PR

【完全版】自宅で繁殖!アクアポニックスでの【ティラピア飼育法】

当サイトではアフィリエイト広告を利用しています。

当サイトではアフィリエイト広告を利用しています。

網に入ったティラピア。ティラピアの飼育法を解説する記事のアイキャッチ アクアポニックス

アクアポニックスで魚を育てるなら、ぜひ候補に入れたいのがティラピアです。成長が早く、丈夫で、何でもよく食べる——初心者でも扱いやすく、しかも自宅で繁殖まで狙える魚です。

ティラピアは国際連合食糧農業機関(FAO)が重要なタンパク源として取り上げてきた魚で、繁殖が容易で成長が早い温水魚として紹介されています(調理科学の講座記事)。

押さえるところは「大きめの水槽・しっかりしたろ過・25〜30℃の水温」の3つです。この基本さえ押さえれば、魚のフンで野菜も育つアクアポニックスの主役として長く活躍してくれます。

繁殖のやり方は少し変わっています。メスが卵を口の中に入れて守る「口内保育」で、自宅の水槽でもそのまま見られます。

育ったティラピア
ティラピアは成長が早く丈夫で、雑食性でよく食べる魚。アクアポニックスと相性が良く、初心者にも育てやすい魚です。
ティラピアの飼い方のグラレコ。押さえるのは大きめの水槽・ろ過装置・水温計25〜30℃の3つだけ。よく食べて早く育ちアクアポニックスの主役向き。熱帯の魚なので冬は加温が必須。卵は口の中で守り、稚魚は親と分けて別の容器で育てる
押さえるのは3つ。冬の加温だけは外せない。
この記事の結論(要点)
  • 押さえるのは大きめの水槽・しっかりしたろ過・25〜30℃の水温の3つだけです。
  • ティラピアは成長が早く、丈夫で、何でもよく食べます。アクアポニックスの主役向きの魚です。
  • 繁殖は口の中で卵を守る、少し変わったやり方をします。狙うなら本文の手順で。
  • 冬の加温にお金と手間をかけられない人には、向きません。
  • 迷ったら、メダカか金魚から。加温が要る魚は、慣れてからで遅くありません。

ティラピアってどんな魚?

ティラピアは「イズミダイ」の名でも知られる淡水魚で、温暖な地域で広く養殖されている食用魚です。最大の魅力は成長の早さと丈夫さ。多少の水質変化にも強く、雑食性で何でも食べるため、飼育の手間が比較的少なくて済みます。適切な環境なら30〜40cmほどまで大きくなるので、成長を見越して余裕のある設備を用意しておくのがポイントです。

ティラピアの飼育環境を整える

ティラピアを健康に育てる第一歩は、飼育環境づくりです。おさえるべき基本は次の4つです。

【完全版】自宅で繁殖!アクアポニックスでの【ティラピア飼育法】|ティラピア飼育・4つの基本環境。ティラピアは丈夫ですが大食漢で水を汚しやすい魚。水量・酸素・ろ過・水温の4点を整えれば安定して育ちます
ティラピアは丈夫ですが大食漢で水を汚しやすい魚。水量・酸素・ろ過・水温の4点を整えれば安定して育ちます。

まず水槽は大きめを用意します。よく育つ魚なので、目安として1匹あたり最低10リットルは確保したいところ。よく食べてよく汚す魚でもあるので、生物ろ過のしっかりしたフィルターで水質を保ち、エアーポンプとエアストーンでの酸素供給も欠かせません。水量・酸素・ろ過・水温、この4点を最初に整えておけば、あとの管理がぐっとラクになります。

餌の与え方

ティラピアは雑食性で、何でもよく食べます。だからこそ、栄養バランスを意識した与え方が大切です。

【完全版】自宅で繁殖!アクアポニックスでの【ティラピア飼育法】|ティラピアは何を食べる?(雑食性)。ティラピアは何でもよく食べる雑食性。主食はペレットにし、生餌や野菜を補助的に与えるとバランスよく育ちます
ティラピアは何でもよく食べる雑食性。主食はペレットにし、生餌や野菜を補助的に与えるとバランスよく育ちます。

主食には高タンパクで栄養バランスの良いティラピア専用ペレットを選ぶのが基本です。これに、冷凍アカムシやミジンコなどの生餌を成長促進のために、レタスやほうれん草を細かく刻んだ野菜を補助的に加えると、バランスよく育ちます。餌は1日2回、数分で食べ切る量が目安。与えすぎは食べ残しやフンを増やし、水質悪化の原因になるので注意しましょう。

