。尾が裂けた個体が出たら、その日に分けます。
Q. 餌は別々に要りますか。
A. 要りません。メダカ用の細かい浮上性の餌をグッピーも食べます。粒の大きさだけ小さいほうに合わせてください。ただしグッピーは冬眠しないので、冬に餌を止められません。
Q. いつ入れるのがいいですか。
A. 朝晩の水温差が小さい時期です。初夏か初秋。真夏の高水温と、春秋の変わり目は避けます。水合わせはメダカを迎えるときと同じ手順で、丁寧にやってください。
Q. どうなったら分けるべきですか。
A. 尾が裂けた個体が出たとき、秋の水温が下がりはじめたとき、どちらかを増やしたくなったとき。この3つが起きないかぎり、同居は続けて構いません。
次に見るのは、ここ
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