過去の記事でアクアポニックスの知識を解説してきましたが、今回は実際のアクアポニックス運用について。アクアポニックス水槽の立ち上げを解説していきます。
アクアポニックスをこれから始めたい方や魚の飼育(熱帯魚なども含む)の初心者向け
の内容になります。魚飼育の中級者の方もおさらいとして読んでいただければと思います。
立ち上げの話の前にアクアポニックスと水耕栽培との違いについて解説したいと思います。
上記にある通り、アクアポニックスは水耕栽培と違って設備が完了すればすぐに栽培開始。というわけにはいきません。
水耕栽培は設備の設置完了後、溶液に肥料を投入すればすぐに野菜の栽培を始めることができますが、アクアポニックスは魚の排泄物を肥料分としますが、その排泄物を肥料分に分解する微生物の発生させ、それを増加させる期間を必要とします。
アクアポニックスの立ち上げとは硝化サイクルが出来上がった水槽のことを言います
・アクアポニックス水槽の立ち上げ方
硝化サイクルが出来上がるには微生物によるアンモニア→亜硝酸→硝酸塩の過程が必要です。
アクアポニックス水槽の立ち上げ方には2種類あります。
パイロットフィッシュ有
水を水槽に張った後、水槽内の水温などを馴染ませたり、濁りを取るため、3日間ほど空回しをし、水質変化に強い丈夫な魚を少量導入し、その魚の残り餌や排せつ物でバクテリアを増やす。導入後は見た目の水がきれいでも、バクテリアも十分に繁殖できていないため、2,3日に1回程度に水替えをしましょう。
立ち上がったかどうかの確認は水質チェックでアンモニア、亜硝酸が0、硝酸塩が検出されたら立ち上げ完了です。
立ち上げ完了後は魚の追加導入できますが、1度に大量の魚をいれてしまうと、バクテリアに負荷がかかってしまうので、段階的に増やすほうが失敗が起きにくいです。
また、バクテリア剤を水替え時に投入すると立ち上がりもさらに早くなります。
パイロットフィッシュは丈夫な魚(和金、鯉、ティラピアなど)
小型熱帯魚であればアカヒレ、ネオンテトラ、メダカなど
パイロットフィッシュ無
・魚を入れず、人為的にアンモニアを水槽にいれる方法。
魚のエサや、アンモニア水、魚の切り身などを入れ、硝酸塩が検出されるまで水を循環させる。
・他の立ち上がった水槽の飼育水を流用する
1/3 から 1/2 くらいの量を使って立ち上げる。すでに立ち上がっている水槽の水をつかうので、1番早く立ち上がります。
ここまでアクアポニックス水槽の立ち上げ方について解説してきました。
アクアポニックスシステムにおいて健全に魚を飼育することは必要不可欠です。立ち上がっていないまま運用すると、最悪魚が死んでしまったりなど失敗の原因となるので、バクテリア発生とバクテリアの増殖を水質チェックで硝酸塩の発生を確認し、硝化サイクルを確認しましょう。
あなたもアクアポニックスをはじめてみませんか?
基本的な知識を理解することができれば
実はそれほど難しい技術はいりません。
あなたも魚で安心安全な野菜をそだててみませんか?
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