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メダカの転覆病はうつるのか?原因・治療法・予防まで徹底解説

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メダカがひっくり返って浮いたまま、あるいは沈んだまま泳げなくなる。

こうした症状は一般的に「転覆病」と呼ばれ、多くの飼育者が突然の発症に戸惑います。
特に気になるのは、転覆病は他のメダカや金魚にうつるのか、そして治す方法はあるのかという点でしょう。

さらに、発症初期の見分け方や、塩浴といった薬浴の有効性、水温や水質管理の重要性など、判断や対応には多くの情報が必要です。

この記事では、メダカの転覆病を正しく理解するために、症状と原因、伝染性の有無、治療・予防法を体系的に解説します。

金魚やダルマメダカなど他種への影響、リバースリキッドや塩浴の併用例、沈む・浮く症状別のポイントまで網羅し、実務的な飼育管理の参考になる情報をまとめました。


この記事で分かること

  • 転覆病はうつるのか、伝染の可能性とその根拠
  • 転覆病の初期症状と進行の見分け方
  • 治療に使える塩浴・メチレンブルー・薬の選び方
  • 水温・水質・飼育環境による予防策と再発防止

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  • メダカの転覆病の治し方は?
  • 転覆病は伝染しますか?
  • 金魚の転覆病は他の魚にうつりますか?
  • 転覆病の初期症状は?

転覆病とは、正式な病名ではなく、浮き袋の機能障害によって正常な姿勢での遊泳が困難になる状態を総称する通称です。

浮き袋は魚類が水中で浮力を調整し、水平姿勢を保つための極めて重要な器官で、内部に閉じ込められたガスの量や圧力を微妙に変化させることで、沈降や浮上のバランスをとっています。

この精密な調整機能が何らかの原因で崩れると、体が傾いたり、逆さになって浮かんだり、底に沈んだまま動けなくなったりといった異常な遊泳行動が見られるようになります。

原因は非常に多岐にわたり、細菌や寄生虫による感染症、高タンパク餌の過剰摂取による消化不良、水質の悪化やアンモニア・亜硝酸の蓄積、急激な水温変化、さらには先天的な浮き袋の形状異常や奇形などが含まれます。

中でもダルマメダカは丸みを帯びた体型ゆえに浮き袋が物理的に圧迫されやすく、他の品種に比べて発症リスクが高い傾向があります。

症状は大きく二つに分けられます。

  • 浮き袋の浮力が過剰になり、水面近くで常にひっくり返ったまま浮くタイプ
  • 浮き袋の機能が低下して沈んだまま底で横倒しになり、浮上できないタイプ

発症の引き金としては、例えば水換え時の急激な温度差、長時間放置による水質の急悪化、不適切な給餌などが代表的です。

浮き袋のガス圧は外部環境の変化に非常に敏感に反応するため、こうした要因がわずかに加わるだけでもバランスを崩し、症状を悪化させることがあります。


転覆病そのものは感染症ではないため、直接的にはうつらないとされています。

これは、転覆病が特定の病原菌やウイルスによって引き起こされるわけではなく、浮き袋や内臓機能の異常、栄養状態の乱れ、水質や水温などの環境要因によって発症する「症候群」の一種だからです。
つまり、風邪や白点病のように明確な病原体を介して感染が広がるわけではありません。

しかし注意が必要なのは、転覆病の原因が二次的な感染症や寄生虫症である場合です。

例えば、細菌性の内臓炎やカラムナリス病、あるいは消化管や浮き袋への寄生虫感染によって浮き袋の機能が障害されている場合は、原因となる病原体が他の魚に感染する可能性があります。

この場合、症状そのものは「転覆病」でも、その背景にある病気は伝染性を持つことになるため、同じ水槽内で飼育している他の個体にも影響が及ぶリスクが出てきます。

金魚やグッピーなど他種魚の転覆病でも同様で、背景疾患が感染症であれば、種を問わず伝播が起こる可能性があります。

このため、発症個体が出た場合には、症状が軽くても、また原因の特定がまだできていない段階でも隔離措置を行うのが安全策です。

隔離水槽は清潔な水を用い、できればエアレーションを強めて酸素量を確保します。
同時に、飼育水の水質検査(アンモニア、亜硝酸、硝酸塩、pH、水温)を実施して環境要因の有無を確認し、必要に応じて水換えや底砂の清掃を行うことが重要です。

さらに、隔離期間中は給餌量を減らすか絶食させ、魚体への負担を減らしながら回復を待ちます。


早期発見は予後の改善に直結します。

初期症状として観察されるのは、以下のような行動や体勢の変化です。
これらは一見軽微に見えるかもしれませんが、放置すると症状が急速に悪化することがあります。

  • 水面や底での浮力調整がぎこちなくなり、動きにムラが出る
  • 一時的に傾いた姿勢で泳ぎ、正常な姿勢を保てない時間が増える
  • 浮き沈みの速度が極端に遅くなったり、不自然に速くなったりする
  • 食欲が低下し、餌に反応するスピードが遅くなる
  • 水面近くや底でじっとする時間が長くなる

