メダカにヒーターが要るかどうかは、飼い方で決まります。メダカは日本の冬をそのまま越せる魚なので、必須ではありません(冬眠させないとどうなる)。
この記事は、入れると決めた人が、どれを選ぶかの話です。そして選ぶときに効くのは、「何度に保つか」より先に「何ワット要るか」でした。しかもそのワット数は、水槽の大きさだけでは決まりません。

- メダカにヒーターは必須ではありません。日本の冬をそのまま越せる魚です。
- 選ぶときに効くのは「何度に保つか」より先に「何ワット要るか」。
- ワット数は水量だけでは決まりません。置き場所の寒さで変わります。
- 目安は30cmで50W/45cmで120W/60cmで160W前後。寒い場所なら上げます。
- 26℃の固定式は、メダカには少し高い。あれは熱帯魚向けです。20〜23℃で足ります。
ワット数は、水量だけでは決まらない


目安はこうです。30センチの水槽(およそ12リットル)なら50ワット前後、45センチ(およそ35リットル)で120ワット前後、60センチ(およそ57リットル)で160ワット前後。まずはここで当たりをつけます。
ただし、この数字は室温がある程度あることを前提にしています。箱に「60cm水槽用」と書いてあるのは、ふつうの部屋に置いた場合の話です。同じ製品でも、置く場所によっては足りません。
効いてくるのは、水温と部屋の温度の差です。暖房の効いた居間なら、上げる幅は数℃で済みます。ところが暖房の無い廊下や玄関だと、朝方は5℃まで下がる。そこから20℃へ上げるとなると、上げ幅が倍以上になります。
同じ水槽でも、置き場所で要る力が変わるということです。寒い場所に置くなら、一回り大きいものを選んでください。足りないヒーターは、設定に届かないまま回り続けます。電気を使っているのに温まらない、というのがいちばん損な状態です。
メダカに26℃は、少し高い


売り場でよく見かけるのは、26℃の固定式です。ただしあれは熱帯魚に合わせた温度で、メダカ向けに決められた数字ではありません。冬に産ませるときの26℃の使い方は、メダカを冬に産卵させるへ。
メダカを通年26℃で回すと、一年の早回しがいちばん強くかかった状態になります。水温が高いほど早く大人になることは測られています(冬眠させないとどうなる)。産卵も止まらないので、世話のほうも止まりません。
冬を越させるだけなら、20〜23℃で足ります。繁殖を狙う時期だけ上げればいい。そう考えると、温度を選べるほう、つまりサーモが別になっているものに理があります。
固定式は安く、挿すだけで使えるのが利点です。ただし下げたくなったときに下げられません。最初の1台としては悪くありませんが、2年目に選び直すことになる方が多いと思います。
水槽の大きさ別に、ヒーターを選ぶなら
ここでは温度を選べるもの(サーモ付き)を大きさ別に挙げます。20〜23℃に合わせられます。ワット数は目安として見てください。

30センチ(およそ12リットル)なら、50ワットから80ワット。この大きさは水が少ないぶん、水温も水質も動きやすい。ヒーターを入れる前に、そもそも1つ大きい水槽にできないかを考えたほうがいいです(室内飼育に必要なもの)。
45センチ(およそ35リットル)なら、100ワットから120ワット。ここから水量に余裕が出てきます。奥行きの狭い型なら置き場所も選びませんし、30センチより水温が動きにくいぶん、扱いは楽になります。ここで挙げるのはサーモが別の型で、予備のヒーターが付くぶん値は張ります。寒い場所に置くなら、次の60センチ用を選ぶ手もあります。
60センチ(およそ57リットル)なら、150ワットから160ワット。水量が多いので温度は安定しますが、そのぶん上げるのに時間も電気も要ります。寒い場所に置くなら、素直に大きいほうを選んでください。
サーモが別のものを選ぶなら、同じ大きさでもヒーターとサーモを組み合わせます。値は上がりますが、温度を下げられることと、サーモだけ替えられることが効いてきます。どちらかが壊れても、壊れたほうだけ買い替えられます。
壊れ方を、先に知っておく