餌に群がるティラピア
雑食で食欲旺盛なティラピア。よく食べるぶん水も汚しやすいので、餌の量とろ過のバランスが大切です。

水温管理|熱帯魚なので冬の加温は必須

ティラピアは熱帯魚なので、低水温が苦手です。適温を保つことが、健康に育てる最大のカギになります。

【完全版】自宅で繁殖!アクアポニックスでの【ティラピア飼育法】|ティラピアの適水温(熱帯魚・寒さに弱い)。ティラピアは25〜30℃でよく育つ熱帯魚。日本の冬は水温が下がりすぎるため、ヒーターでの加温がほぼ必須です
ティラピアは25〜30℃でよく育つ熱帯魚。日本の冬は水温が下がりすぎるため、ヒーターでの加温がほぼ必須です。

最適な水温は25〜30℃。日本の冬は水温が大きく下がるため、水槽用ヒーターでの加温がほぼ必須です。逆に真夏は水温が上がりすぎることがあるので、水槽用クーラーや冷却ファンで30℃を超えさせないようにします。水温計をつけて、季節を通じて一定に保つことを意識しましょう。

ティラピアの繁殖方法|口内保育がユニーク

ティラピアの口内保育の図解イラスト。メスが口の中に飴色の卵をふくんで守っている。頭の部分を断面にして、口の中の卵が見えるように描いた図鑑ふうの挿絵
卵はメスの口の中で孵化を待つ。これが口内保育。

ティラピアは比較的かんたんに繁殖できるのも大きな魅力です。しかもその繁殖方法がとてもユニーク。メスが卵と稚魚を口の中で守り育てる「マウスブルーダー(口内保育)」という習性を持っています。

【完全版】自宅で繁殖!アクアポニックスでの【ティラピア飼育法】|ティラピアの繁殖の流れ。ティラピアはメスが卵と稚魚を口の中で守る「マウスブルーダー」。生存率が高く、条件が整えば自宅でも繁殖できます
ティラピアはメスが卵と稚魚を口の中で守る「マウスブルーダー」。生存率が高く、条件が整えば自宅でも繁殖できます。

繁殖には50〜100リットルほどの繁殖用水槽を別に用意するのが理想です。石や人工物で隠れ家を作り、メスが安心して産卵できる環境にします。掃除のしやすさを優先して、底砂を敷かないベアタンクにすることも多いです。

流れとしては、まずオスとメスをペアにすると、オスが体色を鮮やかにして巣を作ります。メスが巣に卵を産み、オスが受精させると、メスは受精卵を口の中に含んで保護10〜14日ほど口内で守り、孵化した稚魚も、しばらくは危険を感じるとメスの口の中に隠れながら育ちます。この手厚い子育てのおかげで、ティラピアは生存率が高く、条件が整えば自宅でも殖やせます。

雌雄(オス・メス)の見分け方

繁殖を成功させるには、正確に雌雄を見分けることが欠かせません。いちばんわかりやすいのは体色で、オスは繁殖期になるとヒレや体の一部が赤や青に色づき、鮮やかになります。より確実なのは腹部の生殖突起を見る方法で、オスは穴が1つ(尿と精子で兼用)、メスは産卵孔と排泄孔で穴が2つに見えます。

ティラピアの雌雄の見分け
繁殖期のオスは体色が鮮やかになります。より確実には、腹部の生殖突起の形(穴の数)で見分けられます。

稚魚の育て方

生まれた稚魚は水質の変化に敏感なので、ていねいなケアが必要です。餌は稚魚用の細かいものや砕いたペレットを、少量ずつ頻繁に与えます。水質は常に清潔に保ち、こまめな水換えを心がけましょう。成長期には栄養価の高い餌を与えて、しっかり大きく育てます。

健康な稚魚から始めたい場合は、生体を購入してスタートするのが確実です。

安定飼育のカギは「水質管理」

ティラピアはよく食べてよく汚す魚なので、水質管理がいちばんの生命線です。アンモニアや亜硝酸が溜まっていないか、水質検査キットで定期的に確認しておくと、トラブルを未然に防げます。アクアポニックスでは魚の状態が野菜の育ちにも直結するので、なおさら水質のチェックが重要です。