進行すると、常にひっくり返ったまま浮く、あるいは底で横倒しになって沈む状態が長時間続きます。
この段階では餌を摂取できない場合が多く、長期化すると急激に痩せ、衰弱死する危険が非常に高まります。

さらに、遊泳力の低下から他の個体に押しやられたり、水流やエアレーションに流されやすくなるため、体力の消耗が一層激しくなります。

特にダルマメダカのように体型的リスクが高い品種では、浮き袋の位置や形状が通常種よりも安定しにくいため、初期段階からの温度安定、水質管理、餌の調整が重要です。

また、日々の観察で小さな変化に気づけるようにすることが、重症化を防ぐ最大のポイントとなります。


治療は大きく分けて、原因の特定とそれに応じた対策の二本立てで行います。
ここでは基本的な方法に加え、実際の飼育現場で有効とされる補足ポイントも交えて解説します。

  1. 環境改善
    • 水温は24〜27℃を目安に安定させ、日内変動や急な温度変化を避けることが重要です。
      急激な温度変化は浮き袋のガス圧バランスを崩しやすく、回復を遅らせます。
    • アンモニア・亜硝酸は常にゼロに維持し、pH変動は極力抑えるようにします。
      必要に応じて水質検査キットでこまめにチェックします。
    • 水換えは1/4程度の少量換水を2〜3日に分けて行い、環境変化のショックを最小限に抑えつつ水質を安定化させます。
      底砂掃除やフィルター清掃も軽く行い、汚れの蓄積を防ぎます。
  2. 塩浴療法
    • 0.3〜0.6%の塩水浴を実施します(例:10L水槽に30〜60gの塩)。
      塩分濃度は急激に上げず、30分〜1時間かけて徐々に調整します。
    • 塩浴は浸透圧を調整し、体力消耗を軽減しながら免疫力を高めます。
      塩浴中も水温・水質の安定を怠らないことが大切です。
  3. 餌の管理
    • 発症直後は1〜3日間の絶食を行い、消化器官の負担を軽減します。
      その後は消化の良い餌を少量与えます。
    • 高タンパク餌の与えすぎや、油分の多い餌は避け、与える際は数分で食べきれる量にとどめます。
  4. 補助的対策
    • リバースリキッドと塩浴の併用は、一部飼育者で顕著な回復例が報告されており、私自身もこの方法で回復させた経験があります。
      使用前によく振り、規定量を守ることが重要です。
    • ただし効果には個体差があり、すべてのメダカに同様の結果が得られるわけではありません。必ず自己責任で行い、異変があればすぐに中止してください。

転覆病は原因が多岐にわたるため、全てのケースで治癒するわけではありません。
特に先天的な浮き袋の奇形や重度の内臓障害が原因の場合は、環境改善や薬浴を行っても改善が難しいことがあります。

治らない場合に考慮すべき点は次の通りです。

  • 症状が慢性化している(数週間以上)
  • 絶食や塩浴でも改善傾向がない
  • 餌の摂取ができず衰弱している
  • 体の変形や体表の異常が伴う

このようなケースでは、無理に長期間治療を続けるよりも、苦痛の少ない環境で安静に過ごさせることが推奨されます。
また、再発防止のために同じ水槽の他個体の健康管理や水質改善を徹底することが重要です。


転覆病の発症や悪化には水温の急変が関与することが多く、特に春先や秋口、屋外飼育では日較差が大きくなります。

理想的な管理は以下の通りです。

  • 室内飼育では22〜25℃を安定維持
  • 屋外では日陰や発泡容器を活用し、水温の急上昇を防ぐ
  • 冬季の低温下では加温ヒーターを使用し、急激な低下を防止

再発防止のためには、水質・水温・餌の三要素をバランスよく管理することが不可欠です。
特に高タンパク餌は消化不良を招きやすいため、週に数回は植物性餌料を与えるなどの工夫が有効です。


  • 転覆病は症状の総称であり、直接的にはうつらない
  • 原因が感染症の場合は病原体が他魚にうつる可能性があるため隔離が安全
  • 初期症状は浮力の不安定化や泳ぎのバランス低下から始まる
  • 治療は環境改善・塩浴・薬浴・餌管理を組み合わせて行う
  • メチレンブルーは細菌性原因への対応に有効
  • リバースリキッドとゴールド塩浴の併用は水質改善と体力回復を同時に狙える
  • 治らない場合は先天的異常や重度障害が関与していることが多い
  • 水温の急変を避け、22〜25℃程度で安定させることが再発防止の鍵
  • 餌は消化の良いものを適量与え、高タンパク過多を避ける
  • 水質は常に安定させ、アンモニア・亜硝酸はゼロを維持する

この知識をもとに、転覆病の早期発見と迅速な対応を心がければ、回復の可能性を高められるだけでなく、他の個体への健康被害も防ぐことができます。


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