いちばん危ないのは、水位が下がることです。空焚きを防ぐ仕組みの無い製品だと、空気中で加熱されて壊れたり、火の元になったりします。冬は空気が乾くので、思っているより水が減ります。週に一度は水位を見てください。
カバーは外さないでください。メダカが直接触れると、そこだけ火傷します。横に寝かせて使うなら、なおさら要ります。小さい魚ほど、当たったときの痛手が大きい。
替えるのは1〜2年が目安です(メーカーのすすめ)。壊れ方は2通りあって、切れるか、切れなくなるか。切れなくなるほうが危ないのですが、見た目には分かりません。
だから水温計を別に置いてください。目盛りと実際の水温はずれます。設定どおりのつもりで、2℃低いまま冬を越していた、ということが起こります。
入れたあとに、やること


入れてすぐ設定どおりになるわけではありません。水量が多いほど、上がりきるまでに時間がかかります。翌日から数日は、毎日水温を見てください。数日たっても届かないなら、ワット数が足りていません。
そして止めるのは春です。外の水温が設定に近づいてから切れば、落差が出ません。寒いうちに切ると、そこで一気に下がります。暖かくなったから、ではなく、差が無くなったから切る、と決めてください(冬眠明け)。
いつ入れて、いつ切ったか。そのとき外は何℃だったか。その日の日付でメモに残せます(メダカ台帳)。
病気のときに温度を上げる、という使い方

温度を選べるものを選んでおくと、病気が出たときにも使えます。白点病のように、水温で進み方が変わるものがあるからです(白点病とラメの違い)。
ただし、上げれば治るというものではありません。上げるのは薬が効きやすい状態にするためで、温度だけで片づく病気は多くありません。そして上げるときも、私は一日1〜2℃までにしています。
よくある質問
メダカにヒーターは必要ですか。
必須ではありません。メダカは日本の冬をそのまま越せる魚です。要るのは、冬も産卵させたい、稚魚を止めずに育てたい、といった目的があるときだけです。
何ワットのものを選べばいいですか。
水量で当たりをつけて、置き場所で上げ下げしてください。30センチの水槽なら50ワット前後、45センチで120ワット前後、60センチで160ワット前後が目安です。ただし暖房の無い部屋なら、一回り大きいほうを選びます。
箱に「60cm水槽用」と書いてあれば大丈夫ですか。
室温がある程度あることを前提にした表示です。廊下や玄関のような寒い場所だと、設定に届かないまま回り続けることがあります。効いているかどうかは、水温計で確かめてください。
26℃の固定式でいいですか。
メダカには少し高いです。あれは熱帯魚に合わせた温度で、メダカ向けに決められた数字ではありません。冬を越させるだけなら20〜23℃で足ります。温度を選べるもの(サーモが別のもの)のほうが向いています。
水が減るとどうなりますか。
空焚きを防ぐ仕組みの無い製品だと、空気中で加熱されて壊れたり、火の元になったりします。冬でも水は蒸発するので、週に一度は水位を見てください。
カバーは外してもいいですか。
外さないでください。メダカが直接触れると、そこだけ火傷します。横に寝かせて使うなら、なおさら要ります。
何年くらいで替えますか。
1〜2年が目安です(メーカーのすすめ)。壊れ方は2通りあって、切れるか、切れなくなるかです。切れなくなるほうが危ないので、水温計を別に置いて、たまに見てください。
まとめ
ヒーターは必須ではありません。メダカは日本の冬をそのまま越せる魚です。入れるのは、冬も産卵させたい、稚魚を止めずに育てたい、といった目的があるときだけです。
選ぶときは、水量で当たりをつけて、置き場所で上げ下げしてください。寒い場所なら一回り大きいものを。足りないヒーターは、電気を使うのに温まりません。
そして26℃の固定式は、メダカには少し高い。ふだんは20〜23℃で足ります。温度を選べるほうが、メダカには向いています。
次に見るのは、ここ
加温するかどうかは冬眠させないとどうなる、冬の全体はメダカの冬越し、春は冬眠明けへ。稚魚のために加温するならメダカの稚魚の冬越しへ。

