メダカの屋外飼育でよく使われている容器が、JEJアステージのNVボックスです。もともとは収納用のコンテナですが、浅く広い形状と黒い内面がメダカ飼育に非常に合っていて、愛好家の定番になっています。
余裕をもって飼えるのは、NVボックス#13なら4〜5匹、#22なら7〜9匹です。1匹あたり1リットルで安定して飼っている人もいますが、この記事では1匹あたり2リットルくらいを目安にしています。ろ過装置を使わない屋外では処理が水と日光まかせになるうえ、泳ぐ余裕も要るからです。ただしきっちり計算して決める数字ではありません。だいたいこのくらい、という線です。詰めるなら、水換えと餌やりをそのぶん丁寧にしてください。


- 余裕をもって飼えるのは#13で4〜5匹、#22で7〜9匹(1匹あたり2リットルの目安)。13匹・22匹は上限であって、適正数ではありません。
- 置き場所は半日陰+台の上。夏はすだれ、冬は水深を深めにして、変化をゆるやかにします。
- 水質は足し水が基本。私のところでは月1〜2回の1/3換水で足りています。冬(10℃以下)は餌も水換えもせず、そっとしておきます。
- 浅い容器は水温が振れやすい。それを前提に管理するのがNVボックス飼育の要点です。
- 立ち上げの手順・トラブル・他の容器との違いは本文の順で。
- NVボックスは、水温を安定させたい人には向きません。浅さが弱点です。
- 迷ったら、#22。同じ数を飼うなら、水が多いほうが失敗が減ります。
NVボックスがメダカ飼育に選ばれる理由
NVボックスは、そもそもメダカ用に作られた容器ではありません。それでも定番になっているのには、はっきりした理由があります。

まず価格です。ホームセンターで手軽に買え、複数並べても負担になりません。品種ごとに容器を分ける必要があるメダカ飼育では、この点が決定的に効いてきます。
次に黒い内面。メダカは背景の色に合わせて体色を変える性質があり、黒い容器では色が濃く鮮やかに出ます。黒い容器の欠点(稚魚が見えにくい・夏に水温が上がりやすい)と対処は、メダカの黒い容器はなぜ選ばれる?に書きました。上から見る「上見(うわみ)」の鑑賞では、この差がはっきり分かります。
そして浅くて広い形状。水面が広いぶん空気に触れる面積が大きく、酸素が入りやすくなります。エアレーションなしで飼う屋外飼育では、この形が大きな利点になります。産卵床を置きやすいのも同じ理由です。
NVボックス13と22の違い|適正な飼育数


もっとも迷うのがサイズ選びです。数字で整理します。

NVボックス#13は外寸で約435×287×145mm。縁いっぱいまで入れれば13L入りますが、私のところでは溢れないよう8〜10Lほどで使っています。1匹あたり2リットルくらいで見ると、4〜5匹が余裕を持って飼える数になります。
NVボックス#22は外寸で約536×370×162mm(容量は23L)。私のところでは実用水量15〜18Lほどで使っています。同じ見方なら7〜9匹くらいです。
「13なら13匹、22なら22匹」という数え方を見かけますが、これは上限であって適正数ではありません。屋外飼育はろ過装置を使わないことが多く、水量に対して数が多いほど水質は急速に悪化します。とくに夏場は、過密が酸欠と直結します。迷ったら少なめ——これが失敗しないコツです。
繁殖を狙うなら、さらに余裕を持たせてください。産卵と稚魚の育成を同じ容器で行うと、親が卵や稚魚を食べてしまいます。親用と稚魚用で容器を分けるのが基本なので、その意味でも安価なNVボックスは相性がよいと言えます。
設置場所の選び方
屋外飼育では、置き場所が飼育の成否をかなりの部分決めます。私のところでは半日陰に置いています。
午前中は日が当たり、午後は日陰になる場所がいちばん扱いやすいです。日光はメダカの健康と産卵に必要ですが、NVボックスは浅いぶん水温が上がりやすいため、一日中直射日光が当たる場所は夏に危険です。
地面に直置きするより、ブロックや台の上に置くほうが管理しやすくなります。地熱の影響を受けにくく、猫などの外敵からも守りやすい。観察や水換えのときに腰をかがめずに済むという実用的な利点もあります。
また、雨の吹き込みも考慮してください。大雨で水が溢れると、メダカが流されます。縁ぎりぎりまで水を張らず、余裕を持たせておくのが基本です。
水質管理

