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アクアポニックス・水耕栽培のレタスがしなしな|夜に戻るかで根を見る。水温は22℃が線

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水耕のレタス アクアポニックス

朝は張っていたレタスが、夕方に見たら、ぐったりしている。

葉が寝て、触ると力がない。水はちゃんと流れている。枯れたわけでもない。ただ、昨日までの張りがなくなっている。ここで分かれ道があります。水が足りないだけなのか、根が傷んでいるのか。同じ「しなしな」でも、手を打つ場所が変わります。

この記事では、その分け方を先に書きます。夜か翌朝に戻るかどうか。それだけで、見る場所が決まります。

この記事の結論(要点)
  • 夜か翌朝に戻るなら、水の出入り。戻らないなら、根の問題。
  • 戻るなら、まず養液の水温を測る。22℃を超えたら日射を切る。
  • 戻らないなら、根を水から出す。白ければ戻せる。茶色くぬめるなら、その株はやめる。
  • 水温を下げて酸素を足したら、2日見る。根が白く新しい根が出ていれば続ける。
  • ぐったり(水と根)と、ひょろひょろ(光)は別。入口を間違えると、水も肥料も効かない。

水耕栽培のレタスがしなしなになる原因は、何か|夜に戻るかで分ける

答えを先に書きます。夜か翌朝に戻るなら、水の出入りの問題。戻らないなら、根の問題です。

葉は、日中に水を空気中へ逃がしています。根が吸う水が、逃げる水に追いつかなければ、葉は寝ます。ただ、日が落ちて逃げる水が減れば、追いつきます。夜に戻るのは、そのためです。これは、まだ根が働いている印です。蛇口から出る水より、使う水のほうが多い日の給水タンクと同じで、夜に使う量が減れば、またたまります。

戻らないなら、追いつくための根が働いていません。朝になっても寝たまま。次の日も張りがない。こうなったら、葉ではなく根を見ます。

農研機構の資料も、同じ考え方をしています。レタスの萎れは、成長や生命の維持に必要な水分が取れないことで起き、萎れた葉が元に戻れば回復が見込めると書かれています(農研機構調べの高温対策資料)。ただし、これは畑で育てるレタスの話で、水耕の根の話ではありません。戻れば回復、という見方だけを借りています。

私のところでは、レタスがしなしなになった経験を、書けるほどの記録が残っていません。だから、ここから先は、水温と酸素の仕組みと、根の病気の資料で書きます。

水耕レタスがしなしなになったときの分け方の図。1夜か翌朝に戻るなら水の出入りの問題で、水温を測り22℃を超えるなら日射を切る。2戻らないなら根を水から出し、白ければ水温と酸素を直す。3根が茶色くぬめるならその株はやめて、その日のうちに抜く
見る場所は、夜に戻るかで決まる。

夜に戻るなら、何を見るのか|水温と日射

戻るなら、最初に疑うのは水温です。日射で水が温まると、葉からの水の逃げが増え、根の吸う量が追いつかなくなります。

水温を測っていないなら、まず測ります。夏の水温は、アクアポニックス・水耕栽培の夏の水温に書いたとおり、22℃で線を引きます。15℃から22℃のあいだなら、根はよく伸びて、酸素も足りています。22℃を超えると、根が傷むリスクが上がりはじめます。

測るのは気温ではなく、養液の温度です。気温35℃でも日陰の大きな槽なら水温は25℃で済みますし、気温28℃でも直射に当たった小さな容器は30℃を超えます。温度計は、水に入れておけるものがひとつあれば足ります。

養液に差しっぱなしにできるデジタルの水温計なら、夏の前から22℃の線を毎日見られます。

水温が22℃を超えていたら、いちばん効く手は日射を切ることです。槽の上に、すだれか寒冷紗を、少し浮かせて渡します。葉は出して、水面を隠す。順番と詳しい手は、先ほどの夏の水温の記事に、効く順に4つ書いてあります。

ひとつ、遮光しすぎには注意です。農研機構の資料でも、遮光は20〜50%に留めるとされ、遮光しすぎると苗が徒長したり、生育が悪くなると書かれています。覆うのは水面で、葉に当たる光は残します。

水温は、いつ・どう測るのか

測るのは、朝と、いちばん暑い午後の2回です。朝だけ測ると、20℃で安心してしまい、午後に32℃まで上がっていても気づけません。浅くて小さい容器ほど、水温は1日の中で大きく振れます。水量の多い槽ほど、振れは小さくなります。だから、小さな容器でレタスを育てているなら、午後の測定を飛ばしません。

測る場所は、根のあるあたりの水です。水面だけ温まっていることもあるので、温度計の先を、根の近くまで沈めます。数日続けて、午後の水温が22℃を超える日が出るなら、しなしなは偶然ではなく、水温の問題です。夜に戻る株を放っておくと、毎日少しずつ根が傷み、ある日を境に、夜になっても戻らなくなります。戻るうちに手を打つのが、いちばん安く済みます。

