金魚の屋外飼育は、条件が揃っていれば毎日世話をしなくても保ちます。ただし「放置できるかどうか」は、どこに置くかでほとんど決まります。
いちばん良いのは、午前だけ日が当たり、午後は日陰になる場所です。一日中日が当たる場所に置くと、夏の水温が上がりすぎます。
屋外の容器はふたが無く外気とつながっているので、機器で下げようとしても効きません。置き場所を変えるほうが、はるかに確実です。
置き場所が決まったら、あとは水量・容器・水草・ふたの4つを整えるだけです。
容器は、どこに置けばよいのか

東側の軒下やベランダの奥が、この条件に当てはまります。午前の日で水温がゆっくり上がり、午後はいちばん暑い時間に日が入らない。金魚にとっても、水草にとっても無理がありません。
避けたいのは、遮るものが何も無い南向きの真ん中です。夏は朝から夕方まで日が当たり続けて、水温が35℃を超えます。容器が小さいほど上がり方が急で、朝と昼で10℃違うということも起こります。金魚は高い水温そのものより、この振れ幅で調子を崩します。
木の下も悪くありません。木漏れ日は直射日光ほど水温を上げず、夏のあいだは自然の日よけになります。ただし秋に落ち葉が入ります。落ち葉は沈んで腐り、水を傷めるので、この時期だけは網を掛けるか、毎日すくってください。
猫と鳥が来る場所かどうかも見ておきます。金魚は水面近くを泳ぐので、上から狙われます。一晩でいなくなっていた、という話は珍しくありません。
心当たりのある場所なら、ふたか網を掛けてください。トンボが卵を産みつけるのも防げます(ヤゴが出ると魚が減ります)。
金魚の屋外飼育は、どこまで放置できるのか


水の量がいちばん効きます。水が多いほど、水温も水質もゆっくりしか動きません。同じ日に同じ場所へ置いても、20リットルの容器と80リットルの容器では一日の水温の振れ方がまるで違います。
容器の材質も水温に効きます。トロ舟や発泡スチロールは熱を通しにくく、外気が動いても中の水はゆっくりしか追いかけません。逆にガラスの水槽や薄い樹脂の容器は、外の気温をそのまま伝えてしまいます。
水草は、酸素を出し、日を遮り、隠れ家にもなります。ホテイアオイや睡蓮のように水面に葉を広げるものは、夏の日よけとしてよく働きます。入れすぎると水面が全部ふさがって酸素が入らなくなるので、水面の半分から3分の2くらいで止めてください。
ふたか網は、外敵と落ち葉を止めるためのものです。密閉する必要はありません。目の細かい網を張っておけば、猫も鳥もトンボも入れず、風と光は通ります。
容器は、何をどれくらいの大きさで選ぶのか

トロ舟(プラ箱)がいちばん扱いやすいです。浅くて水面が広いので酸素が入りやすく、樹脂に厚みがあるので水温も動きにくい。値段のわりに水量が取れて、黒い色は金魚の色を濃く出す効果もあります。
大きさは60リットル以上をすすめます。40リットルでも飼えますが、夏の水温と冬の凍結でどうしても手がかかります。60リットルを超えたあたりから、目に見えて「放っておいても平気」に近づきます。
発泡スチロールの箱も選択肢です。断熱でいえばトロ舟より上で、冬の凍結にも夏の高水温にも強い。欠点は軽くて風で動くことと、数年で劣化して割れることです。大きい睡蓮鉢やタライでもかまいません。素材より、水量と置き場所のほうがずっと効きます。
屋外では、何匹まで飼えるのか

和金なら1匹あたり10リットルが目安です。60リットルで4〜5匹、80リットルで6〜7匹。琉金や出目金のように体が丸い品種は、同じ体長でも体積があるので、もう少し余裕を見てください。
この目安を超えると、水が傷むのが早くなります。早く傷めば水換えの回数が増え、結局「放置できる飼い方」から遠ざかります。数を増やしたいときは、匹数ではなく容器を増やすほうが楽です。
金魚は買ったときの大きさで止まりません。和金なら数年で15cmを超えます。いま小さいからと詰め込むと、1年後に容器が手狭になります。育ったあとの大きさで数を決めてください。
季節ごとに、何をすればよいのか