屋外のNVボックスでは、ろ過装置を使わないことが一般的です。水草と微生物の働きで水を保つという考え方になります。
基本になるのは足し水です。屋外では蒸発で水位が下がるので、減った分をカルキを抜いた水で補います。この足し水だけで、水質はかなり保てます。全部を入れ替えると水温やpHが一気に動くので、部分換水にします。
それでも水が汚れてきたと感じたら、1/3程度の部分換水を行います。私のところでは月に1〜2回が目安です。判断基準は見た目ではなく、油膜が張る、においが出る、メダカが水面に集まるといったサインです。
水質を数値で確認したい場合は試験紙が便利です。アンモニアと亜硝酸がゼロなら、水は正常に機能しています。とくに立ち上げ直後や、数を増やした直後は測っておくと安心です。
水草を入れることも有効です。ホテイアオイやマツモは水中の栄養を吸収して水質を保ち、産卵床と日除けを兼ねます。ただし増えすぎると水面を覆って酸素の出入りを妨げるので、適度に間引いてください。
水温管理|夏と冬
NVボックスの最大の弱点は、浅いために水温が振れやすいことです。

夏は、私のところでは水温が30℃を超えたら対策を始める線にしています。対策はすだれや遮光ネットで日差しを遮ること、そして朝のうちに足し水をして水温を下げることです。日中の暑い時間に冷たい水を足すと急変になるので、涼しい時間帯に行います。水量を多めに保つだけでも、温度変化はかなり緩やかになります。ほかの方法と見比べて選ぶなら、メダカの水温を下げる方法へ。
冬は逆に、水温が10℃を下回るとメダカの動きはぐっと鈍くなり、餌は与えません(5℃あたりまで下がると、自分からはほとんど食べなくなります)。これは冬眠に近い状態で、正常な反応です。この時期にやるべきことは、むしろ何もしないこと。餌を与えず、水換えもせず、そっとしておきます。
凍結が心配な地域では、水深を深めに保つのが有効です。全面が凍らなければ、底のほうでメダカは冬を越せます。すだれや発泡スチロールで覆うのも効果があります。
餌の管理
屋外飼育では、餌の量を水温に合わせて変えるのが基本です。
水温が20〜28℃の活動期は、私のところでは1日1〜2回、数分で食べ切る量を与えています。15℃を下回ったら量と回数を減らし、10℃以下では与えません。低水温では消化が遅く、食べ残しがそのまま水を汚します。
屋外では、水中に自然に発生する微生物やボウフラも餌になります。そのため室内飼育ほど神経質に与える必要はありません。食べ残しを出さないことが、屋外飼育の水質管理では最も効きます。
繁殖環境の作り方
NVボックスは繁殖にとても向いた容器です。浅く広い形は産卵床を置きやすく、水温も上がりやすいので産卵のスイッチが入りやすくなります。
水温が18℃以上で日照時間が13時間程度になると、メダカは産卵を始めます。産卵床にはホテイアオイの根や市販の人工産卵床を使います。
卵を見つけたら、産卵床ごと別の容器に移します。親メダカは卵も稚魚も食べてしまうため、同じ容器ではほとんど増えません。ここでも、安価なNVボックスを複数用意できることが効いてきます。
卵は水温にもよりますが10日前後で孵化します。孵化した針子は口が非常に小さいので、粉状の餌を少量ずつ、こまめに与えてください。
起きやすいトラブルと対処
屋外飼育ならではの問題があります。あらかじめ知っておけば、慌てずに済みます。

水が緑色になるのは植物プランクトンが増えた状態で、これはグリーンウォーターと呼ばれます。稚魚の餌になるため悪いことではありませんが、濃くなりすぎると夜間に酸欠を招きます。メダカが見えないほど濃くなったら、一部を換えて薄めてください。
蚊が湧くという心配もよく聞きますが、成魚がいる容器ではボウフラは食べられてしまうため、大きな問題にはなりません。むしろ良質な餌になります。ただし稚魚だけの容器や、メダカを入れていない容器では実際に蚊が発生するので注意してください。
鳥や猫に狙われることもあります。ネットやすのこを載せるだけでかなり防げます。
NVボックスやトロ舟に網をかけるとき、ずらされない留め方は、メダカの鳥・猫よけは、網か蓋かすだれかにまとめました。
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台帳でできることを、もう少し詳しく
他の容器との比較
NVボックスがすべての場面で最適というわけではありません。睡蓮鉢なら何匹か、号数から水の量を出す数え方は、睡蓮鉢の号数ごとに、メダカは何匹に書きました。

水量が多いほど、水質も水温も安定します。この一点だけを見れば、トロ舟や睡蓮鉢のほうが有利です。特に夏の高水温対策では、水量の差がそのまま安全性の差になります。
一方でNVボックスには、安い・軽い・重ねられる・数を揃えられるという明確な強みがあります。品種を分けたい、繁殖用に容器を増やしたい、シーズンオフには片付けたい——こうした運用ではNVボックスに軍配が上がります。
使い分けの考え方はシンプルです。数を増やして品種を管理したいならNVボックス、ひとつの容器を腰を据えて育てたいならトロ舟や睡蓮鉢。私も両方を使い分けています。
NVボックスの立ち上げ手順
最後に、実際に始めるときの手順をまとめます。