夜に戻らないなら、何を見るのか|根の色とにおい

戻らないなら、根を見ます。水から出して、色とにおいを確かめます。

健康な根は、白いです。茶色い、ぬめりがある、においが出ている。このどれかがあれば、根が傷んでいます。夏の水温の記事に書いたとおり、水温が25℃を超えると、根は先のほうから茶色くなりはじめます。この段階なら、まだ戻せます。

水耕の根の病気は、アメリカの研究者が整理した資料があります(e-GRO Alertの根の病気の解説)。根の病気は、水温が高いこと、酸素が少ないこと、水まわりが汚れていることで起きやすくなると書かれています。つまり、見る場所は3つです。水温、酸素、清潔さ。

酸素については、根に空気が触れる場所があるかどうかが、まず分かれ目になります。仕組みは水耕栽培のエアレーションに、根腐れの全体は根腐れの原因は酸素不足に書きました。

水温が高いと、水に溶ける酸素が減り、根が使う酸素は増えます。両方が同時に起きるので、酸欠は思ったより早く来ます。葉がしなしなになるのは、そのあとの合図です。

根がまだ白ければ、水温と酸素を直せば戻ります。茶色く、ぬめっていれば、その株は戻らないと考えます。次の章で、どこまで直すかの線を書きます。

どこまで直して、どこでやめるのか|株を替える線

しなしなになった株を、何日見守るか。ここに線を引いておきます。

水温を下げ、酸素を足してから、2日見ます。根が白く、新しい根が伸びているなら、続けます。茶色い根が増え、においがあるなら、その株はやめます。

やめた株を水に残すと、傷んだ根が水を汚し、隣の株にも広がります。根の病気は、水を通して移るからです。やめるなら、その日のうちに抜いて、槽の水を確かめます。

株を替えるときは、苗を新しい水耕の場所に入れます。同じ槽に入れるなら、水温を先に直してからです。水温が高いままでは、新しい苗も同じ道をたどります。

もう1つ、決めておくことがあります。しなしなが続く夏は、無理に育てないことです。夏のレタスは、とう立ちも早く来ます。夏は、水温が下がる秋まで待つ、という選び方があります。

植えたばかりの苗が、しなしなになるのは、なぜか

苗を植え替えた直後に寝るのは、別の理由があります。根がまだ新しい水になじんでおらず、葉から逃げる水に、吸う水が追いつかないからです。農研機構の資料でも、定植後に根が伸びるまでのあいだは、生育に必要な水分が得られず活着が遅れる、と整理されています。畑の話ですが、仕組みは水耕でも同じです。

この場合は、数日の様子見で足ります。ただし、見る順番は同じです。夜か翌朝に戻るか。戻るなら、根づくのを待ちます。強い日射を避けて、午前中だけ日が当たる場所に置くと、根づくまでの負担が減ります。戻らないまま3日たったなら、その苗は、根の側に問題があると考えます。

ポンプや水位は、止まっていないか

水温が普通で、根も白いのに寝る。そのときは、ポンプと水位を見ます。水が動いていない、水位が下がって根が水に届いていない、という単純な理由が、案外あるからです。

私のところでも、ポンプが止まったことがあります。原因は詰まりで、分解して掃除したら直りました。止まると、水の動きと一緒に酸素を運ぶ手も止まります。水位は、夏の蒸発で下がります。吸い込み口が水面より上に出ると、ポンプが空気を吸い、循環が止まります。毎日、水位とポンプの音を一度見るだけで、この種の理由は先に潰せます。

しなしなに似ていて、違うものは、何か

ぐったり、と、ひょろひょろは、別の話です。

日が足りない秋、ざる栽培の苗が、背ばかり伸びて葉が薄い。これは徒長です。しなしなではなく、光が足りないことが原因です。農研機構の資料も、苗の徒長は、湿度が高く蒸散が減ることで起きると書いています。遮光しすぎでも起きます。

葉の縁が茶色く枯れるのは、また別です。新しい葉の縁が傷む症状は、カルシウムが先まで届かないことで起きるとされます。水の逃げが少ない環境で出やすい、とも言われます。ただ、これは葉の縁の話で、全体がぐったりする症状とは違います。

見分け方は、どこが変わっているか、です。株全体が寝ているなら、水と根。新しい葉の縁だけなら、栄養の届き方。背だけ伸びて薄いなら、光。診断の入口を間違えると、水を足しても肥料を足しても、直りません。

アクアポニックスでは、魚の水も同じか

アクアポニックスは、魚と野菜が同じ水を使います。だから、レタスのために水温を下げる手は、そのまま魚の水温も下げます。日射を切る、水量を増やす、風を当てる。どれも魚にとって悪くない手です。反対に、野菜だけを見て水を急に冷やすと、魚に負担がかかります。水温は、野菜の線で測り、魚の様子も一緒に見ます。

