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金魚の水換えをしないとどうなる?何日目に何が起きるかで見る

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水槽で泳ぐ赤い和金。水換えをしないとどうなるかを解説する記事のアイキャッチ 金魚

水換えをしばらくサボっている。でも金魚は元気に泳いでいるし、水も見た感じは普通。このまま大丈夫だろうか。

見た目が普通なうちは、まだ何も起きていないわけではありません。順番として、数値のほうが先に動いて、見た目は最後に変わります。

水換えをしないと何日目に何が起きるのかを順を追って説明します。そのうえで、自分の水槽に合った頻度の決め方と、しばらくサボってしまった後の戻し方まで書きます。

水槽で泳ぐ赤い和金
元気に泳いでいるように見えても、水質は行動より先に動いている。
  • 見た目が普通でも、数値のほうが先に動く。金魚の行動のほうが濁りより早く教えてくれる
  • 1週間で餌の食いが落ち、2〜3週間で濁って臭い、1ヶ月で底からじっと動かなくなる
  • 「金魚は熱帯魚の2〜3倍汚す」に根拠は見つからない。金魚はむしろアンモニアには強い部類
  • 汚れやすいのは胃がないから。食べた分が消化しきれずにそのまま出ていく
  • 頻度は水量と餌の量で決まる。各社の推奨がバラバラなのは前提が違うだけ
  • サボった後に一気に全部換えるのが、いちばん危ない。1回4分の1で数日かけて戻す
  • 「水換えのしすぎでバクテリアが減る」は疑わしい。細菌は水中ではなくろ材に住んでいる

水換えをしないと、何日目に何が起きるか

金魚の水換えをしないとどうなるか。1週間・2〜3週間・1か月で水と金魚がどう変わるか
濁りが見えるころには、すでに2〜3週間たっている。先に変わるのは餌の食いのほう。

「水が汚れて金魚が弱ります」とだけ書かれても、いま自分がどのあたりにいるのかは分かりません。時間を追って見ていきます。

金魚の水換えをしないとどうなる|水換えをしないと、こう変わる。見た目に出るころには、水質はとっくに悪くなっている。数値のほうが先に動く
見た目に出るころには、水質はとっくに悪くなっている。数値のほうが先に動く。

最初の数日は、見た目にはまったく変化がありません。ただし水の中では、魚が出したアンモニアが少しずつ溜まりはじめています。ろ過が効いていれば分解されますが、餌の量が多ければ追いつきません。

一週間ほどで、水がうっすら黄色を帯びてきます。ここで多くの人が気づかないのですが、金魚のほうには先に変化が出ています。餌の食いつきが落ちる、水面近くにいる時間が増える。こうした行動の変化が最初のサインです。

二週間から三週間になると、濁りと臭いがはっきりしてきます。この段階では、水面で口をぱくぱくさせる姿が見られるようになります。酸素が足りないというより、エラがやられて酸素をうまく取り込めなくなっている状態です。

一ヶ月を超えると、水が緑に濁り、金魚は底でじっとして動かなくなります。ここまで来ると、水を換えること自体が危険になります。理由はあとで詳しく説明しますが、放置した水と新しい水の差が開きすぎているためです。

見た目より先に、金魚のほうが教えてくれる

水換えの必要性を見た目で判断しようとすると、どうしても遅れます。透明でも危ない水はありますし、逆に少し濁っていても魚が平気なこともあります。濁りは汚れそのものではなく、汚れの結果として遅れて現れるからです。

金魚の水換えをしないとどうなる|水が悪くなってきたサイン。見た目に出るのは、いちばん最後。だから測るか、行動を見るほうが早い
見た目に出るのは、いちばん最後。だから測るか、行動を見るほうが早い。
複数の金魚が泳ぐ水槽
同じ水量でも、匹数が増えれば汚れる速さは上がる。頻度は水と魚の釣り合いで決まる。

いちばん確実なのは測ることですが、毎回試薬を出すのは続きません。日々の判断は金魚の行動を見て、迷ったときや調子が悪そうなときだけ測る、という使い分けが現実的です。続けられるやり方でないと意味がありません。

金魚が水を汚しやすいのは本当か

「金魚は熱帯魚の2〜3倍汚す」という説明をよく見かけます。ただ、この数字の出どころを探しても、元になる研究が見つかりません。海外の専門誌にはむしろ、金魚だけが特別に有害な物質を出すわけではない、という指摘もあります。

意外に思われるかもしれませんが、金魚はアンモニアに対してはかなり強い部類です。実験で調べられた耐性は、コイやマスより高いという結果が出ています。

では、なぜ金魚の水は汚れやすいと言われるのか。理由は毒への弱さではなく、体の作りと食べ方にあります。

金魚が水を汚しやすい理由。胃を持たない魚なので、一度にたくさん与えると消化しきれずに出ていく
胃を持たない魚なので、一度にたくさん与えると消化しきれずに出ていく。

金魚には胃がありません。食べたものを一度ためて消化する場所がなく、口から入ったものが腸を通ってそのまま出ていきます。だから一度にたくさん与えると、消化しきれないまま水に戻ることになります。