屋外飼育はろ過装置に頼らないぶん、水と生き物のバランスが立ち上がるまでに時間がかかります。水を張ってすぐにメダカを入れるのではなく、数日置いて水温をなじませ、水草を入れ、少数から始めて徐々に増やす。この段取りを守るだけで、初年度の失敗はかなり減らせます。
NVボックス本体とあると便利なもの
NVボックスは、収納用のコンテナとして売られています。アクアリウムの棚ではなく、日用品の売り場にあることが多いので、見つからないときは通販が早いです。
#13は約8〜10リットル、#22は約15〜18リットル。1匹あたり2リットルくらいで見ると、#13で4〜5匹、#22で7〜9匹が余裕をもって飼える数です。置き場所が許すなら、#22のほうが水温も水質も安定します。
ひとまわり大きい#22はこちらです。
NVボックスに限らず、屋外の飼い方をひととおり学びたい人には、屋外に特化した飼育本もあります。困ったときにページで引けるのは、検索とは別の速さです。
どこで見切るか|終わりの判断
線を決めておきます。
私の設備でも#13と#22の両方を使っています。数はこの記事の目安のとおりです。
#13で4〜5匹、#22で7〜9匹に収まっているなら、そのまま。13匹・22匹は上限で、適正ではありません。
夏に朝の水温と夕方の水温が大きく違うなら、置き場所か日よけ。浅い容器は水温が振れるので、数を減らすより先に、すだれと台。
冬は水深を深めに。足し水で水位を上げるだけで、変化がゆるやかになります。
水が濃い緑になって中が見えないなら、数か餌が多い。NVボックスはろ過が無いので、水草と微生物で保てる範囲に収める。
それでも振れるなら、容器を替える側へ。NVボックスがすべての場面で最適ではありません。深い容器のほうが向く場面があります。
NVボックスは、浅いフライパンと同じで、早く温まって早く冷めます。それを前提に置き場所を決めます。
よくある質問(FAQ)
Q. NVボックス13には何匹のメダカを飼えますか?
A. 余裕をもって4〜5匹くらいです。外寸は約435×287×145mmで、私のところでは溢れないよう8〜10Lで使っています。1匹あたり2リットルくらいという、ざっくりした目安から出した数字です。1リットルで飼っている人もいますが、ろ過装置のない屋外では泳ぐ余裕も要るので、少なめに見ています。13匹は上限であって適正数ではありません。
Q. NVボックス22には何匹飼えますか?
A. 7〜9匹くらいが目安です。私のところでは実用水量15〜18Lほどで、1匹あたり2リットルくらいで見ています。屋外飼育はろ過装置を使わないことが多いため、詰めすぎると夏場に酸欠と水質悪化を招きます。
Q. NVボックスはどこに置くのがよいですか?
A. 私のところでは半日陰に置いています。午前中は日が当たり、午後は日陰になる場所が扱いやすいです。浅い容器で水温が上がりやすいため、一日中直射日光が当たる場所は夏に危険です。地面に直置きせず、ブロックや台の上に置くと管理しやすくなります。
Q. NVボックスの水換えはどのくらいの頻度で行いますか?
A. 基本は蒸発した分を補う足し水です。汚れてきたと感じたら1/3程度の部分換水を、私のところでは月1〜2回行います。油膜が張る、においが出る、メダカが水面に集まるといったサインを目安にしてください。
Q. 冬のNVボックスはどう管理すればよいですか?
A. 水温が10℃を下回ったら、餌を与えず水換えもせず、そっとしておきます。メダカは冬眠に近い状態になり、これは正常な反応です。凍結が心配な地域では水深を深めに保ち、すだれや発泡スチロールで覆うと効果があります。
Q. NVボックスとトロ舟はどちらがよいですか?
A. 水量が多いトロ舟のほうが水質も水温も安定します。一方NVボックスは安価で軽く、重ねて保管でき、数を揃えやすいのが強みです。品種を分けて管理したいならNVボックス、ひとつを腰を据えて育てたいならトロ舟が向きます。
Q. NVボックスの水が緑色になりましたが問題ありますか?
A. グリーンウォーターと呼ばれる状態で、植物プランクトンが増えています。稚魚の餌になるため悪いことではありませんが、濃くなりすぎると夜間に酸欠を招きます。メダカが見えないほど濃くなったら一部を換えて薄めてください。
次に見るのは、ここ
1匹ではなく何匹も死んでいるならメダカが次々死ぬへ。孵ったばかりの針子を残したいなら針子の育て方へ。餌を選び直すならエサの選び方へ。ふるさと納税でメダカをもらうならふるさと納税のメダカへ。浅い容器で飛び出しが心配ならメダカの飛び出しへ。冬の保温を優先するなら発泡スチロールでの飼育へ。