いちばん手がかかるのは夏です。水温が30℃を超えると水に溶ける酸素が減り、同時に水も傷みやすくなります。日を切るのがいちばん早く効く手当てで、簾や板を掛けるだけで数℃違います。
夏は餌も控えめにします。水温が高いと金魚の代謝は上がりますが、食べ残しが傷むのも早くなります。数分で食べきる量にとどめて、残ったら取り除いてください。鼻上げをしているときは、餌より先に酸素です。
冬は逆に、何もしないのが正解です。水温が10℃を下回ったら餌を止め、水換えもしません。金魚は底でじっとして冬を越します。心配になって餌をやると、消化できずに体を壊します。水温ごとの詳しい対応は金魚の水温は何度まで?にまとめました。
水面が凍っても、多くの場合は生きています。氷の下の水は4℃前後に保たれているからです。危ないのは底まで全部凍ることと、氷が水面をふさいで空気が入らなくなることの2つだけ。
氷は割らないでください。衝撃が水中に伝わって金魚に障ります。ぬるま湯を当てて穴を開けるのが正しいやり方です。
春と秋は、ほとんど何もしなくてかまいません。春は水温が10℃を超えたら少しずつ餌を戻し、秋は冬に入る前に体力をつけさせます。秋は落ち葉が入る時期でもあるので、網を掛けておくと楽です。
雨の日は、どうすればよいのか
軽い雨なら、そのままで問題ありません。雨が入ると水が薄まりますが、水量が多ければ影響は小さく、むしろ足し水の代わりになります。
注意が要るのは2つです。長雨で水があふれること、夕立で水温と水質が急に変わることです。あふれると金魚が一緒に流れ出ます。容器のふちより少し下に小さな穴を開けておけば、そこから先に抜けるので流出を防げます。
夕立は、冷たい雨が一気に入って水温を下げます。真夏の午後に5℃下がることもあります。ふたを半分掛けておくと、入る量が減って振れ幅が小さくなります。梅雨の時期は、掛けたままにしておくほうが安心です。
屋外の水換えは、どれくらいの頻度でよいのか
水量が多く水草が入っていれば、2週間から1か月に1度、3分の1ほどで足ります。屋内の水槽ほど頻繁にやる必要はありません。屋外は水量が多く、日が当たって植物性のプランクトンが働くので、水そのものが安定しやすいためです。
目安は水の色と匂いです。薄い緑色は問題ありません。むしろ良い状態です。茶色く濁ってきたら、あるいは近づいて嫌な匂いがしたら換えてください。底に食べ残しや糞がたまっているのも合図です。
冬は換えません。金魚が動かない時期に水を動かすと、それだけで体力を削ります。減ったぶんを足すだけにしてください。水換えをしないとどうなるかは金魚の水換えをしないとどうなる?に書いています。
→ 水温が動く日を前もって知り、手当てした日を残す
そのまま使ってみる(無料・登録は30秒)
放置と言っても、何を見ればよいのか
餌をやるときに数を数える。これだけで足ります。数が合わないなら、猫か鳥か、あるいはどこかで落ちています。毎日でなくても、2日か3日に一度で構いません。
あわせて泳ぎ方を見ます。水面で口をぱくぱくさせていたら酸素が足りていません。底でじっとしたまま動かない個体がいたら、水温が低い時期なら正常ですが、夏なら不調です。動かない金魚の見分けは金魚は寝る?横になって動かないのはを見てください。
餌を食べなくなったときは、まず水温を測ってください。15℃を下回れば食べないのが普通です。水温が十分にあるのに食べないなら、水質か病気を疑います(金魚がエサを食べない・吐き出す原因と対処法)。
よくある質問
金魚の屋外飼育は、放置でも大丈夫ですか。
条件が揃っていれば、毎日世話をしなくても保ちます。水量が多いこと、熱を通しにくい容器であること、水草が入っていること、ふたか網が掛かっていること。
この4つです。ただし完全に放っておくことはできません。夏の高水温、冬の凍結、餌切れ、猫や鳥は、放置すると命に関わります。
屋外の容器は、どこに置くのがよいですか。
午前だけ日が当たり、午後は日陰になる場所です。東側の軒下やベランダの奥がこれにあたります。
一日中日が当たる場所は夏に水温が上がりすぎ、一日中日陰の場所は水草が育たず、金魚の色も上がりません。木の下も木漏れ日が入るので悪くありませんが、落ち葉が入ります。
屋外飼育にエアレーションは必要ですか。
水量が多く、水草が入っていれば要りません。水面が広い容器なら、そこから酸素が溶け込みます。必要になるのは、夏に水温が30℃を超える日と、容器に対して数が多すぎるときです。鼻上げをしていたら足してください。
冬は屋外でそのまま越冬できますか。
できます。金魚はもともと日本の池で冬を越してきた魚です。水温が10℃を下回ったら餌を止め、水換えもしません。水面が凍っても、底の水は4℃前後に保たれています。
危ないのは底まで全部凍ることと、氷が水面をふさぐことの2つだけです。氷は割らず、ぬるま湯を当てて穴を開けてください。
雨の日は、どうすればいいですか。
軽い雨なら気にしなくてかまいません。注意が要るのは、長雨で水があふれるときと、夕立で水温と水質が急に変わるときです。容器のふちに近いところに小さな穴を開けておくと、あふれる前にそこから抜けて金魚が流れ出ません。
屋外で金魚を何匹まで飼えますか。
和金なら1匹あたり10リットルが目安です。60リットルの容器で4〜5匹、80リットルで6〜7匹。琉金や出目金のような丸い体型はもう少し要ります。詰め込むと水が傷むのが早くなり、結局こまめな世話が必要になって「放置」から遠ざかります。
金魚の屋外飼育に、ヒーターやクーラーは効きますか。
ほとんど効きません。屋外の容器はふたが無く外気とつながっているので、温めても冷やしても、そばから熱が逃げます。
外気を相手にすることになるので、電気代の割に水温が動きません。屋外で効くのは、水量を増やすこと、断熱性のある容器にすること、日を切ること、置き場所を選ぶことです。
まとめ
金魚の屋外飼育で放置できるかどうかは、置き場所でほとんど決まります。午前だけ日が当たり、午後は日陰になる場所。それだけで夏のいちばん危ない時間をやり過ごせます。
あとは水量・容器・水草・ふたの4つです。60リットル以上のトロ舟に、水面の半分ほど水草を浮かべ、目の細かい網を掛ける。これで、毎日つきっきりにならなくても保ちます。
手がかかるのは夏と冬だけ。夏は日を切って餌を控え、冬は餌を止めて何もしない。春と秋はほとんど何もしなくてかまいません。屋外飼育は、正しく置けばいちばん楽な飼い方です。
あわせて読みたい:金魚の世話
水温ごとの対応は金魚の水温は何度まで?、動かない金魚が心配なときは金魚は寝る?、水換えの考え方は金魚の水換えをしないとどうなる?へ。