実際に測った例があります。国内の教育系の学会誌に載った実験では、キンギョ20匹を250mLの水に10分入れただけで、アンモニアが1.5mg/L以上まで上がったと報告されています。もちろんこれは極端に狭い条件での実験ですが、金魚が水にアンモニアを出す速さは実感より速い、ということは言えます。

そして金魚はよく食べ、大きく育ちます。同じ水量なら、体が大きいほど出る量も増える。これが「汚しやすい」の正体です。毒に弱いのではなく、量が多いのです。

「週に1回」がバラバラな理由

水換えの頻度を調べると、書いてあることが違います。月に2〜3回と書く会社もあれば、2週間に1回と書く会社もあり、週1回と書く団体もあります。

金魚の水換えをしないとどうなる|「正しい頻度」が人によって違う。どれも間違いではない。前提にしている水量・匹数・餌の量が違うだけ
どれも間違いではない。前提にしている水量・匹数・餌の量が違うだけ。

これは誰かが間違っているわけではありません。前提にしている水量・匹数・餌の量が違うだけです。だから、どれかの数字をそのまま自分に当てはめても合いません。

自分の水槽で決めるには

汚れの量は、突きつめれば餌の量で決まります。魚が出すものは、食べたものからしか出てこないからです。

餌の量の目安は、水温20℃以上なら金魚の体重の1.5パーセントくらいが1日分とされています。10グラムの金魚が3匹なら、合わせて30グラムの1.5パーセントで、1日0.45グラム。耳かき数杯ぶんです。

ここから考え方は単純になります。同じ餌の量なら、水が多いほど薄まるので頻度は下がり、水が少ないほど頻度は上がります。20リットル以下の小さな水槽なら3〜4日に1回、60リットルあれば1〜2週間に1回、というのはこの計算から出てくる目安です。

迷ったら、餌を減らすほうが先です。餌を減らせば汚れも減り、水換えの回数も減ります。金魚は数日食べなくても弱りません。

サボってしまった後、どう戻すか

旅行で一週間空けた。忙しくて一ヶ月ほったらかしにした。ここからどう戻すかは、実はいちばん事故が起きやすい場面です。

やってはいけないのは、慌てて全部の水を換えることです。良かれと思ってやる人がいちばん多く、そしていちばん金魚を落とす行為でもあります。

金魚の水換えをしないとどうなる|サボった後の、戻し方。放置した水と新しい水は、水質がまるで違う。近づけるように少しずつ換える
放置した水と新しい水は、水質がまるで違う。近づけるように少しずつ換える。

長く放置した水は、新しい水とは別物になっています。アンモニアも硝酸塩も溜まり、pHも下がっている。そこへきれいな水をどっと入れると、金魚は水質が急に変わる衝撃を受けます。弱っている魚ほど、これに耐えられません。

正しい戻し方は、1回に4分の1程度にとどめて、数日から一週間かけて何回かに分けることです。毎日少しずつ換えれば、金魚は変化に慣れながらついてこられます。

同時に、餌を数日止めてください。汚れの供給を断つほうが、水を換えるより早く効きます。それから、ろ材の掃除はこのときにやらないこと。水換えと同時にやると、水質の変化と処理能力の低下が重なります。

水換えのしすぎは、本当に害なのか

「水換えをしすぎるとバクテリアが減る」「pHが急に変わってショックを起こす」。この二つはよく言われますが、どちらも言われているほど単純ではありません。

まずバクテリアですが、硝化細菌は水の中を漂っているのではなく、ろ材や砂利、水槽の内側の表面に貼りついて暮らしています。だから水を抜いても、細菌の大半はそのまま残ります。水換えでバクテリアが激減するというのは、実際の住み場所と合っていません。

pHの急変のほうは、私は数字で語れません。飼育の世界では「わずかな差でショック死する」と言われますが、それを確かめた実験を見つけられませんでした。書けるのは、落差が小さいほど安全だという方向だけです。

ただし、水換えを雑にやっていいという話ではありません。問題は変化の大きさそのものではなく、古い水と新しい水の落差です。長く放置した水槽ほど、この落差が大きくなります。だから、こまめに換えている水槽ほど1回の水換えは安全で、サボった水槽ほど危ないという逆転が起きます。

結論として、頻繁な水換え自体は害になりません。害になるのは、放置した後の一気の水換えのほうです。

水換えのやり方

手順そのものは単純です。押さえるところは四つだけで、換える量、水温、塩素、そして底の掃除。この四つを外さなければ、金魚に負担をかけずに換えられます。

金魚の水換えをしないとどうなる|水換えのやり方。ろ材は同時に洗わない。洗うなら別の日に、飼育水で軽くすすぐ程度
ろ材は同時に洗わない。洗うなら別の日に、飼育水で軽くすすぐ程度。