水が傷んでいるときは、魚の動きにも先に出ることがあります。水面に集まる、餌への寄りが悪い。レタスがしなしなになったとき、魚も同じ水の中にいる、と一度思い出してください。

やってはいけないことは、何か

しなしなを見て、慌てて水位を上げたり、肥料を足したりしたくなります。向きません。

もうひとつ、毎日いじらないことです。水を換えたり、液を足したり、株を抜いて確かめたりを繰り返すと、根はそのたびに傷み、水温も乱れます。見るのは、水温と、水位と、ポンプの音。変える前に、まず3つを数字と目で確かめ、1日に1つだけ手を入れる。そうすれば、効いた手が何だったのかが、あとから分かります。

水位を上げすぎると、根が空気に触れる場所がなくなり、酸素がさらに足りなくなります。肥料を足しても、根が働いていなければ吸えず、水が傷むだけです。まず温度と根。次に水位や栄養。この順番を守ります。

水温計は、買うものの中でいちばん役に立ちます。しなしなになってから測るのではなく、夏の前から水に入れておく。それだけで、見る場所が決まります。

水温計のように見る道具がひとつあるだけで、迷いが減ります。何度で、何時に、どの株がしなしなになったか。数字で残せば、次の夏に同じことが起きる前に、線を引き直せます。記録はメモ書きで十分です。

うまくいかないときは、何を疑うのか

水温を直して、根も白いのに、まだ戻らない。そのときは、株の年齢と置き場所を疑います。

収穫を過ぎた古い株は、水温が普通でも張りが戻りにくくなります。とう立ちが近い株も、同じです。収穫の見方は、リーフレタスの収穫時期に書きました。

ひとつ、正直に書いておきます。夜に戻った話、根の色やぬめりの話、水位やポンプと関係づけた話は、今回調べた範囲の投稿では、ほとんど見つかりませんでした。読者の言葉は「ぐったり」「しおれ気味」でした。ここに書いた分け方は、水の出入りと根の資料から組み立てたもので、私の体験ではありません。

まとめ

水耕栽培のレタスがしなしなになったら、夜か翌朝に戻るかどうかで見る場所を分けます。戻るなら水の出入りで、養液の水温を測り、22℃を超えたら日射を切ります。戻らないなら根を水から出して、色とにおいを見ます。

根が白ければ、水温と酸素を直して2日見ます。茶色くぬめっていれば、その株はやめて、その日のうちに抜きます。ぐったりと、ひょろひょろは別なので、入口を間違えないことです。迷ったら、まず水温を測ります。

よくある質問(FAQ)

Q. 水耕栽培のレタスがしなしなになるのは、なぜですか。

A. 葉から逃げる水に、根が吸う水が追いつかないときです。夜か翌朝に戻るなら水の出入りの問題、戻らないなら根の問題と分けて考えます。

Q. 夜になると戻るのは、大丈夫ですか。

A. まだ根が働いている印です。ただ、水温が高い日射の影響が続くと根が傷むので、水温を測って22℃を超えるなら日射を切ります。

Q. 夜に戻らないときは、どこを見ますか。

A. 根を水から出して、色とにおいを見ます。白ければ水温と酸素を直します。茶色くぬめっていれば、その株は戻らないと考えます。

Q. 水温は何度から危ないですか。

A. 22℃で線を引きます。25℃を超えると根が茶色くなりはじめ、30℃を超えたら成長は止まったと考えます。測るのは気温ではなく養液の温度です。

Q. 遮光は、どのくらいがいいですか。

A. 農研機構の資料では20〜50%とされています。遮光しすぎると苗が徒長したり生育が悪くなるので、覆うのは水面で、葉に当たる光は残します。

Q. しなしなになった株は、何日見守りますか。

A. 水温を下げて酸素を足してから、2日見ます。根が白く新しい根が出ていれば続け、茶色い根が増えてにおいがあればやめます。

Q. ぐったりと、ひょろひょろは同じですか。

A. 別です。ひょろひょろは光が足りない徒長で、ぐったりは水と根の問題です。株全体が寝ているなら水と根、背だけ伸びて薄いなら光を疑います。

Q. 水位を上げれば直りますか。

A. 上げすぎると根が空気に触れず酸素が足りなくなるので、勧めません。まず水温と根を見て、そのあとで水位や栄養を見ます。

Q. 夏のレタスは、無理に育てないほうがいいですか。

A. 水温が下がらない夏は、とう立ちも早く、しなしなも続きやすくなります。水温が下がる秋まで待つ選び方もあります。

設備にいくら掛かったのか、どこでつまずいて、どう直したのか。個人で始めたアクアポニックスの記録をnoteに書いています。
→ 費用と失敗の記録をnoteで読む

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