くわしい水質管理のコツはアクアポニックスで失敗する原因は水質管理、夏場の酸欠対策は夏の酸欠対策|アクアポニックスの溶存酸素が減る仕組みとエアレーションの正解にまとめています。

アクアポニックスでティラピアを育てる

ティラピアは、魚のフンを養分に野菜を育てるアクアポニックスととても相性の良い魚です。丈夫で成長が早く、大きく育つぶん餌もよく食べるので、野菜を育てる養分(フン)もしっかり供給してくれます。専用のキットを使えば、水槽と栽培槽が一体になっているので手軽に始められます。

アクアポニックスの仕組みや始め方はメダカで野菜を育てるアクアポニックス3種類のシステム比較もあわせてどうぞ。

アクアポニックスは資本がある人のものだと思われがちですが、個人でも始められます。設備にいくら掛かったのか、どこでつまずいて、どう直したのか。鷲林寺アクアファームの実践の記録をnoteに書いています。見学に来られた方はのべ100人を超えました。
→ 個人で始めたアクアポニックスの費用と失敗をnoteで読む

次に見るのは、ここ

水質の数字の見方を知りたいなら水質管理の基本へ。夏に魚が水面で口を動かすなら夏の酸欠対策へ。方式を決めるなら3方式の比較へ。培地を決めるなら培地は何を使うかへ。

どこで見切るか|終わりの判断

線を決めておきます。

私の設備でもティラピアを飼ったことがあります。丈夫でよく食べ、早く育つのは本当です。うまくいかなかった側の話は、noteに書いています。

25〜30℃を通年で保てないなら、ティラピアは選ばない。熱帯の魚で、冬は加温が必須です。

保てるなら、水槽・ろ過・水温の3つだけ揃えて始める。丈夫でよく食べ、早く育つ。

水が濁る、においがする日が続いたら、餌を減らしてろ過を見る。よく食べてよく汚す魚なので、水質が生命線です。

繁殖を狙うなら、口の中に卵が見えたら親を分けない。親が口で守ります。稚魚が出てきてから、稚魚だけを別容器へ。

放流は絶対にしない。外来種です。飼えなくなったら、譲る先を探す側へ。

ティラピアは、燃費の悪い大型車と同じで、走る力はあるが、餌と水質の手当てが多い。

よくある質問(FAQ)

Q. ティラピアの飼育は初心者でもできますか?

A. できます。ティラピアは丈夫で雑食性、成長も早いため、比較的育てやすい魚です。大きめの水槽・しっかりしたろ過・25〜30℃の水温という基本を整えれば、初心者でもアクアポニックスで飼育・繁殖まで狙えます。

Q. ティラピアの適切な水温は何度ですか?

A. 最適な水温は25〜30℃です。熱帯魚なので低水温に弱く、日本の冬はヒーターでの加温がほぼ必須です。夏は30℃を超えないよう、クーラーや冷却ファンで管理します。

Q. ティラピアはどれくらい大きくなりますか?

A. 適切な環境では30〜40cmほどまで成長します。かなりのスペースが必要になるため、最初から大きめの水槽(1匹あたり最低10リットルが目安)を用意しておくと安心です。

Q. ティラピアの繁殖は難しいですか?

A. 比較的かんたんです。ティラピアはメスが卵と稚魚を口の中で守る「口内保育(マウスブルーダー)」を行うため生存率が高く、水温を保ちペアと隠れ家を用意すれば、自宅でも繁殖を狙えます。口内保育の期間は10〜14日ほどです。

Q. ティラピアのオスとメスはどう見分けますか?

A. 繁殖期のオスは体色が鮮やかに色づきます。より確実には腹部の生殖突起を見る方法があり、オスは穴が1つ、メスは産卵孔と排泄孔で穴が2つに見えます。

この記事を書いた人
鷲林寺アクアファーム(兵庫県西宮市)

植木屋として5年、アクアリウムは10年。2021年から、義理の祖母が守ってきた農地を休耕地にしないためにアクアポニックスを始め、一人で続けています。書いているのは、その農場で実際に起きたことと、確かめられた範囲のことだけです。

農場見学は全国から受け入れてきました(現在は休止中)。ラジオ関西「羽川英樹 ハッスル!」、雑誌「Mer」などの取材を受けています。
プロフィール農場見学メディア実績お問い合わせ

この記事の図解は、出典にリンクを付けていただければご自由にお使いいただけます(学校の教材・自由研究も可)。