水道水をそのまま足すのは避けてください。塩素は金魚だけでなく、ろ材に住みついた細菌にも効いてしまいます。バケツに汲んで一日置くか、中和剤を使います。

水温は、元の水と2℃差くらいまでに合わせます。急に下げるほど危険になります。淡水魚の稚魚と幼魚を調べた研究では、下げ幅を4℃から10℃まで変えたところ、10℃下げたときにいちばん多く死に、泳ぐ力も落ちました。成魚はもう少し耐えますが、免疫が落ちて体表の粘液が失われることは確かめられているので、白点病や尾ぐされ病を呼び込みます。

水を抜くときは、底に溜まったフンや食べ残しを吸い出しながら抜くと効率がいいです。汚れの発生源そのものが減るので、次の水換えまでの間隔を延ばせます。

今換えるべきかどうかを数値で決めたいなら、硝酸塩を測るのがいちばん分かりやすい指標です。硝酸塩は硝化サイクルの終点で、水換えでしか減らせないので、溜まり具合がそのまま「換えどき」を教えてくれます。

水槽の中で口を開ける金魚の接写
水面で口をぱくぱくさせるのは、酸素が薄いというよりエラがやられているサイン。

水換えの回数を減らしたいなら

ここまで読んで、それでも面倒だと感じたなら、水換えを減らす方向の工夫もあります。餌を控えめにする、水量を増やす、ろ過を強くする。どれも汚れの供給を減らすか、処理能力を上げるかのどちらかです。

もう一歩進んだやり方として、水槽の上で野菜を育てて、その根に硝酸塩を吸わせる方法があります。うまく釣り合えば水換えはほとんど要らなくなります。ただし成り立つ条件があるので、アクアポニックスは水換え不要?成り立つ条件と、必要になるときにまとめてあります。

どの方法をとるにしても、測るのをやめてはいけません。手間を減らすことと、見ないことは別です。

よくある質問(FAQ)

Q. 水換えを1ヶ月していません。今すぐ全部換えたほうがいいですか?

A. 全部は換えないでください。長く放置した水は新しい水と水質がまるで違うので、一気に換えると金魚が変化に耐えられません。1回に4分の1程度にとどめて、数日から一週間かけて何回かに分けてください。同時に餌を数日止めると、汚れの供給が減って戻りが早くなります。ろ材の掃除はこのときに一緒にやらないことです。

Q. 金魚は他の魚より水を汚しやすいのですか?

A. よく「熱帯魚の2〜3倍」と言われますが、この数字の元になる研究は見つかりません。むしろ金魚はアンモニアに対しては強い部類で、コイやマスより耐性が高いという実験結果があります。汚れやすい理由は毒への弱さではなく、胃がないので食べた分が消化しきれずに出ていくことと、よく食べて大きく育つことです。

Q. 水換えの頻度は結局どれくらいが正解ですか?

A. 水量と餌の量で決まるので、一律の正解はありません。目安は20リットル以下の小さな水槽で3〜4日に1回、60リットルあれば1〜2週間に1回、いずれも3分の1程度です。メーカーによって推奨がばらつくのは、前提にしている水量や匹数が違うためです。迷ったら、頻度を上げるより先に餌を減らしてください。

Q. 水換えをしすぎるとバクテリアが減って逆効果と聞きました。

A. 硝化細菌は水の中を漂っているのではなく、ろ材や砂利、水槽の内側の表面に貼りついています。だから水を抜いても細菌の大半は残ります。むしろ危ないのは、長く放置した後の一気の水換えのほうです。こまめに換えている水槽ほど、1回あたりの水質の落差が小さく安全になります。

Q. 新しい水の温度は、どれくらい合わせればいいですか?

A. 2℃差くらいまでに近づけてください。下げ幅が大きいほど危険です。淡水魚の稚魚と幼魚では、10℃下げたときにいちばん多く死んだという報告があります。成魚はもう少し耐えますが、免疫が落ちて体表の粘液が失われるので、白点病や尾ぐされ病を呼び込みます。

Q. 水が白く濁ってきました。水換えすれば直りますか?

A. 白い濁りは細菌が急に増えたときに出るもので、多くは餌の与えすぎか、ろ材を洗った直後に起きます。水換えで薄めることはできますが、原因を断たないとまた濁ります。まず餌を減らして、数日様子を見てください。緑の濁りは別の原因で、光と栄養が余っているときに藻が増えたものです。

Q. 金魚が水面で口をぱくぱくさせています。酸素不足ですか?

A. 酸素が薄いこともありますが、水換えをしていない水槽では、アンモニアや亜硝酸でエラがやられて酸素を取り込めなくなっている場合が多いです。エアレーションを足しても改善しないなら、そちらを疑ってください。餌を止めて、少しずつ水を換えるのが先です。

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この記事を書いた人
鷲林寺アクアファーム(兵庫県西宮市)

植木屋として5年、アクアリウムは10年。2021年から、義理の祖母が守ってきた農地を休耕地にしないためにアクアポニックスを始め、一人で続けています。書いているのは、その農場で実際に起きたことと、確かめられた範囲のことだけです。

農場見学は全国から受け入れてきました(現在は休止中)。ラジオ関西「羽川英樹 ハッスル!」、雑誌「Mer」などの取材を受けています。
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